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在宅での認知症介護のコツ

【医師監修】認知症の被害妄想とは?|妄想の種類別の接し方を解説

認知症の症状のひとつに被害妄想が挙げられます。認知症の人を介護している中で、認知症の本人から「物を盗られた」「私は邪魔な存在だ」と言われてしまうこともあるでしょう。 認知症による被害妄想は相手を傷つけようと悪意を持って言っているのではなく、本人が現状に対する不満を伝えたり、助けを求めるメッセージのような手段的要素があります。 もし、本人から被害妄想による訴えを聞いた際には頭ごなしに否定せず、本人の話をよく聞いて、本人が発言した内容に隠れている不安な気持ちや孤独に寄り添うことが大切です。 この記事では、認知症による妄想の具体的な症状や対応方法について紹介します。ぜひ参考にしてください。 この記事を読めばこれがわかる! 認知症による被害妄想の具体的な内容がわかる! 被害妄想への対応方法がわかる! 被害妄想への対応に困った際の相談窓口がわかる! 認知症による被害妄想とは 認知症の症状のひとつに「妄想」があります。妄想の多くの症状は、事実ではないにもかかわらず自分が被害を受けたと思い込んでしまう「被害妄想」であるとされています。 被害妄想をしてしまう原因は、認知症を発症してたことによる認知機能の低下に加え、認知症を患っているという現実に対する、やるせなさや認知症の症状に対する苦しみ、周囲への不満などさまざまな感情が複雑にからみ合い、影響し合うことであらわれるとされています。 しかし、そういった被害妄想は相手を傷つけようと悪意を持って言っているのではなく、本人が現状に対する不満を伝えたり、助けを求めるメッセージのような手段的要素があります。 無意識に自分を被害者という守られやすい立場におき、相手に伝えたいことを必死に訴えかけているのです。 被害妄想の種類 認知症の人が発症する妄想の種類は主に以下です。 被害妄想 物盗られ妄想 見捨てられ妄想 対人妄想 嫉妬妄想 迫害妄想 帰宅願望 それぞれ詳しく見てみましょう。 被害妄想 認知症の人が発症する妄想の代表的なものが「被害妄想」です。 具体的な被害妄想の例は主に以下です。 看護師や介護スタッフなどに悪口を言われる 家族に邪魔者扱いされる・のけ者にされる 被害妄想とは、認知機能の低下により、うまく状況を認識できないために起きる妄想です。本人が周囲の人間から「直接的な攻撃を受けている」と訴えることもあります。 物盗られ妄想 認知症の人が発症する妄想の中でも「物盗られ妄想」は多くの人が引き起こす症状です。 具体的な物盗られ妄想の例は主に以下です。 家族に現金を盗られた 介護スタッフに宝石を盗まれた 物盗られ妄想は財産に関連するものを盗まれたと思い込むことが多いです。また、家族や介護スタッフなど、介護をする時間が長い比較的身近な人に対してあらわれる場合が多いのも特徴です。 この物盗られ妄想が引き起こされる要因として記憶能力の低下はもちろんですが、自分の機能低下を認めたくないという不安や焦りの感情も大きいとされています。 「財布をどこかに置いたけれど思い出すことができない、でも自分が認知症であることは認めたくない」という思いにより、本人は誰かが盗ったと結論づけてしまいます。 このように、現実と思考が乖離してしまうことで記憶違いが生まれ、物盗られ妄想へとつながっていくのです。 見捨てられ妄想 認知症の人が発症する妄想に「見捨てられ妄想」もあります。 具体的な見捨てられ妄想の例は主に以下です。 自分は家族に必要とされていない 自分は家族にとって邪魔な存在だ 自分は家族に迷惑をかける存在だ 認知症になると、いままでできていた料理や掃除といった家事が次第にできなくなり、症状が進行していくにつれ、日常生活を家族や介護スタッフなどに支えられて送ることになります。 「今までできていたことができなくなった」という自信の喪失が日を追うごとに負い目を感じるようになり、それが次第に自分は邪魔な存在だ、誰からも必要とされていないといった見捨てられ妄想へと転じていきます。 見捨てられ妄想がひどくなり、家族のことを信用できなくなってしまうと部屋に閉じこもってしまう場合もでてきます。 そうなってしまうと運動する機会が減り身体能力が低下することに加え、人とのコミュニケーションをとる機会も減ってしまうため認知症の症状も悪化してしまう恐れがあります。 対人妄想 認知症の人が発症する妄想に「対人妄想」もあります。 具体的な対人妄想の例は主に以下です。 「知らない男」など特定の人物が家に入ってきた 「知らない男」など特定の人物に冷蔵庫の料理を食べられた 対人妄想は、妄想の内容が細かくリアルであることが多いです。例えば、「知らない男が家に入り込み、冷蔵庫の中のおかずを食べた。その後、男は証拠隠滅をするために使用した皿を洗っていた」など、認知症の症状であることを知らない第三者が聞けば事実だと思ってしまいそうな内容の場合もあります。 