高齢者が長い間元気に過ごすためにも、転倒は避けたいところ。転倒によって入院した高齢者は体力も落ちやすく、より一層転倒を防ぐことが大切です。
そこで、大阪市立大学が転倒防止指導に関する研究を実施。「自宅見取り図」を利用した転倒防止指導が、リスク軽減につながる可能性があるという結果を発表しました。
高齢者は大きな骨がもろくなっており、転倒するだけで骨折してしまうことも。さらに骨折してしまうと、治るのに時間がかかり、今まで自立して生活できたのが、介助が必要になってしまったりすることも考えられます。
つまり転倒を予防することで、高齢者が介助を必要とせずに元気に生活できる期間が伸びるのです。
10月20日、整形外科疾患で入院している65歳以上の高齢者60人を対象に、大阪市立大学が研究をおこないました。
まず、通常のリハビリのみをしたグループと、通常のリハビリに合わせて退院するときに転倒予防の指導をしたグループに分けました。
この転倒予防の指導とは、患者に描かせた自宅の見取り図を用いて、転倒リスクが高い場所の改善方法を伝えることです。
その後、追跡調査をすると、一般的なリハビリをしたグループでは2ヵ月で7.7%の人が転倒したのに対し、自宅の見取り図上で転倒指導をしたグループでは転倒者はいなかったのです。
しかし、2ヵ月を過ぎると転倒指導をしたグループでも転倒者が出てきて、両グループの間に差はほとんど見られませんでした。
このことから、自宅見取り図を用いた転倒予防の指導は、短期的な効果が期待できることが分かっています。ただ、2ヵ月以上の効果は確認できなかったことから、さらなる施策を打つ必要がありそうです。
この研究をリードした大阪市立大学は、「早い段階の退院を余儀なくされる人が増えており、退院した人の再転倒防止が早急の課題だ」としています。
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