特別養護老人ホーム(特養)の入所判定基準|申込順じゃない?入所優先順位と順位を上げる手段

特別養護老人ホーム(特養)の入所判定基準|申込順じゃない?入所優先順位と順位を上げる手段

更新日 2024/04/09

特別養護老人ホームに入るには何年も待たないといけない、と聞いたことがある方もいるかもしれません。でも、実際にそれだけの長期間を入所待ちができる方は少なく、「できるだけ早く入りたい」と思っている方が多いのが実情でしょう。

そこで、今回の記事では特別養護老人ホームの入所の順番を判断する「入所判定基準」を解説。入所の順番を早める方法も合わせてお伝えします。

特別養護老人ホーム(特養)の入所判定基準

特別養護老人ホームでは、優先度の高い方から順に入所できるよう、施設ごとの「入所判定基準」が決められています。このため同じ施設でも、比較的すぐに入れる場合と長期の入所待ちが必要な場合があります。

入所判定基準とは、入所希望者一人ひとりの優先度を施設ごとの判定基準に沿って数値化するための基準で、主な判定項目に「本人の状況」「介護者の状況」「個別評価」などがあります。

例として北九州市の特別養護老人ホームの判定基準を見ていきましょう。

本人の状況

項目 配点 説明
要介護度 要介護1 20点 申し込み時の要介護認定が1である場合
要介護2 40点 申し込み時の要介護認定が2である場合
要介護3 60点 申し込み時の要介護認定が3である場合
要介護4 80点 申し込み時の要介護認定が4である場合
要介護5 100点 申し込み時の要介護認定が5である場合
特別な状況 排泄 10点 介護者が、オムツや尿とりパットの交換などの介助を要する場合に限る
摂食 10点 食事中に介助を要する場合に限る
徘徊 15点 当てもないのに外へ出かけてしまう、自宅や施設などでひっきりなしに歩き回ったりする行動がある場合に限る
暴力などの問題行動 15点 介護者が話しかけたり、介護をおこなう際に、手で払いのける、足で蹴る、たたくなど、介護の支障となる行動を取る場合に限る
非該当 0点 上記の特別な事情のいずれにも該当しない場合

参考:「入所判定基準」(北九州市)

介護者の状況

項目 配点 説明
身寄りなどの有無 身寄りなし 80点 同居・別居を問わず、身寄り(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいない場合に限る
実質的な介護者なし 70点 同居の介護者(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいる場合は、その者が要介護3以上であること。また、同居の介護者がいない場合は、その者が県外であるか、要介護3以上の場合に限る
状況 独居 20点 県内に介護者(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいる場合で、本人が一人暮らしをおこなっている場合に限る。世帯分離は対象外。
介護者が高齢または持病 20点 主たる介護者が70歳以上の高齢である場合や、障害者(障害者手帳等を有するもの)、病気療養中の者(軽度の者は除く)である場合。もしくは主たる介護者が県内で北九州市に隣接しない市町村に在住する場合に限る
介護者が就労・複数介護・育児 20点 主たる介護者が週に20時間以上就労している場合(非正規雇用等も含む)や、複数介護、就学前の育児をおこなっている場合に限る
非該当 0点 上記の介護者の状況のいずれにも該当しない場合

参考:「入所判定基準」(北九州市)

個別評価

項目 配点 説明
待機場所 在宅 50点 在宅で生活をしている場合。短期入所生活介護等の入所サービスを受けている場合も含む
病院 30点 病院に入院している場合
軽費老人ホーム・ケアハウスなど 20点 軽費老人ホーム、ケアハウス(一般)、有料老人ホーム(住宅型)などに入所している場合
養護老人ホーム・グループホーム老健・療養型病床 10点 養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、療養型病床、介護保険適用外施設などに入所している場合
特別養護老人ホーム・特定施設入居者生活介護 0点 特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム、ケアハウス(介護型)などに入所している場合
特殊事情 特殊事情 10点 待機場所が特養の場合で、ユニットから多床室、多床室からへのベッド移動、または施設移動を希望するやむを得ない事情がある場合
非該当 0点 上記の事情がない場合
住環境 住環境が不適応 15点 住む家がない場合、もしくは、屋外の環境により適応できない場合 例えば、エレベータのない住宅で2階以上の階に住んでおり、車椅 子を使用している方など
非該当 0点 上記の住環境のいずれにも該当しない場合
待機期間 1年以上の待機 10点 要介護3以上で、入所待機期間が 1年以上の場合
非該当 0点 上記の待機期間に該当しない場合

参考:「入所判定基準」(北九州市)

上記の判定基準はあくまで一例で、入所判定基準は施設ごとに異なります。しかし、おおむねこのような入所判定基準によって希望者の優先度が数値化され、点数が高いほど入所優先順位も上がります。

また、入所申込書の特記事項などに書かれた内容により入所の必要性が高いと判断された場合は、状況に応じて加算されることもあります。

入所の優先度がこのような仕組みで決定することを覚えておくと、待機期間を想定しやすくなります。

特別養護老人ホーム(特養)に入所する際の優先順位

入所判定基準により入所希望者一人ひとりの入所優先度を数値化したら、希望者全員を数値順をもとに並べ替え、優先度の高い人から入所できるよう順位付けをおこないます。入所判定基準の項目以外でも入所を必要とする場合は点数が加算されるなど、優先順位は一人ひとりの状況を総合的に判断したうえで決定します。

