高齢者が被害者の大半を占める「特殊詐欺」。そのなかでも医療費や保険料の払い戻しがあるなどと持ち掛ける「還付金詐欺」の件数が急増しています。
例えば、今月26日には、「介護保険の払い戻しがある」と電話を受けた新潟市の60歳代の女性が、約100万円を騙しとられる事件が発生しました。
26日12時ころ、女性の自宅に新潟市役所職員を名乗る男から「介護保険料の払い戻しがある」、「手続きには銀行口座が必要」、「コールセンターから電話させる」などの電話がありました。
その後、コールセンターを名乗る男から、「手続きの準備ができた」、「一時手続金を振込んでもらうが、後からそれも含めて返金する」などと言われ、自宅近くのショッピングセンターATMに行くよう指示されました。
女性はATMへ行き、コールセンターに電話して相手の指示に従いながら自身のキャッシュカードをATMに挿入。画面のボタンを操作していたところ、他人名義の預金口座に約100万円を送金させられたことに気付いたそうです。
警視庁のまとめによると、2021年の特殊詐欺の認知件数(暫定値)が前年比911件(6.7%)増の1万4461件となり、4年ぶりに増加したことが分かりました。同庁は依然として被害が高齢者を中心に高い水準で特殊詐欺が発生しており、深刻な状況が続いていると注意を促しています。
ちなみに、特殊詐欺の認知件数を主な手口別にみると、医療費や保険料の払い戻しがあるなどとして金をだまし取ろうとする「還付金詐欺」が4001件と最も多く、前年の1804件から2倍以上に急増しているそうです。次に、家族になりすます「オレオレ詐欺」の3077件、偽カードとすり替える「カード詐欺盗」の2587件が続くそうです。
高齢者が特殊詐欺にあわないためには、日ごろから家族でコミュニケーションを密にしておくことも対策のひとつに。定期的に家族で連絡を取り合って、いつでも相談できる関係を築いておきましょう。
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