高齢の親がいる方の中には「最後まで住み慣れた地域で生活を送ってほしい」と思う方も多いのではないでしょうか。
そんな方々のために、介護保険で受けられるサービスの中には、住み慣れた地域での生活をサポートする「地域密着型サービス」という仕組みがあります。
そこで、本記事では、地域密着型サービスについて解説し、地域密着型サービスで利用できる施設を紹介していきます。
地域密着型サービスとは、高齢者が中重度の要介護者や認知症となっても、できる限り住み慣れた地域で自分らしい生活が送れるように支援するサービスです。2006年4月の介護保険制度改正により創設されました。
市区町村が地域密着型サービスの事業者の指定や監督をおこなうため、地域に密着した身近で細やかなサービスが受けられるように整備されています。
地域密着型サービスを利用できるのは、原則としてその地域に住んでいる方(その地域に住民票がある方)に限られます。そのため、地域密着型サービスで利用できる施設は定員が30名未満の小規模な施設が多く、顔なじみのスタッフからサービスを受けられるため大きな安心感を得られます。
地域密着型サービスは、国が提唱する地域包括ケアシステムの一環として創設されました。
地域包括ケアシステムとは、高齢者が重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で最期まで暮らし続けられるよう、住まい、医療、介護、予防などの多様な生活支援サービスを地域で一体的に提供する体制のことです。
団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、介護保険の保険者である市町村や都道府県などが中心となって、地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの構築を目指しています。
その一環として、2006年に地域密着型サービスが創設され、地域のニー ズに応じたバランスの取れたサービスの提供が可能となりました。
グループホームは、地域密着型サービスで提供される施設サービスのひとつです。
「認知症対応型共同生活介護」とも呼ばれ、認知症の高齢者が5〜9人のユニット単位で、介護や支援を受けながら共同生活を送ります。
グループホームに入居するには、以下の5つの条件をすべて満たす必要があります。
なお、40歳から64歳までの方で、若年性認知症の診断を受けた方も入居対象です。
次に、グループホーム以外の地域密着型の施設サービスを紹介します。地域密着型サービスで利用できるグループホーム以外の施設は、以下の2つです。
地域密着型特定施設入居者生活介護とは、定員29名以下の小規模な入居施設のことです。
介護保険の特定施設入居者生活介護事業者の指定を受けているため、介護や日常生活上の支援などのサービスが保険適用で受けられます。
また、少人数の施設であるため、入居者とスタッフの距離が近く、顔なじみの関係になりやすい環境です。アットホームな雰囲気のなかで、きめ細やかなケアを受けたい方におすすめです。
施設のある地域に住民票がある要介護1〜5の認定を受けている方と、その配偶者が利用対象です。要支援1・2の方は利用できません。
特定施設とは、施設設備や人員配置、運営が厚生労働省の定める一定の基準を満たしている介護施設のことです。介護付き有料老人ホームやケアハウス、サービス付高齢者向け住宅、養護老人ホームなどが特定施設にあたります。
施設の中で、身体介護や生活支援、食事、機能訓練などのサービスを24時間体制で受けられます。多くの施設で看護師が配置されており、医療ケアにも対応しています。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護とは、入居定員が29名以下の小規模な介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)のことです。
常に介護が必要な方の入居を受け入れ、住み慣れた地域で、可能な限り自立した日常生活を送ることができるようサポートしています。また。地域の高齢者の相談拠点としての役割を担っているほか、明るく家庭的な雰囲気で、地域や家族との結びつきを重視して運営されています。
なお、地域密着型特別養護老人ホームには、単独型と本体施設の近くにあるサテライト型の2つタイプがあります。
利用対象者は、施設と同じ地域に住民票を持つ要介護3以上の方です。要支援1・2の方は利用できません。また、新たに入居する要介護1・2の方は、やむを得ない理由がある場合以外は利用不可です。
看護、介護スタッフが常駐し、入浴や排泄・食事といった介護や日常生活上の支援、機能訓練、健康管理、療養上のお世話などのサービスを24時間体制で提供しています。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)と通常の特別養護老人ホームでは、定員数と入居対象に大きな違いがあります。
地域密着型特別養護老人ホームは、定員数は29名以下の小規模な特別養護老人ホームです。原則として、施設のある市区町村に住んでいる方のみ申し込めます。
一方で、通常の特別養護老人ホームの定員数は30名以上です。「広域型特別養護老人ホーム(広域型特養)」とも呼ばれ、居住地域に制限なくどこの地域に住んでいても入居の申し込みが可能です。
地域密着型サービスとは、高齢者が中重度の要介護者や認知症となっても、できる限り住み慣れた地域で自分らしい生活が送れるように支援するサービスです。
施設などの規模が小さいため、利用者のニーズにきめ細かく応えることができると期待されています。地域を離れず暮らしたいという高齢者やサポートする家族にとって役立つサービスと言えるでしょう。
地域密着型サービスを利用できるのは、要介護認定を受けていて、原則としてサービス事業者と同じ地域に住んでいる方です。地域密着型介護予防サービスであれば、要支援の方も利用できます。
グループホームは、認知症の診断を受けた高齢者が1ユニット5〜9人で共同生活を送る施設です。認知症ケアの専門スタッフが常駐し、認知症の進行を抑えながら家庭的な雰囲気のなかで暮らすのが特徴です。
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