デイサービスで脳トレを実施したいと考えたとき、どんなことをすれば良いのか?どんな効果があるのか?などの疑問もあるでしょう。
この記事では、さまざまな脳トレとその実践方法、効果や実施する際の注意点をわかりやすく解説します。
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漢字や言葉のクイズは、アレンジがしやすく、さまざまなパターンで問題をつくることができます。熟語の穴埋めクイズであれば、図版のように、中央の空欄に入る共通漢字を考え、4つの二字熟語を完成させる問題もおすすめです。
ほかにも、正しい送りがなを選ぶ、難解漢字の読み方を考える、対義語を当てるクイズなどがあります。クイズでは、一般的な漢字や言葉を選ぶことが大切です。また、ヒントも用意しておくと良いでしょう。
計算力は年齢を重ねるごとに衰えてしまうため、定期的に計算問題を解くことは大切です。
簡単な足し算・引き算を繰り返し解くだけでも、脳は活性化されます。難解な問題で頭を悩ませるよりも、問題が解けたときに達成感を得ることや、楽しんで取り組めることの方が重要です。
脳トレの代表的な計算問題としては、計算式の一部の数字が空欄であったり、計算記号が空欄になっている虫食い問題が挙げられます。複数の数字の足し算・引き算など、応用した問題もおすすめです。
早口言葉の音読は、滑舌を意識して発声することで脳が活性化するほか、口腔内の筋力が鍛えられ、誤嚥を防止する効果も期待できます。また、利用者同士の音読を聴き合いながら大人数でも楽しめるトレーニングです。
早口言葉といっても、発声の速度を重視する必要はありません。
まずはゆっくり、簡単な文章を音読します。繰り返し発声でき、少し速度を早めても発声できたら、少し難しい文章にしてみる、といったように段階的におこないましょう。
昭和を思い起こすものや、当時の印象的な出来事などを題材にしたクイズです。
クイズを通して過去の出来事を思い出すと同時に、当時の自分を思い出すことができるため、回想法の役割も果たします。回想法には、自信を取り戻したり、自発性が生まれることで認知症を予防する効果があります。
机上でおこなう形式でも良いですが、スタッフが問題を読み上げて、利用者に回答してもらう方法もコミュニケーションが増えておすすめです。
回文とは、「たけやぶやけた」などのように、上から読んでも下から読んでも同じ文章のことをいいます。図版のように、回文の文字を一部穴埋めにして、空欄に入る文字を考える出題方法が代表的です。
初めは短い回文を出題して、徐々に長い回文にしてみましょう。また、回答しやすくするためにヒントを用意しておくのもおすすめです。
間違い探しは、集中力や注意力、記憶力などを鍛える脳トレです。一見同じように見える2つの絵を見比べて、間違っている箇所を探す方法が一般的ですが、複数の絵の中からひとつ異なっている絵を探す出題方法もあります。
まずは描かれているイラストが大きく簡単なものから出題し、次第に間違い箇所の数を増やしたり、左右や上下が反転している絵の間違い探しにするなど、難易度を少しずつ上げていくとさらに良いトレーニングになるでしょう。
なぞなぞは、気楽に取り組める脳トレのひとつです。
答えを考えているときは、普段よりも想像力を大きくはたらかせるため、脳への良い刺激になり認知症の予防にも役立ちます。また、利用者同士のコミュニケーションが自然に生まれ、和やかな雰囲気になるメリットもあります。
なぞなぞのテーマは、動物やスポーツ、季節に合わせたお題など、利用者にとって身近なものを選ぶのがおすすめです。また、なぞなぞは難しすぎないほうがよいでしょう。
紙コップで作った糸電話を使い、文章を順番に伝言していくゲームです。お題は自由ですが、なるべく短く、身近な文章が良いでしょう。四字熟語やことわざ、早口言葉などもおすすめです。
伝言ゲームでは、聴き取った文章を記憶して次の相手に伝える必要があるため、記憶力を鍛えることができます。最後の人までお題の通りに伝わっていれば達成感がありますが、文章が変わってしまっていても面白く、場が盛り上がるでしょう。
都道府県当てクイズは、さまざまなヒントを参考に、どの都道府県を指しているかを当てるゲームです。記憶をたどり、知識をアウトプットするため、脳の刺激になります。ヒントは複数用意し、必ず答えにたどり着けるようにします。
例えば、図版のように、都道府県のシルエットをひとつ目のヒントにする場合、シルエットで回答できなければ、地方区分、特産物、観光スポットといったように、ひとつずつヒントを追加しましょう。
しりとりにテーマなどの縛りを設けることで、通常のしりとりよりも言語能力や記憶力をトレーニングできます。道具などを用意する必要がないため、手軽におこなえる脳トレです。
例えば、国名・動物などのテーマ縛りしりとりや、文字数縛りのしりとり、カタカナ言葉禁止のしりとり、暗記しりとりなどがあります。
しりとりのテーマによって難易度が変わりますので、利用者に合わせたものを選びましょう。
連想ゲームは、代表的なものに古今東西ゲームがありますが、ほかにも、いくつかの言葉をヒントに答えを連想する方法があります。例えば、「冷たい」「固い」「透明」で連想されるものはなにか?という問題なら、答えは「氷」となります。
古今東西ゲームは、すでに誰かが挙げたものは答えられないため、記憶力をきたえられます。いくつかのヒントをもとに答えを連想する場合は、言葉を関連づけて選び出す力、想像力などを鍛える効果があります。
楽曲のイントロ部分のみを流し、曲名を当ててもらうクイズです。楽曲は、童謡や懐かしの流行曲、定番の演歌など、利用者に馴染みのあるものを選ぶと良いでしょう。
馴染みのある音楽を聴くことで、リラックス効果が期待できるほか、コミュニケーションが生まれるきっかけにもなるでしょう。また、クイズを通して想起する力を鍛えることもできます。
文字の順番が入れ替わっている言葉を読み、元の言葉は何かを当てるゲームです。制限時間内に答えられたら成功です。
例えば、図版の元の言葉は何でしょう?
