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老人ホームの選び方

老人ホームの見学時のチェックポイント

【チェックリスト付き】老人ホーム見学時に気を付けたい4つのポイント

老後を楽しく過ごすためにも、老人ホームを選ぶときはきちんと見学し、後悔なく入居を決定することが大切です。そこで今回は、老人ホームを見学するときに見るべき4つのポイントをご紹介します。 また見学の手順や、見学時に質問したい項目もあわせて解説。老人ホームを見学する際は、ぜひ参考にしてください。 施設入居をする際に何故見学が必要なのか? 老人ホームは資料請求をするとパンフレットを入手でき、施設の設備やサービスについて把握することが可能です。 しかし、パンフレットだけでは不明点が多いのも事実。居住スペースや設備がパンフレットの写真どおりか、サービスは行き届いているかどうかなど、実際に目で確かめてみなければわかりません。 入居者本人やその家族に合った施設かを知るためにも、老人ホームの見学は大切です。老人ホームに行って直接チェックすることで、入居前と入居後に生まれるギャップを防ぐことも。 また、施設全体の雰囲気や入居者の実際の生活はもちろん、ケアにあたる職員の様子を知ることもできます。 老人ホーム側としても、入居者がすぐに退去してしまうと大きな損失に。そのため、見学を正当な理由なく断ったり、見学をしないまま入居を勧めるということはありません。 施設選びで後悔をしないためにも、気になった老人ホームがあれば積極的に見学しましょう。 見学時に確実にチェックしておきたい4つのポイント 老人ホームを見学する際は「設備」「サービス」「医療的ケア」「生活の質」の4つを確実に見ておきましょう。それぞれどのような点をチェックするべきか、細かく解説していきます。 建物・設備について まずチェックしたいのは居室や共用設備。日々暮らしていく場所のため、スペースの広さや清潔感など、しっかりと見ていきましょう。 また、建物の周辺環境も生活の質に大きく関わってくるので、より良い環境かどうか確認することが大切です。 施設までのアクセス、周辺環境 周辺環境では、安全面や便利さを重視。とくに自由に行動可能な自立した人の場合、「治安は良いか」「歩いていて危険な場所はないか」「買い物のできる場所があるか」などをチェックします。 また、線路沿いや大きな道路の近くは、音の敏感な人にとってストレスになるので注意が必要です。 さらに、家族が面会に訪れるときに通いやすいかどうかも視野にいれます。車や電車を利用してアクセスしやすいかも必ず確認しておきましょう。 居室 居室・収納スペースは充分に確保されているかを見ます。また、トイレや洗面所つきの居室を希望する場合は、その有無や使い勝手もチェックしましょう。 ほかにコンセントやナースコールの位置、日当たりなど、快適に過ごせるかどうかを基準に見るとおすすめです。 また、施設によっては家具・家電の持ち込みがOKの場合もあるので、持ち込みたいものが入るスペースがあるか見ておきましょう。 持ち込めない代わりに家具・家電のレンタルや、介護ベッド貸し出しがある場合、追加で料金がかかるかも事前に確認が必要です。 共有スペース 食事をしたり、テレビを見たり、ほかの入居者と交流したりと、非常に大切な役割を果たす共有スペース。居室はもちろん、共有スペースも過ごす時間の割合が多くなります。そのため、居心地の良さや雰囲気をしっかりと確かめておきましょう。 また、机の高さ、人や車椅子が通れるスペースを確保しているか、手すりがあるかなども細かくチェックしてくださいね。 入浴設備、機能訓練室 自立していてる人であれば、1人で入る可能性もあるお風呂。スタッフが声かけや安全確認をおこなっているか、事故を防ぐための工夫をしているかなどを確認しましょう。 要介護・要支援の方は、介護士が付き添います。機械浴が可能かどうかなど、設備の充実度も見るようにしてくださいね。 機能訓練室でも同様に、入居者へのスタッフの関わり方や、設備が充実しているかを重点的に見ます。 設備メンテナンス、清掃 介護用品・福祉用具などは入居者もスタッフも毎日使用するものです。清潔であるか、壊れているもの・経年劣化しているものをきちんと取り替えているかを見ましょう。 また、共有スペースや水回りをきちんと清掃しているかもチェック。見た目だけでなく、においまで確かめるのがポイントです。 設備のメンテナンスや清掃が細やかにおこなわれているのは、スタッフが足りているか、施設運営がうまく行っているかを知るための指標にもなります。 介護スタッフ・サービスについて 施設選びの際に見落としがちなのは、老人ホーム側の運営体制や職場環境です。職員にとって働く環境が良いことは、丁寧でより良いサービスの提供に繋がります。 ここでは介護スタッフの働く環境やサービス方針を基準に、施設選びをする際のポイントをお伝えします。 人員体制 介護付き老人ホームでは、入居者3人に対して1人以上の介護スタッフか看護職員を配置することが義務づけられています。常勤の介護職員を1人以上配置することが基準のため、忙しい食事や入浴の時間はパートの人が対応していることも。 また、常に3:1の人員配置ではなく、時間帯によっては極端に職員の少ない施設もあるのが現状です。 日中・夜間の介護職員の人員配置や、勤務体制について不安がある場合、見学時に聞いておくと安心です。2.5:1などの職員体制の手厚い施設では、十分な介護サポートを受けることができます。 介護スタッフの勤続年数、離職率、教育体制 介護スタッフの勤続年数や離職率についてもチェックすると良いでしょう。 勤続年数が長く離職率の低い施設では、人手が充分で、運営体制が整っており、サポートが行き届きやすいというメリットがあります。また、同じスタッフが長期的に担当してくれるため、より良い関係性が築けます。 また、挨拶や見学の対応時の受け答えなど、教育がしっかり行き届いているかも確認を。職員が生き生きと働ける環境づくりをおこなっている施設は、自然と全体の雰囲気に表れています。 認知症ケア 認知症の方は環境の変化に敏感なため、しっかりとケアをおこなっていく必要があります。見学の際は、認知症ケアをどのように取り組んでいるか、入居者本人に適したケアがおこなわれるかをポイントに確かめます。 例えば、「入居者の話に寄り添う傾聴をおこなっているか」「徘徊防止策はしているか」「ほかの入居者や職員とのトラブルを防ぐ対策はあるか」などの視点からチェックしましょう。 リハビリ 有料老人ホームで主におこなわれるリハビリは「生活リハビリ」です。トイレや入浴、食事をリハビリの一環とし、日常生活を自力でできるように支援します。 またケガや病気などをきっかけに、理学療法士などの専門家がおこなうリハビリが必要になる場合もあります。生活リハビリ以外に対応しているかどうかは、施設によって異なるので確認を。 リハビリ設備は充実しているか、頻度はどのくらいか、リハビリを専門としているスタッフはいるかなどを中心に、判断すると良いでしょう。 医療的ケアについて 入居者が毎日を健康的に過ごしていくためには、医療機関の協力が欠かせません。そこで健康管理や協力医療機関について見ていくポイントを解説します。 また、身体的・精神的に苦痛の少ない状態で最期を迎えるために大切な「看取り」の対応について見るべきポイントも紹介します。 協力医療機関 老人ホームでは高度な医療行為が必要な場合、協力医療機関で治療をおこないます。病院名・診療科目・医療サービス内容・住所などを事前にチェックしておきましょう。 ほかにも救急対応や施設への往診が可能か、入院が必要になった場合の施設側の対応なども見ておくと安心です。 健康管理 定期健診や健康相談を親身におこなっているかどうか、頻度などを確認します。また夜間の緊急時の対応も確かめておきましょう。 看取り 老人ホームにおける看取りは、スタッフや家族に見守られながら、過ごしてきた施設で最期のときを迎えるケアです。 