内閣府は2025年6月に、高齢社会の現状をまとめた「高齢社会白書」の最新版を発表しました。それによると、65歳以上の従業員を継続的に雇用する継続雇用制度を導入している企業は全体の3割未満であることが明らかになりました。
高齢化社会に向けて政府が現在推し進めているのは、「高齢者でも働き続けられる社会」。定年制の廃止や定年の引き上げ、定年に達した高齢者を退職させず引き続き雇用する継続雇用制度の導入のうち、いずれかの措置を講じるように企業に求めています。
その実情を探るべく、内閣府は高齢者の就業実態に関する調査を実施しました。
その調査によると、希望した65歳以上の従業員全員が継続的に雇用してもらえる継続雇用制度を導入した企業は、全体のうち25.6%に留まることが明らかになりました。
特に、従業員301人以上を抱える大企業では雇用確保措置の導入が遅れており、平均よりも措置を導入している企業の割合が少ないことが判明。全体の企業では4.1%の企業が導入している定年制の廃止にいたっては、従業員301人以上の大企業においてはわずか0.7%でした。
雇用確保措置の導入が遅れている現状はあるものの、正社員のほか、アルバイトや自営業など、何らかの形で就業を続けている高齢者は少なくありません。
内閣府の調査によると、65~69歳の男性のうち62.8%の人が働いていることが判明。65~69歳の女性でも、半数近くの44.7%の人が働いていることが明らかになりました。
男性よりも女性の方が就業率が低くなっているのは、以前は兼業主婦として働いていたものの子どもが成人したことを契機に辞職したなどの理由が考えられるでしょう。
また、75歳以上の後期高齢者においても、男性の17.2%、女性の7.6%の人が就業を続けていることがわかりました。
高齢者が社会の中で役割を持つことの重要性は、これまでにも数々の研究で明らかになっています。いつまでも生き生きと暮らしていける社会をつくるためにも、高齢者の雇用確保措置の整備は急務だと言えそうです。
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