わがままな父親の介護が限界!イライラしたときのストレス解消法を教えてください

わがままな父親の介護が限界!イライラしたときのストレス解消法を教えてください

更新日 2024/03/18
同居する父の介護をしています。食事を用意しても「固い」「味が薄い」と文句を言って食べなかったり、トイレに失敗した服を片付けずにそのままにしていたりと、とにかくわがまままでイライラします。

このままだと、介護のストレスでどうにかなってしまいそうです。介護のストレスを軽減するような方法はないでしょうか?

(久保田さん・パート・62歳)

介護のストレスを溜めすい人は、頑張りすぎてしまったり、1人で抱え込んでしまう傾向があります。なので、ご家族やご友人、ケアマネジャーなどに愚痴を聞いてもらったりして、ストレスを吐き出す機会を作りましょう。

また、介護サービスを積極的に利用して自分の時間を作り、趣味を楽しんだり旅行に行ったりと、リフレッシュする機会も大切にしてください。

介護のストレスを軽くする方法は?

同居している父の介護をしているのですが、とてもわがままで困っています。やわらかい食事を出しているのにそれでも「固い」とか、濃い味が好きなので「味が薄くてまずい」と言って食べないんです。

それに最近はトイレに間に合わないことも増えてきて、汚れた服を脱ぎ捨てておくのもストレスです。ちょっとでも指摘するとものすごい勢いで怒鳴りだすし…。

こんな毎日なので、常にイライラしています。何か介護のストレスを軽くする方法はありませんか?

介護は精神的にも身体的にも負担が大きいので、ストレスが溜まりますよね…。

だからこそ、ストレスを溜めにくい心構えを身につけ、介護サービスを上手く組み合わせて介護にのぞむことで介護のイライラが軽減できることがあります。

介護のストレスを溜めにくい「心構え」と介護サービスの上手い使い方について、順番にお話ししていきますね。

ストレスを溜めにくい心構えとは

介護をするのに「心構え」が必要なんですか?

何も、特別なことが必要なわけではありません。ただ、この心構えを身につけるだけで精神的な負担が減ると思います。

その心構えというのは、以下のようなことです。

  • 頑張りすぎない
  • 弱音を吐く
  • 自分の時間を作る
  • 介護の知識を身に付ける

「頑張りすぎない」ってどういうことですか?頑張らないと介護はできないですよ。

頑張ること自体はとても大切なことです。でも、介護をする人が自分を犠牲にしてまで頑張りすぎてしまうのはよくありません。

「自分がやらないと」と1人で抱えこんでしまうと、介護する人が体調を崩してしまって「共倒れ」になりかねません。あくまでも、「自分ができる範囲で頑張る」という気持ちで介護をすることが重要です。

あー、なるほど。どうしても父と私の二人暮らしなので、「私がやらないと」と思ってしまっていました。

少し離れたところに住む弟もたまに手伝ってくれますが、あまり頼っていませんでしたね…。

そうですね、誰かに頼ることは大切です。特にご家族は直接関係することですし、お父様の状況の共有もかねて弟さんに愚痴を言ったり弱音を吐くのもストレスを溜めないようにするのに良い手だと思います。

その他にも、担当のケアマネジャーさんに今困っていることやストレスに感じていることを素直に伝えてください。ケアマネジャーさんも久保田さんの状況を考慮したケアプランを組み直してくれるはずですよ。

ケアマネジャーさんに、介護の愚痴を言ったことはありませんでした。そういうことも言って良いんですね。

もちろんです。ケアマネジャーさんは、お父様の状況だけでなくご家族の状況も考えながらケアプランを作成するのが仕事です。なので、久保田さんが現状のままだと苦しいのであれば、よく話を聞いたうえでケアプランを組み直してくれるでしょう。

それに、介護のストレスを軽減するには、自分の時間を作ることも重要です。ケアマネジャーさんに介護サービスを活用して久保田さんの時間を確保できるように相談してみるのも良いかもしれませんよ。

自分の時間なんて、介護が始まってからまったくありませんでした。ずっと父の介護のことを考えて生活してきたので…。

介護サービスを利用して時間に余裕が出てきたら、介護について勉強してみるのはどうでしょうか?