看取りに対応していない施設では、容態が悪化したときに、病院やほかの施設へ移らなければいけません。看取りを希望する場合は、必ず看取りに対応した施設を選びましょう。 施設を見学する際には、看取り介護の方針や対応・家族への連絡などの対応についてチェックします。 生活の質について 老人ホームで楽しく過ごすために、生活の質を保つことは非常に大切です。ここでは食事やレクリエーション・イベントの工夫について、どのような視点で見ると良いかお伝えしていきます。 食事 食べやすい食事であるかを基準に判断します。噛む力が低下した人に対して、食材を柔らかくする工夫や食べやすい大きさかどうかをチェック。また盛り付けや香りなど、食欲をそそるような食事であるかを見ます。 さらに季節の食材を使ったメニューなど、献立に工夫があるとなお良いですね。見学のときには食事内容だけでなく、入居者の食事の様子も見ておきましょう。 レクリエーション レクリエーションやイベントでは、実施される頻度を確認しましょう。あわせて、多くの人が参加できるか、ほかの居住者との交流や運動を兼ねた内容かを確かめます。 レクリエーションやイベント実施日に見学できるようであれば、スタッフの取り組み姿勢やイベント全体の雰囲気などを見ると良いでしょう。 老人ホーム見学までの手順 見学までの流れは下記のとおりです。 資料請求をして老人ホームの概要を確認する見学候補を絞る見学内容の希望をまとめる老人ホームに連絡して見学予約をする見学当日 資料の情報や費用、立地などの観点から、見学したい老人ホームを数ヵ所に絞ります。見学候補を絞ったら、「入居者の生活や食事中の様子」「レクリエーションやリハビリの様子」など、気になる点を挙げていきましょう。 老人ホームを見学する際は、必ず予約が必要です。予約の際に見学内容の希望を事前に伝えておくと、スムーズに見学できます。 また、見学を複数希望する場合や、面談をしたい場合は時間がかかるため、前後の時間に余裕を持って行動するとおすすめです。 見学のときにチェックしたいポイントや質問項目、持ち物は、あらかじめ準備しておきましょう。心配な場合は、チェックリストを作成しておくと安心して見学できますよ。 実際に見学する際は複数人で見学したり、可能であれば入居者本人を連れて行くと良いでしょう。1人での見学では気づけない視点を取り入れたり、入居者本人の希望を加味した施設選びをすることができます。 見学の時間帯と回数 見学する施設が少ないと十分に比較ができず、誤った判断をしてしまう可能性が。反対に見学する場所が多すぎても、時間がかかってしまい大変です。最低でも2ヵ所はまわり、余裕があれば3~4ヵ所見学すると良いでしょう。 施設を絞るときは、費用や入居条件などが似ている施設を複数選び、比較するのがおすすめです。それぞれの施設の雰囲気や特徴を把握しやすくなります。 また、リハビリ・食事・レクリエーションなどの時間帯に訪問すると、スタッフの入居者との関わり方や、日常生活の様子をチェックすることができます。反対に、設備の広さや清潔感を確認したいときは、入居者の利用していない時間帯を選びましょう。 多くの老人ホームでは、食事の試食も受け付けています。見学を予約する際に、遠慮せずに尋ねてみてください。 一度の見学で老人ホームについてしっかりと理解するのは難しいことも。後悔のない施設選びをするためにも、再度見学を申し込みましょう。その際には、時間帯を変えてみると、新たな発見が見つかりやすくおすすめです。 全体的な雰囲気を確認しよう 静かで落ち着いた雰囲気が合っているか、にぎやかで楽しい雰囲気が合っているかなど、施設の好みは人それぞれ。見学の際には、入居者本人に合った施設かを見極めるために、全体の雰囲気を把握することが大切です。 ほかの入居者の表情はどうかスタッフは挨拶や声かけをしているか清潔感はあるかどうか飾られた植物の手入れはされているか掲示物や飾り付けは季節に合っているか 上記のような視点を持って見学すると良いでしょう。 老人ホームは毎日を過ごす場所です。入居者本人や家族に合った施設を選べるよう、理想の雰囲気を事前にイメージしておけると良いですね。 見学時に必ず質問をしよう 見学のときには老人ホームへの疑問や不安を払拭するため、気になることはどんどん質問しましょう。とくに大切になってくるのは、入居条件や料金、施設の方針に関する質問です。具体的にどのような質問をしておくべきか解説していきます。 入居・退去条件 老人ホームでは入居条件が定められています。施設によっては、介護度の高い人や認知症のある人の受け入れをおこなっておらず、入居ができない可能性もあります。 また、持病がある人や病気による特別な医療ケアが必要な人も注意が必要です。このようなケースは、医師の診断書を提出したうえで、施設側が最終的に判断します。 これらの点をふまえて、入居条件に当てはまるかどうか、担当スタッフに相談してみてくださいね。 無事に入居できたとしても、介護度や持病が重くなったり、認知症の症状が現れはじめると退去を促されてしまう可能性があります。 施設側とトラブルにならないよう入居・退去条件はしっかりと確認し、納得のうえで入居しましょう。 料金プラン、費用 料金プランや費用は老人ホームのパンフレットや資料に記載されているため、確認しましょう。 しかし、家具・家電のレンタル料金や特別なケアが必要な場合の費用など、パンフレットに老人ホーム記載しきれない費用がかかることもあります。 別途費用が必要か、内訳はどのようになっているかなど、できるだけ細かく質問しましょう。 保証人の責任範囲 老人ホームの入居条件に、連帯保証人や身元引受人の有無も含まれます。連帯保証人は、利用料の保証、緊急時の連絡、治療方針やケアプランの承諾などの責任が伴います。 連帯保証人であると同時に身元引受人でもある場合、入院などの理由による退去や死亡時の身元引受の必要も生じます。 万が一利用料金が未納になった場合の保証や、病気や怪我・急変時の緊急連絡先として求められることがあります。 一般的に家族が連帯保証人・身元引受人となりますが、老人ホームによっては家族以外も保証人として認められる可能性も。こちらも入居する前に必ず、確かめておきましょう。 施設の介護方針 最後に、老人ホームを見学したときに、施設の介護方針についても質問します。 パンフレットやホームページなどに施設の介護方針を記載している老人ホームが多いですが、改めて担当スタッフから聞いておくのも非常に大切です。 聞いたうえで、実際の施設の印象と合わせて入居の判断をおこないましょう。 施設見学時のチェックリストのダウンロードはこちら 老人ホームの見学に関するよくある質問 老人ホームに入居する際、何故見学が必要なのでしょうか? 施設のパンフレットだけだと不明点が多すぎるのも事実です。居住スペースや設備がパンフレットの写真どおりか、サービスは行き届いているかどうかなど、実際に目で確かめてみなければわかりません。 特に、施設全体の雰囲気や介護スタッフの様子などは見学時にしかわかりません。入居者本人やその家族に不安が残らないように、入居前の見学は必要です。 見学する場合は何時頃に行けば良いですか? 主に入居者が共用スペースに集まっている「食事」「リハビリ」「レクリエーション」の時間帯に訪問すると、施設の雰囲気、介護スタッフや入居者の様子を確認できます。 また施設によっては食事の試食ができます。希望条件として食事を挙げているのであれば、事前に試食をおこない、味や食事形態について確認しましょう。 見学は何ヵ所した方が良いですか? 施設を比較するために最低でも2カ所、余裕があれば3~4カ所見学すると良いです。また、入居者本人が見学に同行する場合は、移動するだけで疲労を伴うので1日1施設がおすすめです。入居者本人が施設を比較したい場合は、複数日にわけて見学しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": 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2021/12/02

