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介護のトラブル集

ヒートショックは冬場に起きる可能性が高い

ヒートショックとは?症状や未然に防ぐための対策を徹底解説

暖かい場所から寒い場所へと移動した際、急激な温度の変化から身体に影響を及ぼすことをヒートショックと言います。ヒートショックは高齢者を中心に、毎年多くの方が亡くなっています。一方で、しっかりと対策をしていればヒートショックを起こす可能性を格段に下げることができます。 この記事では、ヒートショックによって起きる症状や未然に防ぐための対策を解説しています。 「親が一人で入浴しているから心配…」「万が一のときはどうすれば良いの?」など不安な方は、是非、参考にしてみてください。 ヒートショックとは? ヒートショックは「急激な気温の変化により血圧が上下し、心臓や血管などにダメージを受ける健康被害」を指します。冬場における入浴中の死亡事故は毎年多く、ヒートショックもその要因のひとつと言われています。 出典:「入浴中の死亡者数の推移」(東京都福祉保健局 東京都監察医務院) 出典:「東京 2019年 月ごとの値」(国土交通省 気象庁) では、ヒートショックに至った場合どのような症状が起きるのでしょうか。 以下で解説していきます。 症状 ヒートショックの症状は軽度であれば「立ちくらみ」や「めまい」などが中心で、症状が治まるまで安静にしていれば大事に至ることはありません。しかし、重度になると以下のような症状が出始めます。 頭痛 嘔吐 脱力 胸の痛み 呂律が回らない 意識がなくなる 上記のような症状が出始めた際、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性もあり、最悪なケースとして死に至る場合もあります。 ヒートショックが起きた際は、発症者の身体状況をよく観察し、必要なときは救急車を要請するなどの対応をおこないましょう。 ヒートショックが発生しやすい場所 ヒートショックは、冬場の「脱衣場」「浴室」「トイレ」などの場所で発生しやすいです。 特に冬場は、暖かい場所と寒い場所の温度差が10度以上の場合もあり、急激な温度変化によって急速に血圧が上下します。そのため身体がダメージを受け、ヒートショックに至ります。特に高齢者の場合、暖かい場所から寒い場所へ移動する際は、自宅と言えども細心の注意が必要と言えるでしょう。 ヒートショックを起こしやすい人の6つの特徴 ヒートショックを起こしやすい人には、以下の6つの特徴があります。 65歳以上の人 糖尿病・高血圧・肥満の人 特定の基礎疾患がある人 熱いお風呂を好む人 長時間入浴している人 飲酒後に入浴する人 それぞれ詳細を見ていきましょう。 65歳以上の人 65歳以上の高齢者の場合は、ヒートショックを起こすリスクが高いです。主な原因としては、気温の変化に身体がついていけなかったり血圧を正常に保つための機能が低下したりとさまざまな要因が考えられます。 糖尿病・高血圧・肥満の人 糖尿病・高血圧・肥満といった生活習慣病は動脈硬化を引き起こす可能性があり、ヒートショックを引き起こす要因のひとつです。血管が狭くなっていたり血圧の変動が激しいと心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。 特定の基礎疾患がある人 「睡眠時無呼吸症候群」や「不整脈」といった特定の基礎疾患がある人もヒートショックを起こす可能性があります。生活習慣病と同様に血圧との関連が深い場合は、リスクが高いと言えるでしょう。 熱いお風呂を好む人 熱いお風呂が好きという人は、ヒートショックに細心の注意を払わなければいけません。 熱いお風呂に入ると、一気に血圧が上昇し数分後には急降下します。結果、急激な血圧の変動が起き血管に大きな負担をかけ、最悪の場合、意識障害や失神してしまうこともあります。 長時間入浴している人 長時間の入浴は、血圧の低下を招き、心臓に大きな負担を与えます。30分以上の入浴はヒートショックを引き起こすリスクが高くなるため、10~15分程度の入浴を意識すると良いでしょう。 飲酒後に入浴する人 飲酒をした場合、アルコールによって血圧が下がり、そのまま入浴すると血管が拡張しさらに血圧が下がります。そのため、飲酒後の入浴は急激に血圧が下がっているため、危険な状態だと言えます。 ヒートショックの予防対策【入浴編】 ヒートショックを引き起こさないためには、急激に血圧を上下させないように以下のような予防対策が重要です。 脱衣所と浴室を暖める お風呂やシャワーの温度を低めに設定する かけ湯をする 湯船からゆっくり出る 詳しい内容を見ていきましょう。 脱衣所と浴室を暖める 冬場は脱衣所と浴室が寒いため、浴室乾燥機や小型の暖房機器などで事前に暖めておくと良いでしょう。暖房機器がない場合は、お湯を溜めた後に浴槽の蓋を開けておくと脱衣所、浴室ともに暖まります。 お風呂やシャワーの温度を低めに設定する お風呂やシャワーの温度を38~40度程度に低く設定しましょう。温度を低くすることで心臓への負担を避け、ヒートショックを未然に防ぐことができます。 また、長時間の入浴はヒートショックを引き起こす可能性が高くなるため、10~15分ほどで出ることを意識しましょう。 かけ湯をする いくら浴室を暖かくしていても、いきなり湯船に浸かるのは身体に大きな負担を与え、ヒートショックを招く可能性があります。そのため、湯船に浸かる前には必ず手足からかけ湯をおこない、お湯の温度に身体を慣らす必要があります。 湯船からゆっくり出る 湯船に浸かっているときは、身体が暖められ血圧が低下している状態です。その状態で急に立ち上がると、めまいを起こしたり失神してしまうこともあります。そのため、湯船から出る際は、ゆっくり立ち上がることを意識しましょう。 ヒートショックの予防対策【トイレ編】 ヒートショックが引き起こされるのは、脱衣所や浴室だけではありません。トイレでも起こる可能性があるので以下のような事前の対策が必要です。 暖房機器を設置する いきみすぎないように注意する 詳しい内容を見ていきましょう。 暖房機器を設置する トイレも脱衣所や浴室と同様に、暖房機器がなく寒い空間であるケースが多いです。しかし近年では、暖房便座や足元に置くヒーターなどを始めとし、人感センサー付きのヒーターやヒーター一体型の天井照明などが数多く販売されています。このような暖房機器を活用して温度差をできるだけ少なくすることがヒートショック対策として重要です。 いきみすぎないように注意する 排便の際に、長い時間いきみすぎてしまうと血圧が上がり、心臓への負担が大きくなります。 また、排便後は血圧が急激に下がるため、急速な血圧の変動に耐えれずヒートショックが引き起こされる可能性があります。対策として、便秘にならないように普段の食生活を見直す手段が挙げられます。 ヒートショック状態の人への対処法 ヒートショックが起きた場合、軽度であれば水分補給をおこなうなどして安静にすることが重要です。ただし、状態が悪化したり明らかに重度の症状が出ている場合は、速やかに救急車を呼びましょう。 浴槽内で気を失っていたり、ぐったりしていた場合は浴槽のお湯を抜き、可能であれば浴槽から引き上げて救急車が到着するまで安静にしていることが大切です。 また、救急車を呼んだ際に救急隊員よりその後の指示を受ける場合もあります。その際は、指示に従い、適切な処置をおこないましょう。 ヒートショックに関するよくある質問 ヒートショックはどんなときに起こりますか? ヒートショックは室内の温度差が原因で起こり、特に冬場の暖かい部屋から寒い部屋へ移動した際などに発生します。主に発生場所として挙げられるのが「脱衣所」「浴室」「トイレ」です。 ヒートショックになるとどうなりますか? 急激な血圧の上下に伴い、ヒートショックが発生すると脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などにより意識を失う可能性があります。特に浴槽内でヒートショックが起きた場合は、溺れてしまう危険性もあるため、湯船に浸かる際はかけ湯をおこない、ゆっくりと浸かりましょう。 ヒートショックは何月に多いですか? 1月をピークに11~4月の冬場に突出して多いです。理由としては、暖かい部屋と寒い部屋の温度差が激しいことが挙げられます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "ヒートショックはどんなときに起こりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/09/07

