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在宅介護サービス

在宅介護サービスの種類や特徴、費用について

在宅介護サービスの種類は?特徴や利用するまでの流れを解説

家族に介護が必要になったけれど、できるだけ住み慣れた自宅での生活を続けたい、そんな方が利用できる在宅介護サービスです。 この記事では、自宅で受けられる在宅介護サービスの種類、特徴、気になる費用などを紹介します。在宅介護を検討する際、在宅介護のメリットとデメリットをしっかり把握しておきましょう。 自宅で受けられる介護サービス 要支援・要介護認定を受けた要介護者が自宅で自立した生活をするにあたり利用できる介護サービスには次の種類があります。 訪問介護 訪問介護とは、ホームヘルパー(訪問介護員)が利用者の自宅(有料老人ホームなど、入居系サービスの居室も含む)を訪問。入浴や排泄といった身体介護から、洗濯、掃除といた生活援助までを提供してくれるサービスのことです。 ホームヘルパーは初任者研修、実務者研修、介護福祉士のいずれかの資格を取得しているため、知識や技術が充分にあり、安心してサービスを受けることができます。 訪問介護の費用 身体介護 サービス費用の設定利用者負担(1割)20分未満167円20分以上30分未満250円30分以上1時間未満396円1時間以上1時間半未満579円出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 生活援助 サービス費用の設定利用者負担(1割)20分以上45分未満183円45分以上225円出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 通院時の乗車・降車等介助 サービス費用の設定利用者負担(1割)(1回につき)1回につき99円出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 1回あたりの料金は数百円から数千円程度で利用できます。サービス内容やそのサービスに対する所要時間で細かく設定されており、利用者の希望に応えやすい形になっています。 また、料金は要介護度の度合では変わりません。とはいえ、介護度が高くなると身体介護などのサービス提供に時間を要する場合もあるため、要介護度が高い方の方が結果的に料金が高くなることがあるようです。 訪問看護 訪問看護とは、看護師が自宅に訪問し、病気や障がいのある人に必要な看護をおこなうこと。看護師が、主治医の指導のもと、自宅で病院と同じ医療処置をおこない、適切な療養生活が送れるよう支援することを目的としています。 通院が困難な人やご自宅でのリハビリを希望する人の多くに利用されており、それぞれの療養生活や自立をサポートし、できるだけ普段と変わらない生活を送るための手助けをしています。 訪問看護の利用を検討する際は、下記の窓口などに問い合わせ、費用や手続き、受けられる治療について相談し確認することをおすすめします。 医療機関、かかりつけ医 担当ケアマネージャー 地域の訪問看護ステーション 市区町村の担当窓口など 訪問看護の費用 看護師による訪問 時間自己負担額(1割の場合)20分未満313円30分未満470円30分以上60分未満821円60分以上1時間30分未満1,125円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 訪問入浴 訪問入浴とは看護師1名を含めた2〜3名の介護スタッフが入浴のサポートをおこなってくれる介護サービスのことです。 要介護度が高く自力では入浴が困難な方や、家族の手だけでは入浴が難しい場合などさまざまなケースで利用されています。 訪問入浴サービスは専門の浴槽が使われるため寝たきりの方でも安心して利用できます。さらに看護師による入浴前後の健康チェックがおこなわれるなど、入浴サポートだけではないサービスがあるのも魅力です。 訪問入浴の費用 要介護1~5の場合 洗浄範囲1回あたりの費用全身浴1,260円部分浴1,134円清拭1,134円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 要支援1~2の場合 洗浄範囲1回あたりの費用全身浴852円部分浴767円清拭767円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 訪問リハビリテーション 訪問リハビリテーションとは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問してリハビリテーションおこなうサービスのことです。 リハビリテーション施設や病院への通院が困難な方や、退院後の日常生活がまだ不安な方などが主に利用します。訪問リハビリテーションは主治医の許可が必要です。許可がないと利用できないので注意しましょう。 また訪問リハビリテーションでは、リハビリをするだけではなく、自宅環境の改善提案、介護している家族へのアドバイスなどもしてくれます。 利用者の身体機能向上や通所の負担軽減に加え、家族を含めた心理的サポートをおこなってくれるサービスとして人気です。 訪問リハビリテーションの費用 項目自己負担基本料金307円/1回(20分)加算料金サービス提供体制強化加算6円/回短期集中リハビリテーション加算200円/日リハビリテーションマネジメント加算180~483円/月移行支援加算17円/日 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 介護予防訪問リハビリテーションの費用 項目自己負担基本料金307円/1回(20分)加算料金サービス提供体制強化加算6円/回短期集中リハビリテーション加算200円/日 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 居宅療養管理指導 寝たきりになった高齢者を在宅療養で介護するということは、家族にとって不安も多いでしょう。施設であれば知見のある専門の介護スタッフがそろっていますが、自宅ではそうもいきません。 居宅療養管理指導は、医師や歯科衛生士といった専門職が自宅に訪問し、居宅療養を送るために助言・指導をしてくれるサービスです。居宅療養管理指導は介護保険サービスのひとつでもあります。 居宅療養管理指導の費用 職種単一建物居住者の人数1人2~9人10人以上医師514円486円445円歯科医師516円486円440円薬剤師(病院・診療所勤務)565円416円379円薬剤師(薬局勤務)517円378円341円管理栄養士(該当事業所)544円486円443円管理栄養士(該当事業所以外)524円466円423円歯科衛生士361円325円294円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 夜間対応型訪問介護 夜間対応型訪問介護とは、夜間の時間に限定した訪問介護が受けられる介護保険サービスのことです。 高齢化が進み、老々介護が増えたことなどから夜間の介護ニーズが高まり、2006年から始まった地域密着型サービスです。介護スタッフが定期的に訪問する「定期巡回訪問サービス」と、利用者から通報を受けて都度訪問する「随時対応サービス」があります。 夜間対応型訪問介護の費用 オペレーションサービスセンターがある場合 項目料金月額基本料金1025円定期巡回サービス(1回あたり)386円随時訪問サービス(1回あたり/ヘルパー1人)588円随時訪問サービス(1回あたり/ヘルパー2人)792円24時間通報対応加算610円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) オペレーションサービスセンターがない場合 項目料金月額基本料金2800円 施設に通って受けられる介護サービス 日帰りで施設に通い受けられる介護サービスは次の種類があります。地域密着型と記載があるサービスは、基本的にその市区町村に住民票がある方が対象です。 デイサービス(通所介護) デイサービスとは施設に入居することなく、自宅から通所でリハビリテーションや介護サービスを受けることで、高齢者のQOL(クオリティ オブ ライフ)の向上を目指す施設のことです。 デイサービスを利用する場合は施設から車で自宅まで迎えにきてくれるので、歩行に自信がない方でも利用できます。 デイサービスの費用 通常規模型通所介護費(円/1回) 要介護1要介護2要介護3要介護4要介護53~4時間未満368円421円477円530円585円4~5時間未満386円442円500円557円614円5~6時間未満567円670円773円876円979円6~7時間未満581円686円792円897円1003円7~8時間未満655円773円896円1018円1142円8~9時間未満666円787円911円1036円1162円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 地域密着型通所介護 要介護1要介護2要介護3要介護4要介護53~4時間未満415円476円538円598円661円4~5時間未満435円499円564円627円693円5~6時間未満655円773円893円1010円1130円6~7時間未満676円798円922円1045円1168円7~8時間未満750円887円1028円1168円1308円8~9時間未満780円922円1068円1216円1360円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 宿泊して受けられる介護サービス 一時的に介護施設などに宿泊して、入居者と同様に受けられる宿泊型介護サービスは次の種類があります。 ショートステイ ショートステイとは短期間だけ介護施設を利用して、食事や入浴補助といった介護サービスを受けることです。宿泊期間は1泊から可能で、最大30日間連続で利用することができます。 ショートステイを分類すると下記のようになります。 短期入所生活介護 短期入所療養介護 介護保険適用外のショートステイ ショートステイの費用 短期入所生活介護(併設型) 介護度従来型個室多床室ユニット型個室ユニット型多床室要支援1446円446円523円要支援2555円555円649円要介護1596円596円696円要介護2665円665円764円要介護3737円737円838円要介護4806円806円908円要介護5874円874円976円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) ※併設型:特養など、入居できる介護施設に併設されたショートステイのこと 短期入所療養介護 短期入所療養介護とは、通常の介護ではなく、より医療ケアに目的を置いたショートステイです。 短期入所療養介護施設には医師や看護師が配置されているので、専門的な医療ケアも受けられます。医療ケアとは経管栄養、尿管カテーテル管理、ストマ管理、酸素療法、痰吸引などのことを言います。 医療ケアだけではなく、理学療法士、作業療法士・言語聴覚士などの専門家によって適切なリハビリテーションや機能訓練もおこなわれています。 短期入所療養介護の費用 要介護度従来型個室多床室(2名以上)ユニット型個室要介護1752円827円833円要介護2799円876円879円要介護3861円939円943円要介護4914円991円997円要介護5966円1045円1049円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) ※ユニット型は、食事や談話ができる共同スペースと個室で構成された居宅形態※手厚い人員体制を敷く施設の場合はその分の加算がある 自宅・通い・宿泊で受けられる介護サービス 在宅、通い、宿泊の3つのサービスを利用者の状況によって組み合わせる在宅介護サービスは次の種類があります。 小規模多機能 小規模多機能型居宅介護はひとつの事業者がデイサービスを中心に、ショートステイや訪問介護もノンストップでサービス提供をおこなっています。そのために24時間・365日利用できるように休業日を設けていません。 空きがあれば「デイサービスを利用した後、そのままショートステイを利用」といった対応も可能です。 小規模多機能の費用 月額料金は要介護度により変わります。要支援の比較的介護が軽い方であれば月額3500円弱ですが、もっとも重たい要介護5の場合は月額が3万円近くになります。 要支援13,438円要支援26,948円要介護110,432円要介護215,318円要介護322,283円要介護424,593円要介護527,117円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 生活環境を整える介護サービス 要介護者が自宅で自立した生活を維持するため、福祉用具を提供するサービスや自宅をバリアフリー化するための介護サービスがあります。 福祉用具レンタル 車椅子や歩行補助杖などの福祉用具は、要介護者や要支援者の歩行や移動を介助し、自分で動ける力の維持を補助するものです。また、介護ベッドなどは、快適かつ安全な毎日を過ごすために必要な用具です。 福祉用具は、要介護者や要支援者の自立と暮らしの安心や生活の質を守り、介護者にとっては介護に関わるさまざまな負担を軽減する、大切な役割を担っています。 福祉用具は性能や種類によって以下の商品に分けられ、購入またはレンタルをして、利用します。 一般購入品 一般レンタル可能商品 介護保険購入商品 介護保険レンタル商品(福祉用貸与サービス) なお、介護保険の購入・レンタル商品は、それぞれの用具の種目によって分かれています。 介護保険外サービス 介護保険外サービスとは、介護保険が適用されず、全額自己負担する介護サービスのことです。 市区町村が実施する非営利目的の支援サービスから民間企業、NPO法人がおこなうサービスまで幅広くあり、利用方法や費用が異なります。 市区町村でよくある独自のサービスでは訪問理美容、おむつサービス、宅食、移送・送迎サービスなどがあり、要介護者、要介護認定を受けていない一人暮らし、もしくは高齢者のみの世帯を対象としています。 このように、介護保険ではカバーできない生活支援を介護保険外サービスではおこなっています。 在宅介護サービスを受けるまでの流れ 在宅介護サービス受けるには住民票のある市区町村で要介護認定の申請をして要介護認定を受けることが必要です。要介護度で受けられるサービスが異なります。 在宅介護のメリット・デメリット 家族に介護が必要になった場合、自宅で介護をするという選択肢がありますが。検討する際にメリットとデメリットをよく理解した上で判断することが重要です。 メリット 在宅介護は、要介護者が慣れ親しんだ環境で暮らせるので精神的な負担が少ないのがメリットです。また、介護施設に入居する場合と比べて、自宅での生活がメインとなるため初期費用や月額費用がかかりません。 必要に応じて介護サービスを組み合わせて利用できるので、介護費用を抑えることができます。家族の理解が得られる場合は在宅介護を選ぶ方が多いようです。 デメリット 在宅介護のデメリットは介護する家族側の精神的・肉体的・時間的負担が大きいことです。 介護者自身の生活が崩れる共倒れのリスクや、介護者の積み重なった疲労で心身ともに疲弊する介護疲れ、介護の負担からやむを得ず仕事を離職する介護離職が近年社会問題となっています。 介護は突然始まり、終わりが見えず長期間負担が続きます。在宅介護をする上で、在宅介護サービスを早めに活用することが必要不可欠です。 在宅介護に限界を感じたら 在宅介護は介護者の精神的・肉体的負担が大きく、社会から孤立しやすくなります。介護に限界を感じる前に早めに介護の専門家に相談しましょう。 ケアプランの見直し 現在のケアプランに無理がないか、定期的にチェックすることが必要です。 突然始まり、終わりが見えない介護生活でストレスを溜め続けることは大変危険です。介護者が無理をしていると感じたら早い段階でケアプランの見直しをおすすめします。 訪問、通所型介護サービスを利用したり頻度を増やして負担を減らす方法がありますし、一時的に宿泊型介護サービスを利用して介護者がリフレッシュすることが大切。介護者が心身ともに健康を維持していることが在宅介護には非常に重要です。 介護施設への入居を検討 在宅介護は要介護者側から見るとメリットは多いのですが、介護者側から見ると精神的・体力的・時間的負担が大。在宅介護が難しいと感じたら介護施設へ入居する選択肢もあります。 介護施設には介護専門スタッフが24時間常駐しており、専門スタッフによるリハビリテーションやサポートを受けることもできます。 他の入居者やスタッフと生活を共にすることで家族以外との交流も生まれます。このような介護施設のメリットなどを要介護者や家族に説明し家族が納得した上で話を進めることが大切です。 介護施設・老人ホームの施設探しには一般的に2~3ヵ月はかかると言われており、安価で質の高い介護が受けられる人気の施設は1年以上入居待ちをする可能性も。施設への入居を検討するには早いに越したことはありません。 状況に応じてサービスを選ぼう 在宅介護の最大のメリットは、住み慣れた環境で生活ができること。在宅生活を続けるには専門スタッフとケアプランを作成し、介護サービスをうまく活用することが大切です。 しかし介護現場では予期せぬ出来事に遭遇しますし、在宅介護が長引けば状況は変わっていくものです。 在宅介護サービスは要介護者はもちろん介護者の負担を軽減することも目的に設計されています。家族が対応できなくなる前に施設介護に切り替えるなど、状況に応じ介護サービスを選び快適な介護生活を過ごしましょう。 在宅介護サービスの種類に関するよくある質問 要介護度が高く自宅で入浴できない場合はどうすれば良いですか? 要介護度が高く、家族の手だけでは自宅で入浴できない場合は訪問入浴を利用しましょう。 訪問入浴は看護師1名を含めた2〜3名の介護スタッフが入浴のサポートをおこなってくれる介護サービスのことです。訪問入浴の際は、専門の浴槽が使用されるので要介護度の高い人でも安心して利用できます。 また洗浄範囲も全身浴、部分浴、清拭とさまざまで身体状況に応じて利用できるのもメリットです。 在宅でリハビリを受けたい場合はどうすれば良いですか? 在宅でリハビリを受けたい場合は、主に訪問リハビリを利用すると良いでしょう。 訪問リハビリは理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問してリハビリテーションをおこなうサービスのことで、リハビリテーション施設や病院への通院が困難な人を主な対象としています。 また、施設に通うことができるようになればデイサービスやデイケアでのリハビリも検討しましょう。 在宅介護が厳しい場合はどうすれば良いですか? 在宅介護が厳しいと感じたら介護施設へ入居する選択肢もあります。在宅介護は、家族の身体的・精神的負担が非常に大きく、社会から孤立するケースも問題になっており、介護うつを発症する人も多いです。 老人ホームでは、介護スタッフが24時間常駐しており、施設によっては医療的ケアやリハビリに力を入れている施設も増えてきています。人気のある施設は入居までに長い期間待機をしなくてはならないので、在宅介護が厳しいと感じたら早めに検討しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "要介護度が高く自宅で入浴できない場合はどうすれば良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/16

