総務省消防庁がおこなった熱中症による救急搬送状況に関する調査の最新版によると、2024年夏の救急搬送人員の総計が10万人近くとなり、過去最多を更新したことが明らかになりました。
後を絶たない高齢者の熱中症を防ぐには、どのような対策が必要なのでしょうか?今回は、高齢者の熱中症に関する現状を分析したうえで、熱中症を防ぐための対策について考えていきます。
毎年、総務省消防庁は熱中症による救急搬送状況に関する調査を実施しています。
2024年5~9月におこなわれた調査によると、全国における熱中症による救急搬送人員の累計が9万7578人に上ることが判明。これは、調査を開始した2008年以降で最も多い人数です。
年齢別にすると、65歳以上の高齢者が最も多く、全体の57.4%を占める5万5966人の高齢者が熱中症で救急搬送されたことがわかりました。
2024年にこれほど多くの熱中症患者が出たのは、非常に厳しい暑さが長期間にわたって続いたことが理由とみられています。
部屋の中での熱中症を防ぐためには、エアコンの使用が有効。しかし、高齢者の中にはエアコンの使用を嫌がる人も少なくありません。
三菱電機が高齢者を対象にエアコンを使用したがらない理由を調査したところ、対象者の3割以上が「節電、電気代がもったいないから」と回答したことが判明。また「エアコンを使うほど暑くないから」「エアコンは寒いから」といった理由も一定数みられています。
では、高齢者の周りの人はどのような対応を取るのが有効なのでしょうか?
介護支援事業所の代表で、看護師・主任ケアマネージャーの寺岡純子氏は「昔と違って今は気温がより上がっていること、自分の感覚よりも室温が高くなっていることを視覚的に理解してもらうことが大切だ」といいます。
具体的には、冷蔵庫やテレビなどよく使用する場所にデジタル温度計を設置し、「室温は28度以下」「エアコンはつけたままにする」などの注意事項を書いて貼っておくことが有効とのこと。温度計を設置することで、自分の感覚よりも室温が高くなっていること、また35度以上になる日が多いことから昔よりも気温の水準が上がってきていることが視覚的にわかりやすくなるといいます。
今年の夏も暑くなりそうです。親と離れて暮らしている人は、親がエアコンをつけているかどうか定期的に見守りにいく、などの対応も必要になりそうです。遠くに住んでいる場合は、近所の人やホームヘルパーに室温の確認を依頼するといった対応を取るのも良いかもしれません。
参考
総務省消防庁「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」
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