進行すると人工透析が必要になり、生活に大きな制限がかかることもある慢性腎臓病。糖尿病や高血圧など他の生活習慣病や加齢が原因となることもあり、高齢者に多い病気でもあります。
そんな慢性腎臓病について、イギリスのブリストル大学が約25年にわたる研究結果を発表しました。
それによると、運動の習慣のある人は慢性腎臓病のリスクが習慣のない人よりも34%も減少していたそうです。
イギリスのブリストル大学が、運動習慣と慢性腎臓病の発症リスクについての研究結果を発表しました。
この研究は、42~61歳の男性2099人を対象におこなわれたもの。参加者に食事、運動、収入、生活水準などについてアンケート調査をおこない、エアロバイクを使って体力測定をしました。
こうして対象者の情報を集めた後、慢性腎臓病の発症の有無を約25年にわたって調査。この調査期間中に197人が慢性腎臓病を発症したそうです。
これらのデータを解析した結果、運動する習慣を持っていて体力のある人は、そうでない人よりも慢性腎臓病になるリスクが低く、34%も減少していることがわかりました。
合わせて、経済状態が悪くて体力の少ない人は、慢性腎臓病のリスクが88%も増加していることが判明。対して、経済状況が悪くても体力のある人は発症リスクの上昇率が32%増にまで抑えられていたそうです。
この結果を受けて、「研究チームは経済状況の悪い人は運動するための手段を活用できない可能性が高い」と指摘。すべての人が運動をできるように政治的に改善することが急務であると述べています。
腎臓病は年を重ねることで発症しやすくなる病気のひとつ。というのも、腎臓の機能は加齢によって低下するからです。
さらに、加齢に加えて高血圧や糖尿病といった生活習慣病も併発すると、腎臓機能の低下は加速。状態が悪化すると、定期的に人工透析をする必要があったりと生活の質にも大きく影響してしまう怖い病気です。
そのため、高血圧や糖尿病などの腎臓病の原因となる持病がある場合は、運動を生活に取り入れることを意識した方が良いかもしれません。
ハードな運動をする必要はありません。「少しきつい」と感じる程度の有酸素運動を週に3~5日おこなうだけでも効果があるので、まずは自分が続けやすい運動を始めてみてはどうでしょうか。
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