一般的に老人ホームに入居するには1ヵ月程度かかります。中には1週間程度で入れることもありますが、かなり珍しいケースです。そのため、まずは入院期間の延長ができないか、病院のソーシャルワーカーさんに相談してみることをおすすめします。
老人ホームの中でも早く入居しやすいのは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設。特別養護老人ホームなどの公的な施設だと入居待ちが発生していることが多いので、民間施設を中心に施設探しをしてみてください。
父が3日後に退院することになりました。でも、骨折したことがきっかけで車いすが必要になったので、自宅では介護できません!
すぐにでも入居できる老人ホームはないでしょうか?
うーん、残念ですが、3日で入居できる老人ホームはほとんどありません。必要書類をそろえたり施設との面談などがあるので、一般的には1ヵ月ほどかかります。
施設側が迅速に対応してくれたとしても、1週間はかかってしまいますね…。
そんな!私は仕事もあるし、家では車いすを使えないし、父を連れ帰っても介護はできないんです。どうにかなりませんか?
秋山さん、落ち着いてください。まずは、病院のソーシャルワーカーさんに相談してみましょう。病院も帰る場所が決まっていない患者さんを放り出すようなことはしませんから、自宅では介護できないことや施設探しに時間がかかることなどを伝えて、入院期間を延ばしてもらうように相談してください。
そうして、病院との相談と並行して、お父様が入居できる施設を探していきましょう。
退院日の延長なんてできるんですね!ソーシャルワーカーさんにお願いしてみます。
退院までに少しは余裕ができそうなので、安心しました。…でも、介護施設ってたくさんあってよくわからないんですよね。何が違うんでしょうか?
介護施設ってたくさんの種類があるので、ややこしいですよね。まずは、おおまかに介護施設について把握しておくと、施設選びの迷いが少なくなりますよ。
介護施設で主なものには、以下のようなものがあります。
他にも介護施設はありますが、入居の条件が厳しいものもあるので比較的入居しやすい施設をリストアップしました。
介護施設について、詳しく知りたい場合は以下の記事で解説されていますので参考にしてみてください。
なるべく早く入居したいので、入りやすい施設が良いです。
この5種類の施設の中でも、民間施設が比較的に入居しやすいです。具体的には有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅ですね。
特養や老健などの公的施設は、費用が安いため大変人気があって入居の順番待ちをしないといけません。ほとんどの施設ですぐに入居はできないと考えた方が良いでしょう。対して、民間施設は空室があることが多いですし、希望の施設が満室でも系列の別の施設に入居できることがあります。
なので、急ぎの施設入居の場合は有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった民間の施設を中心に探すのがおすすめです
やっぱり、民間施設は公的施設よりも費用が高くなるんでしょうか?たくさんお金を出せるわけでもないので…。
そうですね。民間施設の方が料金が高い傾向があります。
もし費用がかさむのを避けたければ、特養に入居待ちの申し込みをしておいて民間施設に入って順番を待つのもひとつの手。特養の順番待ちの間だけ入居することは珍しくなく、民間施設も慣れているので大丈夫ですよ。
とにかく父がすぐに入れる施設を見つけないといけないので、民間施設を中心に探してみます。…でも、何から始めたら良いんでしょうか?
では、はじめに施設探しの流れを確認してみましょうか。施設探しは以下のような流れで進めていきます。
ただ、今回はとても急ぎで入居する施設を決めなければいけません。なので、ネットなどで施設をいくつか絞り込んだら、施設に直接問い合わせて見学する方がスピーディーに決まるでしょう。
資料を取り寄せなくても良いんですか?
はい。見学に行く方がたくさん情報が手に入りますから。入居まで時間がある場合は、資料を見比べながらじっくり検討できますが、今回はすぐにでも見学の予約を取ってください。
それと、急いでいると言っても、1ヵ所だけではなくて2~3ヵ所は施設の見学をしてくださいね。
えっ、1ヵ所だけじゃダメなんですか。そんな急に仕事の都合がつくかな…。
厳しいことを言いますが、施設探しはお父様の新しい住まいを探しているんです。今後のお父様の生活に大きく影響することですから、なんとか時間を作って施設見学に行ってください。
複数の施設を比較することでお父様に本当に優先するべき条件が見えてきたり、サービスの違いを理解できたりしますよ。入居を急いでいると言っても、入居してから後悔するような選択をしたくないですもんね。
施設の見学については、以下の質問でもお答えしています。ぜひ参考にしてくださいね。
そうですよね…。職場に相談してみます。
見学に行って良い施設だと思ったら入居の意思を伝えて、お父様と施設担当者の面談がおこなわれます。この面談でお父様の心身の状態を確認して、受け入れができるかを判断しているんです。
受け入れが可能だったら、契約をしてようやく入居できます。
入居までにいろいろとやらないといけないことが多いんですね…。これじゃあ、3日で入居できないわけだ。
おっしゃる通りです。手間はかかりますが、入居する人の安心安全な生活のためなのでしょうがないですよね。
ここまで、介護施設や施設探しの流れについてお話ししてきました。秋山さんのお父様の場合、本当に急いで入居しないといけないので、施設探しの裏ワザもお伝えしましょう!
裏ワザですか?教えてください!
一つ目は、「診療情報提供書」を事前に作成しておくことです。
診療情報提供書は既往歴などをまとめたもので、老人ホームに入居するときに必要な書類です。この書類の作成には1週間かかることもあります。理想を言えば、退院時期がわかる前に作成をしておいて、施設にすぐに提出できるようにしておけると良いですね。
この書類作成に時間がかかるので、今すぐにでも病院に作成を依頼してください。
退院日がわかる前にできることがあったんだ…。すぐに病院に連絡します。
二つ目は、退院日までに入居施設が見つからなかったり、入居手続きが間に合わないときの裏ワザです。
具体的には、ショートステイや体験入居を利用すること。ショートステイは老人ホームやショートステイ専用の施設で1日から宿泊できるサービスです。体験入居は、老人ホームにだいたい7日間までお試しで入居できるサービス。ショートステイや体験入居を正式な入居までの期間の”つなぎ”として利用するわけですね。
へー!一時的に父を預かってくれるサービスがあるんですね。
それにショートステイであれば、最大30日連続で利用可能です。ショートステイの空室状況にもよりますが、ショートステイを利用している間にじっくり施設探しをするのもアリなんじゃないでしょうか?
そんな方法が!それだったら腰を据えて施設探しができそうです。
施設探しをしていると、介護施設がたくさんあってどうやって選べば良いかわからなくなることもあると思います。そういうときに「いい介護 入居相談室」にご連絡いただければ、介護施設の知識が豊富な入居相談員がお父様にぴったりの施設をお探ししますよ。
急いでいても、後悔だけはしないような施設を見つけてくださいね。
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