日本証券業協会は、新たに「家族サポート証券口座」という制度をつくりました。この制度ができたことで、認知症などが理由で資産運用が難しくなった場合、事前に契約を結んだ家族が代わりに株式や投資信託の売買ができるようになります。
日本証券業協会は「本人の意思を尊重しながら、継続して金融サービスを受けられる仕組みを目指したい」としています。
高齢化社会が進展する中、直面しうる課題となっているのが「認知症患者の資産管理」です。現状では、認知症と診断されると、詐欺被害などを防ぎ、本人の財産を保護する目的で口座を凍結する対応を取るのが原則となっています。
これまで本人が運用していた資産を家族が介護費や医療費にあてようとしても、凍結した口座を動かすことはできません。
この問題を解決する既存の制度としては、本人の財産管理や介護サービスの利用契約などを代行する人を選任する「成年後見制度」があります。しかし、裁判所への申し立てなど手続きの準備に時間がかかるため、急な出費に対応しにくいという課題がありました。
認知症患者の家族が、医療費や介護費などの急な出費にも対応できるようにするため、日本証券業協会が新たに「家族サポート証券口座」という制度をつくりました。
具体的な仕組みは以下のとおりです。まず、配偶者か成人の子か孫のうち1人を代理人に指定します。次に、公正役場にて、委任契約を盛り込んだ公正証書を作成。本人の認知能力が低下した際に、代理人がどのような取り引きをおこなえるのか、資産をどのように管理・運用してほしいかといった、本人の具体的な意思をあらかじめ定めておきます。
以上のような仕組みをつくることで、本人の意思能力がはっきりしているうちに、将来に備えて資産管理を家族に託す準備ができるようになるのです。
家族サポート証券口座制度は、医師による認知症の診断がなくても、本人の認知能力の低下が疑われる場合は代理人が資産運用を代行することが可能。今年の夏から一部の証券会社で導入が始まる予定だそうです。
より早くから資産運用を代行できるようになれば、家族の介護費や医療費による負担も軽減できるようになりそうです。今後の動向にも注目していきたいですね。
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