新たな研究で、うつ病などの気分障害を患っている中高齢の患者は、そうでない人に比べてアルツハイマー病の患者にみられる特定のたんぱく質が脳内に蓄積している傾向にあることがわかりました。
今回の研究は量子科学技術研究開発機構などの日本の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Alzheimer’s & Dementia」という学術誌に掲載されています。
そもそも、今回のテーマであるアルツハイマー病とはどのような疾患なのでしょうか?
アルツハイマー病は、「アミロイドベータ」や「タウたんぱく」という特定のたんぱく質の異常が原因で起こると考えられています。
このふたつのたんぱく質はともにもともと脳内にある物質ですが、アルツハイマー病患者においては、健常者に比べて異常に多く脳内に蓄積しているといいます。
また、アルツハイマー病のメカニズムは以下のとおりだと考えています。
まず、アミロイドベータが症状が起こる数年前から脳内に蓄積しはじめ、それが一定量を超えると神経細胞内のタウたんぱくが「リン酸」と呼ばれる物質と結合。そうしてできた「リン酸化タウ」がねじれた繊維状の塊となる「神経原線維変化」が起きて神経細胞の機能が障害された結果、やがて脳が萎縮していきます。
この状態こそが「アルツハイマー病」であり、アルツハイマー病が原因で引き起こされる認知症が「アルツハイマー型認知症」です。
今回、研究グループはうつ病などの気分障害を患っている中高齢患者52人と、年齢・性別を一致させた47人の健常者を対象に調査を実施。脳内のタウたんぱくとアミロイドベータの活動状況を画像で調べる陽電子放出断層撮影(PET)をおこないました。
その結果を解析したところ、うつ病などの気分障害を患っている中高齢患者は、健常者に比べてタウたんぱくやアミロイドベータの陽性率が高いことが明らかになりました。つまり、タウたんぱくやアミロイドベータの蓄積で起こるアルツハイマー病になるリスクが健常者よりも高いことが判明したといえます。
古来から「病は気から」と言いまして、ストレスは万病のもと。ぱっと気持ちが明るくなる趣味などを見つけ、日々をポジティブに過ごすことが大切なのかもしれませんね。
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