11月7日、富士フイルム株式会社は、コンピューターが自動で学習し、背景にある法則を発見していくという機械学習を用いた、認知症を判定する新たな手法の研究を開始。高齢者専門の医療機関であり、多くの認知症患者を診察してきた、東京都健康長寿医療センターと共同で研究していくそうです。
今回、富士フイルムが今回試みた検査方法とは、メガネ型の装置で体の動きを解析し、認知症の人に多く現れる運動機能の低下を判定することで、認知症疑いを判定するというものでした。
現在、認知症を確定するためには、専門医が普段の様子を探る問診、MMSEと呼ばれる認知機能を測るテスト、脳の萎縮を確認するためのMRIなどが必要です。
しかし問診やMRIなど多くの検査が必要なため、認知症の判定は長時間かかります。受診した人の肉体的または心理的な負担もかなりのものでしょう。
そこで富士フイルムと東京都健康長寿医療センターは、より早く簡単に認知症を判定できないか模索することにしたのです。
富士フイルムと東京都健康長寿医療センターは、今月7日から、認知症の人約100人を対象に臨床研究を開始しました。
研究では、認知症の人がメガネ型の装置を装着します。そして、その人の視線の動き、まばたきの回数、頭部の傾き、歩行時のバランスなどといったデータを装置のセンサーが読み取り、それをAIが読み込んで解析。認知症診断に有効なデータを収集し、今後の研究に有効な指標の特定をしていきます。
さらに次のステップとして、収集したデータから認知症判定に必要なアルゴリズムを構築し、それから実際に認知症を判定して症例のデータを集めたいとしています。
厚生労働省によると、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。認知症の人を素早く適切な医療または介護サービスにつなげるためにも、この研究には期待したいですね。
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