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『患者が知らない開業医の本音』─「クリニックの裏事情を知る」に効く1冊

元医者、あるいは現役医師という経歴を持つ作家は多い。なぜか? 医者の書いた本は、売れるからである。 この本の著者の松永氏も、本書を含めて12冊の本を書いていて、これまで『運命の子・トリソミー』(小学館)で第20回小学館ノンフィクション大賞、『発達障害に生まれて』(中央公論新社)で第8回日本医学ジャーナリスト協会賞・大賞を受賞している、実力派の作家だ。 それ故だろうか、文章はよくこなれていて読みやすく、「開業医の本音」という話の内容もすこぶるおもしろい。文章のみで人を笑わせたり、泣かせたりするのは至難の業だが、この人はゴーストライターの手を借りたりせず、それをこなしているのである。これはすごい。 『患者が知らない開業医の本音』 著者:松永正訓 発行:新潮新書 定価:800円(税別) ボブ的オススメ度:★★★★☆ エリート医師が出世の道を外れて「開業医」になった理由とは? 松永氏が開業医になった動機は、実は積極的なものではない。 2006年、千葉市に「松永クリニック小児科・小児外科」を開業する前の松永氏は、母校の千葉大学医学部の付属病院小児外科の教室員(研究員)を19年間もつとめていた。 大学病院のスタッフの使命は、「臨床・研究・教育」で、少し立場があがると「管理・運営」が加わるというが、松永氏はすべてにおいて優秀な働きをしていたようだ。 控えめに書かれてはいるが、年間で約40例発生する子どもの肝がんのグループスタディのコーディネーターをつとめ、手術と抗がん剤による治療のプロトコール(手順)の素案を作ったそうだし、神経芽腫(がしゅ)という小児がんの研究から生まれたRNA診断技術が2004年に厚生労働省から「高度先進医療」に承認されたという。 自身の発病をきっかけに開業医の道へ そのまま大学病院に勤務していれば、「白い巨塔」のトップに立っていたかもしれない松永氏がそのレールを外れるきっかけは、解離性脳動脈瘤という病気を発症したことだった。 松永氏によれば、「通常の脳動脈瘤は球形に膨らむ」そうだが、「台形に近い形で不整形に膨らんでいた」ため、手術で取り除くにしても「右目の視力を失う」か、「半身不随になる」リスクがあったという。そのため、脳動脈瘤には手をつけず、降圧剤を服用しながら発症リスクの高いくも膜下出血を予防しながらの生活を選ばざるを得なくなった。 そのとき、千葉大の脳外科の教授が松永氏に宣告したのは、それまでのキャリアに引導を渡すに等しいものだった。引用しよう。 「ストレスを可能な限り減らしなさい。夜の勤務はダメ。週末も働いちゃダメ。グループスタディ? そんなのすぐ辞めなさい。え、学会の理事の仕事もしているの? すぐに辞めなさい。難しい手術に挑戦するのはやめて、普通の外科医になりなさい」 こうして、当時40歳の働き盛りだったはずの松阪氏は、住宅ローン返済と子どもの教育費を稼いでいくには、開業医になるしかないと結論するのである。 開業医。できるかもしれない。夜の勤務もないし、日曜日も休める。夜中に緊急手術で呼び出されることもない。この仕事なら、強いストレスはかからないかもしれない。 ただ、松永氏のすごいのは、消極的なままで開業医の道を選ぶのではなく、積極的な意味を見つけようとするところである。 というのも、小児科の開業医にとって外科の病気の診断をするのは相当むずかしいことらしく、紹介状を持って松永氏の前にやってくる子どもたちは症状をこじらせていたり、病気がかなり進行している子どもが多かったという。 だが、松永氏が開業医になれば、そうした外科疾患を早期に見つけられるはずだ。 つまり、ぼくは開業医となって、大学病院の小児外科のサテライト診療所みたいな位置付けになれないだろうか。大学病院を去るのはとても悲しいことなので、少しでもつながりを持てるならば、それはうれしい。 開業医は、周囲に利益をもたらす「鵜飼いの鵜」だった!? かくして松永氏の開業ストーリーが展開されるのだが、このあたりから果然、この本はおもしろくなっていく。 先輩の開業医のアドバイスによると、「資金調達が一番重要で、リース会社からお金を借りることが最優先」とのことで、さっそく利息が一番安いRリース会社に声をかけた松永氏。 やってきたのは、30歳くらいで快活でざっくばらんなGさんという営業マンだった。 大家さんにクリニックを建ててもらい、家賃を払いながら診察するという「建て貸し」なる方法を提案された松永氏は、自己資金が200万円しかないことをおそるおそる打ちあける。以下、そのときのやりとりである。 「で、でも、ぼく、お金が全然ないので。一応、弟から500万円くらいは借りられるんですが、自己資金はゼロみたいなものなんです」「あ、大丈夫です。貸します」「ぼくに貸して大丈夫なんですか? 潰れたら返済できませんよ」「あ、大丈夫です。開業して失敗した人、見たことありません」 そして、実際にGさんの言う通り、ホントに「大丈夫」だったのである。 「建て貸し」で開業医の関連業種すべてが潤う!? 「建て貸し」という方法で開業するには、クリニックを建ててくれる大家さん探しから始まって、家賃設定(業界的には建物面積1坪あたり1万円が相場なんだとか)、超音波検査器械やX線撮影装置などの医療器具の調達、税理士事務所との契約、門前薬局を探してお願いすることなど、実にさまざまな手順を踏まねばならないのだが、そのすべてをリース会社のGさんがやってくれたのだから。