フィリピン国籍の女性が、妊娠や出産を理由に不当な取り扱いをされる「マタニティーハラスメント」を受けたとして、介護施設や技能実習生の受け入れや調整などをおこなう監理団体に対して訴訟を起こしました。
2023年1月18日、その民事裁判の第1回口頭弁論が開かれました。
今回、訴えを起こしたのは、福岡県にある特別養護老人ホームで働いていたフィリピン国籍の女性です。この女性は、2019年に途上国の人材育成を目的とした「技能実習生」として来日しました。
訴状に書かれた経緯は以下のとおりです。
女性は「私はこんな扱いを受けるべきではない。私の赤ちゃんも同じだ。こんなひどい扱いは許せない」と話し、慰謝料など645万円の支払いを求めています。
施設側はこの訴えを認めず、争う姿勢を見せています。
技能実習制度に介護分野が組み込まれるようになったのは2017年11月と、比較的最近のことです。それから急激に介護分野における技能実習生の人数は増え、コロナ禍が始まる直前の2020年1月時点では1万8000人にまで上っています。
介護分野で技能実習生となるためには、職員や利用者と円滑にコミュニケーションを取るために、初級修了程度の日本語能力が条件です。
このように、技能実習生は日本で働くために外国語を学ぶなどの努力をしています。苦労をして働きに来ている技能実習生には最大限の敬意を払い、適切に扱ってほしいですよね。そして、その取り組みが日本人職員にとっても働きやすい職場につながっていくことでしょう。
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