在宅介護をする人の多くが知識がまったくない状態で介護が始まります。しかし、何も知識がないままに介護をすると、手間取ったり間違った方法で介助をしたりして、非効率になってしまいますよね。

そのため、勉強をして介護を効率化すると、時間的にも身体的にも余裕が生まれてストレスが軽くなりますよ。

介護のスキルを身に付けよう

日常的に介護をしていると、被介護者を抱きかかえたり、起こしたりする場面が多くあります。大人一人を抱きかかえるのは腰や膝に負担がかかり、体力的にも厳しい作業です。


「どんな態勢なら被介護者が違和感なく移動できるか」「どのように体を動かせば介護者の身体の負担を減らせるか」といった介護におけるスキルを身につけておけば、おむつ替えや着替え、排泄介助や入浴介助が楽になります。


自治体や地域によっては、家族向けの介護教室や、初めて介護する人向けのイベントなどが開催されることもあるので確認しましょう

介護サービスを活用しよう

もうひとつのストレスを軽減させる方法が、介護サービスを利用することです。

お父様は、今は介護サービスを利用していますか?

えーと、ベッドの横に置く手すりをレンタルしているくらいですね。

そうなんですね。でしたら、もっと他の在宅介護サービスを利用すると、介護が楽になると思いますよ!

在宅介護サービスって、よくわからないんですよね…。例えばどんなサービスがあるんですか?

主な在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。

こんなにたくさんあるなんて知りませんでした。どのサービスを使ったら良いんでしょう?

先ほどもお話ししたように、久保田さんのご自身の時間を作るのであれば、デイサービスやショートステイを利用すると良いかもしれません。

デイサービスは、日帰りで介護施設を利用するサービス。だいだい9~17時でサービスを提供しており、昼食や入浴介助、レクリエーションをおこなっています。

デイサービスとは

デイサービスとは、施設に入居することなく、自宅から通所しリハビリテーションや介護サービスを受けることで、高齢者のQOL(クオリティ オブ ライフ)の向上を目指す施設です。


デイサービスを利用する場合は施設から車で自宅まで迎えにきてくれるので、歩行に自信がない方でも利用できます。


ただし、施設の送迎範囲が決まっているので、その範囲外の場合はその施設をその施設の利用はできません。基本的にデイサービスは地域住民のためのサービスという特徴があるからです。


デイサービスでは、介護職員や理学療法士、看護師などの専門スタッフがサービスを提供。決められた時間に高齢者の機能訓練や集団でのレクリエーションなどを担当します。


自宅にこもりがちになる高齢者にとっては、外部との交流が持てることも嬉しいポイントです。

へぇ!お昼を食べさせてくれてお風呂も入れてくれるんですね。食事の支度と入浴の介助がとても負担が大きいので、とても助かります!

デイサービスは日中だけですが、ショートステイは1~30日の宿泊ができるサービスです。もちろん、宿泊している間の食事や入浴などの身の回りのお世話はすべて介護施設にお任せです。

特にショートステイは、ご家族が留守にして家に介護する人がいなくなる場合や、ご家族が介護を休んでリフレッシュするために活用されることが多いサービスです。何年も介護をしているご家庭では定期的にショートステイを利用して、ご家族の”介護休み”を作っていることもあるんですよ。

えぇ!?介護休みなんて作って良いんですね!