松永氏がやったことと言えば、看護師や事務スタッフの面接くらいだったという。 要するにGさんは、単にお金を貸すだけの人ではなく、世間知らずの医師の手を煩わさず、すべてをお膳立てしてくれる開業コンサルタントだったのだ。 そこで松永氏は初めてGさんの「あ、大丈夫です」の言葉の意を知ることになる。 そう、開業医が地域に根ざした診療を行えば、さまざまな人たちに利益がもたらされることになるのだ。 松永氏が開業医として診療を続けていけば、GさんのRリース会社のフトコロには借入金5000万円の返済(15年ローン)と年間1200万円のリース料が定期的に入ってくる。 大家さんにとっても、土地を遊ばせておくより、55坪のクリニックを建てて毎月55万円の家賃収入が得られるのはうれしい。 クリニックを建てるハウスメーカーも収益を上げるし、内装、備品から医療機器まで、関連する会社にもお金が入る。 クリニックにたくさん患者がくれば門前の薬局さんも潤うし、医療器具や薬剤をクリニックに卸す問屋さんも利益を上げられる。 そうか、ぼくは鵜飼いの鵜みたいなものか! この喩えを目にしたとき、思わず私は吹きだしてしまった。 開業医だからこそわかる「医療的ケア児」問題 とにかく、この本には「そんなことまで書いちゃって大丈夫?」と、こちらが心配になるほど、開業医の台所事情から、脳外科や耳鼻科といった他の開業医への苦言、医師会の内情などが赤裸々に書かれている。 ときにはニヤニヤと、ときにはクスクスと笑いながら読み進んでいくうち、私はあることについて、松永氏の見解を知りたくなった。 それは、医療の進歩と救われた命のケアの問題である。 現代の医療は「過去には救うことができなかった命を救えるようになる」という方向で進歩している。松永氏の専門分野である小児外科も、目覚ましく進歩してきたはずだ。 だが、その副作用として顕れてきた「救われた命のケア」が喫緊の課題になっている。 例えば、人工呼吸器や胃ろうによる経管栄養などの医療的ケアが必要な子どもを「医療的ケア児」というが、その人数は医療の進歩とともに増え続け、厚労相の推計によると全国に約1万8000人になるそうだ。 高齢者医療の未来を探る良書 実は、同じ事は高齢者医療についても言える。 65歳以上の認知症の人の数が2025年には約5人に1人に増加すると推計されている今の状況は、医療の進歩によって日本人の主な死因のがん、心疾患、脳卒中の治療が確立されてきたことが背景にあることは明らかだ。 もちろん、松永氏は私の期待に応えるかのように、本書の終盤を「医療的ケア児」についての記述に割いている。 そもそも松永氏は、医師になった1年目から、生命倫理について問題意識を持っていたという。だが、大学病院に勤務していた19年間は、「目の前の命を救うだけを考えて突っ走ってきた」だけで、「障害をもって生きるということはどういうことなのか」とか、「障害をもって生まれた子どもの家族がその子の障害をどう受けとめるのか」ということについては考えが及ばず、宿題のようになっていたのだという。 松永氏がその宿題に向き合う機会を得たのは、開業医になって6年目、総合病院の医師から「13トリソミー」という先天性染色体異常を持つ重い障害を持つ子の地元かかりつけ主治医になってほしいという依頼を受けたときだった。 小児外科医として松永氏が大学病院に勤務していたころ、その疾患は治療の対象になっておらず、短命に終わることが決まっていたが、生後7カ月の男の子は退院して自宅で過ごすことになったのだ。 その子は、視力も聴力もなく、飲み込むこともできない。心臓にも奇形がある。 その子の地元主治医を引き受けることは松永氏にとって、長年の宿題に取り組むようなものだった。こうして1年半にも及ぶ家族への聞きとりをもとに執筆した本が冒頭に紹介した、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞した『運命の子・トリソミー』(小学館)である。 また、ゴーシェ病・急性神経症という日本で40人くらいしかいない難病の9歳の男の子との出会いをきっかけにして、『呼吸器の子』(‎現代書館)という本を執筆している。 我が子の障害を受け入れ、呼吸器の管理法を学び、1歳6カ月から在宅での24時間365日のケアを始めた母親は、「最初は地獄の底に落ちたような心境だった」と思ったそうだが、5歳になったころから「今の生活が楽しい」と思えるようになったという。そのことについて、松永氏は次のような見解に達する。 つまり、人というのは自由な存在で、たとえ障害児を持っても人は自由に生きることができる。生き方の選択が不自由になるということは決してない。自分で選ぶことができる。障害児を育てるのは、確かに大変だし苦労もある。だからと言って、「障害」と「不幸」をイコールで結ぶことはできないし、結ぶ必要もない。自由に選択し、自分たちの生き方を決定する。これが家族の尊厳だと思う。 この言葉は、医師1年生のころからの宿題に対して、真摯に開業医として向き合ったからこその解答だったのではないか。 最初は気軽に笑って読んでいられたが、終盤では居住まいを正して読まねばならないという気持ちにさせられた。 本書は、開業医の赤裸々な告白に留まらず、医療というものの未来についても深く考えさせられる良書だった。文句なしの★4つ本である。

2023/02/17

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

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