自分の親や施設の利用者が、食事のときにむせることが増えてきた…。そんなことはありませんか?
もしかしたら、それは物を飲み込む力が低下してきたからかもしれません。そのままだと誤嚥性肺炎という病気になってしまう可能性もあります。
誤嚥性肺炎は、嚥下(えんげ=食べ物を噛み砕いて飲み込みやすくしてから消化器官へ送ること)機能の低下した高齢者などに多く発生する病気。唾液や食べ物などと一緒に細菌を吸引することにより発症します。
日本では多くの高齢者が肺炎が原因で亡くなっていますが、70歳以上の肺炎患者の7割以上は誤嚥性肺炎が占めているのが現状です。
嚥下機能の低下は、誤嚥性肺炎になって命を落とすリスクにつながるため、そうなる前の段階から早めの対策が必要なのです。
これまで嚥下機能の改善は、口腔ケアや嚥下体操などの基礎的訓練が主流。しかし近年、海外では積極的に電気刺激療法がおこなわれるようになりました。
一方、日本においては医療行為としての電気治療はあるものの、嚥下障害予防のための電気刺激療法の取り組みは進んでいないのが現状です。
株式会社ルネサンスは、このような状況を踏まえて高齢者施設などでの電気刺激療法を推進するために、嚥下機能低下予備軍への電気刺激療法の実験をおこない、それが高齢者の嚥下機能向上に有効なのかを検証しました。
飲食物を「ごっくん」と飲み込む際、もっとも重要な役割を担うのは舌骨と下顎の骨をつなぐ舌骨上筋という筋肉です。
今回の検証では、嚥下機能低下予備軍の高齢者16名に対して10分間を週に1回、舌骨上筋に通電。これを4週間継続して実施した後、一定時間内に唾液を飲み込んだ回数を測定するテストをおこないました。
その結果、舌骨上筋への電気刺激をおこなった全ての人で嚥下機能の向上が認められました。短時間の電気刺激によって、嚥下機能の改善が図れることが実証されたのです。
ルネサンス社は研究を通じて、同社が運営するデイサービス「元氣ジム」の利用者へ嚥下機能向上プログラムの提供ができるようになったとしており、今後もプログラムの提供を推進していきたいとしています。
嚥下機能障害や誤嚥性肺炎が減れば、高齢者の健康寿命が延びることが期待できます。また、高齢者が食事をおいしく楽しめるようになれば、生活の質が改善するだけでなく、介護する側の負担も軽くなるはず。早くそのような環境が整うと良いですね。
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