『なぜ、人は病気になるのか?』─「すべての病の根本原因から治療し、“未病”に至る道」に効く1冊

『なぜ、人は病気になるのか?』─「すべての病の根本原因から治療し、“未病”に至る道」に効く1冊

更新日 2023/04/21

なぜ、人は病気になるのか? バカのふりして聞いたところで、この質問に明確な答えを持っている人は、病気の専門家の医師でさえいないだろう。

だがもし、その疑問に対する明確な答えがあるとすれば、人は病気にならずに済むことになる。なぜなら、「病気はこういう原因で起こる」ということがわかれば、その原因をなくすことで人は病気にならずに安心して暮らしていけるからである。

ありがたいことに本書は、医師である寺田武史氏が全身全霊をかけて病気の「根本原因」を探り、そのメカニズムをくわしく解説してくれる本なのである。

病気を未然に防ぐために今、知っておかねばならないこととは? その貴重な知見の一部をレビューしていこう。

なぜ、人は病気になるのか?

  • 著者:寺田武史
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 定価:1580円(税別)
  • ボブ的オススメ度:★★★☆☆

「病気」と「病気でない」の間にはグラデーションがある

著者の寺田武史氏は、消化器外科医として10年間、大学病院に勤務してがんの手術を手掛けていた医師。その後、大学病院を離れ、開業医をしていた父のクリニックを引き継ぐ形で開業医になったという。

外科医だったころの寺田氏は「外科医こそが患者さんの命を救う」と使命感を持っていたそうだが、最新、最善、最良の手術、治療をしたのに病気を繰り返してしまう患者をみているうちに、だんだんと失意を感じるようになったという。

その失意が「なぜ、人は病気になるのか?」という問いに寺田氏を向かわせた。

予防医学などの文献や論文をむさぼり読み、玄米菜食、ファスティング(断食)、低糖質タンパク食、ビーガン食など、健康に良さそうなものを実践しながらたどりついたのが、分子栄養学という学問だったという。

そこで寺田氏は、次のような結論に達する。引用しよう。

現代医学の基礎理論である西洋医学の世界では、端的にいうと「正常」と「異常」の2つの概念しかありません。たとえ目の前の患者さんが辛い症状を訴えていたとしても、検査データや画像の所見で異常がなければ「あなたは正常です」ということになります。

ただ、現実には画像でも数値でもとらえられない「異常」があるものです。「病気」と「病気でない」の間には明確な境界線があるのではなく、グラデーションで連続的につながっています。

その中間点を「未病」といい、そこから「病気」に至る道を断ってしまえば、人は病気を克服することができる。寺田氏の考えをシンプルに説明すれば、そういうことになる。

病気はズバリ、「副腎疲労」から来る

では、「未病」はどうして「病気」に至るのか? 寺田氏はズバリ、「副腎疲労」が原因であると断言する。

副腎とは、腎臓の上に位置する直径3センチほどの三角形の臓器だが、さまざまなホルモンを分泌し、心身のバランスを維持しているという。

なかでも重要なのが「コルチゾール」というストレスホルモンで、血糖を上昇させる、筋肉中のタンパク質の分解を促進させる、脂肪組織で脂肪の分解を促進させる、炎症を抑えて免疫のはたらきを抑制する、1日の活動リズムを整えるといった重要な働きをしている。

で、このコルチゾールの供給バランスが乱れるとき、「未病」は「病気」に至るのだという。

わかりやすい。非常に明確な説明だ。寺田氏はさらに、このコルチゾールの乱れが起こる根本原因を次の5つに断定している。

  • 慢性炎症
  • 低血糖
  • 睡眠不足
  • ストレス
  • 運動不足

この5つの根本原因から治療してしまえば、「病気」はつねに「未病」のままでいられるのだ。

5つの根本原因に対処すれば病気は必ず防げる

根本原因のひとつ目の「慢性炎症」について、寺田氏は次のように説明している。

炎症は、身体の機能としてなくてはならないものです。知覚できる発熱や痛みがあることで、私たちは初めて身体の不調を感じることができます。炎症は、身体の不調を伝えるサインなのです。

しかし、それらの急性炎症が鎮まっているにもかかわらず、私たちの体の中では、知覚できないレベルで炎症がずっと起こり続けていることがあります。じわじわと炎症を繰り返しているうちに、知らない間に体の不調が進行していくのです。これが「慢性炎症」といわれるものです。

そして「慢性炎症」は、具体的には上喉頭炎、歯周病、脂肪肝、腸内環境の乱れ、肥満、うつ、老化、不眠など、実に幅広い症状をもたらすのだという。

持続する炎症を止めるには、ブレーキ役となる栄養素、具体的にはエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といった抗炎症性脂質や、ベルビリン、ケルセチン、クルクミンといった抗炎症性ハーブ、そしてビタミンDを摂取することが有効だ。

