「親が特養に入所するときは住民票は移した方が良いの?」「住民票を移すと不都合が起きるんじゃないか?」と不安に思う方もいらっしゃると思います。
この記事では、住民票を移したときのメリット・デメリットや、移すときの注意点を紹介。住民票のことでお悩みの方は参考にしてください。
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特養に入所するときに、住民票を移すかどうか悩む人も多いのではないでしょうか。
住民票を移すことは義務付けられているわけではありませんが、一般的には移している人が大半です。
ただし、住所地によって受けられる介護サービスの内容や、税金・保険制度の適用額が異なるので、どちらがお得なのかしっかり調べて住民票を移すかどうか決めると良いでしょう。
特養のある住所地へ住民票を移すとどのようなメリットがあるのか、以下の3つのポイントについてくわしく解説します。
住民票を特養に移すと、入所している本人宛の郵送物は施設に届くようになります。
家族が近くに住んでいて間を置かずに届けに行けるのであれば、住民票を移す必要はないかもしれません。しかし、家族が遠くに住んでいたり、会いに行く時間が確保できない場合は、住民票を移して郵便物を入所している人が直接受け取れるようにした方が、お互いの負担が少なくなるでしょう。
介護保険料は住んでいる市区町村によって料金設定が異なります。そのため、転居先の市区町村の介護保険料や国民健康保険料が、以前住んでいたところよりも安くなる場合があります。
特養は充実した介護サービスを受けられることから、終身利用を目的に入所する人が多いでしょう。しかし終身利用を前提で入所する場合は、長期間居住する可能性が高くなります。そのため、長く払い続ける介護保険料などは、転居元と転居先の介護保険料を比較して少しでも安い方を選ぶようにしましょう。
「住所地特例制度」とは、転居した後も、継続して転居前の市区町村が保険者となる制度です。特養への入所にともない住民票を移したいけれど、転居先の市区町村では転居前よりも介護保険料が高くなってしまうという場合に非常に助かる制度です。
この制度は、施設がある市区町村の介護費用による財政負担が、重くなることを防ぐ目的で制定されました。
利用するためにはいくつかの条件があります。対象者や対象施設は以下のとおりです。
次は、住民票を特養のある住所地へ移すとどのようなデメリットがあるのかについてくわしく解説します。
入所者の住民票の住所を特養に変更すると、これまで自宅に届いていた入所者宛の郵送物が施設に届くようになります。ポストが入所者ごとに用意されている施設であればプライバシーが守られますが、施設用のポストのみで、施設宛の郵便物と一緒に届くところでは、スタッフが郵送物を仕分けして入所者に手渡します。
管理してもらって安心という見方もありますが、どこからの郵送物が届いているのかを施設のスタッフに知られてしまうので、プライバシーを守るのが難しくなります。見られても困るようなものがない場合は住民票を移しても問題ありませんが、そうでなければ住民票を移さず、家族が郵便物を管理することをおすすめします。
介護保険料は住んでいる市区町村によって異なります。そのため、転居先の市区町村の介護保険料や国民健康保険料などが、今までより高くなってしまうこともありえます。
特養の入所にともなって、住民票を必ず移さなければならないというわけではありません。転居先の介護保険料や国民健康保険について自分で調べて、支払総額が高くなってしまうのなら無理に住民票を移さなくても良いでしょう。
住民票を移す前に気を付けるポイントがあります。知らないままだと困った事態になりかねないので参考にしてください。
市区町村が提供している主な高齢者サービスは、緊急通報システムの貸与、おむつの支給・助成、住宅改修費などの助成、食事の宅配サービス、介護予防教室などがあります。
地域によって実施しているサービスが異なるので、転居先ではこれまで受けられた高齢者サービスが受けられなくなってしまうことがあります。
転居先ではどんなサービスが提供されているのかということと合わせて、対象範囲や費用、手続きなどについて調べておきましょう。
要介護・要支援認定を受けている人については、ケアマネジャーに相談しましょう。
「受給資格証明書」は、要介護・要支援認定を受けている人が転出するときに発行してもらう書類です。転居してから14日以内に転居先の市区町村に提出すれば、改めて要介護審査を受ける必要がなく、転居先でも認定内容をそのまま継続できるようになります。
しかし転居してから14日を過ぎると、新規で申請することになり、改めて要介護認定の正式な審査を受けなければいけません。 要介護認定の結果は、介護認定審査会での審査判定結果に基づいて、原則として申請から30日以内に通知されますが、要介護認定に必要な書類の準備や、審査判定などに日時を要する場合があり、申請から30日以上かかることもあります。
住民票を移す手続きは、現在住んでいる市区町村の役所に「転出届」を提出し、「転出証明書」を発行してもらいます。新たに住むことになる市区町村の役所に「転出証明書」と「転入届」を提出します。転出してから14日以内に転入手続きをしましょう。
住所地特例制度を利用する場合には、市区町村のホームページから印刷できる「介護保険住所地特例適用・変更・終了届」を用意しましょう。
また、要介護度を転居先でも引き継ぐことができるよう「受給資格証明書」の提出も必ずおこないましょう。
入所時に住民票を移す方が一般的に多い傾向にありますが、住民票を移す・移さないの判断は自由です。住民票を移すことによって生じるメリットやデメリットがあるので、よく調べてから判断することをおすすめします。
施設に入所した本人に郵便物が直接届くようになるので、家族が届けに行く手間が省けることや、施設のある市区町村によっては介護保険料や国民健康保険料が安くなる場合があるというメリットがあります。
住所地特例制度の対象者は、65歳以上の方、40~65歳未満の医療保険加入者の方、住所地特例対象施設に入所した方です。
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