介護タクシーのサービス内容や費用、利用できる人の条件

【ケアマネ監修】介護タクシーとは?|費用・利用方法やサービス内容

在宅介護において、介護タクシーは知っておきたいサービスのひとつではありますが、普通のタクシーと違う点について詳しくご存知の方も少ないのでは? この記事では、介護タクシーを利用する方法や注意点などを説明します。 「通院時には使える?」「旅行や買い物に行くときも使えるの?」 そんな素朴な疑問にも詳しくお答えしています! 介護タクシーとは? 介護タクシーとは、要介護認定を受けた方や、身体の不自由な方が通所や通院のために利用するタクシーのことです。車両は車いすやストレッチャーごと乗車できるものになっており、介護タクシーのドライバーは介護福祉士関連の資格を持っています。 一般のタクシーと同じで目的地への輸送を目的としていますが、ドライバーが乗降時に介助をおこなってくれるので、家族にとっては非常に心強いサービスです。 介護タクシーに利用される車両 介護タクシーは車いすやストレッチャーごと乗車できるように、大きなワンボックスカーが主流になっています。 車両には車いす専用のスロープやリフトが標準装備されています。中には寝台車や乗降がしやすい回転式のシートの車もあります。 介護タクシーは訪問介護のひとつ 介護タクシーは訪問介護サービスのひとつです。 正確にいうと「介護タクシー」という名称のタクシーがあるわけではありません。通院時などに輸送と同時に乗降介助ができるタクシーのことを一般的に「介護タクシー」と呼んでいます。 介護タクシーは介護を前提としたサービスなので、ドライバーが介護関係の有資格者であることが必要なのです。 介護タクシーは2種類ある 介護タクシーは、介護保険の対象のものと対象外のものとで2種類が存在しています。基本的に介護タクシーは訪問介護のひとつなので、介護保険の対象になります。介護保険で定められた利用条件をクリアしていれば、介護保険が適用されて、自己負担額1割(収入によっては2割、または3割)で利用可能です。 しかし、介護保険適用外のタクシーを利用した場合は、全額自己負担となります。それぞれの利用法や利用用途は異なるので、詳しく見ていきましょう。 介護保険を使った介護タクシーの利用 まずは介護保険を利用できる介護タクシーについて、利用対象や利用手順、利用する上での注意点について確認しましょう。 利用対象 介護保険を使った介護タクシーの利用対象は下記の2つの条件を満たしている場合です。 自宅、有料老人ホーム、ケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅で生活している要介護1以上で、一人で公共交通機関に乗車することが困難である 利用対象は要介護1以上の方なので、要支援の方は利用できません。 利用目的 介護タクシーの利用は介護保険の対象になるため、利用目的については厳しく定められています。利用できるのは「日常生活上または社会生活で必要な行為に伴う外出」であることが条件です。 ちょっとした買い物や、気分転換の旅行といった私的な外出については利用対象にはならないので、注意しましょう。 対象となる利用目的の主な項目は下記を参照ください。 通院※入院時、退院時も含む 補聴器や眼鏡など本人が現場に行かなければならない買い物 預貯金の引き出し 選挙への投票 役所に届け出をする場合 受けられるサービス 介護タクシーで受けられるサービスはケアプランの内容次第です。利用する前にケアマネジャーと話し合い、利用目的に応じたサービスプランを作成してもらうことが重要です。 「通院等乗降介助」のサービス内容は、以下のようなものが挙げられます。 出発時 介護タクシーが利用者宅まで迎車 着替えなどの外出準備介助 タクシーまでの移動と乗車の介助 目的地に到着 降車介助、目的の場所までの移動介助 通院時は受付及び受診科までの移動介助と病院スタッフへの声かけ※病院内介助は病院スタッフがおこなう 受診後の会計や薬の受け取りサポート 帰宅時 降車介助、室内までの移動介助 必要に応じて着替えやおむつ交換など 利用手順 介護タクシーを利用する手順について説明します。簡単な利用フローは下記のとおり。 ケアマネジャーへ相談介護タクシー事業者との契約利用日程決定当日利用 ケアマネジャーへ相談 乗降介助ができる介護タクシーの利用が可能か、まずはケアマネジャーに相談しましょう。利用目的や利用対象に該当しているのであれば、ケアプランに記載してもらいます。 介護タクシー事業者との契約 介護タクシーの事業者を探して、メールや電話などで連絡をとってください。 予約する方法や支払い方法、スケジュール、夜間や急な対応も可能か確認しておきましょう。資料請求や見学などを経て、問題なければ申し込みです。 利用日程決定 利用したい日程が決まったら、介護タクシーを予約します。 利用希望の日時や目的、行先などに加えて、付き添いの人の有無や利用者の状況、何かあった場合の連絡先なども共有しておきます。 当日利用 利用当日、介護タクシーが迎えに来て、利用者を介助して車両に載せてくれます。 通院利用の場合は、病院での受付やスタッフへの声掛けなどもしてくれるので安心です。希望があれば鍵の施錠なども対応できます。 利用する上での4つの注意点 介護保険対象の介護タクシーを利用する上で知っておくべき注意点について説明します。大きく分けると次の4点です。 乗降介助以外のサービスは「身体介護」「生活支援」になる病院内での介助はできない家族の同乗はできない移動だけの利用はできない 乗降介助以外のサービスは「身体介助」「生活支援」になる 介護タクシーのドライバーが「乗降介助」以外の介助を20分から30分程度を超えておこなった場合は、乗降介助だけではなく、「身体介助」、もしくは「生活支援」をおこなったと見なされます。 車両に他のヘルパーが同乗している場合も移動中の介助内容によって「通院等の乗降介助」ではなく「身体介護」と判断される可能性もあります。 同じ介護タクシーの利用でも、どのサービスを利用したと判断されるかで費用の金額が変わります。金額については事前に確認するようにしましょう。 病院内での付き添いは原則できない 介護タクシーのドライバーは基本的に乗降介助が中心なので、病院内での付き添いや介助はできないことになっています。ただし、例外として寝たきりや認知症といった介護度が高い人で、病院内の移動や手続きが一人でできないような場合はドライバーの付き添いも可能になります。 このような細かい規則については、市町村窓口やケアマネジャーを通じて確認しておきましょう。 家族の同乗はできない 介護タクシーには家族の同乗は認められていません。家族が乗降介助をできるのであれば一般のタクシーを利用できるはずだという原則があります。介護タクシーの利用は家族による介助が不可能な場合に限って対象になります。 もちろんどうしても家族が付き添わないといけないといった理由がある場合は、利用前に市町村窓口などに相談をして許可をもらうことで、可能になることもあります。 移動だけの利用はできない 介護タクシーは通院や銀行などといった本人が目的地に訪問する必要があるときに利用できます。そのため、友人との食事や娯楽のための利用はできません。 また、移動と介助の2つの条件を満たす必要があり、「タクシーで移動だけしたい」「現地で介助だけしてほしい」といった利用はできません。 福祉タクシーの利用 介護保険を使わない介護タクシーは「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」と言い、一般的に福祉タクシーと呼ばれています。この場合は費用に関して自己負担で、そのほか利用方法や探し方も変わります。 以下では、詳細を見ていきましょう。 利用対象 介護タクシーは基本的に介護を必要とする高齢者向けのタクシーですが、介護保険を使わないのであれば、誰でも利用が可能です。要介護認定も必要ありませんし、要支援の方でも利用できます。 利用目的 利用目的についても特に制限や条件は設けられていません。家族が同乗することも問題ないので、家族とレジャーに行くときに利用することもできます。 単にリフレッシュのためのドライブも可能です。利用制限がない分、いろいろなシーンに便利に利用されています。 利用する上での注意点 注意点としては、介護保険を利用する介護タクシーと違って、ドライバーが福祉介護の有資格者でないケースもあるということです。乗降介助などが必要で有資格者を希望している場合は、かならず事前に確認するようにしましょう。 それ以外は大きな注意点はなく、一般のタクシー同様に自由に利用できるので安心です。 介護タクシーの利用料金 気になる介護タクシーを利用した場合にかかってくる利用料金について説明します。 時間制や距離制などさまざま 介護保険の利用有無に関係なく、介護タクシーの利用料金は「タクシーの運賃+介助料+車いすや寝台などの介護機器レンタル料金」がかかります。 介護保険の対象は介助料だけで、その他の費用はすべて実費となります。介護機器のレンタル料金についても対象外ですので、注意してください。 料金設定は特に決まった規定はないので、利用時間や走行距離などで事業所がそれぞれ設定しています。 時間制運賃 30分毎1,000円、または30分500円+以降30分毎に2,000円など 距離制運賃 2キロ750円+1キロ毎300円(迎車含む)など 距離制運賃の場合は、一般のタクシーと同水準のメーター料金を設定していることが多いようです。 また、観光、冠婚葬祭などで貸し切り利用もよくあるため、貸し切りの料金を設定している事業所もあります。貸し切りの場合の料金は、2時間10,000円~5時間25,000円が目安です。 介助にかかる料金 介助にかかる費用は介護保険の対象になるため、自己負担額のみの支払いになります。乗降介助だけではなく、病院内での付き添いや外出準備なども対象です。 料金はサービスを受ける量によって変わってきます。乗降介助の基本金額は片道1回あたり100円前後の自己負担額になります。 介護保険が適用されない場合の料金の目安は下記を参照ください。 基本介助(乗降介助):500~1,500円※乗降スタイルにより異なる 室内介助:1,000円 外出付き添い:1,200円 病院内介助:900円(30分) 利用する際はケアマネジャーと相談して、予算の範囲内で計画的に利用するようにしましょう。 介護器具のレンタル料金 介護タクシーでは、車椅子やストレッチャーといった介護器具のレンタルサービスもおこなっています。レンタルの利用は有料なので、別途費用がかかります。この料金は介護保険の対象ではありません。 介護器具をレンタルする場合の料金目安は下記の通りです。 車いす:無料~1,400円 リクライニング車いす:1,500~2,000円 ストレッチャー:4,000~6,000円 中には専門的な酸素吸入器などの医療機器をレンタルしている事業者もあります。外出するのに必要な器具がある場合は、事業者に問い合わせをしてみてください。 介護タクシーの探し方 ケアマネージャーは地域の介護タクシーについて情報をたくさんもっていることが多いので、介護タクシーを利用したい場合は、まずは担当のケアマネージャーに相談することをおすすめします。ケアマネージャーにいくつかピックアップしてもらい、介護タクシーの事業者に問い合わせをします。 事業者に自分から問い合わせするときは、本人の病状や身体の状態、乗車スタイルなどについてなるべく正確に伝えて、対応が可能かどうか確認しましょう。自宅の前の道路の状況や、段差や階段についての説明も必要です 実際に話をしてみると、その事業者がどのような感じかある程度の雰囲気をつかめると思います。また、料金設定が明確であることも重要。金額について曖昧な態度の事業者は避けたほうが良いでしょう。あらかじめ見積書を提出してもらうことも大切です。 介護保険を利用しない場合もケアマネージャーに相談したほうがいいですが、検索サイトや市町村のホームページに掲載している場合もあります。すぐに気軽に利用するような場合は、自分で探してみるのも問題ありません。 必要に応じて介護タクシーを利用しよう 介護タクシーのドライバーは単なるドライバーではなく、介護士でもあります。 介護タクシーを頻繁に利用するのであれば、なるべく人柄が良く、気が合うドライバーを見つけましょう。そのようなドライバーと出会うことで、引きこもりがちの要介護の高齢者も外出することが楽しみになるかもしれません。 ただし、介護タクシーは介護保険の対象になるのは介助費用だけです。その他は実費負担になるので、回数を多く利用すると費用も積みあがってしまいます。利用する頻度や内容についてはケアマネジャーと相談して、適度な利用を心がけましょう。 介護タクシーに関するよくある質問 介護タクシーでは送迎のほかに受けられるサービスはありますか? 介護タクシーでは送迎のほかに「着替えなどの外出準備」「乗降時の介助」「受診後の会計や薬の受け取りサポート」などが挙げられます。 サービスについてはケアプランに基づいておこなわれるので、ケアマネジャーに利用目的に応じたケアプランを作成してもらうことが重要です。 介護タクシーの費用はどのくらいかかりますか? 介護保険の利用有無に関係なく、介護タクシーの利用料金は「タクシーの運賃+介助料+車いすや寝台などの介護機器レンタル料金」がかかります。 タクシーの運賃については、時間制運賃、距離制運賃など事業所によってさまざまで30分毎1000円、2キロ750円+1キロ毎300円などといった設定がされています。 介護タクシーと福祉タクシーの違いは? 介護タクシーは訪問介護サービスに含まれるので、介護保険が適用されます。 一方で福祉タクシーは、一般のタクシー運転手が福祉自動車を使用しておこなう運送方法なので、介護保険が適用されません。また、利用料金に関しても全額自己負担です。 { "@context": 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2021/12/15