良い老人ホームの選び方のアドバイス

本当に良い老人ホームの見分け方|見学時のチェックポイントも合わせて解説

家族が老人ホームに入居するなら、快適で生活しやすい老人ホームを選ぶことが大切。そのためには、いくつかの施設を見学する必要があります。やみくもに見て回るのでは埒があきません。 満足のいく老人ホームに出会えるように、良い老人ホームを見分け方のポイントを詳しく解説していきます。 “良い老人ホーム”の定義 良い老人ホームを見分けるのにもっとも重要なポイントはどのような点でしょうか。 まずは、その施設がいかに住みやすいように配慮されているのかを確認しましょう。 玄関やロビーは、お客様を迎えるために施設がもっとも環境を整える場所です。老人ホームの雰囲気やスタッフの様子などが、玄関から感じられるような施設は良い老人ホームと言えます。 また、本人がそれまで住んでいた生活環境や考えに近い施設を検討することも大切です。静かな環境を好む人にはプライベートな時間を確保できる施設を。また人と人との交流を楽しんできた方には、アットホームな雰囲気の施設が良いでしょう。 入居者と介護スタッフの関係性 老人ホームの雰囲気を一番左右するもの、それはスタッフの質であるといっても過言ではありません。では、良い老人ホームの良いスタッフの理想像とは、一体どのようなものなのでしょうか。 コミュニケーション能力が高い コミュニケーション能力が高い介護スタッフは、入居者に対して丁寧な対応と対話を大切にしています。入居者の立場を考えて行動して、入居者が求めるケアをいち早く提供することができます。 入居者とスタッフの間に良い関係が築かれ、ケアをする側のスタッフの表情や態度にも余裕が生まれます。ひいては、施設全体の雰囲気にも良い影響を及ぼします。 入居者の要望を先回りして対応してくれる 入居者の要望に対して先回りして対応してくれているかどうかも大事なポイント。入居者が快適に普通の生活を送るにはどうすれば良いのか、入居者の立場で考えられたサービスが提供されているかどうかを見極めることが重要です。 とはいえ、事前にスタッフの様子を確認することは難しいことです。口コミや体験入居などを確認しておくことをおすすめします。 こんなところもチェックしておきたい ほかには、老人ホームのどのようなポイントに注意して、施設の様子をチェックしていけばよいのでしょうか。 11:30の様子をチェック 老人ホームの見学にもっとも適しているのは、昼食の時間帯です。食堂への誘導や食事介助などで忙しい時間帯にこそ、介護スタッフによってどのようなサポートが提供されているのかを見ることで、スタッフや施設の実態を見ることができるのです。 食事の提供時間は、施設にとってもっとも慌ただしい時間です。その中で、入居者がスタッフによりきちんと見守られ、それぞれの状態に合わせた適切な介助が行われているかを確認してください。入居者がスムーズに食事を楽しまれているようであれば、問題はないでしょう。 車椅子が汚れていないかチェック 見学時に必ず確認したいのが、車椅子です。落ちた食べ物などの汚れやほこりがついていないか、タイヤの空気はちゃんと入っているのか、などを確認しましょう。 車椅子をはじめとする福祉器具は、入居者の体の一部となる大切な道具です。丁寧に扱われ、安全に注意し、定期的にメンテナンスがされているか。入居者が心地良くホームを利用できるよう配慮しているかといった意識の高さを確認することができます。 職員の定着率と入居率チェック 入居を検討する施設がいくつかに絞られてきたら、その施設の職員の定着率と入居率をチェックしましょう。職員の状況は「重要事項説明書」で確認することができます。 重要事項説明書とは、施設側によって都道府県に提出された書類であり、入居者が施設について知っておくべき情報を把握することができるものです。 他の職場と同様、職場の環境や待遇が良い老人ホームでは職員の定着率も高く、職員にも余裕があります。その余裕が、施設全体の雰囲気や入居者への配慮にも大きな影響を及ぼすことは間違いありません。 イベントの内容をチェック 老人ホームで快適な生活を過ごすためには、年中行事やイベント、レクリエーションの内容もチェックしておきたいポイントです。 お住まいの地域や季節を意識したイベントや、映画鑑賞、スポーツなどのレクリエーションに参加することは、単調な毎日を送りがちな老人ホームでの生活の刺激となり、行動する意欲を高めることができます。 施設によってイベントの頻度や趣向は大きく違うので、ホームページや資料などで確認してみると良いでしょう。 その他の比較ポイント 良い老人ホームを見つけるためには複数の施設を比較することも大切です。 費用の比較 老人ホームの入居にかかる費用については、以下のポイントに気をつけてチェックしておきましょう。 入居一時金は支払える金額かどうか 月額利用料は滞りなく支払える範囲なのか 別途かかる金額について 介護保険料について 返還金制度について 入居一時金の保全措置について クーリングオフに関して 「入居一時金」と「月額利用料」の両方を比較することが大切です。これらの費用は、施設ごとの設備や体制、サービスの内容、施設の立地によって大きく異なります。 入居後も無理なく支払える範囲であることを確かめ、かつ「入居一時金」には「償却期間」があることも確認しておきましょう。 償却期間中になんらかの事情で退去することになった場合、入居一時金として多く支払った費用が返還されるのか、されないのかをしっかり納得されたうえで契約しましょう。 施設ごとに項目名や内訳などが異なる費用もあるので、事前に施設に確認して、入居後の費用トラブルを避けましょう。 介護体制の比較 現在または将来、ご家族に必要となる介護体制を比較することも重要です。 介護スタッフの常駐体制は整備されているか 常駐する職員の資格の有無(ヘルパー・介護福祉士など) 訪問介護・訪問医療を利用できるか 介護スタッフの多い施設では、通常より細やかなサポートを受けられるでしょう。しかし、費用負担が増えることもあるので、前もって確認しておきましょう。 医療体制の比較 介護スタッフは、一部を除き、医療行為をすることができません。病院や医療法人が経営する老人ホームの多くでは医療体制が整っていますが、医療体制の不十分な施設では不安の種が尽きません。 