また、介護者による虐待や介護放棄など入所希望者の生命や身体に危険がある場合は、点数に関わらず優先的に入所できるように決められています。

このように特別養護老人ホームの入所は申し込み順ではなく、入所優先順位により決定します。

判定会議によって優先順位が決まる

特別養護老人ホームの入所優先順位は、入所申し込み時や定期的に開催される「判定会議」で決定します。判定会議には施設長や施設職員、生活相談員などが出席し、優先度の高い順に入所優先順位を決めます。

判定会議の開催は、月に1回や半年ごとなど施設によって異なります。気になる施設には問い合わせて確認しておきましょう。

要介護度が高ければ優先的に入所できる?

要介護度は入所判定基準において重要な項目です。しかし、要介護度以外にも複数の項目があり、要介護度が5だったとしても優先的に入所できるわけではありません。

入所優先順位は、要介護度のほか介護者の状況やサービスの利用率などの項目を点数化し、合計点数をもとに決定します。このため、要介護5だったとしてもほかの項目の点数が低いと優先順位が低くなり、待機期間が発生する場合もあります。

しかし、要介護度の項目は点数の配分が高めです。さらに、要介護度が高いとその他の項目も点数が加算される傾向にあるため、要介護5の方は要介護3の方に比べて優先的に入所できる可能性は高いといえます。

特別養護老人ホーム(特養)に入所する際の優先順位を上げる手段

入所までの待機期間が長いと、本人はもちろん家族にとっても大きな負担になります。入所優先順位を上げるための方法を紹介しますので、参考にしてはいかがでしょうか。

希望する特別養護老人ホームの職員に覚えてもらう

施設の職員にとって、まったく知らない方よりも身体状態や家庭の事情を把握している人の方が受け入れしやすいでしょう。また、顔を覚えてもらい話をすることで介護者の負担や入所の必要性がリアルに伝わり、入所優先順位を上げてもらいやすくなることもあります。

入所希望の特別養護老人ホームがショートステイデイサービスなどをおこなっている場合は、積極的に利用してみましょう。これらのサービスを利用することで施設の雰囲気をつかめ、ミスマッチを防げるというメリットもあります。

申込書の特記事項を詳しく記載する

特別養護老人ホームの入所申込書には、要介護度や介護者の状況といった入所判定基準に関わる項目以外に、質問事項や特記事項、その他、伝えておきたい内容を記入する欄があります。特記事項に記載することで入所の必要性が認められ、判定基準の項目以外であっても点数が加算される場合があります。

記入は必須でないため何も記入しない方も多いですが、入所優先順位が上がる可能性があるためできるだけ詳細に書き込みましょう。

記載する内容は「職員に伝えておきたい入所への緊急性」や「在宅介護が難しい点」などです。記入欄に収まらない場合は別紙に書くというのもひとつの手です。ただし、自治体によっては別紙への記載を認めていない場合もあるため、施設側に事前に確認しておくと安心です。

身体状況や介護状態の変化を報告する

待機期間中も、要介護度や家庭環境などは変わります。申し込み後は入所決定まで放置する方が多いですが、変化があった場合は報告すると優先順位が上がる可能性があります。要介護度や体調、介護者の状況などに変化があったら早めに報告しましょう。

入所優先順位を決定する判定会議の頻度は、施設によって異なります。月に1回など判定会議の頻度が多い施設であれば、報告内容が優先順位にすぐに反映される場合もあります。

就労して緊急性を上げる

介護者が就業して入所の緊急性が高まれば、入所優先順位が上がる可能性があります。

現在、介護と仕事を両立できず仕事を辞める「介護離職」が社会問題となっています。このため特別養護老人ホームでは、家族が仕事をしていて介護ができない家庭の優先順位を上げるなど介護離職を防ぐための対策をおこなっています。

家族が介護に専念している場合は、介護や見守りをデイサービスや訪問介護などに頼るなどして就労することも検討してみましょう。就業状況は正社員に限らず、パートでも問題ありません。また、入所後も働き続ける必要はないため、一時的に就労するというのも方法のひとつです。

よくある質問

判定会議とはなんですか?

判定会議とは施設への入所優先順位を決めるための会議で、施設長や生活指導員、その他職員などが参加しておこなわれます。会議では施設ごとに設定された入所判定基準に従い入所希望者の優先度を数値化し、優先度の高い順に入所できるよう順位を決定します。

判定会議はどのくらいの頻度でおこなわれていますか?

判定会議の頻度は施設により異なり、1ヵ月に1回や半年に1回など大きな差があります。判定会議の頻度が低いと優先順位の見直しも少ないということなので、申し込む際は開催頻度も確認しておきましょう。

特養の入所優先順位とはなんですか?

入所優先順位とは、入所希望者の入所の必要性を施設の基準をもとに数値化し、より緊急性の高い方から優先的に入所できるよう順位付けしたものです。優先度は要介護度や健康状態、介護者の状況など、複数の項目により総合的に判断されます。

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