食事をするうえで、当然ながら「噛む」「飲み込む」といった力は必要不可欠です。しかし、年齢を重ねることで飲み込む力(嚥下能力)が低下して誤嚥性肺炎を起こしたり、筋力の低下や歯を失うことで噛む力(咀嚼能力)が衰える傾向があります。
そこで、島根大学は咀嚼能力の低下と全身の健康の関係を調査。その結果、咀嚼能力が低下することが高血圧のリスクを高めている可能性があることが判明しました。
島根大学が、咀嚼能力の低さや入れ歯を使わないことが健康に与える影響についての研究結果を発表しました。
この研究は、島根県邑南町役場との共同研究。2016年6~7月に邑南町でおこなわれた集団健康診断に参加した65歳以上の高齢者551人のデータを分析しています。
実験では、対象者は15秒間グミを噛んでその分かれた数によって咀嚼能力を調査。分かれた数が19個以下の咀嚼力が低下していると考えられる人は、高血圧のリスクが高かったことがわかりました。
さらに、歯が28本ある高齢者に比べて27本以下の高齢者や、入れ歯を使用していない高齢者も高血圧のリスクが高い、という結果になりました。
この結果を受けて研究グループは、歯科の受診を推奨。特に新型コロナの感染拡大によって歯科の受診控えが起こっている傾向があるため、自宅での口腔ケアをあわせて定期的な歯科受診によって口内の環境維持をすることが大切、と述べています。
高血圧のリスクを高める原因といえば、塩分の摂りすぎや肥満などをイメージしがちですが、咀嚼機能の低下もリスクを上げているなんて驚きですよね。
もしかしたら、噛む力が衰えることで噛む回数が減って食べた満足感が低下し、食事量が増えたり味付けが濃くなっている、ということもあり得るのかもしれません。
また、コロナ禍で歯科の受診を控える傾向があるそう。不要不急の外出を控えることは大切ですが、歯の健康維持はとても重要なことなので、受診を控えずに定期的におこなった方が良さそうですね。
いずれにしても、口は体内に栄養が入る一番始めの部分。口の機能を良好に保って全身の健康の維持をしていきたいですよね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。