将来を見据えつつ、ご家族の身体状況に合わせた必要な医療ケアが受けられるかどうかを確かめておきましょう。 とくに、看護師の配置状況や以下については、チェックしておきましょう。 服薬の管理について 傷や怪我ができた際の処置は適切か 在宅酸素の使用の有無 定期的な血圧測定・検温の有無 喀痰吸引(たんの吸引)、経管栄養を行うことができる介護福祉士の有無 施設設備の比較 有料老人ホームは、設備によって下記のように分けて考えることもできます。入居者の要望に合わせて施設設備の比較もしておきましょう。 必要最低限の設備の施設 娯楽設備など付加価値がついた施設 重篤な病気も受け入れ可能な医療設備が整っている施設 なにより入居者の状況にあった施設を検討することが重要です。見学の際には、設備がどう配慮されているのか、下記のポイントを中心にチェックすると良いでしょう。 手すりの設置箇所と多さ 廊下や共有スペースの広さ 機械浴の設備の様子 また、入居者がもっとも長い時間を過ごす居室のチェックも必要です。入居者が快適に過ごすために確認しておきたいポイントもご紹介します。 居室の広さ 居室の設備(浴室・トイレ・洗面台など) 収納スペースの大きさ 洗濯物を干すスペースの有無 緊急通報装置の有無 居室の玄関に鍵の有無 居室の不足分を共用部分で補えているか 共用部分について(リビングや食堂などの有無) 車椅子でも生活に不便がないか 経営状況の比較 入居者が長期的に安心して快適な生活していくためには、施設の経営状況についての把握も重要です。 特に民間が運営している施設では必須です。「財務諸表」(運営会社のホームページのIR情報に掲載されていることもある)などを提示してもらい、下記の点に注意してチェックしてください。 経営母体は信用できるか 入居率は何%か 入居開始から1年ほど経っていても入居率が50%を切っている施設は、経営状況があまり良くない可能性があるので、判断が必要です。 緊急時の対応 老人ホームに入居中の夜間の介護体制や、ご家族の容態が急変された時、地震や火災などの災害に見舞われた時、施設がどのような対応をしているのかも、確認しておきたいポイントです。 夜間の対応 多くの老人ホームでは日中は安心の介護体制が整っているもの。しかし、夜間はスタッフの人数が、日中よりも少なくなることは理解しておきましょう。 施設の設備や規模やスタッフの配置人数によっても変わりますが、夜間の定期的な巡回が入居者それぞれの症状にあった確認方法で行われているかがわかると安心です。 また、夜間に本人の容体が急変した時などは、どのような対応をしてもらえるのかを事前に確認しておくことも大切です。 体調急変時の対応 老人ホームには、看護師の夜間常駐は義務付けられていません。そのため、特に持病のある方、体調に不安のある方の場合は、医療機関が運営する老人ホームを選ぶと安心です。 医師や看護師との連携がとれるため、なにか異変があった時などに医師のサポートをいち早く受けることができます。 また訪問看護を行っている医療機関であれば、24時間体制の訪問看護ステーションと契約できるので、容体の急変などがあっても、すみやかな対応が期待できます。 災害時の対応 老人ホームでの、地震や火災など災害時の対応も重要です。 緊急事態が発生した時のすみやかな119番通報など、スタッフに対する指導や訓練が日常的に行われているのか、消防署員の指導のもと避難訓練が定期的に行われているのかも、チェックしておきたいポイントです。 また、緊急事態の際の入居者の避難に適している構造であるか、老人ホームの建物や設備についても必ず確かめておきましょう。 高級老人ホームは良い老人ホームなのか? 老人ホームにかかる費用は、施設によって大きく違います。家賃設定や提供されるサービスの内容にもよりますが、もっとも大きく異なるのは、運営会社の違いによるものです。 比較的費用の安い老人ホームは、NPO法人に運営されているものが多く、補助金などの優遇措置を受けることができます。利用料の支払いも、月額定額制をとっている施設が多くあります。 一方で利用料の高い高級老人ホームでは、ほかと比べて施設や設備が充実しています。最新型の介護器具や娯楽設備などを完備することによって、入居者が充実した毎日をおくるためのサポートをしています。 良い老人ホームを探すためには優先順位が重要 良い老人ホームの見分け方を説明してきました。すべてのポイントに満足できる老人ホームを探すことは、難しいかもしれません。 大切なのは、なにを重視して老人ホームを選ぶのかということです。それぞれの希望条件やポイントに優先順位をつけて考えてみることをおすすめします。そうすることで最優先にすべきポイントやゆずれないポイント、妥協できるポイントが見えてくるはず。 最善の老人ホームに入居できるよう、事前に家族みんなで話し合いをしておくことが大切です。 良い老人ホームに関するよくある質問 良い老人ホームとはどんなところですか? 良い老人ホームとは入居者と介護スタッフの関係性が良く、施設の雰囲気や家族も含め人と人との交流を大切にしている施設を指します。 また、スタッフの定着率や入居率を見ることで良い老人ホームかどうかを判断することもできます。スタッフの状況は『重要事項説明書』で確認することができるので確認しましょう。 良い老人ホームはイベントが多いですか? 良い老人ホームではイベントやレクリエーションに力を入れていることが多いです。年中行事はもちろんのこと、さまざまなレクリエーションが用意され入居者を日々楽しませてくれます。またサークル活動をおこなっている施設もあり、入居前におこなっていた趣味を継続することもできます。 高級老人ホームは良い老人ホームですか? 高級老人ホームは提供されるサービスや共用設備などが充実しており、質の高い生活を送ることができます。ただし、入居者によっては高級老人ホームが必ずしも良い老人ホームであるとは限りません。見学や体験入居などを通して最適な老人ホームを探しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "良い老人ホームとはどんなところですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/11/26

