厚生労働省の中央社会保険医療協議会は、2025年7月9日に会合を実施。最近承認された認知症治療薬「レカネマブ(商品名:レケンビ)」について「費用対効果が悪い」とする評価結果を示し、現行よりも薬価を引き下げる見通しを示しました。
これに対し、製薬大手のエーザイは「レカネマブ投与の長期有用性が過小に評価されていることに懸念がある。引き続き、本剤の価値に対する適正な評価を求めていきたい」としています。
そもそも、認知症治療薬の「レカネマブ」とはいったいどのような薬剤なのでしょうか?
レカネマブは、脳内にあるアルツハイマー病の原因物質「アミロイドベータ」を減らし、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる効果があるとされています。
実際に、薬の有効性を実証するための「臨床第3相試験」において、1795人を対象に2週間に1度、18か月間にわたってレカネマブを投与したところ、脳内に溜まっていたアミロイドベータが顕著に減少し、記憶力や判断力などの能力の悪化が27%抑制されたことが明らかになっています。
研究者によると、これは症状の進行をおよそ7.5か月遅らせる効果に相当するといいます。
2025年7月9日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会は、「レカネマブの費用対効果が悪い」とする評価結果を発表。現行では1人あたり約300万円にもなる薬価を、最大15%程度引き下げる見通しを示しました。
今回、厚生労働省とエーザイはそれぞれ異なる方法でレカネマブの効果を評価。それらの結果を公表しました。
エーザイの担当者は、厚生労働省側の分析手法に対し、レカネマブの有用性を正確に評価しきれていないと懸念を表明しています。
たとえば、エーザイ側は長期にわたり病期が進行するという性質を踏まえて、より長期的な治療を視野に入れたモデルを活用。一方で、厚生労働省側はレカネマブの投与期間を18か月に限定したモデルを使用しているため、レカネマブの特徴である長期有用性が正しく反映されていないとしています。
さらに、エーザイ側は介護者が認知症当事者とともに過ごせる時間も介護者の価値(介護者のQOL)として評価。一方、厚生労働省側の分析では、介護者における介護負担のみに着目していて、介護者本人のQOLが過小な評価になっているとエーザイ側は反発しています。
とはいえ、どんなに効果が高い薬剤であっても、あまりに高価ではごく少数の人しか使用できないのもまた事実です。約7か月の症状進行抑制に300万円。これが「高い」と感じる人は決して少なくないのではないでしょうか。
参考
国立長寿医療研究センター「アルツハイマー病の新しい治療薬(前編)レカネマブについてて」
エーザイ「厚生労働省の中央社会保険医療協議会による「レケンビ®」の費用対効果評価について」
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