健康のために毎朝散歩をすることが日課になっている、という高齢者は少なくありません。しかし、有酸素運動だけでは、加齢とともに進行する「筋肉の質の低下」と「骨の密度の低下」を防ぐことは難しい、ということが最近わかってきました。
では、筋肉や骨の健康を保つためには何が必要なのでしょうか。
近年の研究によると、高齢期こそ「筋トレ」をすることで、筋肉や骨の健康を保ちやすくなるといいます。
本記事では、最新の研究からわかった「筋トレ」の効能と、具体的な方法について見ていくことにします。
最新の研究によって、年齢を重ねるにつれて、「難溶性たんぱく質」という「サビ」のような老廃物が体内に蓄積していくことがわかってきました。体内の「サビ」が筋肉の働きを鈍らせ、筋力や身体機能が衰えた状態である「サルコペニア」を引き起こすのだそうです。
また、ラットを用いた実験をおこなった結果、栄養や薬剤の使用のみでは、難溶性たんぱく質を除去するのに不十分であることが判明。反対に、効果的だったのは、筋肉を直接動かす「筋力トレーニング」でした。
デンマークの研究グループの報告によれば、筋トレによって筋肉が収縮・弛緩すると、細胞内の「オートファジー」と呼ばれる自浄作用が活性化し、古くなったタンパク質が分解・除去されることが示されたそうです。つまり、筋トレは単に筋肉を大きくするだけでなく、体内に溜まった老廃物の排出を促す「細胞レベルの大掃除」の効果もあると言えるでしょう。
加齢による大きな問題として、よく指摘されているのが「骨粗しょう症」です。特に、女性は閉経後、「エストロゲン」と呼ばれる骨を守る女性ホルモンが急激に減少するため、骨密度が低下しやすいと言われています。
骨の健康を保つカギは、筋トレなどで骨に「物理的な刺激」を与えること。筋トレと骨密度の関係を調査するため、ミズーリ大学は、対象者に1年間の筋トレのプログラムに取り組んでもらい、定期的に骨密度を測定しました。その結果、トレーニング開始から6ヵ月の時点で、全身の骨密度が増加したことが示されたのです。
介護施設でよくおこなわれている「かかと上げ運動」や「椅子を使った軽いスクワット」などは、高齢者も安全におこなえる筋トレメニューです。適度なトレーニングを日常に取り入れて、健康的なセカンドライフを実現しましょう。
参考
Rodent model intervention for prevention and optimal management of sarcopenia: A systematic review on the beneficial effects of nutrients & non-nutrients and exercise to improve skeletal muscle health
Autophagy-Dependent Beneficial Effects of Exercise
「骨粗鬆症を予防 ダンベルを使った筋力トレーニングで骨を丈夫に」糖尿病ネットワーク
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。