対人妄想は本人が家庭内での役割を失い頼られなくなる悲しみや、自分の価値が失われる寂しさが原因で起こる可能性があります。 対人妄想を周囲の人に何度も訴えると、次第に本人の信用がなくなり孤立してしまうこともあるので注意が必要です。 嫉妬妄想 認知症の人が発症する妄想に「嫉妬妄想」もあります。 具体的な嫉妬妄想の例は主に以下です。 妻(夫)が浮気をしている 妻(夫)が浮気相手を家に連れ込んでいる 妻(夫)が浮気相手と駆け落ちをしたかもしれない 嫉妬妄想とは、配偶者に対して浮気をしているのではないかと誤解してしまう妄想です。 配偶者の帰りが少し遅くなったり、自分と接する時間が昔と比べて短くなったりした時に「外で誰かと会っていたのではないか」などと思い込み、激しく嫉妬してしまいます。 嫉妬妄想が起こる原因も見捨てられ妄想と同じように、認知症を患ったことで自分は迷惑がかかる邪魔な存在だと思い込んでしまうことにあります。 認知症になったことで配偶者に嫌われてしまうのではないか、離れて暮らさなくてはいけないのではないかといった不安が必要とされていないという考えに至り、浮気をされているかもしれないという思い込みへとエスカレートしていくのです。 迫害妄想 認知症の人が発症する妄想に「迫害妄想」もあります。 具体的な迫害妄想の例は主に以下です。 家族に暴力を振るわれている 若い男に命を狙われている 迫害妄想とは「誰かに狙われている」など、誰かが自分に危害を加えようと企てている・攻撃されていると訴える妄想です。 自分に危害を加える相手は「見知らぬ誰か」の場合もあれば「家族」「介護スタッフ」など身近な人の場合もあり、周囲の人から虐待を疑われてしまう可能性があるので注意が必要です。本人に迫害妄想の症状があらわれたと感じたら、すぐにケアマネジャーなどと状況を共有しましょう。 帰宅願望 認知症の人が発症する妄想に「帰宅願望」もあります。 帰宅願望は「家に帰りたい」と訴える症状です。本人が自宅にいても病院や施設にいても、そこではないどこかへ「帰りたい」と訴えます。本人が「家に帰りたい」と考えて、実際に外に出てしまうこともあります。 帰宅願望は認知症の代表的な症状である見当識障害により、自分の場所が正確に理解できないことが原因で起こるとされています。 幻覚との違いは? そもそも幻覚とは「幻視」「幻聴」「幻臭」「幻触」「幻味」の5つに分類され、認知症を患っている人の多くは、幻視が症状としてよくあらわれるとされています。具体的な症状としては、亡くなった人が部屋にあらわれたと言うようになったり、誰かがいる感じがすると言ったりするなど幻を見るようになります。また、幻視に悩まされる認知症のひとつとしてレビー小体型認知症が挙げられます。レビー小体型認知症を患っている場合、幻を見るだけではなく、見ることで怯えてしまったり、奇声をあげてしまったりする場合もあるようです。 被害妄想の基本的な接し方 認知症による被害妄想があらわれた場合、症状が出た本人との基本的なおすすめの対応方法は主に以下です。 本人の話を否定しないで聞く 本人の話に共感する 自尊心を取り戻してもらう 一人で抱え込まずに周囲に相談する 本人と距離をとる それぞれ詳しく見てみましょう。 本人の話を否定しないで聞く 認知症を患っている本人に被害妄想が見られたときには、本人の話を頭ごなしに否定せず落ち着いて話の内容を聞きましょう。 認知症を患っている本人に物盗られ妄想や見捨てられ妄想があらわれ、泥棒呼ばわりされたり浮気を疑うような発言をされ、嫌な思いをすることもあるかもしれません。しかし、認知症の本人に嫌なことを言われても頭ごなしに否定をしていると状況を改善することはできません。 認知症ではない人にとっては理不尽な発言かもしれませんが、認知症を患っている本人にとっては真実を訴えています。本人は訴えた真実を否定をされると怒りや悲しさ、疎外感といった感情が増幅し、被害妄想が悪化してしまう可能性もあります。 まずは言われたことに対して肯定も否定もせず、きちんと話に耳を傾けるましょう。 認知症による被害妄想が現れてしまった人と接するには、本人が発言した内容に隠れている不安な気持ちや孤独をきちんと聞くことが大切。そして抱えているつらさを受け止め、本人が感情を落ち着けるようにしましょう。 本人の話に共感する 認知症を患っている本人に被害妄想が見られたときには、本人の話に共感するのも大切です。本人の話を否定をせず相手の言葉を受け入れるのと同時に、話を聞く際に「大変ですね」「お気持ちわかります」などと相槌をうち共感をすると、なお効果的です。 認知症が原因で起こる被害妄想はその訴えている内容自体に意味があるというよりも、不安に思っていることを理解してほしい、やるせなさを理解してほしいというような大切なメッセージが隠されていることが多いです。 そして、不安な感情は話に共感し寄り添ってくれることで認知症を患っている本人も口に出しやすくなります。そのため、日々の会話の中で不安な感情に気付くきっかけを作るためにも共感することを心がけながら話をすると良いでしょう。 