答えは「かまきり」です。
通常はカタカナで表記する言葉がひらがなになっているだけでも、少しわかりづらくなります。文字数を徐々に増やして難易度を上げていくのもおすすめです。
脳トレには、頭を使うものだけでなく、手先を使った手遊びも有効です。単純な動作でも、リズムに合わせて動かしたり、左右で異なる動作をすることで脳が刺激されます。
ここでは、脳トレに有効な手遊びとして以下を紹介します。
どれも座ったままおこなうことができ、身体への負担が少ないことがポイントです。
怪我防止のためにも、手遊びの前後に手指の体操を実施しましょう。
お題ビンゴとは、数字のビンゴゲームをアレンジしたものです。マス目が空白の用紙に、お題で連想する言葉を各自で書いてもらいます。例えば、お題が「フルーツ」であれば、「りんご」「バナナ」「みかん」などと書きます。
ルールは数字ビンゴと同じで、書いた言葉を一人ずつ読み上げていき、自分の用紙にある言葉が読まれたら丸をつけます。縦・横・斜めどこか一列が揃えばビンゴです。テーマは利用者が考えやすいよう、身近なものにすると良いでしょう。
北海道(札幌市)|青森県|岩手県|宮城県(仙台市)|秋田県|山形県|福島県
東京都|神奈川県(横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県(さいたま市)|千葉県(千葉市)|茨城県|栃木県|群馬県
愛知県(名古屋市)|岐阜県|三重県|静岡県(静岡市 / 浜松市)
大阪府(大阪市 / 堺市)|京都府(京都市)|兵庫県(神戸市)|滋賀県|奈良県|和歌山県
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次に、デイサービスで脳トレを実施する場合、どのような効果やメリットが期待できるのかを解説します。
デイサービスで脳トレをおこなうメリットのひとつは、利用者同士のコミュニケーションを促し、交流を深めるきっかけになることです。クイズやゲーム形式にすることで、自然と会話が生まれたり、笑いのある和やかな雰囲気をつくることができます。
個々の身体・認知状況を考慮した内容にすれば、利用者全体で楽しめるのもポイントです。
脳トレでは、記憶する、思考する、手先を動かすなど、普段あまり使わない脳の部分を刺激します。繰り返しおこなうことで脳が活性化され、認知症の予防や進行を抑える効果が期待できるといわれています。
自分らしく、充実した生活を送るためにも、生活の質(QOL : Quality of life)を向上させることは大切です。脳トレは、クイズやゲームを通して達成感や充実感を得られるため、生活の質を高めることにも繋がります。
身体・認知機能の低下を感じている方は、デイサービスの脳トレを通して自信を持てるようになったり、利用者同士の交流によって心がリフレッシュできるメリットもあります。
デイサービスで脳トレをおこなうときに最も大切なのは、利用者が気軽に楽しんで取り組めることです。脳トレの目的は、正解や成功することではなく、頭を働かせて答えを導き出すことです。間違えたり、失敗してもストレスを感じさせないよう配慮しましょう。
脳トレの内容は、シンプルで分かりやすいルールであること、簡単すぎず、難しすぎない問題であることも大切です。また、利用者同士でコミュニケーションを取りながらおこなえるものがおすすめです。グループに分かれて取り組む場合は、劣等感を持ってしまう方もいるため注意しましょう。
さまざまなゲームやクイズ、手遊びを繰り返しおこなうことで、記憶力や思考力、注意力などの認知機能を高める目的があります。また、利用者同士の交流による脳の活性化や、生活の質の向上を図ります。
利用者の身体・認知機能の状況はさまざまです。問題の内容に得意・不得意もあるため、初級・中級・上級といったように段階的に問題を用意し、個々の状況に合わせて出題しましょう。幅広い分野から出題し、各利用者の満足度を高めることも大切です。
問題を解く時間が短いと、利用者が焦りを感じてストレスになる場合もあるため、所要時間を考慮し、適切な時間を確保することが大切です。時間内に解答できれば、達成感や満足感が得られます。時間があまりとれない場合は、短時間で取り組めるものを選びましょう。
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