在宅介護サービスの種類や内容、利用するメリット・デメリットの解説

在宅介護とは?|サービスの種類と特徴、メリット・デメリット

在宅介護とは介護を自宅で生活しながらすることです。介護サービスは訪問型サービスと通所型サービスや複数のサービスを組み合わせるなど種類が豊富で、家族の状況によっても適したサービスは異なります。 この記事では、在宅介護サービスの種類やメリット・デメリットなどを詳しく解説します。しっかりと理解して、適切なサービス利用につなげてくださいね。 在宅介護とは 在宅介護とは、老人ホームなどに入居せず「自宅で介護を受ける」ことを指します。 介護を受けるにあたって、老人ホームへの入居を拒否する高齢者の方は多くいますが、住み慣れた環境でのケアは受け入れられやすい傾向があります。しかし、介護をおこなう家族の負担を考えると、その苦労は計り知れません。そこで、家族の負担を軽減するために利用できるのが在宅介護サービスです。 「介護を自宅でしたい!」と考えている方は、日常生活の中で在宅介護サービスを上手く利用し、精神的にも肉体的にも負担を軽減することが大切です。 自宅で受けられる介護サービス 在宅で受けられる介護サービスとして挙げられるのは以下の通りです。 訪問介護 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 夜間対応型訪問介護 訪問介護 訪問介護とは、ホームヘルパー(訪問介護員)が利用者の自宅(有料老人ホームなど、入居系サービスの居室も含む)を訪問。入浴や排泄といった身体介護から、洗濯、掃除といた生活援助までを提供してくれるサービスを指します。 ホームヘルパーは初任者研修修了、実務者研修修了、介護福祉士のいずれかの資格を取得しているため、介護に関しての知識や技術が充分にあり、安心してサービスを受けることができます。 訪問看護 訪問看護とは、看護師が自宅に訪問し、病気や障がいのある人に必要な看護をおこなうことを指します。看護師が、主治医の指導のもと、自宅で病院と同じ医療処置をおこない、適切な療養生活が送れるよう支援することを目的としています。 通院が困難な人や自宅でのリハビリを希望する人の多くに利用されており、それぞれの療養生活や自立をサポートし、できるだけ普段と変わらない生活を送るための手助けをしています。 訪問入浴 訪問入浴とは看護師1名を含めた2〜3名の介護スタッフが入浴をサポートしてくれる介護サービスを言います。 要介護度が高く自力では入浴が困難な人や、家族の手だけでは入浴が難しい場合などさまざまなケースで利用されています。 訪問入浴サービスは専門の浴槽が使われるため、寝たきりの人でも安心して利用できます。さらに看護師による入浴前後の健康チェックがおこなわれるなど、入浴サポートだけではないサービスがあるのも魅力です。 訪問リハビリテーション 訪問リハビリテーションとは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問してリハビリテーションをおこなうサービスのことです。 また訪問リハビリテーションでは、リハビリをするだけではなく、自宅環境の改善提案や介護をしている家族へのアドバイスなどもおこなっています。 居宅療養管理指導 居宅療養管理指導は、医師や歯科衛生士といった専門職が自宅に訪問し、居宅療養を送るための助言・指導をしてくれるサービスです。居宅療養管理指導は介護保険サービスのひとつでもあります。 夜間対応型訪問介護 夜間対応型訪問介護とは、夜間の時間に限定した訪問介護が受けられる介護保険サービスのことです。 高齢化が進み、老々介護が増えたことなどから夜間の介護ニーズが高まり、2006年から始まった地域密着型サービスです。介護スタッフが定期的に訪問する「定期巡回訪問サービス」と、利用者から通報を受けて都度訪問する「随時対応サービス」があります。 施設に通って受けられる介護サービス 要介護者が施設に通って受けられる通所介護サービスがあります。通所系の介護サービスは以下です。 通所介護(デイサービス) 通所リハビリ(デイケア) 通所介護(デイサービス) デイサービスとは、施設に入居することなく、自宅から通所でリハビリテーションや介護サービスを受けることで、高齢者のQOL(クオリティ オブ ライフ)の向上を目指す施設のことです。 デイサービスを利用する場合は施設から車で自宅まで迎えにきてくれるので、歩行に自信がない人でも利用できます。 通所リハビリ(デイケア) デイケアは別名「通所リハビリテーション」。要介護者が療養や退院後の機能回復を目的に、介護老人保健施設や病院などの医療施設に通いながら生活機能を向上させる訓練や食事、入浴などの生活支援を受ける施設のことを指します。 デイケアと似たサービスのひとつにデイサービスなども挙げられますが、デイケアは医療やリハビリに特化している点が特徴的です。 宿泊して受けられる介護サービス 短期で施設に宿泊して介護サービスを受けられます。宿泊系として利用できるサービスは以下の通りです。介護する家族の用事や療養、気分転換を目的に利用されることが多いサービスです。 短期入所生活介護(ショートステイ) 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 短期入所生活介護(ショートステイ) 短期入所生活介護とは、短期間だけ介護施設を利用して、食事や入浴介助といった介護サービスを受けることできます。宿泊期間は1泊から可能で、最大30日間連続で利用することができます。 特別養護老人ホームや有料老人ホームが対応しており、あくまで日常生活のサポート、介護サービスが中心です。 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 短期入所療養介護とは、通常の介護ではなく、より医療ケアに目的を置いた介護サービスを指します。 短期入所療養介護施設には医師や看護師が配置されているので、専門的な医療ケアも受けられます。医療ケアとは経管栄養、尿管カテーテル管理、ストマ管理、酸素療法、痰吸引などのことを言います。 医療ケアだけではなく、理学療法士、作業療法士・言語聴覚士などの専門家によって適切なリハビリテーションや機能訓練もおこなわれています。 自宅・通い・宿泊で受けられる介護サービス 新しい介護サービスとして注目されている介護サービスです。自宅・通い・宿泊の3種類のサービスをを1カ所で対応しているため、利用者にとって便利なサービスです。 小規模多機能型居宅介護 小規模多機能型居宅介護能は、2006年4月の介護保険法改正によって、新しく誕生した地域密着型のサービスです。 小規模多機能型居宅介護は、ひとつの事業者がデイサービスを中心に、ショートステイや訪問介護をサービスとして提供しています。そのために24時間・365日利用できるように休業日を設けていません。 空きがあれば「デイサービスを利用した後、そのままショートステイを利用」といった対応も可能です。 生活環境を整える介護サービス 在宅介護をする際は、福祉用具を揃えたり自宅をバリアフリー化したりして、生活環境を整えることが必要です。金銭的な負担が大きくなるので介護保険でレンタルできる用具もあります。 福祉用具レンタル 車椅子や歩行補助杖などの福祉用具は、要介護者や要支援者の歩行や移動を介助し、自分で動ける力の維持を補助するものです。また、介護ベッドなどは、快適かつ安全な毎日を過ごすために必要な用具です。 福祉用具は、要介護者や要支援者の自立と暮らしの安心や生活の質を守り、介護者にとっては介護に関わるさまざまな負担を軽減する、大切な役割を担っています。 介護リフォーム 介護される人がこれまで生活してきた自宅に安心して住み続けられるように、家の中の危険な場所をリフォームして安全な環境を整えることを「介護リフォーム」と言います。 介護される人が安心して生活できるように考えるのはもちろんのこと、介護する人の視点も忘れてはいけません。トイレや浴室など一緒に入って介助できるスペースを確保したり、車いすの使用が考えられる場合は、安全に介助できる動線の確保も必要です。 在宅介護のメリット 在宅介護のメリットは、「自宅に住み続けられる」「介護の状態に合わせて介護サービスを組み合わせて利用できる」などがあります。 住み慣れた自宅や地域で生活できる 要介護者が住み慣れた環境で生活を続けられることは、最も精神的に負担が少なく、居心地が良いでしょう。周りに気を遣わず、自分らしくいられることで落ち着いて生活ができます。 状態に合わせてサービスを選択できる 要介護者と家族の状況に合わせて介護サービスを複数選ぶことができます。 また、必要に応じて在宅介護サービスを利用することで、老人ホームへ入居するよりも費用負担を抑えることにもつながります。 在宅介護のデメリット 在宅介護のデメリットは、介護する家族側の精神的・肉体的・時間的負担が大きいことです。在宅介護の中で上手く介護サービスを活用することが必要不可欠です。 緊急時に適切な対応ができない 要介護者の体調が不安定の場合は、早めに専門スタッフが常駐している介護施設を利用しましょう。 介護施設には経験を積んだ介護職員や看護師などの専門スタッフが常駐しており、必要な設備も整っています。容体の急変などの緊急時に家族が応急処置をするのは至難の業です。 家族への負担が大きい 在宅介護は突然始まり、終わりが見えません。介護する家族は知らず知らずのうちに肉体的・精神的・時間的な負担に疲弊してしまい「共倒れ」になるリスクがあります。 在宅介護に関して要介護者と介護する家族の意見を交えて、負担を溜め込む前に介護方法を変更することも必要です。 在宅介護の不安 在宅介護で不安を感じるもののひとつとして最も回答が多かったのは、認知症への対応です。コミュニケーションが容易でない人に対して介護をするのは心身共に負担となり、要介護度が上がるほど、介護者の不安も大きいです。 続いて多いのが外出の付き合いや送迎です。要介護度が低い比較的自立して自由に動ける人ほど、どこまでサポートするべきか線引きが難しく、介護者が不安に感じることも少なくないです。 次に夜間の排泄です。要介護度が高くなるほど不安が多い結果となりました。昨今では、仕事と介護を両立している人も少なくないので、睡眠時間を削ることが体力的にも精神的にも負担となります。 比較検討をしてみて施設か在宅を決めよう 終わりは見えない介護生活でストレスを溜め続けることは大変危険で、介護者が共倒れになってしまうことが社会問題となっています。 在宅介護を続けることが難しいと感じたら、早い段階でケアプランの見直しをおすすめします。在宅介護で介護サービスの頻度を増やすか、介護施設・老人ホームへの入居も視野に入れ負担やコストを比較検討することが必要です。 介護施設・老人ホームの施設探しには一般的に2~3ヵ月かかると言われていますし、安価で質の高い介護が受けられる人気の施設は1年以上入居待ちをする可能性もあります。 費用面の話はもちろん、スケジュール的にも余裕をもって、老人ホーム選びをすると良いですよ。 在宅介護に関するよくある質問 在宅介護サービスにはどんな種類がありますか? 在宅介護サービスには、介護ヘルパーなどを自宅に呼んで介助を受ける訪問系サービス、自宅から施設に通い食事や入浴の介助を受ける通所系サービス、短期で施設に宿泊してさまざまな介助を受ける宿泊系サービスなどにわけられます。 在宅介護サービスを利用するにはどうすれば良いですか? 在宅介護サービス受けるには、まず住民票のある市区町村で要介護認定の申請をして要介護認定を受けることが必要です。要介護度が出た後、ケアマネジャーが決定し、利用者の身体状況に合わせてケアプランを組みます。その後、サービス事業者と契約を結び利用を開始します。 要介護5でも在宅介護は可能ですか? 要介護5でもさまざまな在宅介護サービスを利用することによって生活することはできます。しかし、在宅介護をする上で家族の身体的・精神的負担も増えるのは事実です。 在宅介護に不安を感じた際は、早い段階でケアマネジャーに相談しましょう。また老人ホームへの入居を検討する際は、スケジュールに余裕を持って情報収集などをおこないましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "在宅介護サービスにはどんな種類がありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/10