自尊心を取り戻してもらう 認知症による被害妄想が本人の自尊心が傷ついているのが原因であれば、本人のプライドを取り戻せる工夫をすることも、おすすめの対応方法のひとつです。 本人が手芸が好きな場合は本人から手芸のやり方を教わったり、本人料理が得意な場合はとっておきの得意料理レシピを教えてもらったりするなど、コミュニケーションにを工夫してみましょう。何かを教えるという行動を通じて本人の自信を取り戻していくことは自尊心の向上につながります。 一人で抱え込まずに周囲に相談する 被害妄想の矛先が介護をしている人自身に向いている場合、否定もせず一人で対応し続けるのには大変な心労を負い、精神的に参ってしまうことも。少しでもつらいと感じたら、ひとりで対応せずに、できるだけ早くケアマネージャーや医師に相談するしましょう。 「自分のことよりも認知症の人をどうにかしたい」「相談しても理解してもらえないかもしれない」といった焦りや不安から相談することをためらう人もいるでしょう。しかし、まずは介護者自身が心身ともに健康である状態を守り保ち続けることが重要です。 また、どうしても相談することに前向きになれない場合には、被害妄想に悩む人たちのための家族会や定期的に勉強会を開催している団体に頼るという手もあります。 同じ悩みを抱える人たちで話し合うことから始めてみると、そういった場所があるだけでも気持ちが落ち着くはずです。 本人と距離をとる 認知症を患っている本人に被害妄想が見られ、被害妄想の矛先が介護者自身に向いているのであれば、周囲の人の協力を得て本人と距離をとりましょう。思い切って距離をとることは自分の健康を維持するためには大切です。 別の人に介護を頼めるのであれば代わってもらったり、病院への短期入院を検討してみても良いでしょう。その間は介護から離れ自分の趣味ややりたかったことにトライするなど、自分を労る時間として使い、心にエネルギーをため込み心身の休養を取るのがおすすめです。 すぐには距離をとることが難しい場合でもひとりで抱え込むようなことはせず、医者やケアマネージャーなどの第三者に相談をし適切な距離の取り方を検討しましょう。 被害妄想の種類別での接し方 認知症による被害妄想の種類別でおすすめの対応方法を紹介します。 物盗られ妄想への接し方 見捨てられ妄想への接し方 対人妄想への接し方 嫉妬妄想への接し方 被害妄想・迫害妄想への接し方 帰宅願望への接し方 幻覚への接し方 それぞれ詳しく見てみましょう。 物盗られ妄想への接し方 本人に物盗られ妄想物が現れた際に、本人から「物を盗んだでしょう」と言われても否定も肯定もせず、「大切なものがなくなってしまい困っている」「早く見つけなければと焦っている」といった感情に寄り添い共感して訴えを聞きましょう。 訴えを聞いた後は、なくなったと言っている物を一緒にに探すのがおすすめ。自分が最初に発見した場合にはわかりやすい位置に置きなおしたりして、本人に発見してもらうようにしてください。なぜなら、本人が盗られたと言い張っていた物を他人に発見されてしまうと、本人としてもばつが悪く「盗った物を元に戻したんだろう」と新たな被害妄想に発展してしまうこともあるためです。 また、自分で発見できたという安心感はもの忘れに対する不安も拭ってくれます。 見捨てられ妄想への接し方 本人に見捨てられ妄想が現れた際には、本人とのコミュニケーションの機会を増やしたり、本人が憂鬱になる場面を減らしたりしましょう。例えば、一緒に散歩をする、本人が無理なく参加できる家事をお願いする、などがおすすめです。 見捨てられ妄想は本人の自信の喪失が原因であることが多いため、本人が自信を取り戻せるような行動を取ってもらうことが大切です。本人が得意なことや簡単な作業、家事などを頼み、それができた際には感謝を伝えることで本人は達成感を得られます。 対人妄想への接し方 対人妄想は、大切な人とのつながりが薄れてく恐怖や本人自身の居場所が失われるのではないかという不安が引き金となり発症しやすいのが特徴です。本人が失われたと思っている人との関係や居場所について、実際はその人との関係や居場所が失われていないことを再認識させて、不安を取り除き安心感を与えることが大切です。 また、本人の「自分は邪魔な存在だ」という不安や疎外感をなくすため、「自分は役に立つ存在だ」と認識できるような体験をしてもらうのがおすすめです。 例えば、本人が以前得意だった趣味を少しずつ始めてみたり、周囲の人とコミュニケーションが取れる場を作ってあげたりするなど。本人が新たな役割や価値を見出せる環境を作りましょう。 嫉妬妄想への接し方 本人に嫉妬妄想が現れた際には妄想の内容に応じて対応するのがおすすめ。本人の妄想の内容から、誰のどのような行動に対して不安を抱えているのかを考えることが大切です。 例えば、本人が「配偶者が浮気している」と感じている場合は「配偶者は浮気などしていない。家族はみんな元気で仲良くいる」と伝えましょう。