特別養護老人ホームには3つの種類があり、それぞれで入所対象者が異なります。
本記事では、3種類の特別養護老人ホームについて詳しく解説していきます。合わせて特養を検討している方におすすめの介護施設もご紹介します。
特養への入所を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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特別養護老人ホームは、入所者の定員数やサービス内容から「広域型特別養護老人ホーム」「地域密着型特別養護老人ホーム」「地域サポート型特別養護老人ホーム」の3つに分けられます。
広域型 | 地域密着型 | 地域サポート型 | ||
---|---|---|---|---|
サテライト型 | 単独型 | |||
居住地の制限 | 居住地に関わらず入居可 | 施設がある市区町村に住んでいる方を対象 | 対象地域で在宅生活を送る高齢者を対象 | |
定員 | 30人以上 | 29人以下 | 特になし | |
サービス内容 | 食事・入浴・排泄の介助・機能訓練・口腔ケア・レクリエーションなど | 24時間の見守り・定期巡回・介護者に対して介護の悩み相談など | ||
特徴 | 居住地の制限がなく、ほかの種類の特養より早く入居できる可能性がある | 本体施設が近くにあり、人員配置や設備基準は広域型と比べ緩和されている | 本体施設はなく、少人数の受け入れをしている | 在宅生活をしている高齢者に見守りを始めとしたサービスを提供している |
広域型特別養護老人ホームは、入所定員が30名以上の特養です。日本中のどこに住んでいても申し込むことができます。
広域型特養では、ほかの特養と同様に、入浴や排泄、食事などの介護、リハビリテーション、健康管理などを受けることができます。また、特養では、直接介護に関わる介護職員のほかに、医師や看護師、介護支援専門員、機能訓練士、生活相談員が必ず配置されています。
広域型特養は、最も数が多い介護施設ですが、安い費用で入所できるため入所希望者が非常に多いのが実情です。そのため、早く特養に入所したい方は、待機数の少ない地域の広域型特養へ申し込むと比較的早く入所できる可能性があるでしょう。
地域密着型特別養護老人ホームは、定員が29名以下の小規模な特養で、「地域密着型介護老人福祉施設」とも呼ばれます。少人数の家庭的な雰囲気の中で、地域や家族との結びつきを重視したケアが受けられるのが特徴です
地域密着型特養は、2006年の介護保険法改正により設置された介護施設です。地域に住む高齢者がなるべく住み慣れた地域で生活をつづけられるよう、身近な市区町村が主体となってサービスを提供しています。
なお、地域密着型の特養は、サテライト型と単独型の2つのタイプに分けられます。
本体施設である既存の特別養護老人ホームと密接な連携を確保しつつ、同じ法人が別の場所で運営している特養を「サテライト型特養」と呼びます。
サテライト型特養は、地域密着型と同様に、定員数が29名以下の小規模特養です。入所対象者は、要介護3以上の方で、施設のある住所に住民票がある方のみ入所できます。
サテライト型では、本体施設の職員がサテライト型特養の業務を兼務している場合があります。
業務を兼務することが認められている職種は以下の通りです。
単独型は、サテライト型とは違い本体施設を持たない地域密着型特養です。広域型特養と同等の設備やサービスを単独で提供しています。入居条件は、サテライト型と同様です。
単独型では、共同生活スペースを中心に個室を配置している「ユニット型」の施設が多く、少人数でアットホームな雰囲気の中で介護が受けられるのが特徴です。
ショートステイやデイサービス、小規模多機能介護を併設しているところもあります。
在宅で介護を受けている高齢者に対して、安否確認や生活相談をおこなう特養です。
巡回訪問など通して、24時間体制のサポートが受けられたり、家族を介護する家族の悩みなどの相談にも応じてもらえたりします。
しかし、この特養を利用できる区域はまだ少なく、サービスを受けたい場合には、担当ケアマネジャーや地域包括支援センターに確認が必要です。
高齢化社会が進む我が国では、高齢者が住み慣れた地域の中で可能な限り生活を継続していくことができるように、地域包括ケアシステムの構築が推進されています。
地域包括ケアシステムとは、住まいや医療、介護、介護予防、生活支援などを利用者に一体的に提供する仕組みのこと。地域の高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活を継続できるように総合的なサービス提供の構築が進められています。
特養は、そのような地域包括ケアシステムの中で「高齢者の住まい」としての役割を担っています。地域で暮らす中重度の要介護状態の高齢者や低所得者の方が安心して介護を受けられる「終の棲家」としての役割を果たしていく必要があるのです。
さらに、施設介護だけでなく、在宅で介護を受けている高齢者に対する地域サポート型特養が新設されるなど、地域での相談・支援拠点としての役割を担うことも期待されています。
次に、特別養護老人ホームを検討している方におすすめの施設を3つ紹介します。
介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。
主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。
看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。
サービス付き高齢者向け住宅とは、基本的に介護の必要性がない自立している高齢者のための住まいです。
サービス付き高齢者向け住宅には「一般型」と「介護型」の2種類があり、このうち要介護度が高い方におすすめするのは「介護型」のサ高住です。
介護型のサ高住は、要介護度が高い人でも入居できるのが特徴です。都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているため「介護スタッフが24時間常駐」「看護師の日中常駐」という人員配置義務が適用されています。
住まいのスタッフから直接サービスを受けることができるため、日々安心して生活することができます。
「介護型」のケアハウスは「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設。自立した暮らしに不安があり、65歳以上、要介護1以上の高齢者を対象としています。「一般型」との大きな違いは、施設職員から直接、介護サービスが受けられるという点です。
「介護型」では、食事の提供や生活支援サービスの他に、食事や排泄、入浴の介助といった特定施設入居者生活介護サービスを受けることができます。入居の際に必要な費用は、初期費用として数十〜数百万円、月額費用として約10〜17万円程度です。
介護度が上がっても入居を継続することが可能で、認知症や看取りに対応しているケアハウスもあります。
「介護型」ケアハウスは、施設数が少なく需要が多いため、入居待ちをする可能性が高い施設といえます。
基本的には、要介護3以上で65歳以上の高齢者が対象です。それ以外にも、特定疾病を持つ40〜64歳も入所対象になります。
特例として、要介護1、要介護2の人が入居できるケースもあるので、施設や市区町村に相談してみましょう。
特養の人員基準は、入所者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置となっています。また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。
特養は、要介護3以上の高齢者が入所する施設であるため、手厚い人員基準となっています。
国からの助成金や税金面で優遇されているからです。介護保険による公的施設のため、民間よりも費用が安く設定されています。介護度が上がっても住み続けられる点は、大きなメリットです。
しかし、安価ということもあり入所希望者が非常に多く、何年も待機するケースが少なくありません。
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