高齢者を災害から守るため日々の備えが必要

高齢者を守る災害への備え|災害時に直面する問題を解説

地震や台風、豪雨による土砂崩れなど自然災害が頻繁に起こる日本では、災害に対する日々の備えが必要です。特に高齢者は、万が一の際に若い世代とは違い身動きがとりにくく、逃げ遅れてしまう危険性もあります。では、高齢者を災害時に守るためにはどうしたら良いのでしょうか。 この記事では、災害時に高齢者が直面する問題や災害への備えを解説しています。 「災害に対してどんな備えをしたら良いかわからない…」「いざ災害に見舞われたらちゃんと対応できるだろうか…」などと不安な方は、是非、参考にしてみてください。 災害時に高齢者が直面する問題 災害が発生すると高齢者のみでは必要な情報が得られず、避難の際に遅れをとってしまう可能性があります。以下では、災害時に高齢者が直面する問題をまとめました。 必要な情報が手に入りにくい 災害時に情報を得る手段は、新聞やテレビ、ラジオやインターネットなどが挙げられます。しかし、災害の種類によっては情報収集の手段も限られてきます。特に一人暮らしをしている高齢者にとっては、普段情報を得ている手段が使用できないとなると強い不安感を抱くでしょう。 危機意識が低くなりやすい 「自宅にいれば安心だろう」「近所も避難していないから大丈夫だろう」などと災害を経験したことがない場合は危機意識が低くなりがちです。そのため、危機意識を高めるためには日頃からハザードマップや避難経路の確認が重要です。 自力で避難ができない 介護が必要な高齢者の場合は、災害時に自力で避難ができない方も多く、逃げ遅れてしまう可能性もあります。また、自力で避難ができる方でも長距離の移動が困難であったり避難途中で転倒してしまうケースなども考えられます。 避難生活に対応できない 災害の種類や規模によっては、住み慣れた自宅を離れ避難生活を余儀なくされるケースもあります。慣れない環境での生活は強いストレスを抱え精神的に参ってしまうことも中にはあるでしょう。 また、避難生活が長引くことで精神的バランスが崩れ、持病の悪化や認知症の進行を招く可能性もあります。 災害に対する備え 災害が発生したときは誰もがパニックに陥り、冷静に物事が判断できない可能性が高いです。 特に高齢者は若い世代とは異なり、素早く身動きが取れなかったりパニックで転倒してしまうリスクも高いです。そんな事態に陥らないためにも日々の備えが必要です。以下では、災害に対する備えをまとめました。 「避難場所」や「避難経路」を知っておく 災害が発生したときにどこに避難したら良いか、どの経路を辿っていけば良いのかを事前に把握しておくと、いざというときに落ち着いて避難することができます。 また避難経路に関しては、災害の種類により目的の経路が使用できない場合もあります。そのため、避難経路はひとつに絞るのではなく複数用意しておくことが大切です。 家具・家電を固定する 地震のような災害に備えて家具・家電を固定するのも備えのひとつです。家具や家電が倒れると大きな怪我につながる可能性もあり、それによって避難が遅れるケースも考えられます。 そんな状態に陥らないためにも、本棚や冷蔵庫などの大きい物は優先的に固定しておくと良いでしょう。また、家具や家電が倒れた際に逃げ道を塞ぐことがないように配置に関しても見直しておく必要があります。 備蓄品の確認をする 災害が発生すると一時的にライフラインがストップしてしまい、必要なものが手に入りづらい状況になります。 特に高齢者の場合は、遠くまで買い物に行くことや支援物資を取りに行くことができないケースも考えられます。そのため、普段からある程度の水分や食料、生活必需品を準備しておく必要があります。 また高齢者の場合は、とろみ剤や経管栄養剤、おむつや薬などが別途必要になる場合があります。速やかに避難できるように介護関連の備蓄品の確認もしておくと良いでしょう。 緊急連絡先を確認しておく 災害はいつ起こるかわかりません。そのため、災害時に避難することを想定して緊急連絡先を確認しておくことが大切です。家族や親戚、知人の連絡先を把握しておくことはもちろんのこと、高齢者の場合はケアマネジャーや地域包括支援センターなどの連絡先も確認しておく必要があります。 防災訓練に参加する 地域で実施される防災訓練に参加することも災害に対する備えです。防災訓練に参加することによって、いざというときに冷静に行動することができ、命を守ることにもつながります。 また、災害時は近所同士の助け合いが必須です。地域の防災訓練に参加することで、災害に対しての危機意識を共有でき、近所とのきずなを深めることにもつながります。 災害に対する備えに関するよくある質問 高齢者が災害時に陥る問題はどんなものがありますか? 介護が必要な高齢者の場合は、自力で避難できない可能性があります。また、避難先では多くの人がいるため、慣れない環境で持病の悪化や認知症の進行を招く可能性があります。 災害に対しての備えはどんなことをしておくと良いですか? 日頃から避難場所や避難経路、備蓄品の確認をしておくことが重要です。また、地震などの災害時には家具や家電が倒れる可能性もあるため、本棚や冷蔵庫などの大きい物は固定をし、避難経路を確保しておく必要があります。 高齢者におすすめの防災グッズは何ですか? とろみ剤や経管栄養剤、老眼鏡や入れ歯洗浄シートなどを防災袋に入れておくと安心です。また、おむつや杖などは普段使用していなくても万が一の際に役に立つので入れておくと良いでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "高齢者が災害時に陥る問題はどんなものがありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/07/29

