高齢者の移動の“足”について。
「判断力が低下した高齢者は免許の返納をー」という声が上がる一方で、運転ができなくなることで移動が制限されてしまうという問題にも注目が集まっています。
移動が制限されれば、買い物に行きづらくなったり通院が難しくなったり…と、日常生活に多大な不便を生じさせてしまうのは明らか。高齢者の免許返納と社会的なインフラの整備はトレードオフの関係にあると言っても過言ではないでしょう。
そんな問題を解決すべく、千葉県君津市で新たな試みがスタート。それが「こいっとバス」です。
「こいっとバス」は、地区内にある60ヵ所の共通乗降場所であれば自由に乗降できるデマンドバスの愛称。カラオケ店で有名なシダックスのグループ会社・大新東株式会社(本社:東京都江東区)が開始したサービスです。
大新東はそもそも、君津市で2005年からコミュニティバスの運行を受託していました。さらに2019年からは君津市立周東中学校のスクールバスの運行を受託。そのスクールバスの空き時間を活用して、デマンドバス(予約型乗合バス)を開始したのです。
君津市では、既存のバス停から遠い地域に住む高齢者が多く、買い物や通院といった日常生活のための交通手段の確保が難しかったと言います。そんな地域におけるインフラ整備の一環として今、注目を集めています。
「こいっとバス」の運行は月・水・金の週3日。スクールバスとしての稼働時間以外となる9時~15時を利用して、君津市小糸地区にある60ヵ所の共通乗降場所を自由に乗り降りできることにしているそうです。
事前に電話による予約が必要だったり、1回の利用につき500円が必要(路線バスのバス停やタクシーの乗降場所を利用する場合は300円)だったりと難点はいくつかあるものの、現在は実証実験の段階。今後も運行を続け、徐々に改善を続けていくでしょう。
高齢者の移動手段については全国的な課題でもあります。こうした君津市での取り組みのような事例が全国に広まって、よりよいインフラ整備へとつながっていくことに期待したいですね。
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