2019年12月、愛知県春日井市にある特別養護老人ホームで、入所していた当時81歳の女性が食べ物をのどに詰まらせて死亡した事故がありました。
遺族は施設側に過失があったとして訴訟。2023年2月28日に名古屋地裁で開かれた裁判で、事故のあった特養に対して1370万円の賠償が命じられました。
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判決によると、女性は認知症で要介護認定を受け、2019年2月に施設に入所したそうです。
それから同じ年の12月12日の午後、食事中に食べ物をのどに詰まらせ心肺停止状態に。その後死亡が確認されました。
裁判では、女性が以前から食べ物をかきこむクセがあり、たびたび嘔吐も見られたことから、「施設側は、女性が食べ物をのどに詰まらせる可能性を予見できた」と指摘。女性が食事をするときには常に見守りをすべきだったのに、職員が目を離したから女性は窒息死したと認定したのです。
施設を運営している社会福祉法人は、「判決の内容を確認し、今後の対応を考える」としています。
なお、今回の判決結果について、介護や医療従事者からは「人手が足りない中で、ひとりの利用者に付きっきりで対応するなんて現実的ではない」などと判決を疑問視する声が多数挙がっています。
高齢者は食べ物を飲み込む力が衰えているため、一般成人に比べて食べ物をのどに詰まらせやすい状態にあります。
高齢者が誤って食べ物をのどに詰まらせたとき、どのように対応すれば良いのでしょうか?
まずは、周囲の人に救急車を呼んでもらいましょう。脳が酸欠状態になっている時間が短ければ短いほど命が助かる確率が上がります。
救急車を待っている間、のどに食べ物を詰まらせた高齢者が咳を出せる状態だったら、強く咳をしてもらいます。軽度であれば、気道をふさいでいた食べ物が吐き出される可能性があります。
咳も出せないくらい、食べ物が完全に気道をふさいでいるようだったら、強く背中を叩くのも有効です。
窒息した高齢者に反応がなくなったら、救急車が到着するまで心臓マッサージをおこないましょう。
今回起こってしまったような事故を防ぐためには、介護施設の職員がいつでも連携できる体制であることが大切です。そのような体制を整えるためにも、余裕のある人員配置をしてほしいですね。
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