老人ホームの入居を拒否するのにはさまざまな原因がある

老人ホームへの入居拒否|「入りたくない」と言われたときの対処法と原因

「自宅での介護が大変で親に老人ホームの入居を勧めてみたが、拒否されてしまった」「何故、自宅から離れなくてはいけないんだと言われてしまった」など老人ホームへの入居に拒否を示すケースは多いです。では何故、老人ホームへ入居したくないのでしょうか。 この記事では、老人ホームへの入居拒否が起こる原因と対処法を解説しています。 「親が老人ホームの入居に関して一切話しを聞いてくれない…」などと悩んでいる方は、是非、参考にしてみてください。 入居拒否を解消する方法 いくら老人ホームに入居してほしいからと言って、本人の意思を無視して強制的に入居させることは絶対にしてはいけません。以下では、老人ホームへの入居拒否を解消する方法をまとめました。 本人の気持ちをすべて話してもらう 老人ホームの入居に関して本人の意思を聞こうとせず、家族だけで話を進めるのは絶対にやめましょう。 家族間でのトラブルを避けるためにまずは、「何故、入居したくないのか」「どうやって生活したいのか」などと本人の気持ちをすべて話してもらうことが大切です。 最初はお互いに感情的になってしまい話がうまく進まないこともあるでしょう。しかし、時間をかけて丁寧に説明したり質問の仕方を変えてみたりすることで、徐々に本人も自身の気持ちを打ち明けてくれることでしょう。 老人ホームの良さを説明する 本人が老人ホームという場所に関してあまり良いイメージを持ってないのであれば、老人ホームの良さをわかりやすく説明する必要があります。 例えば、自宅とは違い快適に過ごせる点を伝えたり、イベントやレクリエーションなどが豊富にあるということを説明したりすると魅力を感じてもらいやすくなるでしょう。 実際に老人ホームの良さを感じ取ってもらうには見学が一番です。しかし、いきなり見学へ行こうと言っても、抵抗を示す方も多いことでしょう。そんなときは焦らずに、具体的にイメージできる老人ホームのパンフレットを見ながら説明するとイメージできる可能性があります。 また、高齢者の中には「1度老人ホームに入居すると、自由に外出できない・家族に会えない・転居できない」というイメージを持っている方も少なくありません。入居後も変わらず家族との交流や外出、転居もできることを伝えると安心感につながるでしょう。 医師やケアマネジャーに相談する 家族だけでは老人ホームの入居を説得できない場合は、医師やケアマネジャーに相談するのも良いでしょう。特に医師の言うことであれば素直に聞き入れる高齢者も多いです。「老人ホームに入居できることは幸せなことですよ」などと医師の口から本人へ伝えてもらうのが効果的です。 家族ではない第三者が老人ホームの入居に関して伝えることで納得するケースは多々あります。 大切なのは「本人・家族だけでなく、専門職も交え話し合いをする」ことです。それぞれのさまざまな思い、意見がある中で、できることは話し合いと言えるでしょう。 「どうすれば良いか分からない」と迷ったときは、ケアマネジャーをはじめ、専門職に相談すると良いでしょう。 家族が本人の幸せを一番に願っていることを伝え続ける 老人ホームに入居することは家族に見捨てられることと思い込んでしまい、入居拒否に至っている可能性が高いです。そんな誤解を解くためには、「お父さん・お母さんの幸せを一番に考えている」といった言葉を伝え続けるのが良いでしょう。 また老人ホームに入居してもいつでも会えるということを伝え、本人に安心感を与えることも大切です。 入居拒否が起こる原因 老人ホームの入居を拒否する背景には、本人のさまざまな思いがあります。では、どんな思いが老人ホームの入居拒否へとつながっているのでしょうか。以下では、入居拒否が起こる原因をまとめました。 自宅を離れたくない 老人ホームの入居を拒否する原因として、自宅を離れたくないという理由は多いです。「住み慣れた自宅に愛着がある」「環境の変化が怖い」などと理由はさまざまで、未知の生活に比べれば、不便でも現在の場所で生活していきたいと思う方が多いようです。 介護が必要だと認めたくない 「自分は認知症ではない」「自分のことは自分でできるのに家族が勝手に介護している」など、本当は生活する上で支援や介護が必要な状態なのにも関わらず、その状態を認めたくないという方もいます。自身の身体状況を受容できない場合は、老人ホームへの入居を拒否するケースが多いです。 老人ホームに否定的なイメージを持っている 入居後は自由がない、集団生活を強いられるといった否定的なイメージを持っている人が多く、それが理由として老人ホームへの入居を拒否しているケースが考えられます。 また、メディアなどで老人ホームのイメージを悪くするニュースも昨今では見受けられます。 ただ実際には、そのような施設はごく一部であり、ほとんどの施設は本人のためを思い親切な介護を心がけています。 家族に見捨てられるという不安を抱いている 「家族が自分を見捨てて老人ホームに入居させようとしている…」などと考え、寂しさや不安を感じ老人ホームの入居を拒否している可能性があります。「親の介護は子どもがおこなうべき」という考え方は少なからず残っている場合もあるため、このようなケースはいかに本人を安心させることができるかがポイントです。 拒否されても叱ってはいけない 家族とはいえ、何度も拒否されるとついイライラしてしまい、穏やかなままではいられないことも。「なんで老人ホームに入ってくれないの!」「自宅では面倒見れないの!」などと強い口調になってしまうこともあるかもしれません。 そのようなときは、本人のペースや意思を尊重して、気持ちに寄り添い、優しく接しましょう。焦らずゆっくりと時間をかけて話しをすることで、良い結果が生まれる場合もあります。 老人ホームへの入居拒否に関するよくある質問 老人ホームの入居拒否は何が原因で起こりますか? 「住み慣れた自宅から離れたくない」「自分に介護は必要ない」「家族に見捨てられる」といった理由で入居拒否が起こるのが大半です。入居したくない原因を突き止め、本人とじっくり話し合いをすることが重要です。 老人ホームの入居拒否を解消するためにはどうすれば良いですか? まずは本人の気持ちをすべて話してもらうことから始めましょう。「何故、入居したくないのか」「これからどうやって生活していきたいのか」など時間をかけて話し合うことが大切です。また、老人ホームに入居してもいつでも会えるということを伝え、本人に安心感を与えることも重要です。 家族の話を全く聞き入れてくれない場合はどうすれば良いですか? 家族だけでは老人ホームの入居を説得できない場合は、医師やケアマネジャーに相談するのも良いでしょう。特に医師の言うことであれば素直に聞き入れる高齢者も多いです。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームの入居拒否は何が原因で起こりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/07/27