老人ホームに入居するまでの流れを7つのステップで解説

老人ホーム入居までの流れ|基本の7ステップとそれぞれの注意点

老人ホームを探しはじめて入居が決まるまでは、だいたい1ヵ月くらいは必要だと言われています。「けっこうかかるな…」と感じる方も多いかもしれませんが、いくつか重要な手続きが含まれるため、このくらいの期間は考慮しておく必要があります。 この記事では、老人ホーム入居までを7つのステップにわけて解説します。入居にあたって必要な書類やチェックしておくポイントについてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。 老人ホーム入居までの7つのステップ ①希望条件を決める 老人ホームを選ぶにあたり、自分が希望する条件を洗い出しましょう。 費用・予算 まず第一の条件は予算でしょう。老人ホームに入居するにあたって経済的な計画は非常に重要です。有料老人ホームの場合、施設によって費用が違います。支払い可能な予算を決め、入居一時金、月額利用料がその範囲内に収まるように注意します。 料金によって居室の広さも変わってきます。「最低これくらいの広さが欲しい」という条件を入居費用を見比べて、だいたいの予算を算出してください。 施設へのアクセス 自宅や家族が住んでいる場所との距離も大切なポイント。面会に訪れる家族の負担をなるべく軽減するためにも、通いやすい立地にあることは重要です。 また老人ホームには長期間入居することになるので、周囲の住環境や治安についても調べておくと良いでしょう。 イベント・レクリエーションなど 施設によってレクリエーションの頻度や屋外活動の有無、入浴の頻度などが異なります。生活を営む上で自分なりに重視するポイントをまとめ、希望条件を決定しておきましょう。 ②老人ホームの情報を収集する 老人ホームの情報収集はインターネットでおこなうのが便利です。希望条件を絞り込んだ上で老人ホームを探すことができます。 希望の条件にあう老人ホームを見つけたら、詳しい資料を取り寄せます。資料請求は電話やメール、ホームページからも可能です。資料請求は無料で何件でもすることができるので、予算や立地などの希望条件にあった施設をたくさん取り寄せておきましょう。 資料やパンフレットを比較して入居したい老人ホームが見つかったら、次は施設見学や体験入居という流れになります。 ③老人ホームを見学する 資料だけでは、実際の雰囲気やスタッフの様子まではわかりません。気に入った施設をいくつか絞り込んだら、施設見学を申し込みましょう。 見学できる時間帯や内容については施設ごとに異なります。また食事の試食ができたり、入居者とお話をする時間などがあれば、入居の決め手になるかもしれません。 見学時はメモやノートを持参して、確認したい点はしっかり聞くことが大切です。施設内の撮影は職員に許可をとってからにしましょう。自分だけでは気づかないこともあるので、家族も一緒に見学することをおすすめします。 施設の入居状況によりますが、一般的には見学から入居まで1~2ヵ月くらいはかかります。申し込んですぐに入居が決まるわけではありません。 ④仮申し込みをする 見学が終了して、気に入ればその場ですぐ仮申し込みの受付をおこないます。仮申し込みなので正式な入居決定ではなく、あくまで仮押さえの状態です。 仮申し込み期間は一般的に1ヵ月程度なので、その間に必要書類をそろえたり、資金的な手続きをおこないます。 ⑤各種の書類を提出する 仮申し込みを済ませたら、本契約にむけて必要書類を準備しましょう。老人ホームに入居するためには、診療情報提供書や健康診断書の提出が必要です。 診療情報提供書とは一般的に「紹介状」と呼ばれるもので、かかりつけ医がほかの大学病院を紹介するときなどに書いてもらうものと同じです。入居者の現在の症状や傷病名などが書かれています。 健康診断書は一般的に老人ホーム側が書面を準備して、入居者のかかりつけ医に記載を依頼するものです。有効期間は3ヵ月なので、期限が過ぎてしまったものは受け付けてもらえません。 診断情報提供書と健康診断書はいずれも医師に依頼するものなので、有料です。また検査が必要な項目もあるので、取得するまでにだいたい3週間程度かかることも覚えておいて、スケジュールには余裕をもって動きましょう。 ⑥本人との面談 最後は本人との面談です。面談ではおもに施設側が入居希望者の健康状態を確認するためにおこないます。本人が気になる点を直接、施設の担当者に確認することもできます。 要介護認定を受けた方であれば、ケアマネジャーの同席も可能。本人が施設に行くことができない場合は、入居希望者がいる場所で面談をするといった対応もしてくれます。 入居する側も迎え入れる側も、どちらにとっても面談の場でしっかりと意識合わせをしておくことが大切です。 ⑦契約・入居 書類の提出と面談が終了後、施設側の入居審査があります。入居希望者の健康状態や経済状態を確認して問題がなければ本契約、そして入居という流れになります。 契約時は入居契約書の取り交わしや重要事項説明書や管理規定についての口頭の説明がおこなわれます。文章は文字が小さく、あらためて自分で読み返す時間もないので、契約時にしっかりと聞いて、大切なことはノートにメモをとっておくと良いでしょう。 契約が締結されたら、いよいよ入居です。老人ホームに持ち込む家具や身の回りの品の準備をはじめましょう。 重要事項説明書のチェックポイント 老人ホームの契約時には契約書とは別に重要事項説明書の内容を確認しておきましょう。重要事項説明書には老人ホームのサービス内容やその他条件について詳細な記載があります。 重要事項説明書は各施設や自治体のホームページからダウンロードできます。どのような点を確認するべきか見ていきましょう。 「事業主体・施設概要」のチェックポイント 「事業主体・施設概要」はおもに老人ホームを運営する事業者に関する項目です。事業者がどれくらいのサービス規模なのかも知ることができます。事業主体の信頼性をしっかり確認することで、入居してからのトラブルの防止にもつながります。 入居しようとしている施設の類型も記載されているので、提供されるサービス内容もだいたいの予想をつけることができます。 「従業員に関する事項」のチェックポイント 重要事項説明書には従業員に関する事項もあります。実際に勤務するスタッフの経験年数や人数によって、施設がどれくらいのサポート体制をつくっているのか推測することができます。 長く勤務する経験豊富なスタッフが多くいると、雰囲気の良い施設である可能性が高いでしょう。また夜勤をおこなう職員の人数から夜間の介護体制もわかります。従業員に関する事項もよく読んでおきましょう。 「サービスの内容」のチェックポイント 老人ホームで提供しているサービス内容について詳細な記載があります。チェックしたい項目は下記の通りです。 医療機関との連携体制 サービス内容の項目にかかりつけ医療機関と診療科目の記載があります。ここを確認すると入居者が日常的に診てもらえる科目がわかります。歯科口腔外科や眼科、整形外科などがあると安心です。 居室の住み替え 居室の住み替えに関する事項もチェックポイントです。住み替えが発生したときにどのような費用負担になるのか、仕様変更があるのかは確認しておきましょう。 契約解除 契約解除における予告期間は約3ヵ月程度が一般的です。 入居者の状況 現時点の入居者の年齢や要介護度や男女比について。入居する前に知っておくと良いでしょう。 賠償すべき事故がおきたときの賠償責任 施設内でなにか事故がおきたときのために損害賠償責任保険に加入しているかしていないかがわかります。特に万が一のトラブルや契約解除、賠償責任についても事前に確認しておくと安心です。 「利用料」のチェックポイント 利用料についてチェックしておくポイントは、入居一時金の償却についての項目です。入居一時金は一定期間で償却され、償却率や償却年月日は「利用料」に記載されています。 償却期間は各老人ホームが1年から15年の間で自由に定めることができます。償却期間が長いほど、途中で退去したとき返還金は多く戻ってきます。 同じく「利用料」の項目には3ヵ月以内に施設を退去した場合に入居一時金の返金があるかないかについても記載があります。 また、月額費用の内訳についても知ることができます。水道光熱費や管理人は別に請求されることもあります。利用料の内訳は確認しておきましょう。 入居までの流れに関するよくある質問 施設の見学はいつすれば良いでしょうか? 老人ホームを見学する前段階として情報収集をする必要があります。希望条件を絞り込んだ上で詳しい資料を取り寄せ、その中から気に入った施設をいくつかピックアップし見学するといった流れが一般的です。 まずは資料を取り寄せ、対象施設を絞り込みましょう。 面談では何が聞かれますか? 面談では主に施設側が入居希望者の健康状態や入居後の希望について最終確認をおこないます。基本的に施設長やケアマネジャーと面談をおこなうことが多いので、不安に思っていることなどを遠慮なく伝えましょう。 申し込みから入居までにかかる期間はどのくらいですか? 申し込みから入居までにかかる期間は、一般的に書類の準備や入居の審査などが必要となるため約1カ月程度が最短です。事前に入居に必要な書類を揃えておくことで早めの入居が可能となる場合もあるので、見学の際は施設側にどんな書類が必要なのかを聞きましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "施設の見学はいつすれば良いでしょうか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/11/25

