日の出とともに目を覚まし、日の入りとともに眠るようなライフスタイルを送っている人は少ないでしょう。むしろ、夜間も照明を使いながら、就寝時以外は日中と同じように過ごしている人の方が多いのではないでしょうか。
しかし、新たな研究で、夜間に照明などの人工的な光を浴び続けることで認知症のリスクが上昇する可能性が示されたのです。
今回の研究は、イタリアのモデナ病院の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「International Journal of Health Geographics」という学術誌に掲載されています。
今回、研究グループは、2008~2014年の間にイタリア北部のモデナ病院を受診した、軽度認知障害の患者53人を対象に調査を実施。軽度認知障害では、新しい情報を覚えにくい、会話中に言葉が出てこないといった、年齢相応のもの忘れよりも大きな記憶力・判断力の低下が見られ、認知症の超初期段階に位置づけられています。
研究グループは、2021年までに軽度認知障害から認知症に移行したかどうかを追跡して調査。まず、衛星データを活用して、居住地で夜間の人工光にどれくらいさらされていたかを調べました。それから、夜間の人工光への曝露と脳脊髄液に含まれるバイオメーカー(生物学的指標)との関連性を分析しました。
その結果、対象者53人のうち、34人が認知症になっていたことが判明。そのうちの26人はアルツハイマー型の認知症にかかったといいます。さらに、ある一定以上の明るさの夜間照明に長期間さらされている人ほど、軽度認知障害から認知症へ移行するリスクが高いことも明らかになりました。
研究グループはこの結果に対し、「サンプル数が限られているため、研究結果の解釈には注意を要する。今後はより大規模な調査で確認する必要がある」としています。
自治医科大学の藤村昭夫氏はそのメカニズムについて、『現代ビジネス』にて、すべては明らかになっていないとしながらも次のように述べています。
『夜間照明に曝露されると睡眠が障害されますが、睡眠障害が長く続くと脳の神経細胞に炎症が起こり、アミロイドβ・タンパクやタウ・タンパクの排泄が遅れて、脳内に蓄積します。その結果、脳細胞が障害されて認知機能が低下するわけです』
とはいえ、現代の様式で生活していれば、夜間照明をまったく使わずに暮らすのは難しいのも事実。せめて少しでも夜間照明にさらされる時間を減らすために、就寝時間を早めてみると良いかもしれませんね。
参考
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