特別養護老人ホーム(特養)のショートステイの特徴|利用までの流れと5つのポイント

特別養護老人ホーム(特養)のショートステイの特徴|利用までの流れと5つのポイント

更新日 2024/04/09

「親の特別養護老人ホーム入居を検討しているけれど、どんな場所なのかわからない」そんな思いを持っている方は、特別養護老人ホーム(特養)のショートステイを利用してみるのもおすすめです。

この記事では、特養ショートステイの特徴や利用方法、利用するうえでのポイントも紹介します。

特別養護老人ホーム(特養)のショートステイの特徴

はじめに、特別養護老人ホーム(特養)で実施しているショートステイの特徴を確認していきましょう。どのような方が利用できるかも解説します。

介護保険が適用され安価に利用できる

特養のショートステイは介護保険が適用されるため、費用負担が少ないことが大きな特徴です。一方で、有料老人ホームのショートステイは介護保険適用外としている場合が多いため、費用が割高になってしまいます。

なお、医療処置が必要な方は、介護老人保健施設介護医療院(介護療養型医療施設など)といった医療提供施設のショートステイを利用することになります。

利用対象者は要介護認定を受けている方

特養のショートステイは介護保険適用サービスのため、利用できるのは要介護認定を受けた方に限られます。要支援認定を受けている方や、要介護・要支援の判定自体を受けていない方は利用できません。

要介護認定を受けられるのは、65歳以上の被保険者または特定疾病が原因で介護が必要となった40歳~64歳の被保険者です。どのくらいの介護が必要かによって要介護・要支援の度合いが判定され、それぞれに応じて利用可能なサービスの種類や回数が決まります。

また、介護保険サービスを利用する場合はケアプラン(介護サービス計画書)が必須です。特養のショートステイを利用する場合、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらう必要があります。

特別養護老人ホーム(特養)の居室タイプは4種類

次に、特養の居室について紹介します。主に以下の4種類のタイプがあるので、一つひとつ確認していきましょう。

  • 多床室
  • 従来型個室
  • ユニット型個室
  • ユニット型準個室

多床室

特別養護老人ホームの多床室。病院の病室のようなつくり

1室に対して複数のベッドが配置されているタイプで、現在の多床室は4人部屋となっているケースが多いようです。プライバシーなどの観点から、ユニット型個室に切り替える施設が増えてきています。

従来型個室

特別養護老人ホームの従来型個室。個室感は壁で区切られている

1室を1人で利用するタイプの居室。以前は単に「個室」と言われていましたが、次に説明するユニット型個室が登場したことによって「従来型個室」と言われるようになりました。

ユニット型個室

特別養護老人ホームのユニット型個室

基本は1室1ベッドの個室。「ユニット」は、10人以下でロビー・ダイニング・簡易キッチン・浴室・トイレを共有して共同生活を送る小さなグループを指します。

1ユニットごとに専任の施設スタッフが担当することになっています。

ユニット型準個室

特別養護老人ホームのユニット型準個室。個人用のスペースはパーティションなどで区切られている

ユニット型個室と異なる点は、多床室を改装・分割して作られた個室という点。施設によっては完全な個室になっていない場合もあるため、入居前にしっかりと確認しておく必要があります。

食事介助や入浴介助などの介護サービスが受けられる

特養のショートステイでは、日常生活上の動作が難しく、常時介護を必要としている高齢者の方に対して、日常生活全般の介護サービスを提供します。

具体的には、食事や入浴、移動、排泄などの介助や、リハビリなどをおこないます。医療処置の必要がない方や、将来的に特養への入居を検討している方におすすめの施設です。

介護職員や看護職員が常駐

特養ショートステイの職員配置基準として、医師、生活相談員、介護職員または看護職員、栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員を配置するよう定められています。

また、看護職員(看護師・准看護師)は1名以上常駐させることが決められているので、医療ケアが必要な方にとっても安心です。ただ、医師が常駐している施設は少なく、定期的な訪問診療を実施しているケースが多くなっています。

特別養護老人ホーム(特養)のショートステイにかかる料金

特養のショートステイは介護保険適用のため安価で利用できますが、全額自己負担となる費用もあります。ここでは、ショートステイを利用する場合にかかる費用についてひとつずつ解説します。

