新たな研究で、「コプロコッカス属」と呼ばれる腸内細菌が多い人は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きやすい傾向にあることが明らかになりました。
この研究は、アメリカのシダーズ・サイナイ医療センターによって実施されたものです。
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腸内フローラとは腸内に生息する細菌の環境のことを言います。
人の腸内には、500~1000種類の腸内細菌が生息していると言われています。そんな多種多様な細菌が、腸内に一面に広がると花畑に見えることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになったそうです。
腸内フローラを構成する細菌には、有害な物質をつくる悪玉菌、悪玉菌の侵入を防いだりお腹の調子を整えたりする善玉菌、悪玉菌と善玉菌の様子を探って優勢なほうにつく日和見菌があります。
腸内細菌のうち、悪玉菌が1割、善玉菌が2割、日和見菌が7割を占めています。これらのバランスが乱れると下痢や便秘だけでなく、免疫力低下やうつ病などさまざまな疾患を引き起こすと考えられています。
今回の研究は、アメリカのシダーズ・サイナイ医療センターによっておこなわれました。
研究グループは、40~80歳で、今まで糖尿病と診断されていないアメリカ人352人を2018年から追跡調査。調査期間中に、28人が糖尿病と診断され、135人が糖尿病予備軍の判定を受けました。
研究対象者のデータを分析した結果、食べ物の消化吸収を促す善玉菌の一種である「コプロコッカス属」の細菌が多い人は、糖の代謝を促すインスリンが効きやすい傾向にあることが判明したのです。
逆に「フラボニフラクター属」と呼ばれる腸内細菌が多い人は、インスリンが効きにくい傾向にあることも明らかになりました。
シダーズ・サイナイ医療センターの内分泌遺伝学研究室の所長であるマーク・グダルジ氏は「どの腸内細菌が糖尿病を予防したり治療したりするのに有用であるか調べるためには、さらに詳細な研究が必要だ」と述べました。
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