次にふたつ目の根本原因である「低血糖」は、すべての病気の根源といってもいいくらい、病気のリスクが高い症状だと寺田氏は指摘する。

膵臓(すいぞう)の老化や肥満などによってインスリンを分泌する能力が衰えると、食後に血糖値が乱高下する「血糖値スパイク」が起こる。

インスリンの分泌量が減ったり、分泌するタイミングが遅くなったりして血糖値が激しく上下するのだが、これをコルチゾールやアドレナリンを分泌して安定させようとするのが先に述べた「副腎」だ。血糖値スパイクは、5つの根本原因の元となる「副腎疲労」に直結する。

また、低血糖はミトコンドリアの機能障害の原因にもつながっている。ミトコンドリアは人体を形成している約37兆個の細胞のなかにある細胞小器官のひとつで、「アデノシン三リン酸(ATP)」という高エネルギー物質を産生していて、寺田氏によれば、人間の生命維持に欠かせない「エネルギー産生工場」なのだという。

ミトコンドリアの機能障害によって起こる症状は、実に幅広い。

疲れやすい。風邪をひきやすい。むくみがある。便秘や下痢。吐き気。食欲不振。動悸・息切れ。頭痛。冷え性。月経異常。神経過敏。イライラ。髪が抜けやすい。立ちくらみ。めまい。肩こり。腰痛。背中の痛み。などなど…。

これらの症状は、医学的には「不定愁訴」と呼ばれるものだが、誰もが何度も経験していることなのではないか。

病気の根本原因の後半3つ、「睡眠不足」「ストレス」「運動不足」についてはわかりやすい自覚症状があるので、多くの人がその弊害に気づいているだろう。

本書ではその弊害を、身体の機能を詳しく説明しながら理屈立てていく。

「睡眠不足は慢性炎症を引き起こし、インスリン抵抗性があがって糖尿病リスクを高める」とか、「ストレスは脳のエネルギー(ATP)消費を高めてミトコンドリア機能障害につながる」とか、「運動はインスリン抵抗性を改善し、ミトコンドリアを増やし、自律神経のバランスを整えるはたらきがある」などと説明されると、ウンウンとうなずきながら納得するしかない。

特に、これらの説明が「慢性炎症」「インスリン抵抗性」「ATP」「ミトコンドリア」といった共通のキーワードでからみ合っているところが興味深かった。

なぜ病気になるのか?という疑問に全力でぶつかった寺田氏に感謝!

さて、5つの「根本原因」を防ぐ手段として、寺田氏が推奨しているのは「腸内環境を整える」ということと、「肝臓デトックス」だ。

腸の働きについて、寺田氏はこう説明している。

実は、腸は「第二の脳」とも呼ばれ、独自の神経ネットワークを持っており、脳からの指令がなくても独立して活動することができます。脳からのシグナルを待つことなく、消化・吸収や排泄といった機能を果たしています。また、近年の研究では、脳と腸が互いに情報を伝達し合い、双方向で作用しあう関係にあることがわかってきました。人間にとって重要な2つの臓器、脳と腸が密接に影響を及ぼしあうことを「腸脳関係」といいます。

そして、腸内環境を改善する方法として、寺田氏は「アルコールやカフェイン、精製糖質、精製穀物(小麦粉/グルテン)などを過剰に摂取しない」「化学物質、排気ガス、タバコ、食品添加物などの毒素を身体に入れない」「精神的ストレスをためない」などの方法を提案している。

次に「肝臓デトックス(解毒)」は、腸内環境と連携しながら病気を防ぐ「最後の砦」だと寺田氏は指摘する。

肝臓は、有害物質を解毒するだけでなく、脂質代謝や糖代謝、免疫のコントロールなどに欠かせない胆汁酸を産生し、低血糖を抑えるエネルギー代謝機能を持っているからだ。

最終章のタイトルは、「『5つの根本原因』は食事から予防・改善しよう」となっていて、「運動」「睡眠」の改善とともに「食事」の3本柱を掲げて病気を防ぐ方法を説明している。

その内容は実際に本書を読んでいただくとして、最後に「あとがき」で述べている寺田氏の説明を紹介しよう。

もう一度お話させていただければ、私は、アトピー性皮膚炎も、甲状腺機能低下症も、過敏性腸症候群も、線維筋痛症も、頭痛も、風邪も、うつも、ADHDも、自閉症も、そしてがんも、病気の原因は「慢性炎症」「腸内環境の乱れ」そして「デトックス機能の低下」の3つと考えています。

そして、その慢性炎症を引き起こすものが「運動不足」であり、「ストレス」であり、「睡眠不足」で、もちろん感染症も忘れてはいけません。そもそも食生活が乱れていれば血糖のコントロールはうまくいかず、「低血糖」を引き起こします。全ての「病気」はこの5つの根本原因から始まるのです。

寺田氏が医師として、このようなことを語るのは、実は大変な勇気を要したのではないか?

「なぜ、人は病気になるのか?」という問いへの模範解答は何かといえば、「医者は病気を治療するのが仕事ですから、そんな質問に答える義務はありません」と多くの医師が答えるだろう。

その意味でわれわれ読者は、寺田氏の言い出しっぺの決断に、最大限の感謝を捧げなければならないのではないか。

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