基本料金

食事や入浴の介助などの介護サービス費がショートステイを利用するうえでの基本料金になります。この基本料金は一律ではなく、施設の種類や利用者の要介護度によって異なります。基本料金については介護保険が適用されるので、自己負担は1割から3割程度です。

短期入所生活介護(単独型)

介護度従来型個室多床室ユニット型個室
ユニット型多床室
要支援1474円474円555円
要支援2589円589円674円
要介護1638円638円738円
要介護2707円707円806円
要介護3778円778円881円
要介護4847円847円949円
要介護5916円916円1,071円

出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)

短期入所生活介護(併設型)

介護度従来型個室多床室ユニット型個室
ユニット型多床室
要支援1446円446円523円
要支援2555円555円649円
要介護1596円596円696円
要介護2665円665円764円
要介護3737円737円838円
要介護4806円806円908円
要介護5874円874円976円

出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)

※併設型:特養など、入居できる介護施設に併設されたショートステイのこと

施設によりサービス加算がプラスされる

基本料金に含まれないサービスについては、すべてサービス加算に換算され、費用として上乗せになります。サービス加算が積み重なると、気づかないうちに予算オーバーになることもあります。予算と相談しながら、必要なサービスを絞っておきましょう。

代表的なサービス加算は下記の4項目です。

  • 送迎加算
  • 医療連携強化加算
  • 機能訓練加算
  • 緊急短期入所受入加算

上記加算はあくまで一例です。上記以外のサービス加算もあるので、施設に確認しましょう。

送迎加算

自宅への送迎サービスを依頼したときにかかります。相場は往復400円程度です。片道だけの場合は半額になります。

医療連携強化加算

要介護度が高い利用者の場合には看護体制が強化されます。その際の費用は医療連携強化加算として1日あたり60円程度かかります。

機能訓練加算

機能訓練指導員1名以上のサポートをつけて、利用者にあわせた個別機能訓練計画を作成。計画に基づいた機能訓練を実施した場合の加算。目安は1日60円程度です。

緊急短期入所受入加算

ケアプランに利用計画が記載されていない利用者を緊急で受け入れた場合の加算になります。1日あたり100円程度の加算で対応できます。

自己負担となる費用

ショートステイを利用するときは、基本料金とサービス加算以外にも、自己負担になる費用がかかります。おもな自己負担費用は下記のようなものです。

滞在費

施設に滞在することでかかる費用です。1日あたりで計算しますので、一泊二日の利用の場合は2日分が滞在費として請求されます。

食費

施設での食事は自己負担になります。朝食500円前後、昼食と夕食は1000円弱、おやつは150円くらいが目安です。豪華な食事ほど金額は高くなります。

日用品代

施設に備えている歯ブラシや石鹸などの日用品を使用した場合は自己負担になります。自宅から持ち込むことは可能なので、なるべく持ってくるようにしましょう。

レクリエーション費や理美容代

施設内でレクリエーションがおこなわれて材料費などがかかる時は、費用として別に請求されます。また、施設使用中に散髪などのサービスを利用した場合も自己負担になります。

特別養護老人ホーム(特養)のショートステイを利用するまでの流れ

特養のショートステイを利用する場合、本人や家族が直接施設へ申し込む必要はありません。ショートステイを利用するまでの一般的な流れは以下のようなものです。

  1. ケアマネジャーにショートステイの利用相談
  2. ケアマネジャーが利用申し込み
  3. ケアプランの作成
  4. サービス開始

ケアマネジャーにショートステイの利用相談

ショートステイを利用したいと思ったら、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。ケアマネジャーに、何のためにショートステイを利用したいのか、いつからどのくらいの期間利用したいのかをしっかり伝えます。

ケアマネジャーが利用申し込み

要望を受けて、ケアマネジャーは条件に合うショートステイの事業者を選定して申し込みます。その際、ケアマネジャーは利用希望者の要介護度や身体情報などを事業者に伝えなければなりません。また希望する期間に受け入れ可能かどうかを事前に確認してから申し込みます。

ケアプランの作成

受け入れ先決定後、ケアマネジャーは施設の担当者と話し合い、一緒に利用者向けのケアプランを作成します。ショートステイで必要なサービスについても精査し、予算の範囲内で提案します。