訪問看護サービスの内容や費用

訪問看護とは?|6つのサービスの内容と利用条件、費用について

病気や障がいがあっても、「できるだけ住み慣れた自宅で過ごしたい」「最期のときを大好きな我が家で迎えたい」と希望する家族も多いでしょう。 そこでこの記事では、在宅介護の大きな支えとなる訪問看護について、サービス内容や費用を解説します。 訪問看護とは? 訪問看護とは、看護師などの医療関係者が自宅に訪問し、病気や障がいのある人に必要な処置をおこなうことを指します。看護師が、主治医の指導のもと自宅で病院と同じ医療処置をおこない、適切な療養生活が送れるように支援することを目的としています。 通院が困難な人や自宅でのリハビリを希望する人が利用している傾向があり、できるだけ普段と変わらない生活を送るための手助けをしています。 訪問看護の利用を検討する際は、下記の窓口などに問い合わせ、費用や手続き、受けられる治療について相談し確認することをおすすめします。 医療機関、かかりつけ医担当ケアマネジャー地域の訪問看護ステーション市区町村の担当窓口など 訪問看護で受けられる6つのサービス 訪問看護で受けられるサービスには以下のようなものがあります。 健康状態の管理と看護療養生活の相談医療処置薬の管理相談リハビリテーション病院から施設への移行支援 それでは、詳しく説明していきましょう。 健康状態の管理と看護 訪問看護では、主に患者の健康管理をおこないます。患者の心身の状態をきちんと把握したうえで、病状の悪化を防ぐための自宅における生活指導、自己管理や自立を促すアドバイスなどの適切なサポートがおこなわれます。 これらの予防的支援によって、患者さん本人の自分でできることを増やし、生活の質を守る手助けをしています。 療養生活の相談 自宅での療養生活では、患者本人はもちろん、看護する家族も不安を感じることが多くあります。 訪問看護において、看護師などに患者にとってどのような治療が必要になるのかを相談し、適した支援を受けられることが大きな安心につながります。 また、体調が良くないなどの不安があり、さまざまなケアを必要とする場合は、「訪問介護」のサービスを利用し、入浴・排泄などの身体介護や生活援助サポートを受けることもできます。 医療処置 訪問看護では、かかりつけ医の指示のもと、看護師によって医療処置や看護サービスを受けることができます。 病状の悪化を防ぎ、日々の生活を快適に過ごせるよう、患者の状態に合わせてたんの吸引や点滴、注射などがおこなわれます。 病状に変化があった場合でも、担当医と連絡を取りながら、看護師によって速やかな処置を受けることができるのも訪問看護の強みです。 薬の管理相談 自宅での療養生活を送る中で、特に高齢者は、薬の管理が難しくなることがあります。 訪問看護では、これらの問題にもきちんと対応し、かかりつけ医から出された薬の飲み忘れがないか、用法用量は守られて飲めているのかなどの確認や相談にも乗ってくれます。 また、薬による症状の変化がある場合は、かかりつけ医に連絡し、適切な投薬サポートをおこなってくれます。 リハビリテーション 訪問看護では、自宅でのリハビリテーション支援もおこないます。自宅での療養生活を送る人には、日常生活にかかせない身体機能や運動能力の回復や維持を目的とした訓練や、床ずれや肺炎などの予防的リハビリを必要とする人がいます。 これらのリハビリは、患者自身や家族だけでは難しいことがあり、訪問看護でおこなわれる理学療法士などの支援やアドバイスは、とても頼もしいです。 病院から施設への移行支援 退院後に自宅に戻ったり施設へ入居したりする際も、 退院後の在宅生活の準備・指導、病院との連携を看護師がおこなってくれます。 退院後で体調が不安定な中でのサポートは、家族にとって心強いものです。 訪問看護を利用するにはどうしたら良い? 訪問看護は、病気や障がいによって在宅で療養生活を送るすべての人が利用できます。訪問看護で保険を利用する際には、医師による「訪問看護指示書」が必要です。 また、介護保険と医療保険のどちらの保険が利用できるかは、その疾患や患者の年齢によって変わります。介護保険で訪問看護を利用できる人は、65歳以上の要介護・要支援認定を受けている第1号被保険者、40~64歳で関節リウマチや末期がんなどの「特定疾病」が原因で要介護・要支援認定を受けている第2号被保険者が対象です。 利用する際は、担当ケアマネジャーに相談し、訪問看護ステーションに依頼してもらいましょう。 介護保険・医療保険の使い分け 医療保険は、年齢制限なく訪問看護を利用できますが、65歳以上の場合は、介護保険が利用できない人を対象としています。ただし、65歳以上の介護保険が利用できる人であっても、厚生労働省が指定した難病を持っている人は医療保険が適応されます。 また、末期がんの人や人工呼吸器が必要な人、毎日、褥瘡処置を受けなければならない人にも適用されます。 いずれであっても、訪問看護の利用には医師の指示が必要ですが、医療保険が利用できるかどうかは、担当のケアマネジャーに問い合わせる必要があります。 また、利用者のがんが末期になった場合も、介護保険から医療保険へ切り替わるので、確認が必要です。 訪問看護の回数 訪問看護が利用できる回数は、利用する人の症状などによって変わります。 末期がんなど頻繁に訪問看護を要する患者に対し、主治医の判断によって「特別訪問看護指示書」発行された場合は、回数無制限(週4日以上)で訪問看護を受けることができます。ただし、有効期限は14日間です。利用を延長したいときには、主治医へ再発行をお願いする必要があります。 特別訪問看護指示書とは? 「訪問看護指示書」のもと医療保険を利用して訪問看護を受けている患者が、急な病状の悪化や退院直後、終末期などの時に、頻繁な回数の訪問看護が必要であると主治医に判断された場合「特別訪問看護指示書」が発行されます。その有効期限は、医師の診察を受けた日から14日間となり、原則月1回のみ発行されます。ただし、気管カニューレを利用している患者や、褥瘡処置を毎日必要とする患者には月2回の交付が受けられるので、毎日でも訪問看護を受けることも可能です。 訪問看護の費用 保険を利用した場合の訪問看護にかかる費用は、利用時間の長さによって決まります。また、新規利用や緊急時の利用の場合などは、特別に料金が加算されることがあるので確認が必要です。 それぞれの看護内容の利用時間には「単位」が設けられています。その利用単位数に単位の金額をかけたものが利用料金となり、その自己負担分(収入により1~3割)を、実際に支払うことになります。 単位の金額は市区町村によって異なるので、訪問ステーションなどに問い合わせてみてください。下記の表では、介護保険を利用し1単位を10円、自己負担割合を1割と設定してあります。 看護師による訪問 時間自己負担額(1割の場合)20分未満313円30分未満470円30分以上60分未満821円60分以上1時間30分未満1,125円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 理学療法士・作業療法士による訪問 時間自己負担額(1割の場合)1回あたり20分293円1回あたり40分586円1回あたり60分791円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 介護度によって自己負担額も異なる 介護保険を利用してさまざまなサービスを利用する場合は、介護度によって自己負担額が異なります。 支給限度額内であれば、自己負担額を1~3割(所得によって変わる)で利用することができますが、いずれの介護度であっても、利用者の年齢や病状によって、自己負担額・利用回数・看護師の滞在時間などに対する制限が設けられています。 下記の自己負担額を参考に、どのくらいの介護費用がかかってくるのかを想定し、家族にとって必要なサービスが受けられるように、事前に主治医やケアマネジャーなどに相談することおすすめします。 在宅介護における自己負担額 なお、医療保険では、各負担割合は所得によって異なりますが、支給額の制限がありません。70歳以上は原則として費用の1割負担(所得に応じ2~3割)となり、70歳未満も、一般的な健康保険と同じ負担割合で利用することができます。 一定時間以上や時間外利用の差額の負担や、おむつ代や交通費については全額自己負担となるため、注意する必要があります。 訪問看護では誰が来るの? 訪問看護では、利用者の病状や障がいに合わせた専門的な知識と技術を持つそれぞれの専門家が自宅に訪問し、医療サポートを提供してくれます。以下は、訪問看護サービスで自宅に訪問する専門家です。 看護師保健師准看護師助産師理学療法士作業療法士言語聴覚士 これらの専門家は、それぞれの利用者に適切な医療サポートを提供するため、かかりつけ医が発行する「訪問看護指示書」に沿いながら、医療機関などと連携して訪問看護をおこなっています。 訪問看護を利用するメリット ここまで、訪問看護によって受けられるサービスを説明してきました。では、訪問看護を利用のメリットには、どのようなものが挙げられるのでしょうか?ポイントは以下の3点です。 自宅で専門的ケアが受けられる通院の手間が省ける生活の質(QOL)の向上を望める 自宅で専門的ケアが受けられる 訪問看護によって、利用者が自宅で看護師や理学療法士といった専門知識を持った医療従事者による必要な医療ケアが受けられるということは、大きなメリットであると言えるでしょう。 利用者が住み慣れた自宅において、それぞれの専門家により、その時々の病状や健康状態に適した専門的なケアを受けられることは、利用者のみならず、利用者の家族にも大きな安心を与えてくれます。 通院の手間が省ける 訪問看護によって、頻繁に通院せずとも、必要な医療行為やリハビリテーションを受けることができるのは、高齢者はもちろん、移動に困難のある人にとって大きなメリットであるに違いありません。 特に、介護度が高い人や身体の自由度が低い人、それらの方々を支える家族にとって、通院は簡単なものではありません。通院による手間を省き、負担を減らすことができるのは、訪問看護ならではのメリットでしょう。 生活の質(QOL)の向上を望める 自宅での療養生活や介護生活を送るためには、生活の中でもさまざまな制限や大きな負担が生じてしまいます。そのことで、患者のみならず患者を支える家族の生活も大きく変わってしまうでしょう。 訪問看護は、自宅で必要な医療行為やサポートを受けながら、充実した療養生活、介護生活を送ることを目的としたサービスであり、患者やその家族の生活の質(QOL)に関わるサービスを提供しています。 訪問看護を利用するデメリット 一方、訪問看護を利用することで、どのようなデメリットが生じることがあるのでしょうか?考えられるのは以下のような点です。 生活支援のサポートは受けられない支給限度額以上にならないように注意が必要すぐにサービスを利用できない場合もある 生活支援のサポートは受けられない 訪問看護は、自宅での療養生活や在宅介護が必要な人に、専門的な医療ケアを提供することを目的としているため、日常生活におけるサポートは提供していません。 家事や炊事、買い物のサポートが必要な場合は、訪問看護とは別にヘルパーなどのサービスや支援を利用する必要があります。その点を前もって理解し、トラブルを回避しましょう。 支給限度額以上にならないように注意が必要 介護保険でさまざまなサービスを利用する場合の費用には、介護度によって支給限度額が設けられています。 訪問看護は、費用の原則1割負担で利用することが可能ですが、支給限度額を超える費用は全額自己負担となります。 介護保険で賄われる費用は、訪問看護以外の介護サービスを利用した場合の費用も合算されるため、事前に限度額を確認する必要があります。 すぐにサービスを利用できない場合もある 訪問看護のサービスはすぐに受けることができない場合があります。介護保険が適用されるまでには、ケアプランの作成、サービス提供者の設定などいくつかの手続きが必要となり、要介護度が認定されていない場合は、決定までに1カ月近くかかることもあります。 訪問看護が必要になった場合には、すべての手続きが完了するまでの時間を考慮し、できるだけ早めに手続きすることが大切です。 訪問看護を提供している機関 実際に、訪問看護のサービスを提供している機関には以下のようなところがあります。 訪問看護ステーション保険医療機関看護小規模多機能型居宅介護民間の訪問看護サービス 訪問看護ステーション 訪問看護ステーションとは、訪問看護をおこなう看護師や保健師、理学療法士などが所属する事業所のことを言います。 多くの地域に事務所が構えられており、住み慣れた地域での療養生活を希望する利用者の自宅に出向き、医療機関やケアマネジャーと連携しながら、看護ケアなどの医療サポートを提供します。 訪問看護ステーションは独立した事業所であり、患者の利用する医療機関にこだわらないため対応しやすく、訪問看護の利用者数がもっとも多い機関です。 保険医療機関 保険医療機関とは、健康保険で診療を受けられる病院や地域のクリニック及び薬局のことをいい、病院やクリニックなどの「訪問看護部門」やそれらが提供する訪問看護のサービスを利用することができます。 これらの事業所は、介護法によって医療系サービスの事業者としてみなされ指定された「みなし指定訪問看護事業所」と扱われるので、介護保険・医療保険どちらの保険でも、サービスを利用することが可能です。 看護小規模多機能型居宅介護 看護小規模多機能型居宅介護とは、要介護者状態になった場合でも、利用者本人が、可能な限り自立した日常生活が送れるよう「訪問看護」「訪問介護」などの支援を提供する、介護保険制度の地域密着型のサービスです。 看護小規模多機能型居宅介護は、利用者の状況に合わせて、「通所」や「短期宿泊」も提供しており、利用者本人だけでなく、介護する家族の負担を軽減し、充実した療養生活を送るためのサポートを目的としています。 民間の訪問看護サービス 民間企業によって運営されている訪問介護サービスもあります。これらのサービスは、医療保険制度、介護保険制度外でのサービス提供のため、各種保険は利用できません。そのため、自己負担額が大きくなってしまいますが、公的サービスと同様に看護師などによる看護サービスが利用できます。 民間では、年齢や疾病の種類、利用時や頻度の制約が少ないこともあり、利用者やご家族の意思を尊重した利用が可能です。公的サービスの不足分を民間サービスで補うという、同時利用を検討することもできます。 在宅でも医療ケアは受けられる 訪問看護は、住み慣れた地域や自宅で療養生活を送りたい、最期の時間を過ごしたいという願いを叶える医療ケアサポートを提供してくれます。ただし、すぐにサポートを受けるためには、事前の介護認定や早めの手続きが必要なので気をつけましょう。 また、訪問看護で家族の症状に適した必要な医療ケアが受けられるのかなど詳しいサービスの内容は、地域包括支援センターや担当ケアマネジャーに問い合わせみることをおすすめします。 訪問看護に関するよくある質問 訪問看護ではどんなサービスが受けられますか? 訪問看護は、看護師が自宅に訪問し、病気や障がいのある人に必要な看護をおこなうことを目的としています。主に「健康状態の管理と看護」「療養生活の相談」「医療処置」「薬の管理相談」「リハビリテーション」「病院から施設への移行支援」が挙げられます。 訪問看護を利用する際はどうすれば良いですか? 訪問看護を利用する際は、医師による「訪問介護指示書」が必要です。また、介護保険と医療保険のどちらの保険が利用できるのかは、その疾患や利用者の年齢によって変わるので注意が必要です。介護保険の対象の人は、まずケアマネジャーに相談しましょう。 訪問看護では身体介助や生活支援はしてくれますか? 訪問看護は、専門的な医療ケアを提供することを目的としているため、日常生活におけるサポートは提供していません。自宅での身体介助や生活支援を依頼したい場合は、訪問介護サービスを利用し支援を受ける必要があります。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "訪問看護ではどんなサービスが受けられますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/07