老人ホームの転居をする理由は人それぞれ

老人ホームの転居|探し方や注意したい3つのこと

十分に検討をして入居した老人ホームであっても、実際に入居して生活してみるとさまざまな問題が浮き彫りになり、他の老人ホームへ転居したいと希望するケースがあります。 この記事では、老人ホームを転居するときに注意したいことや探し方を解説しています。 「今の老人ホームの対応に不満があって転居したい…」「親を転居させたいんだけど次の入居先が中々決まらない…」など悩んでいる方は、是非、参考にしてみてください。 転居をする理由 「思っていた老人ホームと違った」「老人ホームにいられなくなってしまった」など、転居の理由は人によってさまざまです。以下では、転居をする理由をまとめました。 身体状況の悪化 身体状況が悪化すると、要介護度が上がったり医療的ケアが必要になったりと、施設によっては転居を余儀なくされるケースがあります。その背景には、施設に設備が整っていない場合や対応できるスタッフがいないといったことが挙げられます。 人間関係への不満 「介護スタッフが冷たい態度をとる」「ほかの入居者とトラブルになった」など、老人ホーム内での人間関係が発端となって転居を希望するケースもあります。共同生活を送る老人ホームではこういった問題が度々起こります。 金銭的負担が増加 「毎月の費用の支払いが厳しくなった」などの金銭的な理由で転居を考える方もいます。介護保険サービスの利用が増え金銭的に厳しくなったり、援助してくれる家族の経済状況が変化したりと、費用の支払いが厳しくなる理由は人によって異なります。 立地や設備に対しての不満 ホームページやパンフレットで見ていた居室が、実際に入居してみると思ったより狭く感じられ、不便さから転居を希望するケースがあります。 また、定期的に老人ホームへ訪問している家族にとっては立地の問題も気になるでしょう。老人ホームの場所が遠ければ通いづらく、家族が親の転居を考える場合も多いようです。 転居先を探す 転居先を探す場合に一番重要視するのは、転居する理由を解消できるかどうかでしょう。転居をするということはそれなりの理由があるはずです。今の老人ホームに欠けている点を明確にし、希望条件を整理することが転居先を探すスタートと言えます。 では具体的に転居先を探すことになった場合、どういった手段で探せば良いのでしょうか。 以下では、転居先を探す手段をまとめました。 自分で探してみる 主にインターネットに掲載されている情報や施設パンフレットをもとに、自分で転居先を探します。特にインターネットでは、施設の口コミや評価などを確認でき、情報収集がスムーズにおこなえるでしょう。 ケアマネジャーに相談する 入居中の老人ホームのケアマネジャーに相談をして転居先を決めるのも一案です。ケアマネジャーは介護に関する知識のみならず、老人ホームの情報も持ち合わせています。入居中の老人ホームのケアマネジャーに転居の相談をするのはためらいがありますが、一度、相談してみるのも良いでしょう。 老人ホームの紹介センターを活用する 老人ホームの紹介センターでは全国の情報を網羅しているため、広範囲の老人ホームを探すのに便利です。電話や対面相談だけでなく、メールでの相談を受け付けている場合も多く、気軽に相談ができるでしょう。 なお、老人ホームの紹介センターは施設からの手数料で運営しているため、利用者側の負担はなく無料で紹介してもらえます。 退去手続き 転居先の老人ホームが決まり次第、速やかに今の老人ホームの退去手続きをおこないましょう。退去の手続きは、原則として各老人ホームが設けている規定に基づきおこなわれますが、基本的には「退去予定日の1カ月前までに申し出る」というのが一般的です。 ただし、認知症の進行や要介護度が上がったことによる、老人ホーム側からの退去勧告の場合は猶予期間が設けられる場合もあります。 転居する際に注意したい3つのこと 老人ホームを転居する際に注意したいことは以下の3つです。 転居を決断する前に相談をする入居金の返還があるか確認する原状回復費用が発生するのか確認する 転居を決断する前に、まずは老人ホームのケアマネジャーや生活相談員、施設長などと現状、不安や不満に感じていることを話し合いましょう。 また、転居する上で入居金の返還や居室の原状回復費用に関しての金銭トラブルはよくあるケースです。施設側と揉めないためには、契約内容を確認しておく必要があります。 転居を決断する前に相談をする 老人ホームの転居は手間と時間がかかり、入居者本人や家族に大きな負担をもたらす可能性があります。そのため、どのような理由で転居を考え始めたかにもよりますが、まずは転居を考えるのではなく転居したい理由を解決できるか施設のケアマネジャーや施設長に相談すると良いでしょう。 老人ホームの規模によっては「苦情相談窓口」「お客様相談センター」のような窓口を設けていることもあります。直接、施設スタッフに相談しにくい場合は、そのような窓口を利用することで悩みを解決できる場合もあります。 入居金の返還があるか確認する 老人ホームに入居する際に入居金を支払っている場合は、居住期間によって入居金が返還されます。入居後すぐに合わないと感じたり体調の変化により入院したりと、契約から90日以内に解約する場合は、クーリングオフにより入居金が全額返還されます。 一方で契約から90日を過ぎてから解約する際は、契約に基づいた初期償却と償却期間によって計算され、入居金の一部が返還されます。以下、計算例をまとめました。 上記のケースでは、600万円のうち初期償却の180万円は入居後すぐに退去しても戻ってこない金額です。残りの420万円を償却期間で等分すると1カ月7万円となり、この金額が毎月賃料に当てられます。 入居後5年以内は償却が終わっていないため、この間の退去では入居時費用から初期償却額と毎月償却された額を引いた金額が返還されます。仮に2年目に退去した場合は、252万円が返還される計算です。 原状回復費用が発生するのかを確認する 老人ホームを転居する際は、利用していた居室の原状回復費用がかかるかを確認する必要があります。入居者側が負担するのは、造作の変更(新たにドアや棚を設置するなど)や「車椅子を壁にぶつけて壁紙を破いてしまった」などの入居者の過失による損傷の部分です。 一方で経年劣化や通常の使用による損耗は施設側で負担します。 ただし原状回復費用は、どこまでが入居者側の負担になるか線引きが難しくトラブルになるケースも多々あります。 老人ホームの転居に関するよくある質問 転居をする理由はどんなものがありますか? 「入居者の身体状況の悪化」「人間関係への不満」「金銭的負担の増加」「立地や設備に対しての不満」などが主に挙げられます。特に身体状況が悪化したことにより、介護保険サービスの利用が増え金銭的負担が増加したというケースが多く見られます。 転居に関しての相談は誰にすれば良いですか? 施設の転居に関する相談は、ケアマネジャーや生活相談員、施設長にすると良いでしょう。 直接、施設スタッフに相談しにくいという方のために「お客様相談センター」を設けている運営会社もあります。 施設側から転居を促されることはありますか? 身体状況が悪化し施設の設備や人員不足により対応できない場合や、認知症の症状による暴力・徘徊・被害妄想が酷いケースは施設側から転居を促される場合があります。3カ月以内などある程度の目安を施設の担当者から告げられます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "転居をする理由はどんなものがありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/07/04

孤独死の原因は、地域社会とのつながりが希薄することや経済的困窮などが挙げられます。

高齢者の孤独死が増加?原因と今からできる防止策を徹底解説

近年、高齢者の一人暮らしによる「孤独死」が社会問題として多く取り上げられています。原因は「地域社会とのつながりが希薄」「経済的困窮」などが主に挙げられ、年々増加傾向にあるのも事実です。 この記事では、孤独死が起きる原因や防ぐための対策、増加する孤独死の現状を解説しています。 「一人暮らしをしている親や親族のことが将来心配…」と不安を抱えてる方は、是非、参考にしてみてください。 孤独死を招く原因 孤独死とは、誰にも看取られず自宅で一人で亡くなることを指します。では、どうして孤独死に至ってしまうのでしょうか。 以下では、孤独死を招く原因をまとめました。 地域住民とのつながりが希薄 近年では、SNSの普及や個人情報の意識が強くなった関係で、近所付き合いが減ってきています。 近所付き合いが減ることで、人と会話をすることが少なくなるだけでなく、万が一のときに頼れる人がいないということにもつながります。そのため、体調を崩したり怪我をしてしまったりすると誰にも気づいてもらえない状況に陥り、最悪の場合、孤独死に至ります。 未婚による孤独 結婚をせずに単身で生活していることが孤独死の原因のひとつとされています。若いときは未婚でもそれほどのリスクはありません。 しかし、高齢になるにつれ一人で生きていくことに不安を感じたり思わぬ病気や怪我をしてしまったりと、弊害が徐々に増えてきます。誰かと住んでいれば避けられる事態も、一人暮らしによって誰にも気づかれず、最悪な結末を招くケースも多々あります。 経済的困窮 孤独死の原因のひとつに経済的困窮も挙げられます。貧困に陥る原因はさまざまですが、例えば、企業の倒産やリストラによって収入が無くなり、体調不良でも病院に行けないなどがあります。その結果、必要な治療を受けられず、自宅で病死してしまうケースも後を絶ちません。 孤独死を防ぐための対策 上記で記述した通り、孤独死の原因は状況によりさまざまです。では、孤独死に至らないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか。 以下では、孤独死を防ぐための対策をまとめました。 見守りサービスを利用する 最近では、民間の事業者による見守りサービスが増加しています。主なサービスとして、センサーを設置し、一定時間動きがないと緊急の信号を発してセキュリティ会社を呼んだりカメラを取り付けることで家族が24時間本人の様子を確認できたりと、さまざまなサービスが用意されています。 各自治体による高齢者支援サービスを利用する 高齢社会に伴い、各自治体で高齢者支援サービスに力を入れているところが増えてきました。例えば「緊急通報装置の貸し出し」「電話訪問」など、自治体によってさまざまです。安否確認につながるサービスが多数あるので、孤独死を防ぐための対策として大いに活躍することでしょう。 家族が頻繁に連絡をする 家族が本人へ向けて定期的に連絡することで、孤独死を回避できる可能性があります。連絡することを習慣化すれば、1日連絡が来なかった際に「もしかして何かあったのかも…」と判断することができます。最近では、スマートフォンを使いこなしている高齢者も多いので、LINEなどでメッセージを送り合うのも良いでしょう。 介護施設へ入居する 孤独死を防ぐ方法として最も適しているのは、老人ホームなどの介護施設に入居することです。老人ホームでは、スタッフによる安否確認や健康管理が毎日おこなわれるのはもちろんのこと、季節のイベントやレクリエーションなど豊富にサービスが提供されます。 日々スタッフの見守りや他の入居者との関わりがあるので、孤独死という最悪な結果を生むことはなく、家族としても安心できるでしょう。 データで見る孤独死の現状 高齢社会に伴って、孤独死は年々増加傾向にあります。以下では、孤独死の現状をデータにまとめました。それぞれ見ていきましょう。 孤独死数の推移 解剖をおこなっている東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の死亡者数は以下です。 出典:「令和2年版高齢社会白書」(内閣府) 2009年の2,194人という結果に対して、2018年には約2倍の3,882人と増加傾向にあります。 男女比 出典:「孤独死現状レポート」(一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会) 孤独死の男女比は男性が83.1%、女性が16.9%となっており、男性が孤独死をする傾向が強いことがわかります。また、死亡時の平均年齢はどちらも61歳という数値が出ており、比較的若いことが伺えます。 孤独死の死因 出典:「死因別統計データ」(国土交通省) 厚生労働省の人口動態統計を見ると病死が62.3%、自殺が11.3%という結果が出ています。半数以上は病死ですが、孤独死の死因として少なからず自殺者がいることを認識しておきましょう。 高齢者の孤独死に関するよくある質問 孤独死する人はどんな人ですか? 家族や親族とのコミュニケーションがなく、近所付き合いも希薄な人が孤独死するケースが多いです。高齢社会に伴い、一人暮らしをしている高齢者が増加傾向にあるので、孤独死問題は軽視できません。 何故、男性の方が孤独死が多いのでしょうか? 女性に比べて男性の方が、日常的な地域の付き合いや、近所とのコミュニケーションを苦手とする人が多いと言われています。特に定年退職をした後は、社会との接点がなくなり孤立するケースも珍しくありません。 高齢者の一人暮らしはなぜ、増加しているのでしょうか? 少子化や核家族化などの理由から高齢者の一人暮らしが増加しています。2040年には65歳以上の高齢者4~5人に1人が一人暮らしをしているという予想がされており、年々増加傾向にあります。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "孤独死する人はどんな人ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/06/08

