新型コロナウイルスの感染拡大など、外出の自粛ムードのある昨今ですが、あまりにも外出を控えてしまうと身体機能が落ちるリスクがあることがわかっています。
特に高齢者は、身体機能の低下が日常生活に悪影響が出て要介護状態になってしまうこともあるので要注意。感染対策をしつつも、外出するなどして活動量を維持することが推奨されています。
そうした高齢者の活動量と外出の関係について、大阪公立大学などが詳細な調査を実施。それによると、活動量が多い高齢者は外出時間の長さよりも外出先の数が多いことがわかったそうです。
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大阪公立大学大学院と富山県立大学による研究グループが、高齢者の活動量と外出の関係についての調査結果を明らかにしました。
この調査は、平均年齢73.1歳の高齢者133人を対象におこなわれたもの。14日間にわたって位置情報や身体活動量を機械で測定し、外出行動パターンと身体活動量の関係を分析しました。
その結果、参加者の1日の平均外出時間は3.5時間、滞在地点数は2.5ヵ所だったそう。外出時間と滞在地点数のいずれも多いほど多い、という相関関係があることがわかりました。
しかし、歩数や身体活動レベルといった身体活動量には滞在地点数のみが関係しており、外出時間は明確な関連がなかったとのこと。具体的には、滞在地点が1ヵ所増えるごとに歩数が1324歩も増えていました。
今回の研究結果から研究グループは、高齢者の健康づくりには外出の呼びかけだけではなく、外出の目的地を増やすことが重要、と述べています。
高齢者の健康づくりの一環として、「介護予防教室」「高齢者サロン」などのイベントが地域で開催されています。こうしたものも有効かもしれませんが、今回の実験結果を考慮するとまちづくりの一貫として高齢者の外出支援をするのもひとつの方法かもしれません。
というのも、今回の調査で日常生活で自動車を運転する人の割合は9割以上であることがわかりました。つまり、運転免許を返納した高齢者は移動手段がなくなり、外出する機会が極端に減ってしまうおそれがあるのです。
そのため、高齢者の移動手段の確保も大きな問題。高齢者向けイベントをおこなうだけでなく、自動車でなくても外出しやすいまちづくりも高齢者の健康づくりには重要なのではないでしょうか。
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