また、本人と配偶者が関わる時間を増やし、一緒に出かけるなどして、本人が配偶者に大切にされていることを実感してもらいましょう。 嫉妬妄想は特定の相手に対する寂しさや焦燥感から現れることが多いです。日頃から本人と丁寧に接することで安心感が生まれ、寂しさや焦燥感を和らげることができます。 被害妄想・迫害妄想への接し方 被害妄想・迫害妄想の中でも、暴言や暴力などの被害を訴える妄想への対応は特に注意が必要です。なぜなら、認知症による被害妄想・迫害妄想をしてしまうことを知らない周囲の人が、本人の被害妄想の内容を聞き「本人の家族などが虐待をしているかも…」と勘違いをしてトラブルを招くことがあるためです。 周囲の人から良からぬ誤解を生ませないためには、ケアマネージャーなどの第三者などを介して一人で抱え込まないようにするのがおすすめです。特に、自分自身が暴言や暴力などの被害妄想の加害者として対象にされている場合は、精神的な安定をはかるためにも心理的、物理的な距離をとるようにしましょう。 また、本人が訴える暴言や暴力などが妄想ではなく事実である場合もあります。 被害妄想・迫害妄想があらわれた場合には、はじめから被害妄想だと決めつけずに、きちんと状況を確認し慎重に対応するようにしましょう。 帰宅願望への接し方 本人に帰宅願望が現れた際には、まず本人がなぜ帰ろうとしているのかを聞きましょう。本人の訴えを聞いている際は「家はここだよ」「今日は帰れないよ」などと否定せず、本人の話に同調するのが大切です。 本人の話を聞いた後は「今日はもう遅いので泊まっていきましょう」などと答えることで、落ち着く場合があります。 幻覚への接し方 もし、本人に認知症による幻覚が現れた場合には、物盗られ妄想の時と同様に否定もせず肯定もしないということを意識して接しましょう。 幻覚には以下の症状があります。 幻視:他人に見えないものが見える症状(床に虫がいる、など) 錯視:現実に存在するものが別のものに見える症状(壁のしみが人の顔に見える、など) 幻聴:他人には聞こえない音や声が聞こえる症状(誰も居ない部屋から話し声が聞こえる、など) 幻覚は周りの人には見えませんが、本人はとっては現実に見えています。そのため、本人は家族や周りの人に「そんなことはない」と否定されると混乱したり、拒絶されたと感じてしまいます。本人に幻覚などの症状が現れた際には、「追い払いましたよ」などの声をかけて安心させることが大切です。 また、本人の幻覚の話を下手に肯定をしてしまうと肯定されたことでさらなる妄想を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。 それでも幻覚症状がひどく、家族への負担が大きくなる場合には早めに医師に相談するようにしてましょう。 認知症による被害妄想について困ったときの相談窓口 認知症による被害妄想について、「どうやって対応をしたらいいのか」「病院に行くべきなのか」などと困った場合は専門家に相談しましょう。 主な相談窓口は以下です。 地域包括支援センターなどの自治体 市区町村の保健所 精神保健福祉センター 社会福祉協議会 また、厚生労働省のホームページでは認知症の相談窓口を紹介しているので、どこに連絡すれば良いのかわからない場合には検索してみましょう。 認知症による被害妄想を完全に消失させることは困難かつ、かなりの時間を必要とします。その間にも認知症は進行し、できなくなることも増える中で苦しさも増していくことがあります。 そんな中で大切になるのは、被害妄想をなくすことよりも認知症を患っている本人、そして家族が安心して心身ともに健康に過ごせることです。 本人や家族が互い健やかに過ごしていくためにもひとりで抱え込んだりせず、介護や医療サービスの力を借りましょう。 よくある質問 何故、被害妄想が起きるのでしょうか? 認知症を患っているという現実に対するやるせなさや症状に対する苦しみ、周囲への不満などから症状が起きるとされています。 しかし認知症による被害妄想は、相手を傷つけようと悪意を持って言っているのではなく、相手にメッセージを必死に訴えかけているケースが多いです。 被害妄想の症状が出ている人にはどう接すべきですか? 「否定しないで聞く」「話に共感する」「周囲に相談する」「距離をとる」「自尊心を取り戻してもらう」などが挙げられます。 特に否定をしないで聞くということは重要で、認知症ではない人には理不尽な発言に思えるものも、認知症を患っている人にとっては真実を訴えているだけです。 そこで否定をされると怒りや悲しさ、疎外感といった感情が増幅し、場合によっては暴言・暴力につながる可能性も出てきます。 物盗られ妄想にはどう接すれば良いですか? 否定も肯定もせず、共感して聞きましょう。なくなったと言っている物を一緒に探し、わかりやすい位置に起くことで本人に発見してもらうようにしてください。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "何故、被害妄想が起きるのでしょうか?", "acceptedAnswer": { ...