高齢者が一人暮らしをすることで起こりうる問題は多々あります

「高齢者の一人暮らし」に潜む問題とは?トラブルを回避するための4つの対策

「遠方に住んでいる親が一人暮らしをしていて心配…」「今は夫婦で生活しているが、将来どちらかが一人になったとき生活をしていけるのか不安…」などと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、高齢者の一人暮らしに起こりうる孤独死や特殊詐欺などの問題や、その問題に対する4つの対策を解説しています。 親や親族が一人暮らしをしていて不安を抱えている方は、是非、参考にしてみてください。 一人暮らしによって起きる問題 「もしかしたら犯罪に巻き込まれてるかもしれない…」「遠方に住む親に連絡がつかない…」など高齢者が一人暮らしをしていると、家族として心配になるのは当然のことでしょう。 以下では、高齢者の一人暮らしによって起きる問題をまとめました。 孤独死のリスクが高まる 高齢者の一人暮らしで一番懸念される問題は「孤独死」です。孤独死と考えられる死亡事例は年々増加傾向にあり、下記は東京23区内における一人暮らしの65歳以上の死亡者数をまとめました。 出典:「令和2年版高齢社会白書」(内閣府) 原因は主に「誤飲による窒息」「転倒・転落」「浴室での溺死」などが挙げられ、誰かと住んでいれば避けられる事態も、一人暮らしによって誰にも気づかれず、最悪な結末を招くことがあります。 認知症の進行に気づけない 高齢者が一人で暮らすことで起きる問題のひとつに、認知症の進行が挙げられます。 認知症は「早期発見」「早期治療」することで、ある程度進行を遅らせることができます。しかし、一人暮らしをしていると自身の状態の変化には気づけず放置してしまう方が大半です。そのため、家族が気づいた頃には認知症が進行しているケースが後を絶ちません。 犯罪などのトラブルに巻き込まれる 高齢者を狙った特殊詐欺などの件数は減少傾向にはあるのですが、刑法犯認知件数に占める高齢者の被害件数の割合は増加傾向にあります。家族が身近にいれば回避できますが、一人暮らしの場合、気持ちが焦り犯罪に巻き込まれてしまうことも。犯罪に巻き込まれる要因としては、一人暮らしによって周りとの関わりが少なくなり、防犯に必要な情報を得られないということが挙げられます。 一人暮らしの問題に対する4つの対策 孤独死や振り込め詐欺など、高齢者の一人暮らしにまつわる問題はさまざまです。これらの問題に対して一番良いのは本人と家族が同居することですが、家庭の状況により同居はできないというケースは多々あります。 それでは、同居のほかにどのような対策があるのでしょうか。 以下では、一人暮らしの問題に対する対策をまとめました。 見守りサービスを利用する 最近では、民間の事業者による見守りサービスが増加しています。主なサービスとして、センサーを設置し、一定時間動きがないと緊急の信号を発してセキュリティ会社を呼んだりカメラを取り付けることで家族が24時間本人の様子を確認できたりと、さまざまなサービスが用意されています。 各自治体による高齢者支援サービスを利用する 高齢社会に伴い、各自治体で高齢者支援サービスに力を入れているところが増えてきました。例えば「緊急通報装置の貸し出し」「配食サービス」「外出支援」など、自治体によってさまざまなサービスが用意されています。ただし、あくまで支援にあたるため介護サービスは受けられないことを認識しておきましょう。 介護保険サービスを利用する 要介護認定を受けることで、介護保険サービスを利用できます。以下では、介護保険を利用して受けられるサービスの例をまとめました。 身体介助や洗濯・掃除などの生活支援を受ける:「訪問介護」日中施設に通い、食事や入浴、リハビリなどのサービスを受ける:「デイサービス」全面的な介護を受ける:「有料老人ホームなどの施設」 上記はあくまで一例で、本人の身体状況や希望によっては、さまざまなサービスを組み合わせることも可能です。介護保険サービスを利用することで、見守りが強化され、本人や家族も安心して生活することができます。 地域住民とつながりを持つ 地域住民とのつながりを持っておくことで最悪のケースを免れることができます。例えば、災害時に安否確認に来てもらったり体調が悪いときは見守りを頼んだりと、地域住民とのつながりは家族としても大きなメリットです。そのため、日頃から地域住民とのコミュニケーションは適度にとっておくと良いでしょう。 高齢者の一人暮らしに関するよくある質問 高齢者の一人暮らしはなぜ、増加しているのでしょうか? 少子化や核家族化などの理由から高齢者の一人暮らしが増加しています。今後も高齢者の一人暮らしは年々増加していき、2040年には65歳以上の高齢者4~5人に1人が一人暮らしをしているという予測がされています。 高齢者の一人暮らしに関する相談はどこですれば良いですか? まず、各自治体や地域包括支援センターへ相談すると良いでしょう。各自治体では、高齢社会に伴い、高齢者に対する支援活動に力を入れているところが増えてきています。「親が一人暮らしで将来的に心配…」といった悩みを持っている方は、一度、相談窓口を訪問してみると良いでしょう。 遠方に住む一人暮らしの親が心配…。何か対策はありますか? 遠方に親が一人暮らししている場合、民間の事業者による見守りサービスを導入するのはいかがでしょうか。センサーやカメラによる日常の見守りはもちろんのこと、ボタンひとつで緊急通報ができるなどサービスの幅は広いです。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "高齢者の一人暮らしはなぜ、増加しているのでしょうか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/06/06