福祉用具の役割や、レンタルと購入の違いについての解説

【レンタル対象13種目】福祉用具の種類と利用までの流れ

在宅介護が必要になった時、一番最初に考えられるサポートは福祉用具の利用でしょう。すべての福祉用品を購入するとなると金銭的な負担が大きくなりますが、介護保険でレンタルできる用具もあるので安心です。 福祉用具の役割とレンタルができる福祉用具の種類、利用までの流れを解説していきましょう。 福祉用具の役割とは? 車椅子や歩行補助杖などの福祉用具は、要介護者や要支援者の歩行や移動を介助し、自分で動ける力の維持を補助するものです。また、介護ベッドなどは、快適かつ安全な毎日を過ごすために必要な用具です。 福祉用具は、要介護者や要支援者の自立と暮らしの安心や生活の質を守り、介護者にとっては介護に関わるさまざまな負担を軽減する、大切な役割を担っています。 福祉用具は性能や種類によって以下の商品に分けられ、購入またはレンタルをして利用します。 一般購入品一般レンタル可能商品介護保険購入商品介護保険レンタル商品(福祉用貸与サービス) なお、介護保険の購入・レンタル商品は、それぞれの用具の種目によって分かれています。 福祉用具レンタルの対象となるのは13種類 介護保険でレンタルできる福祉用具は、13種類あります。しかし、介護保険が対象としている福祉用具は、要介護度や要支援度によって条件が異なり、要支援及び要介護1の人がレンタルできる対象用具は一部のみとなります。 すべての要介護者がレンタルできるもの 手すりスロープ歩行器歩行補助つえ自動排泄処理装置※原則、要介護4、要介護5の方が対象 手すり 工事不要で設置できる手すり、任意の場所に置いて使用できる手すりなど スロープ 段差解消のための工事不要の設置・撤去できるものやスロープなど 歩行器 歩行を補う機能と移動時に体重を支える構造をもつ固定型歩行器や四輪歩行車など(シルバーカーは対象外) 歩行補助杖 サイドウォーカー、松葉づえ、多脚杖(3~4本の脚)、ロフストランド・クラッチなど(一脚杖のステッキ(T字杖)などは対象外) 自動排泄処理装置 ベッドに寝たままの状態で排せつを処理する装置で、排尿、排便をセンサーで感知し、吸引・洗浄・乾燥を自動的におこなう(レンタル対象は本体のみ)※対象介護度…尿のみ吸引:要支援1,2、要介護1~5。尿と便を吸引:要介護4・5 要介護度2~5の人がレンタルできるもの 車椅子車椅子付属品特殊寝台(介護用ベッド)特殊寝台付属品床ずれ防止用具体位変換器認知症老人徘徊感知機器移動用リフト 車椅子 自走用・介助用車いす、電動車いす・電動四輪車 車椅子付属品 車いすクッション、姿勢保持用品、電動補助装置など車いすと一体的に使用されるもの 特殊寝台(介護用ベッド) サイドレール(ベッド柵)付き又は取り付け可能なベッドで、背上げ又は脚上げ機能、もしくは高さ調整機能が付いたもの 特殊寝台付属品 マットレス、サイドレール、立ち上がりをサポートするL字型ベッド柵など特殊寝台と一体的に使用されるもの 床ずれ防止用具 体圧分散効果をもつ床ずれ防止用の静止型マットレス、エアマットレス、ウォーターマットレス 体位変換器 起き上がり補助装置、寝返り介助パッドなど要介護者の体位を容易に変換できる機能があるもの 認知症徘徊感知機器 認知症外出通報システム、離床センサーなど 移動用リフト 自力または車いすなどでの移動が困難な人のための工事不要の移動用リフト、バスリフトなど 福祉用具のレンタル費用 福祉用具のレンタルにかかる費用には、ほかの福祉サービスと同じく介護保険が適用されます。 福祉用具のレンタルでは、原則的に月額定額制がとられており、介護保険を利用した場合の利用者の自己負担分は、レンタル費用の1~3割(所得に応じる)となります。 たとえば、月額レンタル料金が5,000円の車椅子をレンタルする場合、介護保険を利用すると、500~1,500円の自己負担で利用することができます。 軽度者でもレンタルできる「例外給付」 介護保険の対象となる福祉用具には、介護度合いによって利用できないものがあります。しかし「例外給付」によって、軽度者であっても例外的に対象外の福祉用具をレンタル利用できる場合があります。 「例外給付」は、ケアマネージャーに相談し、保険者である市区町村に申請します。 医師の意見に基づき、市区町村が特に必要であると認めた場合のみ利用が認められますが、下記の軽度者の利用状態イメージに該当していることが判断基準となります。 疾病その他の原因により、状態が変動しやすく、日よって又は時間帯によって、頻繁に95号告示第79号において準用する第25号のイに該当する者(例 パーキンソン病の治療薬によるON・OFF現象) 疾病その他の原因により、状態が急速に悪化し、短期間のうちに95号告示第79号において準用する第25号のイに該当することが確実に見込まれる者(例 がん末期の急速な状態悪化) 疾病その他の原因により、身体への重大な危険性又は症状の重篤化の回避等医学的判断から95号告示第79号において準用する第25号のイに該当すると判断できる者(例 ぜんそく発作等による呼吸不全、心疾患による心不全、嚥下障害による誤嚥性肺炎の回避) 出典:「介護保険と福祉用具 軽度者に対する福祉用具レンタル」(全国福祉用具専門相談員協会) 介護保険で購入できる「特定福祉用具」 介護保険を利用して購入できる福祉用具があります。それは、「特定福祉用具」と呼ばれ、肌に直接触れるものなど、レンタルに向かない福祉用具のことをいいます。 これらの福祉用具の購入には、要介護度別に設定された介護保険サービスの毎月の利用上限額とは別に、年間10万円を限度までの補助を受けることができます。 商品購入時は、費用の全額を支払い、後日市区町村に申請すれば、費用の9割分の払い戻しを受けることができます。 しかし、年間10万円を超えた分の費用に関しては、全額自己負担となるので注意しなければなりません。また、「特定福祉用具」の対象者は、要介護1~5までを対象とし、要支援1~2の方は「特定介護予防福祉用具購入」の対象となります。 「特定福祉用具」5種類 腰掛便座自動排泄処理装置の交換可能部品入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、入浴用介助ベルト)簡易浴槽移動用リフトのつり具の部分 福祉用具レンタルまでの流れ 福祉用具をレンタルするまでの流れは次のとおりです。 ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談 ケアプランを作成し、福祉用具貸与事業者を選定福祉用具専門相談員が利用者宅を訪問し、用具を選定・提案事業者が用具を納品し、利用者の適合状況を確認用具を決定、利用者と福祉用具貸与事業者が契約レンタル・サービス開始福祉用具専門相談員による定期的なメンテナンス及びアフターサービス(用具の変更も可能) 福祉用具専門相談員とは? 福祉用具専門相談員とは、日常的に福祉用具を利用する人に対し、福祉用具の選び方のアドバイスをおこない、使い方を説明をする専門職員のことをいいます。 福祉用具の販売事業所では、最低2名以上の常勤の配置が義務付けられています。ケアマネージャーとともに、利用者に合った適切な福祉用具を選び、アドバイスをおこなうことで、利用者の自立をサポートする役目を担っています。 福祉用具をレンタルするメリット・デメリット では、福祉用具をレンタルすることのメリット、デメリットにはどのようなものが挙げられるのでしょうか? メリット レンタルすることにより、福祉用具にかかる費用を安く抑えられます。また、利用者の身体状態に合わせて、その都度、適切な福祉用具に変えていくこともできますし、用具のメンテナンスなどは、事業所側が対応してくれます。 利用者にとって必要な補助器具を、必要な時だけレンタルするので、必要でなくなった時の処分に困ることもありません。 デメリット レンタル利用の福祉用具は、自分だけのものではないので、汚れや傷をつけないよう、取り扱いには常に気をつけなければなりません。 また、利用をする際には、レンタル事業者の利用規約を守らなければなりません。 福祉用具を購入するメリット・デメリット 一方、福祉用具の購入を検討した場合には、どのようなメリット、デメリットが考えられるでしょうか? メリット メリットはもちろん、自分だけのものを利用できることです。汚れや傷をつけてしまったりすることを気にせず、気兼ねなく利用できます。 新品や、お好みのデザインやメーカーを選ぶこともできます。また、あえて中古品を購入して費用を抑えるなど、選択の幅が広がります。 デメリット 利用者の身体状況に変化があった場合は、福祉用具の選び直しが必要となりますが、福祉用具を購入していると、その対応が難しくなります。 また、ベッドや車椅子など大型の福祉用具は、処分にも困ります。初期費用も高くなり、メンテナンスの手配も、自分でしなければなりません。 福祉用具を選ぶときの3つのポイント 福祉用具を選ぶ時には、どのような点に気をつけて検討すれば良いのでしょう?そのポイントは以下の3つです。 身体状況に合わせて福祉用具を決める 必要な福祉用具なのかを考える 介護者の負担が軽減される福祉用具なのかチェックする 身体状況に合わせて福祉用具を決める 福祉用具は、利用される方の身体症状に合わせて選ぶことが大切です。安全性や機能性を考慮することはもちろん、福祉用具専門相談員などと定期的に話し合い、利用者の現状に合わせた福祉用具を決めていく必要があります。 必要な福祉用具なのかを考える 福祉用具の利用は、利用者本人の自立をサポートすることが目的です。 過度な福祉用具の利用によって、自分の力だけではできないことを増やしてしまってはいけません。利用者本人の、自分の力でできることを維持できる福祉用具を選ぶことが大切です。 介護者の負担が軽減される福祉用具なのかチェックする 福祉用具の利用は、要介護者、要支援者の生活を支えるだけでなく、介護する側の負担を減らす役目を担っています。 介護をするご家族の視点に立った使いやすさや、負担の軽減を期待できる福祉用具なのかも、確認しておきたいポイントです。 福祉用具専門相談員のアドバイスを受けよう 福祉用具は、要介護者・要支援者が毎日使用するものです。福祉用具相談員のアドバイスに従って、品質の安全性を確認することはもちろん、利用者の身体症状に合わせた必要なものを選ぶことが大切です。 利用者の体格や状態には、必ず変化が起こります。利用者の状態に合わせて、適切な用具を選び直す必要があることを想定して、福祉用具のレンタル利用を選択肢に加えておくことをおすすめします。 将来、利用者だけでなく介護をするご家族にとって快適な毎日を送るためには、どのような福祉用具が必要になってくるのか、事前に調べておくと良いでしょう。 福祉用具に関するよくある質問 福祉用具のレンタル費用はどのぐらいですか? 福祉用具のレンタルにかかる費用は介護保険が適用され、レンタル費用の1割~3割を支払います。例えば月額レンタル料金が5,000円の車椅子をレンタルする場合、500~1500円で利用することが可能です。 福祉用具は購入できますか? 特定福祉用具と呼ばれる肌に直接触れるものなど、レンタルに向かない福祉用具は購入することができます。購入の際は、費用の全額を支払い、後日市区町村に申請すれば、費用の9割分の払い戻しを受けることができます。 ただし、年間10万円を超えたものに対しては全額自己負担なので注意が必要です。また、特定福祉用具の対象者は、要介護1~5までの人を対象としています。 福祉用具については誰に相談すれば良いですか? 福祉用具の相談については、担当のケアマネジャーもしくは福祉用具専門相談員からアドバイスをもらいましょう。特に福祉用具専門相談員は、福祉用具に対して専門の知識があります。 利用する他サービスとの兼ね合いもあるので、福祉用具選定の際はケアマネジャーにも同席してもらいましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "福祉用具のレンタル費用はどのぐらいですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/03

