「たかがむし歯」と軽く考えていませんか? 特に高齢者にとって、その油断は命取りになりかねません。大阪公立大学と大阪大学の研究チームが、先日衝撃的な調査結果を発表しました。
むし歯を治療せずに放置することが、実は私たちの寿命を縮める大きな要因になっているというのです。
なぜ口の中の問題が全身の死亡リスクにこれほど深く関わるのか、そのメカニズムと私たちがとるべき対策について詳しく解説します。
大阪公立大学の大槻奈緒子講師と大阪大学の山本陵平教授らの研究グループは、高齢者の歯の状態が寿命に与える影響を調査しました。
これまでも歯と全身の健康の関連は指摘されてきましたが、本研究では19万人というかつてない規模のデータを解析しました。年齢や持病などの影響を考慮した上で、純粋な「歯の状態」と「死亡リスク」の関連性を明らかにすることを目的としています。
研究チームは、2018年度に大阪府の後期高齢者歯科健診を受けた75歳以上の男女、約19万人を分析の対象としました。
健診時における「健康な歯」や「治療済みの歯」の本数、そして「未処置のむし歯」の有無などを詳細に分類しました。
その上で、その後の約4年間にわたる対象者の生存状況を追跡し、歯の状態の違いが死亡率にどう反映されるかを統計的に分析しました。
解析の結果、健康な歯と治療済みの歯が合計で「0本」のグループは、21本以上残っているグループに比べて、死亡リスクが男性で1.74倍、女性で1.69倍も高いことが判明しました。
このリスク増大の主な要因として、むし歯菌が肺に入る「誤嚥性肺炎」や、噛む力が弱まり栄養状態が悪化する「フレイル(虚弱)」が挙げられます。治療を放棄することが、肺炎や低栄養の引き金となっているのです。
この研究結果は、歯科治療が単に「噛むため」だけではなく、「命を守るため」に不可欠であることを強く示しています。たとえ歯を失っても、義歯を適切に使用し、口の中を清潔に保つことができれば、誤嚥性肺炎を防ぐことができます。
ご自身やご家族の歯の健康状態を、今一度見直してみてはいかがでしょうか。定期的な歯科検診と早期の治療が、あなたの大切な命と健康寿命を守ります。
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