推計によると、2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になるとも言われており、その予防と早期発見は社会全体の大きな課題となっています。
認知症の前段階とも言われている軽度認知障害の段階で対策を講じれば、認知症になることなく健常な状態に回復可能との報告もあり、できるだけ早くその兆候を掴むことが大切です。
今回は、認知症の兆候をキャッチする最新テクノロジーを紹介していきます。
近年、従来の問診や画像検査とはまったく異なるアプローチで認知症の兆候を検知する技術開発が進んでいます。
今回紹介する、ソニーが開発した「におい提示装置」もそのひとつ。最大40種類ものにおいを発生させられる装置で、これにより、対象者の嗅覚に異常がないかがわかるそうです。
また、開発者は「主な用途は、耳鼻科や脳神経内科での嗅覚の測定ですが、認知症の前兆に気づく手がかりにもなり得る」といいます。
なぜ嗅覚を測定することで、認知症の前兆がわかるのでしょうか?
アルツハイマー型認知症においては、記憶を司る「海馬」が萎縮するより先に、においを感じ取る「嗅神経」に障害が出ると言われています。
実際、アメリカの医学誌「The American Journal of Psychiatry」に掲載された研究では、においを識別する能力が低い高齢者は、数年後にアルツハイマー病と診断されるリスクが高まる可能性が示されました。
認知症は記憶力や嗅覚だけでなく、手先の器用さや歩行といった運動機能にも影響をおよぼすことが明らかになっています。「指で素早く画面をタップする」などの日常生活の動作でも、認知症のサインが隠れていることがさまざまな研究からわかってきているのです。
たとえば、ハーバード大学の研究グループは、認知症テストで広くおこなわれている、時計を描写するテストをデジタルデバイス上でも可能にした装置「DCTclock」で、対象者の指の動きを測定しました。その結果、DCTclockのスコアが低い人はアルツハイマー型認知症の原因物質と言われている「アミロイドベータ」や「タウたんぱく」が多く蓄積していることが判明したのです。
これらの知見を活かしてマクセルが開発したのが「指タッピング装置」。磁気センサーで指の動きを検知し、動きの乱れ具合などによって認知症リスクを推定できるといいます。
今回紹介したテクノロジーが広く世に普及していけば、より多くの高齢者が認知症を予防できるようになるかもしれませんね。
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