入院をきっかけに認知症の症状が進むこともある。悪化した場合は退院を促されることも珍しくない

認知症の症状で退院を促される?退院が決まってしまったときの対応を解説

体調不良や怪我が原因で病院へ入院したものの、入院をきっかけとして認知症の症状が現れることがあります。認知症の症状の度合いによっては、医師や看護師が対応できず、退院を促されるケースもあります。 この記事では、退院を促されたことで起きる問題や退院が決まってしまったときの対応を解説しています。 「病院から突然、退院するように言われて困っている」といった悩みを持っている方は、是非、参考にしてみてください。 退院を促されたことで起きる問題 入院中に認知症の症状が悪化し、スムーズに治療が進まないと判断された場合、病院から退院を促されるケースがあります。以下では、退院を促されたことで起きる問題をまとめました。 転院先が見つからない 例えば、怪我が原因でまだリハビリを必要としていれば、継続してリハビリをおこなってくれる別の病院を探す必要があります。しかし、認知症の症状がひどく、リハビリを継続できない場合は転院先の受け入れは難しいです。 入居できる介護施設がない 認知症の人が退院後、生活する場所として、病院以外に介護施設も選択肢として挙げられます。しかし、介護施設であっても暴力・大声・被害妄想などがある場合、入居を断られることがあります。 あくまで介護施設は共同生活の場なので、他の入居者に迷惑がかかってしまう症状がある人は、受け入れが難しいと判断されるでしょう。 在宅介護サービスの選択肢が少ない 退院後、自宅で介護をするという選択肢もあります。しかし、在宅介護サービスに至っても認知症の症状がひどい場合は、選択肢が限られてしまいます。例えば、「デイケアに行ってもリハビリをする気力がない」「ヘルパーが訪問しても適切なケアを受けない」といった問題がある場合、利用は難しいでしょう。 退院が決まってしまったときの対応 入院先から「病院では対応ができないので退院してください」と言われたら、家族としては困り果て、途方に暮れることでしょう。では、突然、そんな事態になってしまった場合どうすれば良いのでしょうか。 以下では、退院が決まってしまったときの対応をまとめました。 病院の医療相談室を利用する 入院設備が整っている病院には、基本的に医療相談室が設置されています。 医療相談室ではソーシャルワーカーが常駐し、「退院後の生活」「転院・施設入居に関しての相談」「在宅介護サービスの相談」など多岐にわたり相談ができ、適切なアドバイスを受けられます。 地域包括支援センターに相談する 全国の市区町村には、高齢者の支援として地域包括支援センターという相談窓口が設けられています。地域包括支援センターには、ケアマネジャーや看護師といった福祉に関する有資格者が常駐していて、さまざまな相談を受け付けています。 認知症疾患医療センターへ転院する 認知症疾患医療センターは、認知症に特化した病院として全国に設置されています。 主に「認知症の専門治療」「認知症に関する相談」などが大半を占めており、認知症に関する有資格者が多いのも特徴的です。そのため、認知症の症状により一般の病院の退院を余儀なくされても、認知症疾患医療センターであれば対応できる可能性があります。 自宅で介護をおこなう 退院の際に、病院の医師や看護師に本人の状態と必要なケアを確認し、自宅で介護をするのも一案です。「自宅で介護ができる!」と判断した場合は、家族の協力だけではなく、認知症特化型の在宅介護サービスを利用するのが良いでしょう。 また、最近では民間の事業者による高齢者向けサービスも増加しています。例えば、認知症の人向けの場合、徘徊位置情報確認システムの貸し出しや万が一のときに警備員が駆けつけるサービスなど多種多様です。 病院では対応できない認知症の症状 認知症の人でも病院へ入院することはできます。しかし、認知症の症状が重く、治療がスムーズに進まない場合は受け入れができないことも。以下は、病院では対応できない認知症の症状をまとめました。 徘徊 一人で病院内を歩こうとしたり実際に歩き回ったりすることを指します。骨折しているのにも関わらず歩こうとしたり「自宅に帰りたい!」という帰宅願望で彷徨い歩いたりする人もいます。こうした問題から危険と認識され、病院では対応できないと判断されることが多いようです。 大声 認知症の症状により、昼夜問わず大きな声を出したり歌を唄ったりすることがあります。これにより、他の患者が寝不足になったりストレスを感じたりしてしまうため、病院としては対応できないと判断するようです。 暴力 医師や看護師が訪れると「何か嫌なことをされるのではないか」と感じ、興奮して手を上げる場合もあります。「必要な治療です」などと声かけをして落ち着いてもらえれば良いですが、認知機能が低下しているため理解してもらえないことが多いです。そのため、病院としてもこのまま入院させておくことはできないと判断します。 認知症の症状で病院に退院を促されるに関するよくある質問 認知症の人は入院できますか? 認知症の人でも入院はできます。しかし、認知症の症状が悪化し、医師や看護師が困るような場合は退院を促される可能性があります。 退院が決定してしまった場合はどうすれば良いですか? 病院の医療相談室や地域包括支援センターなどの窓口を利用するのが良いでしょう。「退院後の生活」「転院に関しての相談」「在宅介護サービスの相談」など、さまざまなアドバイスを受けることができます。 また、認知症の専門治療を受けられる認知症疾患医療センターへの入院も選択肢として挙げられます。 どのような症状だと退院を促されますか? 主に「徘徊」「大声」「暴力」などの症状が現れると退院を促されるようです。判断材料として「他の患者に迷惑をかける」「治療をスムーズに進ませてもらえない」といったことが挙げられます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症の人は入院できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/06/03

