三井ホーム(株)は2022年8月30日、大規模木造建築物である特別養護老人ホーム「新田楽生苑(しんでんらくせいえん)」(東京都足立区)が完成したことを報道陣に発表しました。
今回は、施設の紹介と木造建築のメリットをお伝えします。
当施設の運営主体は、社会福祉法人新生福祉会(広島県尾道市)。足立区が所有する中学校跡地に、三井ホーム(株)が特別養護老人ホームとして建築しました。
建物の構造は、木造・一部鉄筋コンクリート造地上5階建て。特別養護老人ホームのほか、短期入所生活介護施設、認知症対応型デイサービスセンターがあり、2階から5階の居室フロアは、中央に共同生活室を設けることで出入りがしやすい配置になっています。
地域の防災拠点としても機能させるための備蓄倉庫や、耐震性能を高めるために、2×6の耐力壁や高い強度を持つ金物の採用。同施設は、浸水想定区域に指定されていることから、2階以上を居住スペースとして計画しています。
1階の地域交流スペースには、新生福祉会の地元「瀬戸田レモン」カラーの壁紙が採用され、明るさを演出。開業後はカフェとして運営される予定です。
事業主は、木の床は転倒リスクが軽減されるなどのメリットに着目。また、クッション性の高い木造の床には、足腰にかかる負担を軽減する効果があります。
この他に、木材は室内の温度を適度に保ち、紫外線や音を吸収する効果など日常生活を快適にする特性や、木々が発する「フィトンチッド」にはリラックス効果や消臭・除菌効果も期待できます。
さらに、脱炭素社会への貢献として、本施設の炭素貯蔵量(CO2換算)は、1774t-CO2となり、これはスギの木(35年生)換算で7116本相当です。
このように、木造の建物には入居者だけではなく施工者にもメリットがあることがわかります。開業予定は11月なので、一般的な鉄骨造りとの違いをぜひ体験してみたいですね。
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