新たな研究で、タンパク質を適切に摂取しながら筋力運動をおこなった高齢者は、筋肉量が増えて介護が必要な状態になりにくくなる可能性が示されました。
この研究は関西医科大学と日本ハムが共同で実施したもの。研究結果は「日本健康医学会雑誌」という医学誌に掲載されています。
今回の研究は、65歳以上の高齢者27人を対象に実施。対象者は、週2~3回、1日3時間の運動教室に参加。運動教室では、ストレッチ・有酸素運動・筋力トレーニング・リラクゼーションがおこなわれました。
また、タンパク質20gを含む食品を週4回、3ヵ月にわたって対象者に配布しています。
さらに、結果を比較するために、タンパク質を豊富に含んだ食品を与えず運動だけおこなう期間も3ヵ月設けられました。
調査の結果、タンパク質を食品で補充しながら運動した期間では、高齢者の筋肉量と握力が増加したことが判明。一方、タンパク質を補充せず運動だけおこなった期間では筋肉量と握力が低下しました。
高齢者の筋肉量が増えれば、ものを握れるようになったり、立つ座るなどの動作がスムーズになったりします。このように高齢者の筋肉量が増え、自分の筋肉で日常動作をおこなうことができれば、介護が必要な状態になるのを防げる可能性が高まります。
この結果を受けて、関西医科大学の西山利正氏は「タンパク質を摂取しながら適度な運動をすることで、高齢者の要支援・要介護度が戻ることがわかった。また、加工肉を食べても同時に継続的な運動をすることで、コレステロール値が悪くなったりすることもなかった」と話しています。
タンパク質は人体にとって不可欠だと言われていますが、それはどうしてでしょうか?
それは、タンパク質が皮膚や筋肉、血管など生きるのになくてはならない部分を形成しているからです。
加えて、脳の機能をつかさどる神経細胞や、神経細胞に情報を伝達する物質もタンパク質からできています。そのため、タンパク質が不足した状態が続くと、脳の働きが悪くなって記憶力や集中力が低下するリスクが高まるのです。
このように、人が生きるのに欠かせないタンパク質。運動とともに毎日の生活に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう。
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