認知症の人による食事トラブルは、食べものを食べものとして認識していなかったりすることから起こる

【管理栄養士監修】認知症の人の食事トラブルはなぜ起こる?原因と対策を解説

認知症の症状が進行すると、食事の仕方に影響を及ぼすことがあります。食べものを食べものとして認識していなかったり目の前にある食べものをすべて食べてしまったりと、「異食」「過食」「拒食」などさまざまな異常行動が見られることもあります。 この記事では、認知症によって起こりうる食事の弊害を原因と対策に分け解説しています。 「食べものじゃないものを食べようとしていた…」「最近になって食べものをたくさん食べるようになった…」といった悩みを持っている方は、是非、参考にしてみてください。 「異食」の原因と対策 異食とは、本来は食べられないものを食べてしまう弊害です。主な原因として認知機能の低下が挙げられ、食べものと紛らわしいものを食べものだと認識している可能性があります。 以下では、よく口にしてしまうものをまとめました。 ティッシュ落ちているゴミ洋服のボタン電池タバコ 健康に害を及ぼす可能性があるのはもちろんのこと、嚥下機能の低下により詰まらせてしまうことも考えられます。 対策①環境を整備する 異食を起こさない環境づくりが重要です。例えば、「食べものと食べてはいけないものの位置を分ける」「口に入るものは手の届かない場所に置く」などの工夫が必要です。 対策②食事の回数を増やす 空腹が原因で異食が起きている場合もあります。 そんなときは、一回の食事量を減らして食事の回数を増やし、可能な限り空腹でいる時間をつくらないことが重要です。おやつやフルーツなどを間食として食べてもらうのも良いでしょう。 「過食」の原因と対策 過食とは、食事をしても満腹感が得られず、大量に食べ続けている弊害を指します。 認知症による過食は、個人差があり誰にでも現れる症状ではなく、一過性の症状であることが多いです。症状としては、記憶力の低下により食べたことを忘れてしまっていて、食べものを要求してくることが特徴です。 対策①食器をすぐに片付けない 「食卓についていた」という事実を知ることで過食防止につながります。認知症の人は、記憶力の低下により、今さっきしていたことを忘れてしまう傾向が強いです。そのため、食器をすぐに片付けてしまうと「まだ食事をしていないんじゃないか?」という気持ちになることが多々あります。 そうならないために、食事が終わったらすぐに食器を片付けず、あえてお皿やコップを食卓に広げたままにしておきましょう。実際に自身が使用したお皿やコップを見ることで、「食事はもう終わったんだな」と納得してくれるでしょう。 対策②手の届く場所に食べものを置かない 認知症による過食では、食べものが手の届く位置にあると食べるのを我慢できない傾向が強いです。そのため、食べものがある棚に鍵を付けたり中身の見えない容器を使ったりして対策を講じる必要があります。 しかし、食べものをすべて遠ざけてしまうと、本人が家中を荒らし回る可能性も否めません。どうしても本人が食べもの探しを止めようとしない場合は、低カロリーの軽食を手渡すことで落ち着く場合もあります。 「拒食」の原因と対策 拒食とは食べることを拒否する弊害を指し、食べなくなることで栄養状態の悪化や体力の低下を招きます。介護をする人からすれば、「なんとか食べてほしい」という一心で食事を勧めていても、本人はそれがストレスとなり拒否している可能性があります。 対策①好きなものを献立に取り入れる 食欲を掻き立てるために、本人の好きなものを献立に取り入れるのが良いでしょう。ただし、毎日となると栄養に偏りが生じてしまうため、あくまで本人の食欲を向上させるための手段と考えておきましょう。 対策②無理に食べさせようとしない 強引に食事を勧めたり無理やり食べさせることは絶対にしてはいけません。介護をする人は、「本人のためを想ってやっているのに…」と思うこともあるでしょう。しかし一番重要なのは、本人の気持ちに寄り添い、認めてあげることです。 認知症の人の食事に関するよくある質問 認知症の家族が料理を出しても食べない場合はどうすれば良いですか? 認知症の症状のひとつでもある失認が起きている場合があります。食べものを食べものとして認識できていない可能性があるので、異食を避けるために、一つひとつ丁寧に「これはご飯です」「お味噌汁を飲みましょう」などの声かけが必要です。 食事をしたことを忘れてしまっている場合はどうすれば良いですか? 食事が終わったらすぐに食器を片付けることはせず、あえてお皿やコップを食卓に広げたままにしましょう。実際に自身が使用したお皿やコップを見ることで、「食事はもう終わったんだな」と納得してくれるでしょう。 食事の際に集中して食べてくれない場合どうすれば良いですか? 食事する環境が騒々しかったり落ち着けない場所だったりするため集中できないことも。まずは、テレビの音量を下げたり食事以外のものをテーブルに乗せないといったことを試してみると良いでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症の家族が料理を出しても食べない場合はどうすれば良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/06/02

外出拒否をする原因はさまざまです。まずは本人の意思を尊重することが重要

高齢者に外出拒否されたときの対処法|原因がわかれば対策もわかる!

外出をすると、心がリフレッシュされ、ストレス発散になりますよね。しかし、高齢者にとっては必ずしも外出が良い効果をもたらすとは限らず、逆にストレスを与え外出拒否に至ってしまうケースが多々あります。 また認知症の症状が現れている場合、外出の意味が理解できず不安感を募らせ、外出を拒否している場合もあります。 この記事では、高齢者の外出拒否に関する対応や拒否が起こる原因を解説しています。 「外出してほしいのに本人がまったく動く気がなくて困る」と戸惑っている方は、是非、参考にしてみてください。 外出拒否に対する対応 「なんで外出しなくちゃいけないの?」「どこに連れて行く気だ!」などと言われてしまうと、家族として困惑してしまうこともあるでしょう。 以下では、外出拒否に対する対応をまとめました。 本人の意思を尊重する 身体機能維持のために、運動がてら外出してほしい気持ちはわかります。しかし、拒否されたからといって、強引に外へ連れ出すことは絶対にしてはいけません。拒否された場合は一呼吸おき、本人の気持ちに寄り添い、認めてあげることが重要です。また、「外に出かけることが好きだったのかどうか」本人の習慣を振り返ってみることも大切です。元々、外出が好きな方であれば、趣味趣向に合わせたヒントがあるかもしれません。 時間を置いて声かけをする 外出することを頑なに拒否している場合は、一旦その場を離れ、時間を置いてから声かけをしましょう。時間をおくことで本人の気持ちも落ち着き、外出に対して前向きになっている可能性があります。 家族が同行する 例えば、認知症である家族の介護をしていると、デイサービスやデイケアを利用することもあるでしょう。しかし、本人にとっては外出先がどんなところかわからず「行きたくない!」という気持ちが芽生え、拒否に至ることもあります。 そんなときは、デイサービスやデイケアに慣れるまで家族が同行すると良いでしょう。身近な家族が側にいることで安心感につながり、外出先が危険な場所ではないことを認識できます。また、その際はコロナ禍で家族が同行できるか事業所に確認する必要があります。本人が慣れてきた場合は、どのタイミングで同行を見合わせるかをケアマネジャーやデイサービスの職員と相談しておくと良いでしょう。 事業所を替えてみる 認知症の症状による被害妄想などが原因で、馴染んだはずのデイサービスやデイケアへ行くことを拒否するケースも多々あります。本人がまた気持ち良く事業所へ行ってくれることが一番ですが、一度芽生えてしまった事業所への否定的な感情を払拭するのは難しいです。 拒否が長く続き、家族の負担が大きいようであれば、事業所を替えてみるのも一案です。どの事業所を選択するかは利用者・家族の自由です。事業所を替える際は、ケアマネジャーとよく話し合いましょう。 外出拒否が起こる原因 介護をする人からすれば、外出したくない原因がわからず戸惑うことが多いでしょう。原因を紐解くと、身体的・精神的状況により、突然、外出拒否が起こることが多いです。 以下では、外出拒否が起こる原因をまとめました。 身体機能の低下 加齢による身体機能の低下が、外出拒否を起こす原因のひとつとされています。高齢になると、歩く際に思うように足が上がらなくなったり階段の昇降ができなくなったりと、さまざまな弊害が生じます。そのため外出そのものに意欲が湧かなくなり、外出拒否へと発展していると考えられます。 認知症の進行 高齢者に認知症の症状がある場合、外出拒否が起こる原因は以下です。 いつも訪れていた場所で何をするのか忘れてしまう「記憶障害」外出先への行き方を思い出せない「実行機能障害」外出の方法がわからない「失行」 「行き方がわからないから外出したくない!」「外出をするために何をすれば良いかわからないから行きたくない!」などの発言がある場合、認知症の進行による外出拒否を疑いましょう。 また、認知症ではなく、外出に対し「億劫になってしまった」と気分的な要因も考えられます。 外出する雰囲気に不安を感じてしまう 認知症の方は、外出する準備のため周りがバタバタしだすと、不安になり外出を拒否する傾向があります。この症状は、認知症特有の周辺症状のひとつとして挙げられます。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; color: ...