もちろんです!在宅介護を長く続けるためには、きちんと休むことも大切ですから。ショートステイを使って、旅行に行っていることもあるようですね。

…ただ、万が一、お父様の状態が進行して、在宅介護ではどうしても厳しくなる可能性もあります。そうしたときは、無理せずに介護施設に入居することも検討してくださいね。

施設ですか…。まだまだ父は元気なので、考えられないですが…。

それはそうですよね。もしかしたら、必要になるときが来るかもしれないので、介護施設についてもお話ししておきます。

主な介護施設には、以下のようなものがあります。

特別養護老人ホームって「特養」と呼ばれている施設ですか?名前だけ聞いたことがあります。

そうです!その特養と、老人保健施設…「老健」は公的な介護施設です。そのため、費用が安いのが魅力ですが、その分、人気なのですぐには入居ができないことが多いのがネックです。

また、特養の入所条件は要介護3以上で、介護度が重い人しか入居できないんですね。

うちの父は要介護1です。なのでまだまだ入れないですね…。今は施設に入らなくても大丈夫ですが、いざ入所させたいと思ってもすぐには入れないのは困りますね。

おっしゃる通りなんですよね…。

なので、特養を待つ間に「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」などの民間施設に一時的に入居する人も少なくありません。「在宅介護はできない状態なのに特養は100人待ち」なんてことは珍しくないので、1年以上も民間施設に入って順番待ちするケースもあるんですよ。

サービス付き高齢者向け住宅とは

サービス付き高齢者向け住宅とは、基本的に介護の必要性がない自立している高齢者のための住まいです。


また、介護が必要になった場合は、訪問介護事業所など外部サービスとの契約をすることで必要な分だけのサービスを受けることができます。


最近では、サービス面や設備面などを充実している住まいも増え、選べる住まいの幅が広がっています。「まだ元気でご飯も自分で作っているが、将来的に心配だから安心して生活できる住まいに入居したい!」とのことであれば入居に関して検討していきたいですね。

1年以上も!?特養ってそんなに人気なんですね。

はい。やはり民間施設となると、特養よりは料金が高い傾向がありますから、特養に入居希望者が集中することがほとんどです。

なので、すぐに介護施設に入りたい場合は、民間施設を選ぶことをおすすめします。

ストレスを溜め続けると「介護うつ」に?

ここまで、介護のストレスを軽減する方法についてお話ししてきました。

介護をしているとどうしてもストレスが溜まってしまいがちですが、それをそのままにしておくと「介護うつ」になってしまう可能性があるので、ご自分の体調には気をつけてくださいね。

「介護うつ」ですか。介護が原因のうつ病ということでしょうか?

その通りです。先ほどもお話ししたように、ストレスを溜めやすい人は「自分が頑張らないと」と抱え込んでしまいます。なので、自分の心身の調子が悪くてもそのままにして、介護を優先してしまうんですね。そうすると、状態がどんどん悪化して介護うつになってしまうんです。

介護うつを発症すると、以前のように戻るにはかなり時間がかかります。長期にわたって治療が必要になることも。となると、介護が原因でその後の生活が壊れてしまう可能性すらあるんですよ。

えっ!そうなんですね。介護うつになると、どんな状態になってしまうんでしょうか?

介護うつの症状には以下のようなものがあります。

  • 疲労感・倦怠感
  • 睡眠障害
  • 不安感・焦燥感
  • 思考障害
  • 食欲不振

父の介護に加えて仕事もしているので、身体の疲労感や倦怠感は常にありますが…。ああ、あと少し睡眠不足はあります。父の介護をしていると、その他の家事が終わらなくて睡眠時間が確保できていないんですよね。

でも、他の項目には該当していないので、介護うつではないと思います。

それなら良かったです。ただ、お疲れのようなので、ゆっくりと休んでくださいね。

もし今後、「趣味や好きなことをしていても楽しめない」「何を食べてもおいしく感じない」といった状態になったら、危険サインです。介護うつを発症している可能性がありますから、すぐに病院に行ってくださいね。

介護は心身共に負担の大きいものです。なので、介護サービスを利用したり、周囲の人に頼ったりして「頑張りすぎない」介護を目指して少しでも負担を少なくしていきましょう。

  • 介護を1人で抱え込まずに周囲に相談してストレスを溜めにくい介護を
  • 介護サービスを積極的に活用して、自分の時間を確保するのが大切
  • ストレスを溜め続けると「介護うつ」になってしまうかも

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