2021/12/17

認知症の症状である暴力・暴言の原因や症状の特徴、対処法や予防

【医師監修】認知症による暴言・暴力の対応方法|原因や予防策

認知症が進行した高齢者による暴言や暴力は介護する家族や周囲の人を危険にさらすことになり、とても大きな問題です。 認知症になるとなぜ暴言や暴力が起きるのでしょうか。原因について明らかにすることで、対応方法についても考えていきましょう。 暴言・暴力が起きる原因は? 認知症になると必ず暴言や暴力が起きるわけではありません。同じ認知症でも暴力的にならない人もたくさんいます。 暴言や暴力が起きる原因には、主に以下のようなものがあります。 感情のコントロールが利かない 不安を感じた 否定されたり自尊心が傷つけられた 薬の副作用 認知症の行動・心理症状(BPSD) ここからは、それぞれの原因を深く探るとともに、効果的な接し方をご紹介していきます。 感情のコントロールが利かない 認知症が進行して前頭葉部分が大きく萎縮すると、感情のコントロールが利かずに、軽度な刺激に対して激怒したり泣いたり、大笑いするような症状が出ます。それまで穏やかだった人が突然暴言を吐いたり暴力的になると、驚き、混乱してしまう方も多いです。 このように、感情をコントロールできずに、あふれてしまう状態を感情失禁と呼びます。感情失禁は暴言や暴力が起きる原因のひとつと言われています。 感情失禁は本人がストレスや不安を感じたときに起きるケースが多いです。普段であれば冗談として笑い飛ばせることでも、認知症になると大きなストレスに感じて過剰に反応してしまいます。 何かのきっかけで感情のコントロールが利かなくなると、周囲の人が同じように興奮したり怒鳴ったりすることは逆効果になります。このようなときは、冷静に対処することが大切です。 不安を感じた 認知症の方が暴言や暴力を振るうときは、もしかしたら今置かれている状況に不安を感じているのかもしれません。 認知症になると、上手く自分の気持ちを相手に伝える言葉が見つからずに、適切なコミュニケーションを取るのが難しくなります。 例えば、どこに行くかわからないまま外出させられようとしたとき。不安に思う気持ちを言葉で伝えられずに、力ずくで逃げようとしたり、周りの人から身を守ろうとした結果が暴言や暴力になってしまったのかもしれません。 否定されたり自尊心が傷つけられた 認知症の方の中には、自分が認知症であることを理解している方も少なくありません。 これからどうなるのか不安を感じ、周囲の人が自分をどう見ているかについて恐れを抱いている方もいます。家族や周囲の人が良かれと思って助けてあげたことが、逆に本人の自尊心を傷つけてしまうこともあります。 自分でできると思っていることに対して過度に手を差し伸べられると、傷ついて怒り出したり、怒鳴りつけたりします。高齢者の車の運転なども社会問題になっていますが、危険だからと車の運転を突然止めさせたりすると暴れだすというケースもあるようです。 薬の副作用 認知症の治療薬の中には、服用しているとさまざまな副作用が出るものもあります。代表的な治療薬である「ドネペジル塩酸塩」も、食欲不振や下痢といった軽い副作用から、幻覚や徘徊のようなBPSDを引き起こす場合があります。 認知症の方が突然暴力的になったりするのは、薬の影響の可能性もあります。特に高齢になると、認知症の薬だけではなく他の薬も服用しているケースがあり、飲み合わせが悪いために症状が出ているのかもしれません。 このような場合は、薬を変えたり、薬の量を減らすことで対処することができます。かかりつけ医や薬剤師、専門の医療機関で相談してください。 認知症の行動・心理症状(BPSD) 今まで説明したような原因もありますが、暴力的な言動がでやすい認知症のタイプもあります。特に、暴力的な傾向があるのが脳の「前頭葉」や「側頭葉前方」が萎縮するタイプの、前頭側頭型認知症です。前頭側頭型認知症は、他の認知症とは違って難病認定されています。 また、アルツハイマー型認知症の次に多い血管性認知症も、感情のコントロールが難しくなり暴力行為を起こしやすくなります。レビー小体型認知症の場合は、幻聴や幻覚症状による不安から暴言や暴力を引き起こすことがあります。 症状によるセクハラ行為 感情のコントロールができないことの延長で、人によってはセクハラ行為を行うケースもあります。介助者が女性の場合、身体を触ったり性的な発言をしたりする男性も多く見られます。これは介護スタッフだけではなく、家族にとってもショックなことです。 認知症の症状が進行すると、エスカレートした結果、下半身を露出したり、襲い掛かるといった行為に発展することもあり、専門家にとっても対応が難しくなります。 対応としては、まずは冷静に「やめてほしい」という意思を伝えることが大切です。そして女性ひとりで介護にあたるのではなく、なるべく男性がついて対応するように気をつけてください。 何かあったときは1人で悩まず、必ずケアマネジャーなどに相談しましょう。 