身の回りにある植物や花々で心が癒やされた経験がある人は多いのではないでしょうか。
今回紹介する最新研究では、その植物たちが与えてくれる「癒やし効果」が単なる気分の問題ではなく、実際に高齢者の「うつ」予防に有効である可能性が示されたのです。
この研究は千葉大学予防医学センターの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Preventive Medicine Reports」という医学誌に掲載されています。
今回、研究グループは、東京都の特定の区に住む65歳以上の高齢者2046人を対象に、アンケート調査を実施しました。
具体的には、アンケート用紙から得られた回答をもとに、対象者のうつ尺度を計測。それから、玄関周辺に植木や花を飾ってあるかどうかも調べ、うつと植物の有無の関係性を明らかにしました。
調査の結果、玄関周辺に植木やプランターなどの植物を置いている人はそうでない人に比べて、うつの割合が16%低いことが判明。さらに、アパートなどの集合住宅に住んでいる人に限定すると、植物が玄関周りにある人はうつの割合が28%も低いことが明らかになりました。
以上のことから、玄関先のわずかな「緑」が高齢者のメンタルヘルスに良い影響を与えている可能性が示されたのです。
なぜ、玄関周りの植物が、高齢者のメンタルヘルスの改善につながるのでしょうか。
研究グループは、明確な因果関係は明らかになっていないとしながらも、以下の3つのメカニズムが関与している可能性を指摘しました。
第一に、「社会的交流の促進」です。植物の手入れ中に近隣住民との挨拶などのコミュニケーションを交わしやすくなったことで、メンタルヘルスの改善につながった可能性があるといいます。
続いて研究グループが指摘したのは、「身体活動の増進」。植物の栽培を通じておこなわれる、草むしりや水やりといった身体活動を通じて、うつの予防や緩和につながった可能性もあるそうです。
さらに研究グループは、自然との触れ合いによる「ストレス緩和」も、メンタルヘルスの改善に寄与したのではないかといいます。
研究グループが「集合住宅では、植物の設置を許容する管理方針やルールの整備が課題になるだろう」と指摘しているように、玄関先に植物を置けるかどうかは物件によって異なるのが実情。集合住宅に住んでいる人で玄関先に緑を置いてみたいと思った人は、一度管理者に確認してみても良いかもしれませんね。
参考
千葉大学プレスリリース「玄関まわりの植物がうつ予防に貢献する可能性 -玄関まわりに植木や花がある住宅に住む高齢者はうつが16%少ない-」
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