老人ホームでの食事

【献立例あり】老人ホームの食事|確認しておきたい食事内容

みなさんが毎日の食事を楽しみにしているのと同じように、老人ホームで暮らしている高齢者にとっても、食事は大きな楽しみのひとつ。QOLの向上にも大きく影響すると言われているほど、老人ホームでの食事は非常に重要な要素です。 そこでこの記事では、老人ホームではどのような食事が提供されているのか?を中心に、昨今の老人ホームでの食事事情についても解説していきます。 「質素な感じ」「美味しくなさそう」といった従来のイメージがひっくり返るかもしれませんよ!? 老人ホームでの食事の例 朝食 ロールパンポトフ風スープ煮ブロッコリーサラダ乳酸飲料 昼食 ポークカレーライスフレンチサラダコンソメスープゼリー 夕食 鶏肉の治部煮キャベツのみそ炒めじゃこ乗せ冷やっこごはん味噌汁 いかがでしょう?和洋中のメニューをバランス良く取り入れていて、入居者に飽きさせない工夫を感じられますよね。 ちなみに、1日のカロリーはおよそ1500~1700kcal、塩分は約8g以下を目安としている老人ホームが多いようですよ。 「イベント食」について “日々の食事に飽きさせない工夫”の一環として、イベント食を用意している老人ホームも多いです。 イベント食とはその名の通り、日々の食事の他に特別な食事として提供される食事のことです。老人ホームによって「特別食」「季節食」など呼び方はさまざまですが、つまりは「普段とは趣向が異なる、ちょっと特別な食事」という意味合いです。以下では、例を見ていきましょう。 1月:おせち料理3月:ちらし寿司5月:柏餅やちまき12月:クリスマスディナー また、老人ホームによっては、寿司職人に出張してもらって目の前でお寿司を握ってもらったり、ホテルやカフェのような気分で楽しめる、パンやデザートなどのバイキングを提供しているところもあります。 「介護食」について きざみ食やとろみ食など、いわゆる“介護食”に対応しているかどうかは、老人ホームによって異なるので事前のチェックが必要です。 要介護者が入居する老人ホームのほとんどでは、本人の嚥下機能や体調に合わせて、各種の介護食が用意されています。 とはいえ、すべての老人ホームが対応しているわけではないので、入居前に介護食への対応が可能かどうか、どのような種類の介護食に対応可能かを確認しておきましょう。 介護食の種類 「介護食」と一言で言ってもいくつかタイプがあり、それぞれ用途が違います。以下が代表的な介護食の種類です。 きざみ食とろみ食・ゼリー食ミキサー食ソフト食水分補給食 きざみ食 細かく刻んだり、またすりつぶしたりしてペースト状にしたもの。 とろみ食・ゼリー食 くず粉や片栗粉でとろみをつけたもの。 ミキサー食 ミキサーなどにかけて液体に近い状態にしたもの。 ソフト食 細かく刻んだり、またすりつぶしたりしてペースト状にし舌で簡単につぶせるよう柔らかくしたもの。 水分補給食 飲み物などをゼリー状にして水分を補給しやすくしたもの きざみ食やとろみ食の他に、昨今、人気なのが「ソフト食」。ソフト食とは、料理の色みや形状に似せつつ、高齢者が食べやすいように柔らかく仕上げた食事のことです。 他の介護食と比べても見た目が美味しそうで、それでいて口に含んだときに舌と上顎とですりつぶせるくらいの柔らかさ。一般食と比べても味・見た目ともに変わらないレベルです。ソフト食を導入したところ高齢者の食欲が回復して、QOLの向上にもつながってケースもあるくらい。もしソフト食を導入している老人ホームであれば、ぜひ一度、試食させてもらうことをおすすめします。 食事を作っている“場所”によって味わいが変わる!? 老人ホームのパンフレットやWebサイトを見ると、設備情報に「厨房完備」などと書かれているのを目にします。これは、言葉通り施設内に厨房があるかないかということで、つまり施設内で調理した食事が提供されるということになります。 施設内の厨房で作られた料理であれば当然、できたての状態で提供されるので、温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で食べることができます。 一方で施設内に厨房施設がない老人ホームであれば、提携先の外部の業者などから宅配される料理が提供されることになります。 「宅配」と聞くとマイナスイメージが浮かぶ方も多いかもしれませんが、昨今の宅配・配食サービスは非常に高クオリティで、施設内で作られた料理に勝るとも劣らないほど。どちらが良くてどちらが悪い、とは言い切れない時代になっているのです。 食事で差がつく老人ホーム選び 「老人ホームでの食事は入居者にとって大きな楽しみのひとつ」「食事は高齢者のQOLに大きく影響する」といった考え方が浸透してきた昨今では、老人ホームの運営会社が食事の充実に力を入れ始めています。 逆に言うと、食事に力を入れているかどうかで、入居者の生活・QOLをどのように捉えているかという、老人ホーム側の姿勢が見て取れる、とも考えられます。 だからこそ、老人ホームを選ぶ際には食事面をしっかりチェックしていただきたいのです。そのチェック項目は、主に以下の3つです。 ひと月の献立表をもらう見学時に「朝食」の風景を見る見学時に試食させてもらう なぜこの3つなのか、詳しく説明していきますね。 ひと月の献立表をもらう ほとんどの老人ホームでは、ひと月単位で提供する食事のメニュー・内容が決まっているものです。献立表も用意されているはずで(館内に掲示されている場合が多いです)、可能であればその献立表をいただいちゃいましょう。 献立表を見ると、食事の内容が入居予定者の嗜好に合うかといったイメージが湧くでしょう。また、「同じメニューが繰り返されていないか」「季節感に配慮した献立になっているか」といったこともわかってくるはずです。 見学時に「朝食」の風景を見る 可能であれば、施設の見学時には朝食の時間を合わせるのも一つの手です。朝食時というのはどの施設も忙しく、バタバタしているもの。「朝食の準備がきちんとできているか」「入居者にぞんざいに接していないか」「きちんと食事介助ができているか」といった点をチェックするのにうってつけの時間帯なのです。 食事の時間帯を通して、施設スタッフが食事をどのように捉えているのかがわかる。だからこそ“朝食時”の風景をチェックしてみてください。 見学時に試食させてもらう 献立や風景を見るだけでは当然、味はわかりません。そこで、実際に試食させてもらうことも忘れないようにしましょう。「味つけは入居予定者の好みに合っているか?」「嚥下に問題のない調理になっているか」といった点がわかるはずです。 また、温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で提供されているかなど、実際に味わってみてわかることも多いでしょう。 さらには、「どんな食器を使っているか」「丁寧に盛り付けられているか」といった点も、試食時にチェックしておきたいポイント。施設の見学時にはぜひ試食させてもらって、いろいろな角度から食事を見ておきましょう。 老人ホームの食事に関するよくある質問 老人ホームではどんな食事が出てきますか? 基本的に老人ホームで出てくる食事は、和洋中とバランス良く提供されていて、入居者が日々の食事に飽きないように工夫もされています。また、1日のカロリーはおよそ1500~1700kcal、塩分は約8g以下を目安としている老人ホームが多く、食事制限がある人にも対応しています。 介護食はどんな種類がありますか? 介護食には、「きざみ食」「とろみ食・ゼリー食」「ミキサー食」「ソフト食」「水分補給食」が挙げられます。どの種類の介護食が提供できるかは施設によって異なるので、入居の際は確認しましょう。 イベントのときに特別な食事は出ますか? イベント食を用意している老人ホームは多いです。例として、おせち料理やちらし寿司、クリスマスディナーといった食事が挙げられます。各施設、日々の食事に飽きさせない工夫をしています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームではどんな食事が出てきますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/11/24

老人ホームの入居条件についての解説

老人ホームの入居条件|知っておきたい6つのポイント

老人ホームは種類も数も多く、「希望に合う施設はどこなのか」「認知症でも入居できる老人ホームはあるのか」など、悩みは尽きません。 まずは老人ホームの施設の種別ごとにそれぞれ設定されている入居条件を確認することから始めましょう。老人ホームの入居条件を徹底解説していくので、施設探しの参考にしてみてください。 老人ホームの入居条件 基本の6ポイント 入居希望者の心身の状態、年齢や資産状況など、老人ホームにはいくつかの入居条件があります。そのポイントは以下の6つです。 要介護度入居時の年齢医療ケア(医療行為)認知症の有無保証人・身元引受人の有無収入(支払い能力) それぞれ詳しく説明していきましょう。 要介護度 老人ホームでは、「介護保険制度」によって認定された「要介護度」を、入居基準として各施設ごとに定めています。 施設側は、入居者が日常生活の中でどのくらいの介護を必要とするのかを明確にし、それぞれの介護度に適した介護サービスを提供するための施設設備、スタッフ配置をする必要があるからです。 要支援、要介護の区分の目安は以下の通りです。 区分 状態 ...

