アメリカでおこなわれた研究で、加齢による難聴がある人はそうでない人に比べて認知症を発症するリスクが高い可能性が示されました。
この研究は、2011年にジョンズ・ホプキンズ大学で実施されたものです。
元々聴力に問題がなかった人でも、歳を重ねるにつれて聴力が低下することがあります。
要因はさまざまですが、聴力を司る脳の部位の衰えや、騒音などによる聴覚細胞の損傷などが一因として考えられています。
ジョンズ・ホプキンス大学の研究グループは、過去の研究で明らかになった被験者の認知テストや聴力テストの結果を解析。その結果、被験者の聴力が重度の難聴であればあるほど認知症リスクが高いことが判明しました。
なぜ難聴になると、認知症になる可能性が高まるのでしょうか?
研究グループによると、難聴の人は人の話を聞き取ることに脳のキャパシティを費やしてしまうため、記憶しようとする意識が向かなくなり、結果的に認知機能が低下した可能性があるそうです。
さらに、研究グループは「難聴になりコミュニケーションが困難になると、社会的な孤立が生まれる。孤立感は、認知症の発症リスクを高める可能性がある」と指摘しました。
コロンビア大学とジョージ・ワシントン大学が合同で実施した別の研究では、軽度の難聴であっても認知機能が低下する可能性が示されました。
PTA値と呼ばれる、音が聞こえなくなる値が10デシベル未満の聴力に問題がない人に比べて、音が聞こえなくなる値が11~20デシベルの軽度の難聴の人は、認知機能の低下が見られたのです。
加齢によって失った聴力を元に戻すことはできませんが、補聴器などで聴力をサポートすることはできます。補聴器などを使って他者とコミュニケーションが取れれば、脳も活性化するかもしれませんね。
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