11月28日、伊藤園は飲み物に「とろみ剤」を入れて飲む人に向けて、はじめからとろみがある「とろり緑茶」を発売しました。
とろり緑茶は、東京大学大学院医学系研究科の社会連携講座「イートロス医学講座」と共同で開発されたものです。
Contents
そもそも「とろみ」とは、あんかけ焼きそばのあんのようにとろとろとした状態のこと。高齢者などは、飲み物や液体状の食べ物をとろとろにする粉状の「とろみ剤」を入れて飲むことがあります。
なぜ高齢者は、飲み物にとろみ剤を入れるのでしょうか?
その理由は、嚥下(えんげ)機能の低下にあります。嚥下とは、食べ物や飲み物を飲み込む力のことで高齢者になるとその機能が衰えてしまうのです。
つまり、嚥下機能が落ちているのにとろみのない飲み物を飲むとむせこむことがあり、場合によっては気管に入る誤嚥(ごえん)が起きてしまうことも考えられます。
健康な成人なら、食べ物や飲み物が気管に多少入ってしまっても咳をして取り除けます。しかし高齢者はその反射機能が働かず、食べ物や飲み物が気管を通過し肺に落ちる危険性があるのです。
肺に落ちると出口がないため、食べ物や飲み物は残り続けて肺炎を引き起こします。
しかしとろみ剤があれば、さらさらな飲み物や食べ物でも口の中でまとまるため飲み込みやすいのです。
誤嚥が引き金となって起こる肺炎を予防するために、嚥下機能が落ちている高齢者に対してはとろみ剤が必要なのです。
以上のように、嚥下機能が落ちた高齢者にとってとろみ剤はなくてはならないものですが、冷たいものに入れるととろみ剤が溶けにくかったり、失敗してとろみ剤がダマになってしまったりすることがあります。
しかし今回のとろみ緑茶は、はじめからとろみがついた状態なので、コップに注ぐだけでとろみがある緑茶を飲めるのです。そのうえ、温めても冷たい状態でもとろみの状態が均一なのも大きなメリットです。
伊藤園は今後ドラッグストアなどのほか、介護施設でも展開を予定しています。このお茶を使えばとろみ剤を溶かす手間がなくなり、介護の負担が少しでも軽減できればいいですね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。