新たな研究で、定期的に自転車に乗ることが認知症のリスク低下につながる可能性が示されました。この研究は中国の華中科技大学によっておこなわれ、研究結果はオンライン学術誌「JAMA Network Open」に掲載されています。
研究グループは、2006年3月13日から2010年10月1日の間にイギリスで収集されたデータを用いて、移動手段と認知症リスクとの関連性を調査。対象者は総勢47万9723人にも上り、平均年齢は56.5歳でした。
「通勤・通学を除き、過去4週間において最もよく利用した移動手段は何か」という質問の回答に基づき、対象者を「車や公共交通機関などの非活動的な移動手段を利用」「徒歩で移動」「徒歩と非活動的な移動手段を併用」「自転車単独、もしくは自転車とほかの移動手段を併用」の4グループに分類。それから、中央値13.1年におよぶ追跡調査を実施し、認知症の発症割合やMRIで示された脳構造などを評価しました。
研究グループがデータを解析した結果、「自転車単独、もしくは自転車とほかの移動手段を併用」したグループは、「車などの非活動的な移動手段を利用」したグループに比べて認知症の発症リスクが19%低下したことが明らかになりました。
さらに、脳のMRIデータが利用可能だった4万4801人を対象に、移動手段と脳構造との関連性を調査したところ、サイクリングは記憶の形成と学習を司る海馬の拡大にも関連している可能性が示されたといいます。
以上の研究結果を受けて、アメリカのノースウェル・ヘルスの老年医療サービス部長Liron Sinvani医師は「サイクリングは複雑な脳機能を必要とするため、認知症の発症リスクを抑える効果が高いのだと考えられる。また、サイクリングによる多くのベネフィットを受けるためには、運動を習慣化するだけでなく、自転車などの活動的な移動手段をライフスタイルの一部に組み込むことが大切だ」と指摘しました。
自転車は多くの人が気軽に生活の一部として取り入れられる身体活動のひとつ。まずは、今日の食材の買い出しを自転車に乗っておこなってみてはいかがですか。
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