介護施設内に設置した防犯・監視カメラなどの映像は、利用者の個人情報に該当し、映像の内容によってはプライバシーを侵害する可能性があると指摘されています。
そのような問題を解決するため、富士通は新しい監視システム技術を開発しました。
将来的には、介護施設や医療施設などで活用が想定されているとのことです。
富士通は今月6日、「ミリ波センサーで取得される粒度の粗い点群データから人の姿勢を高精度に推定する」という新技術を開発したと発表。介護施設や医療施設などで新しい監視システムとしての活用が想定されています。
※点群データとは、点の集まりで構成されるデータのこと。無数の点が集まると画像として認識できます。
これまでの監視システムは、ビデオカメラと画像認識処理の組み合わせたものが一般的。鮮明な映像が記録されることから、利用者のプライバシーや心理的抵抗感の問題が生じると指摘されていました。
一方、ミリ波センサーでは人物から反射して得られる点群データに基づく処理となります。そのためビデオカメラの映像とは異なり、個人識別はもちろん性別や年齢などもほぼ判別不能に。指摘されているプライバシー侵害の懸念は低くなるそうです。
また現状では、個室内にいる一人の対象者を見守る前提で開発されていますが、技術開発によって数人程度が集まる環境に対応できる可能性もあるそうです。
さらに今後の取り組みとして、病院や介護施設での実証実験を行い、2023年度中のサービス化を目指しています。
防犯や虐待防止の措置として、監視カメラを設置する病院、介護施設も増えてきました。しかし安全のためとは言え、カメラを設置するという対応が、利用者本人や家族の中には「プライバシーの保護を無視されているように感じる」と言う人がいることも事実です。
そのような声を受けて、一部の自治体では防犯カメラの設置や運用に関するガイドラインを作成しているところもあるようです。
施設と利用者、家族のどちらもが安心安全に過ごせるような新しい監視システムの開発に期待したいですね。
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