2022/05/31

服薬拒否が起きる要因はさまざまで、認知症によっるものも大きい

高齢者に服薬を拒否されたときの対処法|原因がわかれば対策もわかる!

病気やケガの治療などで重要な役割を果たす「薬」。しかし、服薬の必要な人が必ずしも薬を飲んでくれるとは限りません。特に認知症の症状がある場合、「自分は病気ではない」「毒が盛られているかもしれない」などと感じ、服薬拒否に至っているケースがあります。 この記事では、高齢者の服薬拒否に対する対応や拒否が起こる原因を解説しています。 「必ず飲まなくてはいけない薬なのに本人が飲んでくれず困る」と戸惑っている方は、是非、参考にしてみてください。 服薬拒否に対する対応方法 絶対に飲まなければいけない薬なのに「今は飲みたくない!」「なんで薬なんか飲まなければいけないんだ!」と言われてしまうと、家族としては「本人のことを思って言っているのに…」と戸惑うケースも多いでしょう。 以下では、服薬拒否に対する対応をまとめました。 本人の意思を尊重する 健康維持のために、薬を飲んでほしい気持ちはわかります。しかし、拒否されたからといって、強引に薬を飲ませるのは絶対にしてはいけません。拒否された場合は一呼吸おき、本人の気持ちに寄り添い、認めてあげることが重要です。 声かけをする 認知症による認知機能の低下で、自分が病気であることや薬を飲まなくてはいけない状況が理解できておらず、服薬を拒否している場合もあります。 そのようなときは、わかりやすく「元気でいるために必要なものだよ」「お医者さんが特別に出してくれた薬だよ」などと伝えることで飲んでくれることも。優しく丁寧に声かけすることを意識しましょう。 体調の変化に気をつける 薬を飲むことで起きる副作用が原因で、服薬を拒否しているケースがあります。 体調に変化が見られる場合は、早急にかかりつけの医師に相談しましょう。薬の種類や量を変えることで、服薬拒否が改善されることがあります。 飲みやすい薬に変える 薬の味や形態が合わず、服薬拒否に至っている可能性があります。以下では、高齢者が服薬しやすい方法をまとめました。 大きい錠剤を粉砕する飲みやすい「液体タイプ」「ゼリータイプ」に変更するオブラートに包むとろみを付ける 薬の味や形態を変えることで、無理なく飲めるようになったケースも多いです。高齢者の場合、味覚障害を伴っていることもあるので、味の工夫も必要だと言えます。 介護者を替えてみる さまざまな対応方法を試しても、服薬拒否が改善されない場合があります。 そのようなときは、介護者を替えるのも一案です。身内の言うことは聞かない方でも、他人の言うことはすんなりと受け入れ、薬を飲んでもらえる可能性も。そのため服薬拒否がどうしても改善されない場合は、訪問介護などの介護保険サービスを利用し、第三者に服薬介助をお願いすると良いでしょう。特に本人が一番信頼している人の名前(主治医など)を出すと効果的かもしれません。 服薬拒否が起こる原因 身体的・精神的状況によって、突然、服薬拒否が始まることがあります。介護をする人からすれば、「なんで飲んでくれないの?」と困ってしまうこともあるでしょう。 以下では、服薬拒否が起こる原因をまとめました。 薬の必要性が理解できない 認知症による認知機能の低下が、服薬拒否を起こす原因のひとつとされています。 「自分には何故、薬が必要なのか?」「そもそも薬とは何なのか?」などと理解が追いつかなくなり、「よくわからないものは飲みたくない!」といった気持ちを引き起こします。 薬を上手く飲み込めない 加齢による嚥下機能の低下で、薬に対して飲み込みづらさを感じ、服薬を拒否している場合があります。大きい錠剤が飲み込みづらいのはもちろんのこと、人によっては小さい錠剤や飲み込みやすいであろう顆粒タイプに飲み込みづらさを感じている場合もあります。 副作用が出ている 副作用が原因で服薬拒否に至っているケースも多く見受けられます。「この薬を飲むと体調が悪くなるから…」という訴えがあるときは、薬による副作用が出ていると疑いましょう。 不信感を抱いている 認知症が進行すると被害妄想の症状が現れる可能性があり、それにより介護をする人に対して不信感を抱くことも。薬に対して「毒が盛られてるかもしれない!」と感じたり、介護する人のことを「信用できない!」と言ったりして拒否へと発展します。薬は命に関わることではありますが、強引に飲ませようとすることで、本人との信頼関係に響くのは仕方ありません。拒否の程度によっては、「そもそも薬がどこまで必要なのか?」を主治医に相談してみるのも良いでしょう。 拒否をされても叱ってはいけない 家族とはいえ、何度も拒否されるとついイライラしてしまい、穏やかなままではいられないことも。「早く薬を飲んで!」「まだ飲んでないの?」などと強い口調になってしまうこともあるかもしれません。 そのようなときは、本人のペースや意思を尊重して、気持ちに寄り添い、優しく介護しましょう。焦らずゆっくりと介護していくことで、良い結果が生まれる場合もあります。 高齢者の服薬拒否に関するよくある質問 高齢者が服薬拒否をしている場合どうすれば良いですか? 本人が服薬拒否をしている場合、無理に薬を飲ませようとはせず、少し時間を空けて声かけをおこなうと良いでしょう。介助に関して難色を示している場合は、本人の意思を尊重し見守ることが大切です。 服薬拒否が続くとどうなりますか? 服薬拒否が続くと薬による効果が発揮されず、病状が悪化する場合があります。服薬拒否は命に関わる可能性もあるので、自己判断で薬を減らすことはせず、拒否が現れた時点でかかりつけの医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。 また、介護保険には薬剤師が訪問できるサービスもあるので、担当のケアマネジャーに相談すると良いでしょう。 薬が飲み込めず吐き出してしまうときはどうすれば良いですか? 大きい錠剤の場合、薬自体を粉砕しとろみを付けると飲み込みやすくなり、拒否がなくなることがあります。 また、飲み込みやすい「液体タイプ」「ゼリータイプ」に変更できるかをかかりつけの医師や薬剤師に相談してみると良いでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "高齢者が服薬拒否をしている場合どうすれば良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/05/30

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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グループホームに必要な人員基準|注意点と他施設との比較

「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。 「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。 グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。 介護職員 計画作成担当者 管理者 代表者 それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。 介護職員の人員基準 介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。 計画作成担当者の人員基準 計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。 計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。 実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること 専らその職務に従事する者であること また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。 管理者の人員基準 管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。 管理者になるには次の要件が求められます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること 厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること 特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。 なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。 代表者の人員基準 管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。 介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること 厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること グループホームの人員基準の注意点 グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。 介護職員が常勤ではない場合がある 介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。 規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。 人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。 規定の3:1を超えない場合もある 入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。 グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。 人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。 グループホーム以外の介護施設の人員基準 グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。 介護付き有料老人ホームの人員基準 介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。 介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。 その他の主な人員は下記の通りです。 施設長(常勤の管理者) 事務員 生活相談員 看護職員 機能訓練指導員 計画作成担当者 栄養士 調理員 住宅型有料老人ホームの人員基準 住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。 管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。 介護職員 看護職員 生活相談員 機能訓練指導員 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。 一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。 特別養護老人ホームの人員基準 特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。 また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。 グループホームの人員基準に関するよくある質問 グループホームの職員の人員基準は? 入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 グループホームでは24時間規定の人員配置? 入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。 グループホームはどのような人員配置なの? グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "グループホームの職員の人員基準は?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2023/02/13

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