家族の身の回りの世話や介護をしている「ヤングケアラー」と呼ばれる子どもたちについて、茨城県が実態調査を実施しました。
その結果、ヤングケアラーが抱えている問題や葛藤が見えてきたのです。
ヤングケアラーの実態調査の概要は以下のとおりです。
調査に回答した約3万2000人のうち、「世話をしている家族がいる」と回答した人は1460人でした。
このうち中学生や全日制の高校生では、世話をしている家族がいる人は全体の5%未満ですが、通信制や定時制の高校生は全体の10%前後と、ヤングケアラーの割合が高いことが明らかになりました。
今回の調査の中で、世話をしている家族がいる子どものうち、「父母を世話している」と回答した子どもは、中学生や全日制の高校生で約20%、通信制や定時制の高校生は約30%でした。
世話を必要としている家族が「母親」と答えた人に、母親の状況を尋ねると「精神疾患の疑いがある」と回答した人の割合が高いことが判明。また通信制の高校生の中では、「母親が認知症になっている」という回答も目立ちました。
次に、世話を必要としている家族が「父親」と答えた人に、父親の状況を尋ねました。すると、母親に比べて「依存症の疑いがある」と回答した人が多いことが明らかになったのです。
また「家族にどんな世話をしているか」という問いでは、世話を必要としている人が父親でも母親でも「食事の準備や掃除、洗濯などの家事をしている」という回答が最多でした。
さらに「家族の世話をしていることを誰かに相談したことがあるか」と尋ねたところ、「相談したことがある」と回答した人は、いずれの学校に通っている子どもたちの中でも30%未満だったのです。
相談しない理由を尋ねると、「相談するほどの悩みではないから」と回答した人が最多。その一方で、「家族のことのため話しにくい」と回答した人や「相談しても状況が変わるとは思えない」と回答した人も一定数いることが明らかになりました。
最後に「学校や大人に助けてほしいことは何か」と尋ねました。「特になし」という回答が大半ですが、「自由に使える時間がほしい」という回答や「今の状況について話を聞いてほしい」という回答も目立ちます。
周囲の大人たちは子どもたちの様子を観察し、何か困っている様子があれば手を差し伸べることが大切ですね。
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