「運動」についての新たな研究で、1人よりも2人以上でおこなったほうが認知機能低下の防止により効果的であることが明らかになりました。
この研究は筑波大学と山口県立大学が共同で実施したもので、研究結果は「Archives of Gerontology and Geriatrics」という学術誌に掲載されています。
運動が認知機能低下を防止することは以前の研究から指摘されていましたが、一緒に運動する人数が増えると結果にどう影響するのかは明らかになっていませんでした。
そこで研究グループは、1人でする運動と2人以上で一緒におこなう運動では、認知機能に与える影響にどう差異があるのかということについて、高齢者を対象に調査をおこなうことにしたのです。
今回の研究は、茨城県笠間市在住の高齢者(平均年齢77歳)4358人を対象に実施されました。
研究グループは2017年から約4年間対象者に追跡調査をおこない、経過を観察。そこからわかったことを統計解析で検証しました。
研究グループは、まず「1人でおこなう運動と2人以上の仲間同士でおこなう運動はどの程度実践されているのか」について調査。その結果、1人で週2回以上運動している高齢者は41.8%、仲間と一緒に週2回以上運動している高齢者は18.7%いるということがわかりました。
次に、1人でおこなう運動と2人以上の仲間同士でおこなう運動がそれぞれ認知機能に与える影響を分析。その結果、1人で運動すると認知機能の低下が22%抑制されたのに対し、2人以上で運動すると認知機能の低下が34%抑制と、より高い効果があることが判明したのです。
この結果を受けて、研究グループは「高齢者の認知機能の低下を防止するためには、すでに広く実践されている1人でおこなう運動の意義を認めつつ、仲間と一緒に運動することを推奨していくことが重要だ」としています。
1人だとおっくうになりがちな運動も、誰かと一緒なら楽しくできそうです。仲間に声をかけて、一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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