サービス開始

ケアプランの作成が完了したら、事業者と利用者が契約を交わしてサービス開始になります。

特別養護老人ホーム(特養)のショートステイを利用する際の5つのポイント

特養のショートステイを利用するにあたって、大切なポイントを以下の5つを解説します。順に確認しましょう。

  • 事前予約が必要
  • 体調によって利用できない場合もある
  • 利用者と相性の良い施設を選択する
  • 持ち物に記名をする
  • 利用可能日数に制限がある

事前予約が必要

介護保険適用のショートステイは特養に限らず人気があるため、数ヵ月先まで予約が埋まっていることも多く、予約が取りづらいのが現状です。利用したい日が決まっているようであれば、ケアマネジャーに相談して早めに予約を取りましょう。

介護者の急な体調不良や出張などの緊急時には、自治体が設けている「緊急ショートステイ」というサービスを利用することも可能です。利用条件は自治体によって異なるため、必要に応じて内容を確認しておきましょう。

体調によって利用できない場合もある

ショートステイの利用予定日の直前に風邪などの感染症にかかっていたり、特養での対応が難しい医療的処置が必要になった場合は、利用できない場合もあります。また、面談時の心身状態と比べ、利用時の状態が明らかに変わっている場合も利用を断られてしまうことがあります。

直前に体調が変化した場合は、まずケアマネジャーか施設職員に相談しましょう。

なお、滞在中に体調が変化した場合はショートステイが中止になり、迎えに行かなければならないケースもありますので注意が必要です。

利用者と相性の良い施設を選択する

利用者や介護者にとって、相性が良いと感じられる施設を選ぶことが大切です。そのため、余裕があればいくつかの施設を見学してみることをおすすめします。

職員の雰囲気や食事の好みなど利用者が気に入ったポイントがあれば候補にし、滞在時に少しでも快適に過ごせる施設を選びましょう。

また、自宅からのアクセスのしやすさも重視しましょう。急なお迎えが必要になったとき、自宅から遠い施設では時間もかかり大変な場合もあります。利用者だけでなく、介護者にとっても負担が少ない施設を選ぶことが大切です。

ショートステイは予約が取りづらいため、2〜3件の施設を検討しておくのが望ましいです。

持ち物に記名をする

ショートステイを利用する際は、着替えや日用品などを持ち込むことになります。ほかの利用者の荷物との取り違えを防ぐためにも、事前にすべての持ち物に記名しておきましょう。

また、緊急ショートステイを利用する可能性もあるため、家族全員がいつでもすぐに対応できるよう、ショートステイ用の荷物をまとめておくと安心です。

利用可能日数に制限がある

特養に限らず、ショートステイは利用日数に制限があります。連続利用は最大30日間で、介護認定期間(要介護認定の有効期間)の半数を超えての利用はできません。

30日間を超えて引き続き利用したい場合は、31日目に介護保険を利用せず全額自己負担をすることにより、翌日から再び介護保険適用で30日間の連続利用が可能となります。

ただし、利用可能日数は要介護度によって異なります。要介護認定を受けているすべての方が、30日間利用できるわけではありませんので注意しましょう。

よくある質問

特養のショートステイで使われる居室はどうなっていますか?

特養のショートステイで使用する居室は、ダイニング・トイレ・浴室などの共有スペースと個室が併設されている「ユニット型個室」、ユニット型で準個室が用意されている「ユニット型準個室」、1室を1人で利用する「従来型個室」、1室を複数人で利用する「多床室」などがあります。

ショートステイの単独型と併設型の違いはなんですか?

単独型は、ショートステイだけを専門にしている施設のことです。一方、併設型は、特別養護老人ホームや老人保健施設、介護療養型医療施設などの大きな施設に併設されているショートステイのことで、ショートステイ利用者もこれら施設の居室を利用することになります。提供される介護サービスは、単独型でも併設型でも同じです。

ショートステイはどんな場面で利用すれば良いですか?

介護者が出張や体調不良、冠婚葬祭などで、どうしても介護にあたれない場合をはじめ、将来的に施設入居を考えている方が雰囲気を体験するために利用することも可能です。介護者の休息や息抜きが目的で利用することもできます。また病気や怪我で病院に入院していた方の、退院後の在宅介護に不安がある場合などにもおすすめです。

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