暴言・暴力の対応方法 認知症による暴言や暴力の発生自体を防ぐことは非常に困難です。では、介護者や家族はどのような対応をすることが望ましいのでしょうか。 対応として望ましいのが以下の5つです。 物理的な距離を置く 感情的な距離を置く 力で対抗しない 注意をそらす ケアマネジャーや医師に相談する 物理的な距離を置く 認知症によるものとわかっていても、暴言や暴力を受けたら介護する家族は辛い気持ちになります。 本人が暴力的になっているときは、とにかく巻き込まれないように距離を置きましょう。自分の身を守るためにも、介護する家族は物理的な距離をおいて介護から離れることも大切です。 他に介護を任せられる人がいない場合は、施設やショートステイなども利用しましょう。1人で抱え込むことなく、問題を多くの人と共有するように心がけてください。 感情的な距離を置く 物理的な距離だけではなく、感情的な距離を置くことも必要です。 認知症の方は症状の影響で感情のコントロールが上手くできません。介護する側まで同様に感情的になってしまうと、ますます悪い方向に進んでしまいます。 暴力や暴言がある場合は別のことを考えたりして、できるだけ冷静にいるようにしましょう。 力で対抗しない 暴力や暴言を力で押さえつけようとするのは、決して良い解決策ではありません。認知症の方は恐怖や不安から暴力や暴言を起こすことがあり、力で対抗すると不安を増強させることにつながりかねません。 自分の身を守るために力を使うことはもちろん正当防衛として認められますが、事態は何も変わりません。身の危険を感じたときは、まずその場から離れましょう。 注意をそらす 暴力的になった人も、他のことに注意をそらすことで気持ちがおさまることがあります。 テレビをつけたり、食べ物で気を引いたり。または、好きな趣味の話をすることも有効です。興奮している人を介助者と一緒に連れ出して、外の空気を吸うことで気分転換を促すのも良い方法です。 ケアマネジャーや医師に相談する 認知症の方による暴言や暴力に悩んだら、まずはケアマネジャーや担当の医師に相談することです。暴言や暴力の原因がなににあるかといったことは、初めて体験する家族には理解ができません。また、愛する家族のことなので、なおさら複雑な感情を抱えてしまいます。 ケアマネジャーや医師は同じようなケースを何度も見てきているので、なにが原因か、最適な対応策は何かについて知見を持っています。1人で悩みを抱え込まずに、専門家のアドバイスをしっかり聞くようにしましょう。 まずは原因を探ることが大切 対処法を考えるより前に、暴言や暴力が出てしまった原因を探ることが何より大切。冷静に本人の話に耳を傾けて、気持ちに寄り添うようことが大事です。本人も暴力を振るおうと思っているわけではなく、病気の症状によるものだということも理解してあげてください。 日常で気をつける予防と改善策 認知症による暴言や暴力に対しての日々の予防と改善策についてまとめました。 不安や混乱にならないように 認知症の方は、自分が置かれている時間や場所がわからなくなったり、今までできていたことができなくなったりして、不安や混乱を感じていることがあります。 そのようなときには、不安にならないように優しい態度で、丁寧に何度でも繰り返し伝えることが大切です。書いたものを見せたり、メモを取るのも有効です。 否定しないようにする 認知症の方も自分の症状を理解し、懸命に対応しようと努力をしています。認知症の影響でできないことを頭ごなしに否定しないように気をつけてください。 違っているとしてもすぐには否定せず、まずは「そうだね」と肯定し、その上で正しい対応に導いてあげると良いでしょう。 自尊心を傷つけないようにする 認知症の方を否定しないのと同様に、自尊心を傷つけるような言動は避けた方が良いです。 障害の影響でできないことが増えているとしても、「できない」と馬鹿にしたり、批判するようなことは厳禁。認知症の方に対しても、礼儀を持って接することが大切です。 家族の体調不良に気をつける 認知症の方を在宅で介護し続けると、家族に大きな負担がかかります。暴言や暴力を受けたり、徘徊や幻覚症状などが出ると、介護者自身が体調を崩してしまうケースもしばしば見受けられます。 認知症になると子供のようになると言われますが、心の状態は子供でも体格は大きな大人です。また、自分の親が認知症になった場合、介護する子供は親の変わりようにショックを受けることもあります。 介護する側の誰かがストレスや疲れで身体を壊すことがないように、気を付けることが大切です。状況によっては施設への入所やショートステイの利用も検討しましょう。 認知症による暴言・暴力に関するよくある質問 認知症で暴言・暴力は何故起こるのでしょうか? 認知症により脳の機能が低下し、感情を抑制する部分のコントロールが上手くできず暴言や暴力といった行動をとってしまうことがあります。