訪問入浴介護の内容や費用、サービスの流れの解説

【料金表あり】訪問入浴サービスを利用するまでの流れ、訪問介護との違いについて

訪問入浴サービスとは、1人での入浴が困難な方に向けたサービスです。名前は聞いたことがあるけれど、実際にどのようなサービス内容か、費用はどれくらいなのかについて知らない方も多いのではないでしょうか? 今回は訪問入浴の実際のサービス内容や利用条件、費用などについて詳しく紹介していきます。 訪問入浴とは? 訪問入浴とは、看護師1名を含めた2〜3名の介護スタッフが入浴のサポートをおこなってくれる介護サービスのことです。 要介護度が高く自力では入浴が困難な方や、家族の手だけでは入浴が難しい場合などさまざまなケースで利用されています。 訪問入浴サービスは専門の浴槽が使われるため寝たきりの方でも安心して利用できます。さらに看護師による入浴前後の健康チェックがおこなわれるなど、入浴サポートだけではないサービスがあるのも魅力です。 訪問入浴はこんな人におすすめ 訪問入浴では入浴介助だけではなく看護師による健康チェックなどもおこなわれるため、以下のような人におすすめのサービスです。 寝たきりのため、自力での入浴が困難自宅の浴槽が狭く、家族のサポートだけでは入浴が困難体調の変化が激しく、看護師のサポートがある中で入浴をさせたい 入浴介助に慣れていない家族が入浴のサポートをおこなうことは浴室での転倒や予期せぬ事故に繋がる可能性があります。そしてなにより本人と家族に大きな負担がかかります。 そんな日々の負担を減らしながら、利用者にとって入浴の時間が快適に過ごせるようにするためにも、訪問入浴というサービスが存在するのです。 訪問入浴の利用条件 訪問入浴を利用できる方は原則、以下の2つの条件を満たしている方とされています。 要介護1~5の認定を受けている方 主治医から入浴を許可されている方 介護認定を受ける必要があるので、受けていない場合には、まずはお住まいの市区町村の担当窓口などに相談に行き、認定の手続きを進めましょう。 また、利用開始する際にはサービス事業所から主治医に入浴の許可がおりているかの確認が入るので、あらかじめ主治医に許可を得ておくとスムーズです。 なお、人工呼吸器やストーマなどの医療機器を使用していても主治医の許可がおりていれば訪問入浴サービスを受けることができます。 また、訪問入浴は原則として要介護1以上の認定を受けている方を対象としていますが、要支援と認定を受けた場合には、自宅に浴室がないなどの条件をクリアすれば「介護予防訪問入浴介護」を受けることができます。 訪問入浴サービスの流れ 訪問入浴サービスは看護師1名を含む2〜3名の介護スタッフによっておこなわれ、「健康チェック→準備・脱衣→入浴・上がり湯→着衣・健康チェック→片付け」の流れで進んでいきます。 訪問入浴は自宅の浴槽ではおこなわれません。当日に訪問入浴専用の浴槽を運んで自宅まで来てくれます。 介護予防訪問入浴介護との違い 訪問入浴によく似たサービスとして、介護予防訪問入浴介護というものがありますが、これを利用する場合は看護師1名、介護スタッフ1名の計2名が自宅に訪問し、サービスを提供してくれます。訪問人数が訪問入浴と比べて少ないですが、料金は訪問入浴よりも安めになっています。 健康チェック 入浴前後に思わぬ事故を引き起こさないように健康チェックがおこなわれます。 体温をはじめ血圧や脈拍などを測り、利用者が入浴できる健康状態かどうかを看護師が確認した上で、訪問入浴サービスが提供されます。 なお、体調が優れない場合には入浴ではなく半身浴や清拭にサービス内容を変更できる場合もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。 準備・脱衣 健康チェックを終え問題ないと判断されれば、介護スタッフが入浴をするための浴槽の準備や利用者の脱衣をおこないます。 浴槽などの機材を搬入してから浴槽の中に適温のお湯を張ってくれるほか、床にはマットや防水シートなどを貼り、傷や汚れがつかないよう保護をしてくれます。 入浴・上がり湯 準備が整ったあとは、浴槽へ移動介助をおこない実際に入浴となります。入浴の際には、利用者の希望に沿って洗髪や洗顔をおこない、身体状況に配慮しながら洗身や全身浴、部分浴、清拭をおこないます。 入浴が終わると仕上げにシャワーで上がり湯をかけて入浴は終了です。ゆったりと湯船につかり体を清潔に保つことで、すっきりとした気持ちで日々過ごすことができます。 着衣・健康チェック 入浴と上がり湯が終わると看護師が着衣と入浴後の健康状態の確認をおこないます。 入浴前と同様に体温や血圧、脈拍などを測り、体調に異常はないかを判断してくれます。また、日常的に塗っている薬などがあれば塗布をおこなうなどのケアもしてくれます。 このように、入浴にまつわることはひと通りおこなってくれるので、入浴介助に対する負担が大きい場合は利用を検討すると良いでしょう。 片付け 着衣と健康チェックを看護師がおこなっている際に同時進行で介護スタッフは使用した浴槽などの機材の洗浄や消毒、片付けをおこないます。 使用した機材の片付けや、移動した家具を元の位置に戻してサービスの提供は終了となります。 当日準備するもの 利用当日に必ず準備しておくものは着替えと印鑑の2つです。 バスタオルや替えのシーツなどそのほかに入浴にあたって準備するものは事業所によって異なりますが、事前にきちんと連絡があるのでご安心ください。 また入浴は室内でおこなわれるので、浴槽を設置するスペースも確保しておきましょう。浴槽の大きさは一般家庭にある浴槽とほぼ同じくらいなので、畳2〜3枚分くらいのスペースがあれば設置することが可能です。 訪問入浴にかかる料金 訪問入浴の具体的な費用を以下にまとめました。 要介護1~5の場合 洗浄範囲1回あたりの費用全身浴1,260円部分浴1,134円清拭1,134円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 要支援1~2の場合 洗浄範囲1回あたりの費用全身浴852円部分浴767円清拭767円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 要介護と要支援(介護予防訪問入浴介護)で料金に差があることに加え、全身浴・部分浴・清拭といった提供したサービス内容の違いによっても料金に差があります。 要支援者向けの訪問入浴(介護予防訪問入浴介護)は、要介護にならないための介護予防をするという目的のもと、可能な限りは自力で入浴をしてもらうため、介護スタッフの人数も少なく費用も安くなっています。 また、これらの料金は地域加算や介護職員処遇改善加算など、各種加算がある事業所の場合は増額となる場合もあるため事前に確認しておくようにしましょう。 訪問入浴の所要時間 訪問入浴の所要時間は、準備から片付けまでのトータルで50分前後の事業所が多いです。下記は大まかな時間配分です。 入浴前の健康チェック・浴槽の準備・脱衣で15〜20分入浴は10分程度入浴後の健康チェック・浴槽の片付け・着衣で15~20分 訪問入浴のメリット 訪問入浴サービスを利用することのメリットについて紹介します。 介護保険が適用できる 訪問入浴サービスは介護保険が適用されるので、自己負担額をおさえながら質の高いサービスを受けることができます。 介護保険が適用されるのであれば基本は1割負担ですが、所得に応じて負担額が2割〜3割になることもあるのできちんと確認しましょう。 また、自己負担額の基準が設定されているとはいえ、事業所によっては独自にサービスを提供している場合もあるので、こちらも併せて確認すると良いでしょう。 利用者の健康を保つことができる 訪問入浴のメリットのひとつとして、介護や看護のプロに健康面のチェックや入浴介助をおこなってもらうことで、利用者の健康を保つことができることが挙げられます。 入浴をすることで身体の清潔さが保たれるのはもちろんのこと、日々の入浴を通して新陳代謝の向上や血行促進なども期待できます。 また、入浴というリラックスできる時間を過ごすことで心の健康も保たれ、心身ともに健康な生活を送る環境作りへの貢献が期待できます。 生活の質の向上が見込める 訪問入浴を利用することで利用者の生活の質の向上が見込まれます。 入浴剤やアロマといったリラックス効果を高めるサービスを提供している事業所もあり、訪問入浴のサービスを受けることでゆったりとリラックスすることができます。 また、介護スタッフとのコミュニケーションを取ることもできるので、良い気分転換に繋がります。 慣れていない方がおこなうには身体的負担の大きい入浴介助ですが、介護のプロに依頼することで、家族の介護負担や精神的負担も減少させる効果も。利用者・家族ともにメリットのあるサービスと言えます。 訪問入浴のデメリット 訪問入浴にはさまざまなメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。具体的に以下で紹介していきます。 ストレスに感じる利用者も 裸になるということに対してストレスを感じてしまう利用者もいます。 入浴は心地の良いものでも、スタッフに裸を見られることが苦痛になってしまう利用者もいるので、きちんとした配慮が必要になります。 気分良くサービスを利用できるようにしっかりと利用者とコミュニケーションを取り、同性のスタッフに対応をしてもらうなどの方法も検討しておくようにしましょう。 訪問介護よりも高額になる 訪問入浴介護は、利用回数も増やすことができないためやや柔軟性に欠けてしまいます。 また費用についても訪問介護での入浴介助よりも訪問入浴のほうが高くなっており、実際に、訪問介護サービス内の入浴介助を60分利用した場合の利用料金は、自己負担割合が1割の場合で約600円。対して50分程度の利用となる訪問入浴の利用料金は、自己負担割合が1割でも1,260円となっています。 このようなデメリットがあることはしっかりと理解した上で、さまざまなサービスと比較検討をして利用をするようにしましょう。 「自宅の浴槽で入浴介助する」は訪問介護 訪問介護サービス内の入浴介助と、訪問入浴サービスの入浴介助では何が違うのでしょうか。 簡単にまとめると、訪問介護では介護スタッフ1名が自宅の浴槽を使用して入浴介助や見守りをおこなう一方、訪問入浴では専門の浴槽で、看護師を含む介護スタッフ2〜3名で入浴介助や見守りをおこないます。 訪問介護の他にも入浴をサポートするサービスとして、デイサービスやデイケアの施設を利用して入浴するケースもあるので、どのサービスが適切なのかをしっかり比較検討し利用しましょう。 訪問入浴で起こるトラブル 基本的に訪問入浴サービスを提供する人は介護のプロ。転倒といったトラブルなどはめったに起こりませんが、以下のようなトラブルが発生するケースもあります。 利用者の入浴拒否 利用者の羞恥心や認知症の症状が原因で、サービスを受ける直前になって入浴を拒否してしまうケースがあります。 そういったことから、同性のスタッフを希望するのもOK。事前に利用者としっかりとコミュニケーションを取り、希望を伝えておきましょう。 また、利用をする上でスタッフとの相性は良いかどうかという点もしっかりと確認し、利用者にとって心地良くサービスが受けられる環境作りをしていくことが大切です。 看護師は医療行為は不可 訪問入浴サービスでは看護師が同伴するので、医療行為をしてもらえると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、訪問入浴は看護師であっても「痰の吸引」「摘便」といった訪問入浴のサービス内容とは異なる医療行為は受けられません。 どの事業所でも看護師がおこなうこととしては、バイタルチェックや湿布の張り替えといった利用者の健康状態の確認が中心になりますので注意しましょう。 訪問入浴は自宅にいながら心身共にリラックスできる 1人では入浴が困難になってしまった方の強い味方となってくれる訪問入浴のサービス内容や費用、メリット・デメリットなどをご紹介しました。 利用者にとっては、入浴をする時間がきちんと取れることで心身ともにリフレッシュできる機会。また家族にとっては、介護のプロに健康状態のチェックや身体的負担の大きい入浴にまつわる介護をお任せできることで、介護負担を減らしつつ安心感も得られるとても価値のあるサービスです。 サービスの利用を検討したい場合はまずはケアマネジャーに相談してみてください。 訪問入浴に関するよくある質問 訪問入浴はどのくらいの費用がかかりますか? 要介護度や洗浄範囲によって金額が異なります。1回あたりの費用は、約750~1300円程度が相場です。ただし、事業所によっては地域加算や介護職員処遇改善加算など各種加算がある場合もあり、相場より増額する可能性もあるので注意しましょう。 訪問入浴は誰でも利用できますか? 原則、「要介護1~5の認定を受けている人」「主治医から入浴を許可されている人」が対象です。 また、要支援と認定を受けた人は自宅に浴室がないなどの条件をクリアすれば「介護予防訪問入浴介護」を受けることができ、要介護にならないための介護予防を目的としています。 医療行為はしてもらえますか? 訪問入浴は看護師であっても「痰の吸引」「摘便」といった訪問入浴のサービス内容と異なる医療行為は受けられません。 基本的に、バイタルチェックや湿布の張り替えなどの健康管理が中心です。医療行為を希望する際は、訪問看護サービスを別途契約する必要があります。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "訪問入浴はどのくらいの費用がかかりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/02

居宅療養管理指導の内容や費用、利用までの流れ

居宅療養管理指導とは?|薬局や歯科での指導料、利用手順について

介護保険の対象として「居宅療養管理指導」というサービスがあることを知っている方もいるでしょう。しかし、詳しい内容に関しては知らない、という方も多いのでは? そこでこの記事では、居宅療養管理指導の基本的な説明から、利用するにあたっての条件や申請方法、費用、サービスの流れについてなど、居宅療養管理指導の内容について詳しく解説していきます。 居宅療養管理指導とは? 寝たきりになった高齢者を在宅療養で介護するということは、家族にとって不安も多いでしょう。施設であれば知見のある専門の介護スタッフがそろっていますが、自宅ではそうもいきません。 居宅療養管理指導は、医師や歯科衛生士といった専門職が自宅に訪問し、居宅療養を送るために助言・指導をしてくれるサービスです。居宅療養管理指導は介護保険サービスのひとつでもあります。 専門職が直接訪問・指導 居宅療養管理指導では医師や歯科衛生士といった専門家が自宅でアドバイスをしてくれます。具体的には専門家はどのような点についてアドバイスをくれるのでしょうか。 医師や歯科医師による指導 医師や歯科医師が、実際に利用者宅を訪問して、身体状況や精神的な問題はないか、また療養環境の確認をおこないます。 サービスの内容 診断に基づく継続的な健康管理や指導 処方されている薬の服用方法や副作用に関する指導 使用している医療器具の管理 ケアプランに必要な情報提供 薬剤師による指導 薬剤師は、医師又は歯科医師の指示に基づいて居宅療養管理指導によるサービスを提供してくれます。 サービスの内容 処方されている薬の管理方法や服薬指導・アドバイス(医師の指示のもと) 副作用の説明 管理栄養士による指導 管理栄養士は、医師の指示のもとで栄養管理について指導・助言を提供してくれます。 サービスの内容 医師の指示を受け、栄養バランスを整える「栄養ケア計画」の作成 身体状況に合わせた食事メニューや調理方法の指導 歯科衛生士による指導 歯科衛生士は、歯科医師の指示のもと口腔内の指導を提供してくれます。 サービスの内容 正しい歯磨きの方法や義歯の手入れ方法の指導 嚥下機能の維持・回復のためのアドバイス どんな時に利用する? 居宅療養管理指導はおもに在宅介護の家庭に対してのサービスです。実際に居宅療養管理指導はどのような時に利用すると良いのでしょうか。よくあるケースを下記にまとめました。 在宅介護をするうえで助言や指導をしてほしいとき身体に障害があり通院が困難なとき認知症で知識がないと介護が難しいとき特定の病気に対する栄養管理の方法を知りたいとき義歯の手入れなど口腔ケアの方法が教えてもらいたいとき 上記はほんの一例ですが、通常の在宅介護で対応できないことが発生したときに必要になることが多いようです。 居宅療養管理指導の費用 居宅療養管理指導は介護保険の対象なので、費用は介護保険の自己負担分のみ。ただし、その金額は訪問してもらう専門家の職種と単一建物居住者の人数によって変動します。 職種単一建物居住者の人数1人2~9人10人以上医師509円485円444円歯科医師509円485円444円薬剤師(病院・診療所勤務)560円415円379円薬剤師(薬局勤務)509円377円345円管理栄養士(該当事業所)539円485円444円管理栄養士(該当事業所以外)524円466円423円歯科衛生士356円324円296円 出典:「居宅療養管理指導 」(厚生労働省) 単一建物居住者という言葉は聞き慣れないいかもしれませんが、マンションなどの同じ建物に暮らす人数のことです。 同じ建物に居宅療養管理指導を受ける人が複数いる場合は、その分安くなります。1回の訪問につき約300円から600円弱が相場です。 居宅療養管理指導のメリット では、居宅療養管理指導を利用する実際のメリットは、主に以下のような点が挙げられます。 ピンポイントで必要なサービスを受けることができるケアマネジャーと連携し最適なサービスを受けることができる家族の介護負担を軽減することができる ピンポイントで必要なサービスを受けることができる 利用者の状態や症状は人それぞれ。そのために欲しいアドバイスもさまざまです。 居宅療養管理指導には、医師だけではなく管理栄養士や口腔ケアの専門家などもそろっています。ピンポイントで必要なサービスを必要なだけ受けることができます。 ケアマネジャーと連携し最適なサービスを受けることができる 居宅療養管理指導ではケアマネジャーも同席して指導を受けることになります。 専門家の助言を踏まえて、どのようなケアが必要なのかをケアマネジャーが理解することで、スムーズなケアプラン作成につながります。 家族の介護負担を軽減することができる 病院や専門施設に通院することは、本人だけではなく家族にとっても大きな負担になります。その点、居宅療養管理指導の場合は、自宅に訪問してもらえるので、家族の負担を軽くすることができます。 居宅療養管理指導のデメリット 一方で居宅療養管理指導にも以下のようなデメリットがあります。 利用回数に制限がある医療行為を受けることができない医師または歯科医師の指示がないと利用できない 利用回数に制限がある 居宅療養管理指導には月間の利用回数に制限があります。また1回指導をうけてから、次の指導までに決まった期間をあけなければいけないという決まりもあります。 訪問してもらえて便利だからといって、無制限に利用できるサービスではないことは理解しておきましょう。 医療行為を受けることができない 居宅療養管理指導はあくまでアドバイス・指導が目的。往診や訪問療養のような医療行為は対象外なので、要望してはいけません。 医師または歯科医師の指示がないと利用できない 居宅療養管理指導を利用するには、ケアマネジャーから主治医に相談しなければいけません。 主治医が必要と判断した場合のみ、サービスを受けることができます。歯科についてはかかりつけの歯科医に判断してもらいます。 利用条件 居宅療養管理指導の利用は、要介護1~5の方が対象です。要支援1か2の場合は「介護予防居宅療養管理指導」という別のサービスを受けることになります。 また、例外として自力での通院が難しいと医師などが判断した場合には、要介護認定されていなくても居宅療養管理指導を利用できる場合があります。 サービス開始までの流れ 実際に居宅療養管理指導を利用するときはまずケアマネジャーに相談してください。 担当のケアマネジャーや主治医に相談ケアマネジャーが状況に応じて、訪問してくれる医師や事業所を探す事業所側が対応できるか確認契約・利用日の決定主治医の指示に基づくサービス開始 ケアマネジャーは訪問可能な専門家を探して手続きをします。専門家の調整が終われば契約して利用日時を決めることになります。 往診・訪問診療との違い 居宅療養管理指導と似たサービスとして往診・訪問診療があります。どのような点が違っているのでしょうか。 往診 居宅療養管理指導と往診の大きな違いは医療行為の有無です。居宅療養管理指導では、原則として医療行為は受けられません。 一方で往診は、患者本人や家族から依頼を受けて自宅を訪問する医師から、患者に投薬や治療などの医療行為が受けられます。 また、往診は介護保険の対象ではないので、利用する際にケアマネジャーとの連携は必要ありません。 訪問診療 訪問診療も往診と同じで医療行為を伴うサービスです。往診が突発的な病気の診療であることに対し、訪問診療は医師が定期的に訪問して診察することです。 訪問医療では、通院が困難な高齢者に対して医師が定期的に訪問して投薬や治療をおこないます。居宅療養管理指導でも同じように医師が訪問しますが、あくまで指導が目的なので、医療行為はありません。 必要に応じて管理・指導をお願いしよう 居宅療養管理指導は在宅で介護をおこなっている家庭にとっては心強く、便利なサービスです。ただし医師が訪問しても、その場で診察したり治療をおこなうことはできません。 利用者の状態によっては、居宅療養管理指導よりも、治療や診察が必要な場合もあります。 利用者の状況をしっかりと確認しながら、必要に応じて居宅療養管理指導をお願いするようにしましょう。 居宅療養管理指導に関するよくある質問 居宅療養管理指導はどんなサービスが受けられますか? 居宅療養管理指導は、医師や歯科衛生士といった専門職が自宅に訪問し、居宅療養を送るために助言・指導をしてくれるサービスを提供しています。 主に「診断に基づく継続的な健康管理や指導」「使用している医療器具の管理」「嚥下機能の維持・回復のためのアドバイス」などが挙げられ、内容はさまざまです。 居宅療養管理指導の費用はどのくらいかかりますか? 居宅療養管理指導の費用は、介護保険の自己負担額のみです。同じ建物に居宅療養管理指導を受ける人が複数いる場合は、金額が安く、1回の訪問の相場としては約300~600円弱です。 月に何回利用できますか? 居宅療養管理指導には月間の利用回数に制限があります。例えば、薬剤師から指導を受ける場合、薬局に勤務している薬剤師であれば月に4回、病院などで働く薬剤師であれば月に2回まで利用できます。 また、指導を仰ぐ専門職によっては、一度指導を受けてから、次の指導までに決まった期間を空けなければいけないという決まりもあります。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "居宅療養管理指導はどんなサービスが受けられますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/02

