新たな研究で、ペットを5年以上飼っている65歳以上の高齢者は、飼っていない人に比べて、記憶力などの認知能力が高いことが明らかになりました。
この研究はミシガン大学が主導する研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Aging and Health」という学術誌に掲載されています。
ミシガン大学で神経学を研究しているティファニー・J・ブラリー准教授は、過去にミシガン大学がおこなった、高齢化によるアメリカ社会への影響を調査した「健康と引退に関する研究」を解析することにしました。
「健康と引退に関する研究」は以下の要領で実施されました。
「健康と引退に関する研究」では、「現在ペットを飼っているか」「どのくらいの期間ペットを飼っているか」などペットに関する質問もあったそうです。
今回ブラリー氏がおこなった研究は、「健康と引退に関する研究」の中の2012~2016年の結果を分析したものです。
2012年に実施された「健康と引退に関する研究」では、対象者のうち47%が「ペットを飼っている」と回答しました。その時点でペットを飼っている期間を尋ねたところ、「1~5年」と回答した人が19%、「5年以上」と回答した人が28%でした。
ブラリー氏は、「健康と引退に関する研究」で判明した、ペットを飼っている人とペットを飼っていない人の認知テストの結果を比較。すると、5年以上長期にわたってペットを飼っている人はそうでない人に比べて認知能力が優れていることが明らかになったのです。特に、言葉を思い出す言語記憶の領域が顕著でした。
この結果を踏まえ、研究グループは「継続的にペットを飼っている人は、言葉を思い出す能力が高いことがわかった」と述べています。
しかし、なぜペットを飼うと認知能力が上がるのかというメカニズムについては今後の研究を待たなければならないとしています。
家にペットがいると、雰囲気が明るくなり家族や周りの人とペットに関する会話も生まれそうです。もしかしたら、そうしたペットを通じたコミュニケーションが言葉を思い出す能力につながっているのかもしれませんね。
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