ビタミンDはサケやイワシなどの魚類に多く含まれているほか、人間が日光を浴びることでも体内で生成できることで知られています。また、カルシウムの吸収を促し、骨に運ぶはたらきがあるため骨や歯を丈夫にするとされています。
今回、韓国の研究グループは、骨の生育に欠かせないビタミンDが脳の健康にも重要な役割を持っていることを発表。ビタミンDが不足すると、認知機能が低下しやすくなる可能性があることを示しました。
今回の研究は、盆唐ソウル大学病院のグループによっておこなわれ、その研究結果は「Clinical Nutrition」という栄養学の学術誌に掲載されています
盆唐ソウル大学病院精神健康医学科の研究グループは、正常な認知機能を持つ高齢者1547人を対象に、10年間の追跡調査を実施。定期的に血中のビタミンD濃度を測定し、世界的に認められた認知機能検査(MMSE)をおこないました。
またこの過程で、「APOEε4」と呼ばれる、認知症の前段階であるアルツハイマー病に関連する遺伝子型の有無と性別なども合わせて考慮しました。
研究グループが調査の結果を分析したところ、APOEε4遺伝子型を持たない女性は、ビタミンDが不足すると認知機能低下がより速く進行したことが明らかになりました。具体的には、年平均で0.14点ずつ多く、検査のスコアが減少したのです。
一方で、男性およびAPOEε4遺伝子型を持つ女性においては、ビタミンDの数値と認知機能低下のスピードに関連はみられませんでした。
APOEε4遺伝子型はアルツハイマー病の危険因子として知られています。この遺伝子型を持つ人はもともと認知症のリスクが高いため、ビタミンD不足が認知機能に与える影響が相対的に小さかった、あるいは見えにくかったと推察できます。
反対に、APOEε4遺伝子型を持たない女性にとっては、ビタミンDが認知機能の低下を防止する重要な要素になりうると言えるでしょう。
今回の研究を主導したキム・ギウン氏は「ビタミンD不足が認知機能低下に影響を与えるかどうかは人による。そのため、すべての人が無条件にビタミンDのサプリメントを摂取すべきというわけではないことに注意が必要だ」としながらも、「APOEε4遺伝子型を持たない女性においては、ビタミンDの適切な摂取状況を維持することで、認知症予防に寄与する可能性がある」と語りました。
ビタミンDは人間が日光から吸収できる重要な栄養素。天気が良い日は積極的に外に出て、あたたかな日差しを浴びながら街を散策してみると良いかもしれませんね。
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