2021/11/22

老人ホームの体験入居の特徴などの解説

老人ホームの体験入居でチェックしておきたいこと|費用や利用期間は?

老人ホームの体験入居は資料請求や施設見学だけではわからないことを知る良い機会。いくつも老人ホームを検討している人にとって、体験入居することは判断の決め手につながります。可能であれば一度実際に体験してみることをおすすめします。 老人ホームの体験入居にはどんなメリットがある? チェックするポイントはなに? 体験入居の流れや体験できるサービス内容などもあわせて詳しく紹介します。施設入居の前に、ぜひ確認してくださいね! 体験入居とは? 体験入居とは入居金などの初期費用を必要とせず、正式に入居契約をする前にお試し期間として入居できるサービスのことです。 実際の生活リズムやスタッフの対応などを肌で感じるためにも体験入居をしておくと良いでしょう。とはいえ、宿泊費や食費などの実費を支払わなくてはいけないため、完全無料というわけではありません。 また、体験入居できる日数や実際にかかる費用などは施設によってまちまちです。詳細については体験入居を希望している施設に連絡してください。 体験入居のメリット ではさっそく、老人ホームへの体験入居にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。 実際のサービスや雰囲気を体験できる においや生活音を確認できる 設備の使用感を確認できる 入居者から生の声を聞くことができる 実際のサービスや雰囲気を体験できる 体験入居を行うと実際にその施設で過ごすことができるので、実際のサービス内容や他の利用者はどのような人がいるのかなどを知ることができます。 入居を検討している施設であれば、あらかじめ資料を取り寄せて読んでいる場合もあるでしょう。しかし紙の上での情報だけでは不十分です。実際に自分自身がサービスを体験することで、スタッフの質やサービスとの相性を確かめることができます。 また、新しい環境は誰もが最初は不安を感じます。まず体験入居を経ることで、その施設の環境に早くなじむことができます。 においや生活音を確認できる 資料などではわからないのが実際のにおいや生活音です。老人ホームでは入居者は共同で使用するスペースが多くあり、その場所の清潔感やにおいは非常に重要です。 トイレ掃除の頻度が少なかったり、ゴミ箱にゴミがたまっていたり。スタッフがどれくらいの頻度で掃除をしているのか、施設の衛生観念などを確認することができます。 また、実際に入居予定の部屋で体験入居が可能な場合には、隣室の物音がうるさくないかもチェックしておきましょう。 夜間も人通りがあるような場所なら、夜中に騒音が聞こえないかもチェックしておくと良いでしょう。 設備の使用感を確認できる 体験入居をすることで入居する部屋や設備の使用感を確認することができます。居室をはじめ、トイレや浴槽、リハビリ施設など。実際に使用できるので、自分にとって使いやすいかを入居前に確かめることができます。 また、施設によっては温泉やシアタールームなどが併設されていて、それが老人ホームを選ぶ決め手につながることもあります。入居する前に自分のイメージとあっているか確認できるのは大きいでしょう。 入居者から生の声を聞くことができる 食事やレクリエーションは他の入居者と一緒に行うのが一般的です。体験入居の間に入居者とコミュニケーションをとる機会も生まれます。 入居者から食事メニューやスタッフの質など。実際に暮らしているからこそわかる生の声を聞くことができます。そのため、体験入居をするのであれば他の入居者と積極的に話すことをおすすめします。 体験入居で受けられるサービス 実際に体験入居をすると、どのようなサービスを受けることができるのでしょうか。ポイントごとに説明します。 身体介護 身体介護が必要な場合は入浴介助や排泄介助、食事介助などの介護サービスを受けることができます。 食事 体験入居の場合でも他の入居者と同じメニューで食事が提供されます。 入浴 他の入居者と同様に入浴をすることも可能です。入浴頻度に関しては施設によって差があるため、気になる場合は体験入居をする前に確認しておくと良いでしょう。 生活支援 居室の清掃や家事代行などの生活支援サービスを利用することもできます。居室の清掃頻度は施設ごとに違いがあります。気になるようであれば事前に確認しておくと良いでしょう。 リハビリ リハビリの頻度や手厚さ、強度は健康維持のために重要なポイントです。 老人ホームで行われる身体の機能向上を目的としたリハビリテーションを体験することもできます。施設によっては毎日、全員で体操をする時間を設けているところもあるようです。 レクリエーション・イベント 入居者の方と一緒にレクリエーションやイベントに参加することができます。クリスマスやお正月といった季節の行事ごとにイベントを開催する施設も多く、さまざまなレクリエーションを経験でき、他の入居者とコミュニケーションが取れます。 体験入居期間にイベントやレクリエーションがあれば良い機会ですので、積極的に参加してみてください。 体験入居時のチェックポイント 体験入居をする場合、具体的にどのような点をチェックしておくと良いのでしょうか。順を追ってご説明していきます。 サービス内容 入浴介助 入浴介助は一つ間違えると転倒、大怪我につながってしまいます。介助者やサービスの良し悪しをきちんと入居前に確認しておく必要があるでしょう。 また、機械浴などが設備として備わっている施設もあります。その場合は、どのような人を対象として機械を使用しているのかも事前に確認しましょう。 入居後に介護度が高くなってしまった場合に、自分がサービスを受けられるかどうか知っておくと安心です。 排泄介助 生活をする上で排泄介助は重要なポイントです。一日に何度も受けることになる排泄介助が適切に行われているかは生活の質を左右するといっても過言ではありません。 特に利用者の自尊心に配慮されているか、プライバシーは守られているかといった点は重要なチェックポイントになります。 食事介助 毎日の楽しみである食事は、事前にチェックしておきたいポイントのひとつです。もちろん味付けが好みに合うかは大前提ですが、入居者の健康状態によって食事内容を調整してくれるのか、アレルギーや苦手な食材は配慮されているかなどは要チェックです。 食事のボリュームや使われている食材、味付け、栄養バランスも気になります。体験入居の期間にしっかりチェックしましょう。 リハビリ内容 身体機能の向上や健康維持を期待するのであれば、体験入居の間にリハビリテーションを受けることをおすすめします。実際にプログラムを体験し、どういったリハビリが行われているかをチェックすることは大きな意義があります。 施設によってはリハビリテーションに非常に力をいれている施設もあり、入居後の健康維持が期待できます。専門のスタッフがいるかなども確認しておくと良いでしょう。 レクリエーション・イベント レクリエーションやイベントでは他の入居者の顔ぶれや性格、介護スタッフと入居者の雰囲気などをチェックできます。体調が優れないといった理由がない限りは、積極的に参加すると良いでしょう。 居室の広さ 体験入居では、実際に入居をした場合に利用する居室で生活することになります。充分な広さがあるか、衛生的に問題はないかを肌で感じることができます。 体験入居を終え、入居をした後は長期間日常生活を送る場所になります。狭くて閉塞感がないか、収納機能は足りているかなど。実際に生活する上で気になるポイントはあらかじめ確認しておきましょう。 