また、不安を感じたり、否定をされるなどから暴言・暴力を振るってしまうこともあり、原因はさまざまです。 認知症の薬が原因で暴言・暴力が起こることはありますか? 認知症の薬が原因で暴言・暴力が起こることはあります。認知症の治療薬である「ドネペジル塩酸塩」は認知症の進行の緩和に役立つ一方で、下痢・食欲不振・幻覚・暴力行為といった副作用が指摘されています。 高齢者の場合、認知症の薬だけではなく他の薬を服用し飲み合わせが悪く、症状が出ている場合も考えられます。少しでも異変を感じたら薬の変更や量の調整を医師や薬剤師に相談をしましょう。 認知症による暴言・暴力の対応はどのようにすれば良いですか? 「一時的に心理的・物理的な距離を置く」「力で対抗しない」「注意をそらす」「ケアマネジャーや医師に相談する」などが対応として望ましいです。 特に大切なのは、一人で抱え込まず専門家に相談することです。ケアマネジャーや医師は同様のケースを多々見てきているので、何が原因で、どのように対応すれば良いか最適なアドバイスをくれます。 また暴言・暴力以外にも悩みがある場合、相談してみると家族の負担も軽減できるでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症で暴言・暴力は何故起こるのでしょうか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/16

認知症介護の介護拒否の原因と対応

介護拒否が起こる原因|3つの対応方法とよくある事例

「自分の親が認知症で介護拒否をし始めたが、どうしたら良いんだろう?」「介護拒否をする原因がわからない、介護の仕方が悪いのかな?」といったお悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、要介護者に介護拒否をされた場合の対応方法、原因、ポイントなど詳しく説明していきます。認知症介護でありがちな介護拒否の対策のヒントになるはずです! 介護拒否に対しての3つの対応方法 まず、要介護者に介護拒否をされた場合、介護する人はどのように接していく必要があるのかを説明していきます。ポイントは以下の3つです。 無理強いせず本人の意思を尊重する 具体的な声かけをする タイミングを見計らう 無理強いせず本人の意思を尊重する 忙しい日常生活の中で介護をしていると時間に余裕がないことも多く、要介護者に思わず無理強いしてしまうことも。 介護を拒否された場合は、介護する人も一呼吸置いてから「これをやりたくないんだね」とまずは要介護者の意思に寄り添い、認めてあげましょう。そうしたうえで「こうしてみても良いのでは」「自分で選んでみようか」など介護側からの提案や、生活に支障がない範囲内で本人に委ねてみましょう。 要介護者の気持ちを尊重することで、介護者の介助を受け入れるようになります。 具体的な声かけをする 特に認知症の方は、日常生活の介助に対しても理解ができないことがあります。 例えば「朝起きたらトイレに行きましょう」と排泄の介助をした場合、なぜトイレに行ってズボンや下着をおろすのかを理解できず、恐れや混乱などから介助者やトイレに行くことを拒否してしまうことがあります。 そのような場合は、「朝、トイレに行って排尿しましょう。お腹がすっきりして朝ごはんが食べたくなりませんか?」と具体的な説明をして本人に体感や納得させることにより、スムーズに排尿ができるようになることがあります。 タイミングを見計らう 要介護者は自分なりの生活タイミングが決まっていたり、認知症の方は「介護されている意味がわからない」場合があります。 そのため、介護を嫌がったり要介護者が気分を害した場合は、一旦、介護の手を止めて少し離れたところから見守り、本人がやりたいタイミングを見計らって、介護を再開すると良いでしょう。 また、お互いに「距離を取る」「間を持つ」ことも重要です。 介護拒否の主な原因 介護拒否されると介護する人も「自分が悪いのか?」と自分を責めてしまいがちですが、思いつめないようにしましょう。 以下の4つは、要介護者が介護拒否をした場合の代表的な原因です。 認知機能が低下している 怯えや不安を感じている 羞恥心が強い 自尊心が高い 認知機能が低下している 認知機能が低下すると、介護職のプロではない家族には理解できないこともあり、介護には忍耐と時間を要します。 例えば、要介護者が食べこぼしをしたので着替えさせようとしたら抵抗されて着替えがスムーズにいかなかったり、記憶障害によって着替えている最中に「なぜ服を脱がされているのか」と慌ててしまうことも。 その場合は「洋服がこのように汚れたので着替えましょう」「濡れていたままでは寒いでしょう?」と汚れた衣服を実際に見せて要介護者に寄り添いながら、何度も丁寧に説明すると良いでしょう。 怯えや不安を感じている 認知症の介護は本人の怖い、不安、恥ずかしいと感じた時の記憶の積み重ねに左右されることがあります。 