夜間対応型訪問介護の特徴とサービス内容

夜間対応型訪問介護とは|費用や対象者、メリット・デメリットについて

居宅でさまざまな介護サービスを受けられるのが訪問介護。しかし一般的な訪問介護サービスは夜間の時間帯にはサービスの提供はおこなわれません。 夜間にサービスを提供してくれるのが夜間対応型訪問介護です。介護度が高い方にとって、夜間にもサービスが受けられるのはありがたいものですよね。 そこでこの記事では、夜間対応型訪問介護サービスについて詳しく紹介していきます。 夜間対応型訪問介護とは? 夜間対応型訪問介護とは、夜間の時間に限定した訪問介護が受けられる介護保険サービスのことです。 高齢化が進み、老老介護が増えたことなどから夜間の介護ニーズが高まり、2006年から始まった地域密着型サービスです。介護スタッフが定期的に訪問する「定期巡回訪問サービス」と、利用者から通報を受けて都度訪問する「随時対応サービス」があります。 夜間対応型訪問介護を利用できる条件 夜間対応型訪問介護は地域密着サービスのため、原則としてその市区町村に住んでいることが前提です。また、通常の訪問介護サービスと同様に要介護認定を受けていなければサービスを利用することはできません。 夜間対応型訪問介護を利用できる方の条件は以下の通りです。 利用できる人 要介護認定で「要介護者1~5」と認定された方 利用する事業所と同一市区町村に住んでいる人 利用できない人 要介護認定で「自立」や「要支援1・2」と認定された方 利用したい事業所とは別の市区町村に住んでいる人 グループホームや、有料老人ホームなどの特定施設に入所している人 小規模多機能型居宅介護やショートステイを利用中の人 夜間対応型訪問介護はいつ利用すべき? どのようなときに夜間対応型訪問介護を利用するのが良いのでしょうか。ポイントは以下の3つです。 夜間の緊急時対応 1人暮らしの高齢者の夜間介護 家族の介護負担軽減 夜間の緊急時対応 夜間に体調が急変してしまったり、転倒してしまった場合など何か緊急性を要することが起きた際にはホームヘルパーが訪問し、救急車の手配などをおこなってくれます。 1人暮らしの高齢者の夜間介護 就寝準備から夜間のトイレ介助やおむつ交換、寝返り介助、起床準備などを一人ではおこなうことが難しい場合に、夜間対応型訪問介護サービスを利用すると安心です。 家族の介護負担軽減 家族が出張などで家を留守にするときの対応や、介護に加え育児もおこなっている世帯であれば夜間の介護負担を減らすために、一度利用を検討してみると良いかもしれません。 受けられるサービス 夜間対応型訪問介護サービスでは主に以下の3つのサービスをまとめて提供しています。 定期巡回サービス 随時対応サービス オペレーションセンターサービス 定期巡回サービスは、夜間に定期的に利用者の居宅を巡回し介護サービスを提供するもの。随時対応サービスは、オペレーションセンターから連絡を受け必要時にホームヘルパーが訪問し介護サービスを提供するものです。 オペレーションセンターサービスは、利用者からの要請を受けてホームヘルパーを訪問させるかなどの対応を判断するものです。利用者は「定期巡回サービス」「随時訪問サービス」のどちらも利用することができます。 なお、利用者はオペレーションセンターに連絡する手段としてケアコール端末を所持することが、サービスを受ける際の条件となっています。 夜間は何時から? 夜間対応型訪問介護が利用できる時間は明確に決められています。夜間とは一般的に午後10時~午前6時までを含む時間帯のことを指します。この夜間の時間帯を含んだ午後6時~午前8時までをサービス提供時間に設定している事業所が多いようです。この時間帯以外は、基本的に通常の訪問介護サービスを利用して受ける必要があるので注意するようにしましょう。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; color: ...

2021/12/01

居宅(在宅)介護サービスの特徴や内容の一覧

【料金表あり】訪問介護サービスの利用方法・費用・選び方

自宅で介護を受けることができる訪問介護。住み慣れた空間で質の高いサービスを受けることができるので、人気の介護サービスのひとつです。 訪問介護を利用して受けることのできるサービスや、逆に訪問介護だと対応できないサービスについて。また、どれくらいの費用がかかるのかなど、気になる訪問介護の中身について紹介します。 訪問介護とは? 訪問介護とは、ホームヘルパー(訪問介護員)が利用者の自宅(有料老人ホームなど、入居系サービスの居室も含む)を訪問。入浴や排泄といった身体介護から、洗濯、掃除といた生活援助までを提供してくれるサービスのことです。 誰が自宅に訪問してくれる? 訪問介護事業所から、主に下記の資格を取得しているホームヘルパーが自宅へ訪問します。 介護福祉士介護福祉士実務者研修修了者介護職員初任者研修修了者 介護に対しての知識や技術が充分にあるので、安心してサービスを受けることができます。 訪問介護で受けられるサービス では、実際に訪問介護サービスを利用すると、どのようなサービスを受けることができるのでしょうか。下記で具体的に見ていきましょう。 身体介護の具体例 身体介護とは、食事介助や入浴介助のような利用者の体に直接触れておこなうサービスのことです。また、訪問介護はあくまでも利用者の自立支援を目的としたサービスなので、見守りも身体介護のひとつとして捉えられています。 具体的に受けることのできる身体介護サービスは以下が挙げられます。 食事介助入浴介助身体整容更衣介助外出介助体位変換排泄介助歩行介助清拭 食事介助 調理や食事補助、口腔ケアといった食事をする際の支援のことです。 入浴介助 入浴の準備から必要な方には洗髪、身体の清拭といった部分浴または入浴の際の支援をおこなってくれます。 排泄介助 おむつの交換や着脱、始末などの排泄支援や、トイレ介助など。 移乗・移動介助 ひとりでの歩行や椅子の座り立ちなどが難しい場合には歩行、車いすでの移動介助や移乗介助をおこなってくれます。 更衣介助 衣服の着脱の支援のことです。 外出介助 通院や散歩など外出をする際におこなう支援のことです。 服薬介助 日常的に薬を服薬している場合、どの薬を、いつ、何回飲むかといった薬の種類やタイミングなどを把握し服薬の支援をおこなってくれます。 体位変換 血行障害や床ずれを予防をするために、枕、タオル、クッションなどを使い寝返り介助をおこなってくれます。 生活援助の具体例 生活援助とは、洗濯や掃除、買い物代行といった身の回りのことを利用者に代わっておこなってくれるサービスのことです。 利用者が1人暮らしであったり、同居している家族も身の回りの家事を行うことが困難であるなど何かしらの理由がある場合に、サービスを提供してもらえます。 生活援助の具体例としては以下が挙げられます。 食事の準備掃除洗濯買い物代行薬の受け取り 食事の準備 調理から配膳、片付けまで食事全般のサポートをおこなってくれます。 掃除 利用している室内や浴槽、トイレなどの清掃やゴミ出しのサポートなどをおこなってくれます。 洗濯 利用者の着ていた衣服を洗濯し、干す、たたむといった一連の流れをサポートしてくれます。 買い物代行 買い物に出かけることが困難な場合には生活必需品や食材などの買い物を代行してくれます。 薬の受け取り 買い物と同様に出かけることが困難な場合には、本人に代わり薬の受け取りを代行してくれます。 訪問介護サービスを受けられる頻度 1日に2回以上サービスを利用する場合は、原則として2時間以上の間隔を空ける必要があります。 これは「2つの訪問介護サービスの間隔が2時間以上空いていない場合に、2つのサービスを一度のサービスとみなす」という規定があるからです。 訪問介護では受けられないサービス 訪問介護は、利用者が日常生活を送る上で必要な行為をホームヘルパーが援助し、自立支援をおこなうサービスです。そのため、援助をしなくても生活に差し支えないものは提供されません。 ホームヘルパーはあくまでも介護のスペシャリストであり、医師ではありません。医療資格を持っているわけではないので、医療行為もおこなうことができません。 また、あくまでも利用者に対してサービスを提供しているので、利用者以外を対象としたサービスなども提供することはできません。 このように訪問介護サービスでは提供できないサービスもいくつかあります。 しかし介護保険外のサービスを利用すると、介護保険では対象としていないサービスについても対応できる可能性があります。気になる方は一度チェックしてみると良いでしょう。 具体的には下記のようなサービスは訪問介護では受けることができません。 医療行為 摘便 インスリン注射 たんの吸引 床ずれの処置 日常生活支援に該当しないもの 商品販売 留守番 ペットの散歩・世話 家具の修理 家具の移動や電気器具の修理 草むしり 窓のガラス拭き など 本人以外に対する行為 家族の分の食事を作る 家族の部屋の掃除や衣類の洗濯などの家事代行 家族の子供の面倒をみる など 訪問介護の費用 訪問介護の費用はどれくらいかかるのでしょうか。 訪問介護を利用する場合の費用は介護保険を利用する場合、原則1割負担ですが、所得によっては2割、3割となることもあります。 以下では、具体的な費用をまとめました。 身体介護 サービス費用の設定利用者負担(1割)20分未満165円20分以上30分未満248円30分以上1時間未満394円1時間以上1時間半未満575円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 生活援助 サービス費用の設定利用者負担(1割)20分以上45分未満181円45分以上223円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 通院時の乗車・降車等介助 サービス費用の設定利用者負担(1割)(1回につき)1回につき98円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 1回あたりの料金は数百円から数千円程度で利用できます。サービス内容やそのサービスに対する所要時間で細かく設定されており、利用者の希望に応えやすい形が特徴です。 また、料金は要介護度の度合では変わりません。とはいえ、介護度が高くなると身体介護などのサービス提供に時間を要する場合があるため、要介護度が高い人の方が結果的に料金が高くなるケースが多いです。 その他料金(加算) 加算とは手厚いサービス内容や体制に対して上乗せされる料金のことで、金額は各事業所により異なります。 必ずかかる料金ではないですが、サービスを利用する前に事業所に確認するようにしておくと良いでしょう。 初回加算 新規利用者の居宅にサービス提供責任者が訪問し、サービスを提供した場合に初回、初月にかかる加算料金のことです。 また、サービス提供責任者がサービスを提供するホームヘルパーに同行した場合でも同様に加算料金がかかります。 緊急時訪問介護加算 利用者や家族から連絡を受けサービス提供責任者とケアマネージャーが連携して通常の居宅サービス計画にない訪問介護サービスを提供した場合にかかる加算料金のことです。 特定事業所加算 ホームヘルパーに対する研修実施や定期的な会議をおこなうことで、質の高い介護サービスの提供に向けた取組を実施している事業所に所属するホームヘルパーや、介護福祉士の割合などの人材要件に適合している場合にかかる加算料金のことです。 訪問介護を受けるまでの流れ 訪問介護サービスを受ける流れは以下の通りです。 要介護認定の申請介護認定通知ケアマネジャーの決定ケアプランの作成事業者の選定・契約訪問介護サービス利用開始 それでは、具体的に見ていきましょう。 要介護認定の申請 訪問介護サービスを利用するには要介護認定が必要なので、まずは介護認定を申請しましょう。 要介護認定申請書に記入のうえ、市区町村の担当窓口に申請することで審査を受けることができます。現在の心身状況から介護度が決定します。 介護認定通知 申請日から30日以内に市区町村から介護サービスを利用する本人へ、郵送で介護認定通知と被保険証が届きます。 審査によって決定した介護区分が記載されているので、それぞれ内容を確認しておきましょう。また、認定は申請日にさかのぼって効力が生じます。 ケアマネジャーの決定 介護認定を受け、要介護1以上とされた場合には、居宅介護支援事業所にケアマネジャーの選任を依頼します。 なお居宅介護事業所は、居住している地域の地域包括支援センターや市区町村の担当窓口に相談をすると紹介をしてくれます。 ケアマネジャーが一度決定した後でも、本人や家族の意向により変更することもできるので、自分に合うケアマネジャーを選ぶようにしましょう。 ケアプランの作成 ケアマネージャーが決定すると実際にご自宅へ訪問し面談を行います。 その際に得られた心身の状態や希望費用などの情報をもとに、介護サービスを利用する方にとって最適な介護サービスを盛り込んだ「介護サービス計画書(ケアプラン)」を作成します。 事業者の選定・契約 ケアプランに基づき実際にサービスを利用する事業所を選定し、契約します。この際ケアマネージャーから事業所の提案を受けることもできるので、事業所選びで困ったことがあればアドバイスを求めると良いでしょう。 訪問介護サービス利用開始 契約を済ませたら実際に訪問介護サービスが開始されます。 訪問介護事業者を選ぶ時の3つのポイント 訪問介護サービスを利用したい場合に、どの事業所を選べば良いのかについては悩まれる方も多いのではないでしょうか。 以下に押さえておきたいポイントをまとめてみました。事業所選びの参考にしてください。 サービスの内容と費用について明確な説明があるか 事業所を選ぶにあたり、利用者にどれだけ丁寧に説明をしてくれるのかという点はとても大切な要素のひとつです。 費用やサービス内容、その他の注意点などを丁寧に説明し、疑問はしっかりと解決してくれる事業所であれば、安心してサービスを受けられます。逆に曖昧な説明ばかりする事業所だと不安が残ります。 少しでも対応に疑問を持った場合には、いくつかの事業所と比べてみても良いかもしれません。 適切なサービスが実行されているか ケアプランに基づいて適切なサービスが行われているかどうかも大きなポイント。提供されるサービス内容については事前の説明だけでは伝えられる部分も限られているため、利用開始後に違いが発覚することもあります。 万が一そのような提供されるサービスに違和感を感じた場合には迷わずケアマネージャーに相談し、事業所を変更してもらいましょう。 適切なサービスが受けられないことに対して我慢する必要はなく、より良い事業所で利用者にとって適切なサービスが受けられるようにすることが大切です。 ヘルパーとの相性は大事 事業所選びにおいて、非常に重要になるのがホームヘルパーとの相性です。 人それぞれ“合う合わない”があるのは当然です。サービスを受ける側としてサービス内容に不満がある場合や、相性が合わないと感じる場合は担当のホームヘルパーを代えてもらうほうが良いでしょう。 また非常勤の方が多く勤務している事業所であれば、スタッフの数が多くいるので、利用者や家族と相性の良いホームヘルパーが見つかりやすくなります。 訪問介護のメリット、デメリット では、訪問介護を利用するにあたりどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。以下でそれぞれご説明していきます。 メリット 住み慣れた自宅で介護サービスを受けることができる 費用の軽減 家族にかかる負担の軽減 個別対応が可能 サービスの柔軟性が高い 施設の規則に縛られることがない 特に新しい環境下への適応が難しく、ストレスを抱えやすい高齢者にとって住み慣れた自宅で介護サービスを受けることができる点は、訪問介護サービスの大きなメリットと言えるでしょう。 そして、サービス内容についても利用者が必要なものだけを利用することができるという点で、柔軟性も高く、さまざまなニーズに応えることができます。 施設を利用するのと場合と比べ、費用を安く抑えることができる点もメリットのひとつです。 デメリット 自宅に他人を入れるということに拒否反応を覚えることもある 場合により、在宅介護に適応できるようなリフォームが必要 訪問介護サービスにはさまざまなメリットがあるのと同様に、デメリットがあるという点はしっかりと理解しておかなければなりません。 自宅でホームヘルパーに身の回りのことを行ってもらうことに対する拒否反応も考えられます。利用する際には、本当に利用しても良いかどうか、しっかりと話し合いをしておくことが重要です。 身体状況に合わせて適切なサービスを利用しよう 柔軟なサービス内容で、利用者にとって適切なサービスを提供してくれる訪問介護。訪問介護の利用を検討している方は、後悔しないためにも複数の事業所を比較して選ぶようにしましょう。 また、ホームページやパンフレットだけではわからない情報については、ケアマネジャーからのアドバイスやネットの口コミなどで調べることができます。 気になる事業所が見つかった場合には、厚生労働省が提供する「介護サービス情報公表システム」を利用してその事業所の離職率なども調べておくことをおすすめします。 事前に調べておくことで、相性の良いホームヘルパーさんと長いお付き合いをすることができるため、安心してサービスを利用することができます。 訪問介護に関するよくある質問 訪問介護ではどんなサービスが受けられますか? 介護の資格を保有したスタッフが自宅へ訪問し、食事介助や入浴介助といった身体介護、洗濯、掃除といった生活支援をサービスとして提供してくれます。 訪問介護の料金はどれぐらいですか? 訪問介護の1回あたりの料金は、数百円から数千円程度です。ただし、介護保険を利用する場合、個人で自己負担割合が異なるため、所得によっては2~3割負担になる可能性もあります。また、料金は要介護度の度合では変わりません。 訪問介護で医療行為はできますか? 訪問介護のスタッフは医療資格を持っていないため医療行為をおこなうことはできません。 医療行為も同時に受けたい場合は、訪問看護の利用も視野に入れると良いでしょう。また訪問介護スタッフは、利用者以外を対象としたサービスも提供できないので注意しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "訪問介護ではどんなサービスが受けられますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/01