設備 施設の設備は安全面への配慮がしっかりなされているか、衛生的に問題ないかがもっとも重要です。 特に介護度の高い方は、衛生面に問題があると、大きなストレスに。体験入居をする際は居室のトイレは清潔に保たれているか、汚してしまった場合の対応は迅速かといった衛生観念についても確認しておきましょう。 また、災害時の避難経路についてもチェックしておきましょう。万が一の時に入居者の安全を守る体制がどの程度整えられているか。その施設が本当に生活する場所としてふさわしいかどうかを見極める大切なポイントになりそうです。 周辺環境 施設の内部だけではなく、施設の周辺環境もきちんと確認しておきましょう。 家族が訪問するときにアクセスが良い立地なのか、普段の交通量はどれくらいか。周辺の治安環境はいいのか。外出に適したエリアにあるかなどをあらかじめ把握しておくことで、入居後も安心した毎日を過ごすことができます。 施設の雰囲気、介護スタッフの様子 楽しく快適に暮らすために施設の雰囲気や介護スタッフの人柄も重要です。 入居者と介護スタッフの間に信頼関係があるか、入居者同志の関係は良好か。人と人のコミュニケーションがきちんと取れているか。入居後に心地よく生活をするためにもしっかりと確認しておくと良いでしょう。 体験入居までの流れ 体験入居は契約前に施設を知ることができるため、入居希望者に大きなメリットがあります。体験入居を終えた後、そのまま本契約をして入居を続けることもできます。 体験入居するには、どのような手続きが必要なのか。その流れについて説明します。 施設見学 まずは、体験入居を希望する施設を見学します。その際は最低でも2〜3ヵ所は見学して、設備や居室の広さ、施設の雰囲気などを比較しておくと良いでしょう。 また、入居条件の順位付けをしておくと、比較検討をする際に見落としが減るのでおすすめです。 申込書提出 体験入居をするにあたり健康診断書、診療情報提供書などの必要書類を提出する必要があります。これらは取得するのに1〜2週間かかる場合もあり、早めに準備をしておくと良いでしょう。 また施設によっては申込金が必要になる場合もあります。その場合は別途書類を提出する必要があるので、詳細などは施設に確認してください。 本人面談・入居審査 現在の身体の状態やそれに伴う介護・看護の状況、普段の生活の様子について面談で確認します。施設への要望なども聞かれることがあるので、気になる点は積極的に相談しましょう。 体験入居 面談が終わり、無事に審査が通過すれば、体験入居がスタートします。実際に生活してみて、見学をするだけではわからなかった施設の雰囲気や、提供されるサービスの質などを確認します。 体験入居を経て問題がなければ本契約に進み、そのまま入居をすることも可能です。 体験入居で必要な持ち物 体験入居に持っていくべき必要な持ち物を下記にまとめました。新しい物を用意する必要は特になく、普段から使用している物を持っていくと良いでしょう。 着替え 下着や、パジャマ、衣服などの衣類は1週間以上滞在するのであれば4〜5日分はあると安心です。宿泊日数や洗濯頻度にあわせて調整してください。 体験入居が1日〜2日程度の短い期間の場合、浴衣などの着替えを用意してくれる場合もあります。 靴 靴は外履き用の靴と室内履き用の靴の2種類が必要です。新しい靴をもっていくと、慣れない場所で怪我をしてしまう可能性もあります。なるべく普段使用している靴を持参してください。 また、スリッパやサンダルなど踵がない靴は足が固定されず、転倒する危険がありますので控えましょう。 口腔ケア用品 コップや歯ブラシ、入れ歯ケースなどの口腔ケア用品は持参します。 歯ブラシはトラベルセットなどの小さいものよりも、持ちやすいように普段から使用している大きさのものを持参することをおすすめします。 薬、医療用具 日常的に服用している薬があれば滞在日数分を用意してもっていきましょう。ほかにも医療用具などが必要であれば準備して持っていくようにしましょう。 消耗品 ティッシュやおむつなどの消耗品はなるべく多めに持参したほうが良いでしょう。最低でも滞在日数分、それよりも1〜3セット多く準備しておくと何かあったときに安心です。 体験入居の費用と日数 体験入居の日数は施設によって差がありますが、1泊2日〜1週間と比較的短めな場合もあれば3ヵ月滞在が可能な場合もあるようです。 本格的な入居の前に不安や疑問点を取り除くという意味でも、納得のいくまで滞在するのが好ましいですが、1週間程度の滞在でも老人ホームでの暮らしや雰囲気がより現実的なものになるかと思います。 また、体験入居の費用についても体験入居を希望する方の介護度や、施設によって差はありますが、1泊5000円〜1万5000円程度のところが多いようです。 体験入居の注意点 他の入居者にとって施設は実際に暮らしている生活スペースで、自宅も同然です。最低限のマナーを守り、共同生活の輪を乱さないよう心がけて行動しましょう。 また、施設には家族との面会や訪問についてルールがあります。体験入居中でも、本入居しているのと同様に、面会頻度や時間帯のルールを守りましょう。 施設はあくまでも共同生活を送る場であるという意識を持ち、大きな声は出さない、決められたルールは守る、プライバシーをきちんと尊重するといった他者への配慮を忘れないことも大切です。 本契約の前に体験入居を活用しよう 老人ホームを契約する前に、できるだけ体験入居しておくことをおすすめします。見学や資料だけではわからないこともたくさんあります。体験入居の制度がない施設の場合、契約後一定期間内なら解約できるクーリングオフ制度を利用して、体験入居の代わりにすることもできます。 ただし体験入居しすぎても、時間と労力がかかる上に、施設の良し悪しが見えすぎて迷ってしまうことにつながります。 資料や見学の段階で施設をいくつか絞り込んで、最終的に残った2,3の候補に体験入居してみるくらいがちょうど良いでしょう。 体験入居を複数の施設で行う場合は、チェックポイントを整理して、優先順位をつけておきましょう。自分が大切にするポイントがどれだけ満たされるかしっかり確認することが大切です。 老人ホームの体験入居に関するよくある質問 老人ホームへ入居する際は体験入居をした方が良いですか? 実際の生活リズムやスタッフの対応などを肌で感じるためにも体験入居をしておくと良いでしょう。ただし、見学のように無料というわけにもいかないので、体験入居の際にかかる費用や提供されるサービスについては、施設側へ確認しましょう。 体験入居の費用はいくらですか? 体験入居の費用は、希望する人の要介護度や施設によって差が生じ、概ね1泊5000~15000円程度のところが多いです。また別途オプションを付ける場合は、金額に変動があるので注意しましょう。 体験入居はいつまでできますか? 体験入居の日数は施設によってさまざまで、1泊2日〜1週間と比較的短めな場合もあれば、最長で3カ月滞在が可能な施設もあります。ただ1週間ほどの滞在でも生活の流れや雰囲気などがわかり、疑問や不安なども解消できるでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームへ入居する際は体験入居をした方が良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/11/22

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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