家族のグループホーム入居を検討されている方の中には「ホームへの入居が決まったら、住民票を移さなくてはいけないの?」という疑問をもっている方が多いのではないでしょうか。
そこで、グループホームに入居する際の住民票の手続きについて、移した後のメリットやデメリットも合わせて紹介します。
グループホームに入居する際は、ホームの所在地に住民票を移す義務があります。入居してから14日以内に転居届を提出しましょう。
そこで気になるのが住所地特例制度。元の住まいとは異なる地域の施設へ入居する為に住民票を移す場合、住所を移す前に住んでいた市区町村に介護保険料を払い、保険料を受給することができる制度です。
グループホームは、認知症の高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるようにと設けられた「地域密着型」のサービスです。施設と同じ市区町村に住民票がある人だけが入居できる仕組みのため、残念ながら住所地特例制度の対象にはなりません。
「遠くに住む親を、自分の自宅近くのホームに入居させたい」など、居住地とは別の地域にあるグループホームに入居したい場合は、前もって施設のある市区町村に住民票を移しておく必要があります。
自治体によっては、住民票を移してから一定期間が過ぎないとホームに入居できない場合があるので注意が必要です。特例で、施設のある市区町村長などの同意があれば、ほかの地域の居住者でも入居可能な施設もあるようです。
グループホームに入居する際、住民票の移動は必須です。では、住民票を移すとどんなメリットがあるのでしょうか。
具体的なメリットは以下の2つです。詳しく見ていきましょう。
役所などからの郵便物は住民票の住所に送られてきます。住民票を移しておけば重要な書類が直接ホームに届くので、見逃しがなく安心です。
ただし、すべての郵便物を新しい住所に届けてもらうには、郵便局に転居届を出しておく必要があります。
グループホームに住民票を移すことで単独世帯になります。それまで収入のある家族と同居していた場合、本人の所得金額によっては介護保険料の負担が軽減されたり、毎月の介護サービスの負担上限額が下がることがあります。
グループホームへの住民票の移動は、メリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。あらかじめ確認しておきましょう。
住民票を移動することにより公的な書類がグループホームに送られます。さらに、郵便局に転居届を提出するとプライベートな手紙まですべて転送されるので、入居者の交友関係などの情報がホームに知られてしまいます。
ホームの職員に確認してもらう書類、入居者に手渡してもらう手紙、家族の所に転送してほしい手紙など、事前にホームに相談しておくと良いでしょう。
保険料は住んでいる地域によって異なります。グループホームに入居するために、前もって施設のある市区町村に住民票を移した場合や、特例でホーム所在地の自治体から入居が許可された場合、住民票を移すことで介護保険料が高くなる可能性があります。
グループホームへの入居の場合、住所地特例制度を活用できないので、ホームのある地域の保険料を支払わなければなりません。
また、世帯が分かれることにより、国民健康保険の負担が増えたり扶養控除から外れてしまうこともあるので、事前に各市区町村の役所で確認しておくと安心です。
グループホーム入居の際の住民票の移動は、同じ市区町村内の転居になるので比較的簡単です。
転居して14日以内に、身分証明書を持って管轄の市役所に行き、「住民異動届」の転居届にチェックを入れて必要項目を記入し、窓口に提出すれば完了です。
他の地域のグループホームに住民票を移す場合は、現在住んでいる地域の役所に転出届を、ホームのある地域に転入届を提出します。
要介護認定を受けている方が地域をまたいで住民票を移すときは、必ず受給資格証明書を発行してもらい、転入から14日以内に転居先の役所に提出してください。
前住所での介護認定が引き継がれます。マイナンバーカードの情報連携の運用に合わせて発行不要になった地域もあるので、役所の介護保険窓口で確認してください。
住民票を移動する際に必要な書類は以下の通りです。
代理人が届出をおこなう場合は、委任状と代理人の本人確認書類、印鑑が必要です。
本人が手続きをする場合、印鑑が不要な自治体もありますが、国民健康保険や介護保険などの住所変更手続きで必要になる場合もあるので、念のため持っていくと安心です。
要介護認定や要支援認定を受けている方が、他の市区町村に住民票を移す際、それまで使用していた介護保険証を返納しなければなりません。
返納する際に発行されるのが受給資格証明書です。証明書を転入先の住所の介護保険窓口に提出すると、新たな介護保険証がもらえます。
転入日から14日以内に申請しないと、再度介護認定の審査を受けなければならなくなるので、早めに申請しましょう。
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