例えば、「介護する人が誰だかわからない」→「ヘルパーの来訪に怯える」「手荒な着替えや入浴介助を受ける 」→「 着替えや入浴が怖い」「部屋やトイレで失禁してしまう 」→「 排泄が嫌・恥ずかしい」となっていき、時には大声を出して嫌がることがあります。 そのようになった場合は、一旦、本人の感情を受け止め、なぜ不安に感じているのか相手を理解するように努めましょう。そういった関わりを重ねることで、本人も介護の拒否や抵抗感が和らいでいくことでしょう。 羞恥心が強い 認知症の方にも当然私たちと同じように羞恥心があります。要介護度が高くなってくると排泄や入浴の介助が必要となるケースも多いですが、家族ではない人や異性にトイレや入浴、着替えの介助をされるのに嫌がる傾向があります。 また、「オムツを交換しましょう」「誰も見ないから、ここで洋服を着替えましょう」といったデリカシーやプライバシーの配慮に欠けた言動は、要介護者を傷つけ介護拒否に繋がることがあるので注意しましょう。 自尊心が高い 高齢者も元々は「自立した大人」であり、身体が不自由になってきたことやヘルパーに来てもらうことに抵抗感を持つことは当然と言えます。 排尿や排便で失敗してしまった人の中には「また下着が汚れたら」「着替え介助を受けて汚れた衣服や下着を見られたくない」と水分を摂るのを控えたりする人も。また、食事や投薬の記憶が曖昧だが、聞くのも恥ずかしくて食べず飲まずになってしまう要介護者もいます。 生命や健康維持に関わることもあるため、介護する側は気を付けてください。 よくある介護拒否のケース 介護拒否のパターンはおもに下記の6つのパターンがあります。 食事の拒否 服薬の拒否 入浴の拒否 着替えの拒否 排泄の拒否 外出の拒否 それぞれについての内容と、その対処法について見ていきましょう。 食事の拒否 食べることは生命を維持するうえで非常に大切ですが、食事を拒否することもあります。体調が悪くて食べられなかったり、食べる気にならないといった精神的な原因もあります。 一方で口内炎などで口の中が痛かったり、うまく飲み込めないといった身体的な原因の場合もあります。 また、認知症の症状によっては、箸の使い方がわからなくなっていたり、それがどう食べるものか理解できない状況もあるので、何故、食べないのかを観察することが重要と言えます。 服薬の拒否 認知症の薬を拒否するケースもあります。この場合は単に薬を飲むこと自体を忘れているだけのこともあります。しかし、わかっていて服用していない場合は、薬があわなかったり、飲みにくいという原因が考えられます。 医師に相談して、薬の回数・時間帯を変えてもらったり、できるだけスムーズに服薬できるように対策を検討しましょう。 入浴の拒否 入浴を拒否することも介護拒否ではよく見られます。入浴の介護拒否の原因の一つは衛生観念が薄まり、入浴の必要性を感じなくなることです。年とともに「着替える・入浴する」ということ自体が「億劫」になってしまう方も多いです。 また、介護者に裸を見られるのが恥ずかしいという羞恥心による場合もありますので、同性の介護者だけにするなどの配慮が必要です。「入浴が好きなのか、嫌いなのか」などを考慮する必要もあるでしょう。 着替えの拒否 着替えについては入浴と同様に羞恥心が要因の場合も多いです。しかし同時に着替える段取りを整えることができない実行機能障害がおきていて、困っているケースもあります。 着替えを拒否している場合も「なぜ拒んでいるか」を見極めたいところです。 排泄の拒否 認知症が進んでくると、便意や尿意についての意識が鈍ってくる傾向にあります。また、トイレの場所がわからなくなっていたり、トイレ自体の方法が曖昧になることも考えられます。 トイレを失敗すると本人にも家族にも大きなストレスにつながります。トイレを拒否している原因を正しく理解して、対策をとりましょう。 外出の拒否 そもそも年をとると外出自体が億劫になる傾向にあります。それにくわえて認知症の人の場合は、外出の意味が理解できずに余計なストレスや不安感を感じてしまうこともあります。 わかっていると思い込まないで、なぜ外出するのか、どこにいくのか、なにをするのかをしっかりと伝えたうえで外出するようにしましょう。 介護拒否をされても叱ってはいけない 家族とはいえ、親に介護を何度も拒否をされると感情も穏やかのままではいられないことも。時には傷つくこともあるでしょう。肉親であるがゆえに「早くして」「なんでできないの?」と叱ってしまい、余計に介護を拒絶されることもあるかもしれません。そのような時は、要介護者のペースや意思に合わせて、穏やかに介護することにより、いい結果が生まれる場合もあります。焦らずゆっくりと介護していくことが大事です。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; ...

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