介護職員の悩みのひとつが、つらい腰痛ではないでしょうか?高い離職率が続く介護業界で、腰痛は離職の一因にもなり得る問題。そんな介護現場にとって大きな問題と言える腰痛問題にメスが入ろうとしています。
厚生労働省は8月30日に有識者会議を開き、介護業界などで増加している職員の腰痛・転倒について話し合いをおこないました。
有識者会議では今後の対策強化に向けた報告書案が提示され、介護業界の意識改革を求める内容や具体的な方策にもふれています。
報告書案では次の2点が問題点とされました。
そして、腰痛や転倒は重い災害ではないという誤った思い込みから、介護事業者や介護職員が職場の問題として考える意識が低いとの認識も示しました。
上記のような問題に対する対策として、有識者会議では短時間の動画やアプリなどを活かした安全衛生教育をおこなうことが提案されました。
さらに問題の「見える化」を求めています。つまり、転倒や腰痛による災害が経済的な損失であることを常に見えるようにすることで、問題が発生してもすぐに解決できる環境を整え、問題が発生しにくい環境を作ることが大切だとしました。
その上で、腰痛や転倒が業界や企業にとって対処しなければならない重要な課題だと分かるようにすることも必要だとしています。
こうした考え方は、来年度から始まる「第14次労災防止計画」に盛り込まれる予定です。
報告書では、「ノーリフトケア」(人力のみの移乗を禁止し、適切な福祉用具を使用するケアメソッド)についても言及されました。介護職員の身体的な負担軽減につながる技術や新しい介護機器の導入などは、積極的に普及を図るべきとしています。
介護業界は深刻な人手不足が続いています。今回の厚生労働省の指摘によって、介護業界の抱える腰痛などの問題点が改めて注目されるでしょう。
業界内外の認識が変われば、介護現場の環境改善や離職率の低下につながる可能性も考えられます。
今回の有識者会議が、業界の転換点になることが期待されます。
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