短期入所療養介護のさービス内容や費用の解説

短期入所療養介護とは|対象者やサービス内容、費用【30日を超えて利用できる?】

ショートステイの中でも、医療ケアを伴うサービスを提供するのが短期入所療養介護です。 短期入所療養介護は具体的にはどのようなサービスでしょうか。短期入所療養介護のサービス内容や利用期間、費用。またメリット・デメリットなどについて解説します。 短期入所療養介護とは? 短期入所療養介護は、通常の介護ではなく、より医療ケアに目的を置いたショートステイです。 短期入所療養介護施設には医師や看護師が配置されているので、専門的な医療ケアも受けられます。医療ケアとは経管栄養、尿管カテーテル管理、ストマ管理、酸素療法、痰吸引などのことを言います。 医療ケアだけではなく、理学療法士、作業療法士・言語聴覚士などの専門家によって適切なリハビリテーションや機能訓練もおこなわれています。 短期入所療養介護を提供する医療施設 短期入所療養介護を提供できる医療施設は下記のとおりです。 介護老人保健施設 介護医療院 介護療養型医療施設 療養病床を持つ病院・診療所 老人性認知疾病療養病棟をもつ病院 これらの施設の中では介護老人保健施設の利用が最も多く、病院や診療所が提供する短期入所療養介護はまだまだ少ないのが現状のようです。 短期入所療養介護の対象者 短期入所療養介護は、要介護1~5の認定を受けている人を対象としており、要支援1~2の認定を受けている人は利用できません。 要支援の認定を受けている人は「介護予防短期入所療養介護」のサービスを利用することができます。 介護予防短期入所療養介護は、身体状況の悪化や要介護状態への進行を予防する目的のサービスで、要支援の認定を受けた人のみが利用できます。 短期入所療養介護のサービス内容 短期入所療養介護では具体的に以下のようなサービスが提供されます。 病状の確認と療養上の世話 医療機器の調整・交換 リハビリ 認知症対応 緊急時対応 日常生活の世話・介護 ターミナルケア 医療ケアだけなく介護に関するサービスも、もちろんあります。それでは、詳しく中身を見ていきましょう。 病状の確認と療養上の世話 経管栄養や痰吸引、インスリン注射といった療養上の世話をおこないます。また、医師が利用者の病状や健康状態に対する診察をしたり、服薬指導をしてくれたりします。 医療機器の調整・交換 施設利用者が使用している医療器具の調整、交換をおこないます。 リハビリ 理学療法士、言語聴覚士などのリハビリの専門職がリハビリテーションをおこないます。 認知症対応 利用者に認知症の症状がある場合は、認知症対策のケアを施します。 緊急時対応 緊急の事情により在宅介護できなくなった場合、ケアプラン作成がなくても緊急で受け入れをします。 日常生活の世話・介護 食事の提供や入浴、排泄の介助など日常生活におけるサポート全般をおこないます。 ターミナルケア 余命わずかな終末期の利用者の場合は、ターミナルケアにも対応します。 短期入所療養介護の利用期間 ショートステイは最短1日、連続して利用する場合は最長30日まで利用可能です。年間では介護認定期間の50%以内という規定があります。 利用期間については短期入所療養介護も短期入所生活介護も同じです。 また、31日以降も続けて利用する場合は、再度申し込み手続きをおこなう必要があります。その場合、31日目は自己負担となり、翌日以降に介護保険が適用されることを認識しておきましょう。 短期入所療養介護の利用シーン 短期入所療養介護は以下の場面で利用される可能性があります。 要介護者の体調が悪化し、自宅での介護が困難な場合 介護者が冠婚葬祭などで自宅を留守にする場合 介護者が病気を患った場合 介護者が休息を必要としている場合 在宅での介護は、身体的・精神的に介護者へ大きな負担がかかります。病気や用事などの場面だけでなく、定期的にサービスを利用し、適度な休息をとることが大切です。 実際にかかる費用 短期入所療養介護を利用した場合の気になる費用について見ていきましょう。短期入所療養介護の場合は基本サービス費に加えて、身体状況に応じて加算されるサービス加算、その他実費がかかります。 基本サービス費 短期入所療養介護の基本サービスである介護・医療にかかる金額が基本サービス費になります。この基本サービス費は一律ではなく、要介護度、施設の形態、居室の種類、職員の配置などによって異なります。 基本サービス費については介護保険が適用されるので、自己負担は1割(収入によって2~3割)です。医療にかかる経費や介護用品の費用なども含まれています。 短期入所療養介護は医療ケアに対応している分、短期入所生活介護(ショートステイ)より費用が高く設定されています。 要介護度従来型個室多床室(2名以上)ユニット型個室要介護1752円827円833円要介護2799円876円879円要介護3861円939円943円要介護4914円991円997円要介護5966円1045円1049円 出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) ※ユニット型は、食事や談話ができる共同スペースと個室で構成された居宅形態※手厚い人員体制を敷く施設の場合はその分の加算がある 全額自己負担となる費用 介護保険の対象となる基本サービス費とは別に、全額自己負担となる費用が2つあります。 身体状況に応じて加算されるサービス費とそのほかの実費です。 滞在費(日額)377円(多床室)1668円(従来型個室・ユニット型準個室)2006円(ユニット型個室)食費(日額)1445円 身体状況に応じて加算されるサービス費 基本サービス費に含まれず、身体状況に応じて加算されるサービス費もあります。これらの金額は利用した分が費用として上乗せになります。 代表的な加算サービス費は下記のとおりです。 送迎個別リハビリテーション認知症行動に対する対応緊急時の受け入れ重傷者への医学的管理と処置 など その他費用 短期入所療養介護を利用するときは、基本料金とサービス加算以外にも、自己負担になる費用がかかります。おもな自己負担費用は下記のとおりです。 滞在費食費日用品代レクリエーション費や理美容代 利用までの流れ ケアマネジャーに相談ケアマネジャーが施設に問い合わせ利用者と家族が施設を見学、ケアマネジャー同席して施設のスタッフと面談(アセスメント)主治医が診療情報提供書を作成して、ケアプランと共に施設に提出施設が受け入れを承諾し、利用者と施設が契約サービス開始 実際に短期入所療養介護を利用するときはまずケアマネジャーに相談してください。ケアマネジャーは条件に合った短期入所療養介護の事業者を選定して申し込みをします。 次は施設の見学とスタッフとの面談があります。その後、主治医に診療情報提供書を書いてもらい、ケアマネジャーのケアプラン作成が完了したら施設に提出。審査を通過してはじめて契約になります。 短期入所療養介護のメリット・デメリット 短期入所療養介護にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?双方についてよく検討してから利用するようにしましょう。 メリット 医療ケアが必要な人も宿泊療養サービスが受けられる理学療法士・言語聴覚士などがいて、リハビリテーションを受けることができる施設に入居することで、他の利用者やスタッフと交流を得られる在宅介護の介護者が旅行に行ったりリフレッシュしたりできる医師や看護師がいるので、緊急時にも対応してもらえる認知症患者の受け入れもできるターミナルケアにも対応している デメリット 慣れない環境にストレスを感じて、健康状態を悪化させる危険もある人気があるサービスなので、予約がなかなかとれない短期入所療養介護を利用しすぎると利用限度額に達して、他の介護サービスが利用できなくなる介護保険適用外の費用もあるため、自己負担がかさみ介護費用がふくらんでしまうこともある 医療的ケアが必要でも安心して利用できる 日常的に医療ケアが必要な方を預けることは、家族にはとても不安です。短期入所療養介護であれば、医師や看護師が配置されて医療ケアも問題ありません。また、認知症の患者についても受け入れ可能なのもポイントです。 ただし短期入所療養介護は人気なので、予約がとりずらい状況が続いています。利用申し込みの手続きも数週間はかかります。短期入所療養介護を利用しようと思ったら、早めに行動に移すことをおすすめします。 短期入所療養介護に関するよくある質問 短期入所療養介護ではどんなサービスが受けられますか? 短期入所療養介護は、通常の介護ではなく、より医療的ケアに目的を置いたショートステイです。主に「病状の確認、療養上の世話」「医療機器の調整、交換」「ターミナルケア」などが挙げられます。 短期入所療養介護の利用期間はどれぐらいですか? 短期入所療養介護の利用期間はショートステイ変わらず、最短1日、連続して利用する場合は最長で30日まで利用することができます。利用者の身体状況に応じてショートステイと使い分けましょう。 短期入所療養介護を利用する際、基本料金以外に費用は必要ですか? 短期入所療養介護を利用するときは、基本料金とサービス加算以外に「滞在費」「食費」「日用品代」「レクリエーション費」などが必要です。基本料金とサービス加算以外はすべて自費なので注意が必要です。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "短期入所療養介護ではどんなサービスが受けられますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/11/29

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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