糖尿病の人が心筋梗塞や狭心症などの発作を起こすと、糖尿病のない人に比べ、心不全とその後の死亡のリスクが高くなるという調査結果が、欧州心臓病学会(ESC)学術集会で発表されました。
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心臓発作は、心臓の筋肉に血液をおくっている冠動脈に異常が起こり、血流が途絶えたことで十分な酸素を供給できなくなり引き起こされます。心臓発作は生命に重大な危険をおよぼす状態であり、高齢者に多いですが若年層でも起こることがあります。
心臓発作の原因は、心臓の筋肉の機能は完全には低下していないが、心臓への血のめぐりが悪くなることで起こる狭心症、冠動脈がさらに完全につまったり細くなったりして、心臓の筋肉細胞が死んでしまい機能が低下する心筋梗塞、さらには不整脈による心停止などがあります。
フランスのパリ-ジョルジュ ポンピドゥー欧州病院のニコラ ダンチン教授は、健康的な食事により肥満や過体重を避け、運動を生活の中に取り入れることでより良い生活スタイルに変えていくことが重要としています。
「心臓発作を起こした患者で糖尿病が多いことは、ほとんどの心臓専門医の共通認識であり、今回の調査でも一致していた」とダンチン教授は言います。
今回の調査で、心筋梗塞で入院したときに糖尿病の人の32%が心不全を発症したのに対し、糖尿病ではない人では17%となり、糖尿病の人は心不全を発症するリスクが56%高いことが判明しました。
また、心臓発作を経験し生き延びた人では、糖尿病の人の5.1%が翌年に非致死性の心不全で入院したのに対し、糖尿病でない人で入院したのは1.8%にとどまり、糖尿病の人は心不全の危険性が高いことが示されました。
さらに、心臓発作を経験した1年後に心不全で入院した患者の56%がその後の4年間に死亡したのに対して、心不全のない患者で死亡したのは21%でした。
心不全により5年間での死亡の危険性は73%上昇。危険性の増加は、特に薬による治療を必要としている糖尿病患者でとくに顕著であることも分かりました。
このように、糖尿病は心臓発作を起こしやすくするだけでなく心臓病の症状も悪化させることがわかりました。生活習慣を改善していくことで病気の危険性を抑えることができますので検討してみてはいかがでしょうか。
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