11月8日、政府は75歳以上が対象の後期高齢者医療制度の保険料を改正し、所得が高い人の年間上限額を引き上げる方向であると明らかにしました。
高齢化が進み、2025年には団塊の世代が全員75歳以上となります。医療費も一層膨らむ見通しがあり、支払い能力に応じた負担を求めていきたい考えです。
政府の案が通った場合、後期高齢者の医療保険料の年間上限額が、現在の66万円から80万円程度に。対象になるのは、加入者の中でも収入が高い上位約1%で、年間で14万円ほど負担が増える見込みです。
また、年間上限額の引き上げに合わせて、中間所得層の医療保険料も増額になります。
医療保険の今後を話し合う厚生労働省の医療保険部会では、賛否両論の意見が集まっています。
政府の意見に肯定的な委員は「現役世代並みの所得がある後期高齢者の負担が軽い一方、その分を現役世代が負担している。世代間の格差を減らすためにも見直しが必要である」と主張しました。
また、「所得が両極化している高齢者世代の現状を踏まえ、世代間の公平だけでなく、世代内の公平も必要。高所得者層には相応の負担を求めていくべき」という意見もありました。
一方「昨今の物価変動で高齢者は生活が厳しくなっている。またこれまで社会を支えてきたということも考慮して、負担が大きくならないようにしてほしい」と後期高齢者の負担増加に否定的な意見も見られます。
日本に住んでいる人が治療費を気にせず医療を受けられているのは、皆保険制度という世界でも稀な制度があるからです。
これからもみんなが安心して医療を受けられる社会を続けていくために、低所得者層に配慮しながら持続可能な制度にする必要がありそうですね。
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