超高齢化社会を迎えた日本では、介護を必要とする高齢者が増えています。介護の原因となるサルコペニア( 筋肉の量が減少していく老化現象。筋量が減少して筋力が低下したり、身体機能が低下した状態)と糖尿病予備群である前糖尿病との関係について、非常に有意義な調査・報告が行われました。
Contents
順天堂大学大学院の研究グループが、東京都文京区在住の高齢者を対象とした調査を実施。その結果、糖尿病まで至らない前糖尿病の段階でも、男性においてはサルコペニアになるリスクが高いことが明らかになりました。
サルコペニアは、糖尿病患者において発症リスクが高いことが知られていた一方、前糖尿病との関連は明らかではありませんでした。しかし、今回の研究調査によって糖尿病になる前の段階から、サルコペニアに注意する必要があるということがわかったのです。
糖尿病の高齢者は、糖尿病のない高齢者に比べてサルコペニアのリスクが2倍程度高く、より注意が必要なことが知られています。その一方で、前糖尿病状態がサルコペニアのリスクとなるかどうかはわかっていませんでした。そこで、都市部在住の高齢者を対象とした調査研究「文京ヘルススタディー」において、前糖尿病とサルコペニアの関連が調査されました。
今回の調査では、「文京ヘルススタディー」に参加した65~84歳の高齢者1629名を対象とし、筋力測定、身体機能検査、耐糖能(血糖値を正常に保つためのブドウ糖の処理能力)などのテストを実施しました。
調査では被験者を「正常」「前糖尿病」「糖尿病」の3グループに分類し、サルコペニアの有病率を比較しました。その結果、女性では糖尿病群でのみサルコペニアの有病率が増加している一方、男性では耐糖能が悪化するにしたがって、サルコペニアの有病率が上昇することが明らかとなりました
今回の研究の結果、運動や食事などの生活習慣の改善に早くから取り組むことが、糖尿病の予防のみならずサルコペニアの予防の観点からも重要であることが明らかになったと言えます。サルコペニアがきっかけで要介護状態になることもあるので、要介護リスクを下げるためにもより良い生活習慣を身につける意識を持ちたいですね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。